揺り動かされるヒンドゥー寺院

現代インドの世俗主義、サティー女神、寺院の公益性

  • 田中鉄也(著)/2023年3月
  • 4000円(本体)/A5判上製306頁
  • 装丁:長田年伸

インドの寡婦殉死慣習サティーの規制によって、サティー女神を本尊とする寺院やその信仰はどのように変化してきたのか。またそこにはいかなる人や組織や制度が関与しているのか。

現代インドの公益信託や寺院の利害関係者に着目し、多元化した「公益性」にもとづいて各寺院のあり方が形作られてきた経緯を検討することで、世俗主義と宗教のかかわりを考察する。

(ISBN 9784861108563)

目次|contents

まえがき
序章

第Ⅰ部 公益信託、マールワーリー、サティー女神
第1章 公益信託を支える宗教的・慈善的な基金をめぐる司法的言説
第2章 マールワーリーと宗教的・慈善的な基金
第3章 サティー女神を規制するということ

第Ⅱ部 公益に左右されるヒンドゥー寺院
第4章 公益とコミュニティとのあいだ
第5章 新たな利害関係者と寺院管理の変容

第Ⅲ部 公益を飼いならすヒンドゥー寺院
第6章 揺れ動く公益性
第7章 多元化する寺院の公益性

終章

あとがき
参考文献
索引

著者|author

田中鉄也(たなか・てつや)
1979年、大阪生まれ。関西大学文学部卒業。関西大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文学)。
専門は宗教学、南アジア地域研究。現在、中京大学国際学部准教授。

主な著作に、『インド人ビジネスマンとヒンドゥー寺院運営―マールワーリーにとっての慈善・喜捨・実利』(風響社、2014年)、“Trustee, State and Stakeholder: Hindu Temple Management in Contemporary India, 1957–2012”(Journal of Interdisciplinary Economics 32 (1), 2020)、「カースト族譜と社会関係資本――マールワーリーが具現化する一族の系譜関係」(三尾稔(編)『南アジアの新しい波(上)――グローバルな社会変動と南アジアのレジリエンス』昭和堂、2022年)など。

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