1960s 失踪するアメリカ

安部公房とポール・オースターの比較文学的批評

  • 大場健司(著)/2022年12月
  • 4500円(本体)/四六判上製432頁
  • 装丁:矢萩多聞

「失踪」を鍵語に、作品群から1960年代の時代相を浮かび上がらせる。
「失踪」とは、かけがえのない個人になるためのプロセスだ。

◆第29回(2024年)日本比較文学会賞受賞

(ISBN 9784861108518)

目次|contents

序 章
第一部 脱アメリカの物語
第一章 砂の歌―安部公房『砂の女』とアメリカ文学の「辺境」
第二章 穴の水脈―安部公房『砂の女』とポール・オースター『闇の中の男』
第二部 アメリカ文学との相互交通
第三章 「既成事実」からの失踪―安部公房『燃えつきた地図』とアメリカ文学の「都市」
第四章 「ピカソの石版画」から「泣く女」へ
第三部 エッセイと同時代言説
第五章 一九五〇年代日本におけるアメリカ論ブームと安部公房
第六章 生々しい素顔―安部公房「ミリタリィ・ルック」と軍服をめぐる同時代言説
第七章 SF的想像力と遊牧民―安部公房「異端のパスポート」と人類の起源
終 章

著者|author

大場健司(おおば・けんじ)
1989年、福岡県生まれ。2017年、九州大学大学院地球社会統合科学府博士後期課程単位取得退学。2020年、九州大学より博士(学術)学位取得。専攻は比較文学・比較文化、日本近現代文学。台湾:国立台湾大学外国語文学研究所交換留学(2016-2017年)。韓国:朝鮮大学校外国語学部日本語科助教授(2017-2018年)、台湾:国立国防大学語文中心専任教師(2018-2021年)を経て、現在は九州共立大学共通教育センター講師(2021年-)。
主な研究業績として、共著に松本常彦・波潟剛編『近現代文学と東アジア―教育と研究の多様性に向けて』(花書院、2016年3月)、福岡市文学館編『運動族 花田清輝』(福岡市文学館、2014年11月)など。論文に“Picasso’s Paintings as Allusions: A Comparative Study of Abe Kōbō’s The Ruined Map and Paul Auster’s Ghosts.” Trans-Humanities 9(3). 2016.など。

この本を注文する

Amazonで注文する e-honで注文する 楽天ブックスで注文する