恵みありて、インジェラに集う

エチオピア正教徒の食をめぐる生活誌

  • 上村知春(著)/2023年2月
  • 6000円(本体)/A5判上製540頁
  • 装丁:中本那由子

一年の半分を「断食」して過ごす、エチオピアのキリスト教徒たち。かれらにとって、「食べること」「食べないこと」は、いったいどういうものなのだろうか。主食のクレープ「インジェラ」や、コーヒーをはじめとする食べ物・飲み物の生産-調理-消費からみる、「食と宗教」、そして生活。

(ISBN 9784861108297)

目次|contents

はじめに
序章
第1章 アムハラの地理と人、暮らし
第2章 エチオピア正教徒の食生活を基礎づける暦―よき信徒としての実践
第3章 食事の様式
第4章 食事の基盤「インジェラ」―主食と副食のセット
第5章 日常生活に欠かせない飲み物―穀物からつくる酒
第6章 穀物の栽培―インジェラと酒の原料
第7章 インジェラとはちがうよろこび―主食穀物をもとにつくられる軽食
第8章 「非断食の食べ物」―動物性食品
第9章 コーヒーを淹れて、皆とともに飲む
第10章 食べ物の価値判断―「ふさわしさ」と「おいしさ」、有用性
第11章 食の仕事にたずさわる―食材や料理との向きあい方
第12章 調理の担い手の実践―調理者であること、調理者になること
第13章 飲食をつうじて神の力を享受する
第14章 暦に沿った祝い日
終章

おわりに
参照文献
索引

お詫びと訂正

本文中に編集上の不手際で以下のような誤りが生じました。謹んでお詫びして訂正いたします。

●34ページ(太字下線部が訂正箇所)

(誤)テフの名はアムハラ語で「消える(タッファ)」を意味する単語に由来し、じっさいに、穀粒の大きさは長径一〜二ミリメートル、幅〇・六〜一ミリメートル、千粒あたりの重さは二グラムしかない(写真 序-2)(重田 2003: 220–221; Taylor & Emmambux 2008)。

(正)テフの名はアムハラ語で「消える(タッファ)」を意味する単語に由来し、じっさいに、穀粒の大きさは長径一〜二ミリメートル、幅〇・六〜一ミリメートル、千粒あたりの重さは〇・三~〇・四グラムしかない(重田 2003: 220–221; Simoons 1960: 100も参照)(写真 序-2)。

 

●188ページ(太字下線部が訂正箇所)

(誤)序章では、テフがいかに小さいか(長径一〜二ミリメートル、幅〇・六〜一ミリメートル、千粒重約二グラム)に言及したが、シコクビエも十分に小さい。

(正)序章では、テフがいかに小さいか(長径一〜二ミリメートル、幅〇・六〜一ミリメートル、千粒重約〇・三グラム)に言及したが、シコクビエも十分に小さい。

 

著者|author

上村知春(かみむら・ちはる)
国立民族学博物館外来研究員
アフリカ地域研究、食研究、人類学
主な著作に、「聖日を「祝う」──エチオピア正教会信徒の食の実践に着目して」(『文化人類学』印刷中)、「シコクビエ栽培の民族誌的研究── エチオピア北西部アムハラ州西ゴッジャム県の事例」(『農耕の技術と文化』31、2022年)など

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