越境のパラダイム、パラダイムの越境

フュスリ絵画から魔法使いハウルまで

  • 今村武、佐藤憲一(編)/2023年3月
  • 4500円(本体)/四六判上製426頁
  • 装丁:矢萩多聞

いかなるパラダイム転換を経て、美的創造活動は今日まで営まれつづけてきたのか。
18世紀から20世紀までのさまざまな転換期における文学作品や文化事象を比較検討し、時代的・地理的・分野的な「越境性」の諸相を明らかにする。
(ISBN 9784861108525)

目次|contents

前書【今村武】
第Ⅰ部:現代イギリス文学【西村醇子】
第1章:ダイアナ・ウィン・ジョーンズの流儀―ファンタジー作家は何と戦ったのか
第2章:ジョーンズと昔話世界―物語、「境界」を超える
第Ⅱ部:二〇世紀アメリカ文学【川村幸夫】
第3章:ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』をめぐって
第4章:ウィリアム・フォークナー『死の床に横たわりて』とそれ以降
第Ⅲ部:世紀転換期イギリス文学【内田均】
第5章:コナン・ドイルの短編小説と視覚情報
第6章:H・G・ウェルズのゲーム作品と写真
第Ⅳ部:近代アメリカ文学【佐藤憲一】
第7章:『白鯨』の内と外―「タウン・ホー号の物語」の時空間
第8章:『白鯨』奪胎―マンガ版『白鯨』研究序説
第Ⅴ部:現代日本文化【杉本章吾】
第9章:「かわいさ」という「繭」の中で―矢沢あい「天使なんかじゃない」における「少女」像の転回
第10章:若年女性の分断を乗り越えて―矢沢あい「ご近所物語」における「少女」像の解体と再構築
第Ⅵ部:日朝演劇・比較文化【金牡蘭】
第11章:村山知義と朝鮮―連帯と朝鮮表象の軌跡
第12章:一九四五年・京城の村山知義―転換期朝鮮演劇の現場で
第Ⅶ部:ドイツ文学・比較文化【今村武】
第13章:フュスリのシェイクスピア
第14章:チューリヒの啓蒙とロンドンの美術
あとがき【佐藤憲一】
人名索引
執筆者紹介

編者|editors

今村武(いまむら・たけし)
東京理科大学教養教育研究院教授。専門は18世紀ドイツ文学、ドイツ演劇。著書に『十八世紀スイス文学とシュトゥルム・ウント・ドラング―源流としての美学的共和主義』(春風社、2022年)、『救いと寛容の文学―ゲーテからフォークナーまで』(共著、春風社、2019年)、『人間関係から読み解く文学―危難の時の人間関係』(共著、日本人間関係学会・文学と人間関係部会編、開文社出版、2014年)、『近代ドイツ文学の萌芽と展開』(南窓社、2012年)、『不道徳な女性の出現―独仏英米の比較文化』(南窓社、2011年)等がある。

佐藤憲一(さとう・けんいち)
東京理科大学教養教育研究院教授。専門は初期近代トランスアトランティック文学文化。著作に『異形のピューリタン―ジョン・ウィンスロップ・ジュニアとトランスアトランティック・トランザクション』(春風社、2020年)、『救いと寛容の文学―ゲーテからフォークナーまで』(共著、春風社、2019年)、『異文化理解とパフォーマンス―Border Crossers』(共著、松田幸子・笹山敬輔・姚紅編、春風社、2016年)、『人間関係から読み解く文学―危難の時の人間関係』(共著、日本人間関係学会・文学と人間関係部会編、開文社出版、2014年)、『知の版図―知識の枠組みと英米文学』(共著、鷲津浩子・宮本陽一郎編、悠書館、2007年)がある。

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