時空をかける詩人たち
文理越境のアメリカ詩論
- 江田孝臣(著)/2023年11月
- 3000円(本体)/四六判上製200頁
- 装丁:毛利一枝
ディキンスンと物理学、ソローと冒険的資本主義、クレインの数学的次元超越……。文理を自在に往来し、アメリカ詩論に新地平を拓く。
(ISBN 9784861109010)
目次|contents
序 章 時をかけるエミリ・ディキンスン
(1)“Because I could not stop for Death -”(F 479 / J 712)
(2)ディキンスンの馬車の速度を計算する
(3)相対性理論と19世紀の電磁気学
(4)ディキンスンと相対論
第1章 ディキンスンの物理学
(1)序
(2)ランプの正体
(3)CenterとCircumferenceのレトリック
(4)ディキンスンが「見た」のはいかなる灯台か
第2章 天文学と自己信頼―エマソンの「モナドノック」
(1)序
(2)テクストと詩の概略
(3)「モナドノック」と天文学、「自己信頼」そしてホイットマン
第3章 時空を超える贈与交換―ソローの「冬の池」と氷貿易
(1)「冬の池」のエンディング―商品交換vs.贈与交換
(2)矮小化される氷貿易―「アイス・キング」フレデリック・テューダー
(3)資本主義的人間の理想像
(4)蛇足
第4章 四次元への飛行―ハート・クレインとホイットマン
(1)『荒地』と『橋』
(2)テクノロジー観と未来の不確定性
(3)勝ち目なき賭けへの詩的投資
(4)「ハテラス岬」と「インド航路」
(5)ウスペンスキーの『第三のオルガヌム』
(6)次元の超越
終 章 メイベル・トッドの馬車
(1)The Handbook of Amherst(1891)の著者
(2)馬車を走らせる二人
(3)ピクチャレスク美学の共有
(4)ヒッチコックの地質学
(5)馬車の行方
初出一覧
あとがき
索引
著者|author
江田孝臣(えだ・たかおみ)
早稲田大学名誉教授。アメリカ文学(詩)研究者。1956年、鹿児島県に生まれる。1979年、千葉大学人文学部卒業。1985年、東京都立大学大学院博士課程人文科学研究科英文学専攻退学。著書に『エミリ・ディキンスンを理詰めで読む―新たな詩人像をもとめて』(春風社、2018年)、『『パターソン』を読む―ウィリアムズの長篇詩』(春風社、2019年)。訳書:ルイーズ・グリュック『アヴェルノ』(春風社、2022年)、D.W.ライト編『36 New York Poets ニューヨーク現代詩36人集』(思潮社、2022年)。共訳:D.W.ライト編『アメリカ現代詩101人集』(思潮社、1999年)。