ロマン主義的感性論の展開

ノヴァーリスとその時代、そしてその先へ

  • 高橋優(著)/2023年3月
  • 3600円(本体)/四六判上製326頁
  • 装丁:間村俊一

ノヴァーリスを中心とするドイツ・ロマン主義の著作家たちの活動を「感性論」の視点から精読し、現代におけるロマン主義的感性論の意義を捉えなおす。
さらに福島第一原子力発電所事故についての考察を通してロマン主義的感性論への再認識を促し、ロマン主義の時代からの問題意識が現代にも通底していることを示す。

(ISBN 9784861108358)

目次|contents

序:「世界のロマン化」とロマン主義的感性論
第1章:「触覚という活動的感覚―ポエジー」―ノヴァーリスにおける感性論の展開
第2章:ノヴァーリスの自然科学研究における「霊的現在」
第3章:「一冊の本を聖書に高めること」―聖書計画としての『一般草稿』
第4章:「仲介者」としての「詩的国家」―『信仰と愛』における「身体」としての国家
第5章:「第三の要素」としての宗教―『ヨーロッパ』における宗教哲学
第6章:「戦争は地上になくてはならない」―ノヴァーリスの戦争表象
第7章:「小説は生を扱い―生を記述する」―ノヴァーリスの小説理論
第8章:「自然学の根底に真の統一があるかどうか」―『ザイスの学徒たち』における自然学
第9章:「新しい神話」としての『ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン』
第10章:フリードリヒ・シュレーゲル『ルツィンデ』における「世界のための感覚」
第11章:クレメンス・ブレンターノ『ゴドヴィ』における「官能」と「狂気」
第12章:「なんと罪深い狂気だろう」―ボナヴェントゥーラ『夜警』における「狂気」のモチーフ
第13章:「世界のロマン化」から「世界史の最終章」へ―ノヴァーリス、ブレンターノ、クライストにおける「狂気」の表象
終章:ロマン主義的感性論と「フクシマ」
参考文献
主要人物索引

著者|author

高橋優(たかはし・ゆう)
2000年、慶應義塾大学文学部独文学専攻卒業。2002年、同大学院修士課程修了。2008年、トリア大学独文学専攻博士課程修了。博士(文学)。宇都宮大学講師を経て現在福島大学人間発達文化学類准教授。専門はノヴァーリスを中心とするドイツ・ロマン主義の文学と思想。

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