一般科学教授学綱要

教員養成・授業・研究のための基礎と方向づけ

  • ディートリッヒ・ベンナー(著)、牛田伸一(訳)/2023年7月
  • 5000円(本体)/A5判上製384頁
  • 装丁:長田年伸

学ぶ者の経験や意味は、科学によって一般化できるか――
教えることの開かれた働きは何をもたらすか? 教育/教授することと陶冶/学習することによる知の提示と構築のありようを、教授学の理論・方法・実践として検討し、哲学と科学とが互いに媒介する学問の体系をひもとく。対象や事象の一般化と、この特殊化という両価的な作用とをふまえ、主客を媒介する教授可能性を、知識の数多性と関係づけから方法的に再構成することで捉え直す。また確かさと不確かさを行き来する科学的/日常的な経験とその学との関係を問い、1つのパラダイムや知識形式に位置づけられない、「科学を通した陶冶」の連関を教育の視角から導く。
(ISBN 9784861108204)

目次|Inhaltsverzeichnis

凡例
まえがき
第1章 大学者に関する講義――ヨーロッパとアメリカにおける教授学的な論拠づけと反省の問題史
第2章 一般教育学的かつ一般教授学における基底的な区別
第3章 パラダイムと知識形式――経験、知識、科学、ならびに教授、学習、そして授業の関係
第4章 20世紀のドイツ教育学における科学教授学のアプローチとその発展
第5章 一般科学教授学の構成要素
第6章 具体例
第7章 展望――大学教授学
訳者あとがき
文献一覧
邦訳文献一覧
事項索引
人名索引
著訳者紹介

著訳者|Autor und Übersetzer

【著者】ディートリッヒ・ベンナー(Dietrich Benner)
1941年3月1日ノイヴィートに生まれる。ウィーン大学の哲学者ハインテル(Erich Heintel)の指導を受けて、1965年に博士号を取得。その後ボン大学のデルボラフ(Josef Derbolav)の下で研究助手として研究を継続する。1970年に教授資格論文を提出し、教授資格を取得(ボン大学)。1973年にはミュンスター大学に、東西ドイツの統一後の1991年には、ベルリン・フンボルト大学に招聘される。2009年にフンボルト大学を退職後も、同大学名誉教授として、精力的に研究活動を継続している。ドイツ教育学会(Deutsche Gesellschaft für Erziehungswissenschaft)会長(1990-1994年)、『教育学雑誌(Zeitschrift für Pädagogik)』編集委員長(1996-2001年)、フンボルト大学第四哲学部長(1994-1996年/2002-2006年)などを務める。経歴の詳細はベンナー著/牛田伸一訳『一般教育学――教育的思考と行為の基礎構造に関する体系的・問題史的な研究』協同出版、2014年を参照。

【訳者】牛田伸一(うしだ・しんいち)
1974年2月23日東京都生まれ。創価大学教育学部教授。私費留学(1999年10月-2000年9月ブレーメン大学、2000年10月-2002年3月オルデンブルク大学)ののち、フンボルト大学客員研究員(2013年9月-2014年3月、2021年11月-2022年3月)を務める。主な著訳書に、『トビアスへの26通の手紙(上)』(共訳)第三文明社、2006年、『トビアスへの26通の手紙(下)』(共訳)第三文明社、2006年、『「教育的教授」論における学校批判と学校構想に関する研究――「教授学的学校論研究」の「序説」に代えて』協同出版、2011年、『システムとしての教育を探る』(分担)勁草書房、2011年、『一般教育学――教育的思考と行為の基礎構造に関する体系的・問題史的な研究』協同出版、2014年ほか。

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