帰属の美学

板前の国籍は寿司の味を変えるか

  • Jean Lin(著)/2024年1月
  • 4500円(本体)/四六判上製302頁
  • 装丁:中本那由子

あなたは作品だけを見てその価値を判断できますか?

異国の食べ物はどのようにエキゾチックなのか。そのファッションはどうして革新的なのか。文化的盗用はなぜ問題となるのか。
ある対象をその文脈をふまえながら美的に判断する際のメカニズムについて、芸術作品を含むさまざまな文化現象を例とし考察する。

(ISBN 9784861109072)

目次|contents

まえがき

序論

1 帰属的性質の認識論

 1・1 帰属的性質と集団相対主義

 1・2 集団基準と個人基準

 1・3 帰属的性質の種類と機能

 1・4 帰属的性質は美的価値をもたらすか

2 文化の境界から生じる価値

 2・1 外部者と内部者

 2・2 マジョリティとマイノリティ

 2・3 制作者の文化的アイデンティティの相対的客観性

3 真正性と道徳性

 3・1 真正性の追求に伴う不道徳性

 3・2 カテゴリ新設論法

 3・3 道徳的価値と美的価値

板前の国籍は寿司の味を変えるか

4 芸術の境界から生じる価値

 4・1 芸術の境界の曖昧化と再構築

 4・2 類似するカテゴリの内実

 4・3 類似性の種類

5 芸術への帰属

 5・1 境界事例は複数のアイデンティティを持てるのか

 5・2 芸術の制度と機能の相互関係

 5・3 境界事例はいつ芸術なのか

 5・4 芸術における集団相対主義

結論

あとがき

参考文献

索引

著者|author

Jean Lin(ジーン・リン)

筑波大学芸術系 助教。専門は美学、芸術学
ミシガン大学アート・デザイン学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科修士課程・博士課程修了。博士(文学)。

主な著作に、Multiple Identities of Borderline Cases in Art(The Nordic Journal of Aesthetics, 65, 2023)、On Appreciating Artworks Involving Cultural Properties(Aesthetics, 23-24, 2021)、「創造的なカテゴリにおける真正性の問題――芸術と料理をめぐって」『美学芸術学研究』38、2020)がある。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する