ひとつとして同じモノがない

トヨタとともに生きる「単品モノ」町工場の民族誌

  • 加藤英明(著)/2024年1月
  • 4300円(本体)/A5判上製266頁
  • 装丁:長田年伸

現代工業社会においてモノをつくるとはどのようなことか。
従来ほとんど光が当たることがなかった「単品モノ」町工場へのフィールドワークから、愛知県西三河地域の町工場がどのような技術や工夫、誇りをもってモノづくりをおこない、どのようにトヨタとともに関係し合いながら発展してきたのか、そのダイナミズムを明らかにする。

(ISBN 9784861108884)

目次|contents

まえがき

序章 現代工業社会の技術の民族誌に向けて
第一節 先行研究
第二節 本書の視座と構成、調査概要

第一章 自動車産業の技術史―トヨタを事例に
第一節 トヨタによる量産のはじまり―総力戦体制下のもとで
第二節 人から設備へ
第三節 「トヨタ生産システム」の確立
第四節 トヨタのグローバル展開
第五節 小括

第二章 コストダウンに抗する―注文主と町工場
第一節 愛知県における町工場の広がり
第二節 コストダウンに対する町工場の動き
第三節 小括

第三章 ヨコのネットワーク―トヨタのモノづくりの裏側で
第一節 「単品モノ」のネットワーク
第二節  材料を売る―問屋と町工場のあいだで
第三節 手配する
第四節 依頼を受ける町工場
第五節 小括

第四章 仕事場をつくる―モノづくりの民族誌1
第一節 町工場に流通する機械
第二節  仕事場をめぐる試行錯誤 の変遷(一九七一年~現在)
第三節 機械と道具
第四節 小括

第五章 「単品モノ」をつくる―モノづくりの民族誌2
第一節 部品製作の小史
第二節  H氏の技術的実践
第三節 工程をつくる
第四節 小括

終章 現代工業社会の技術とは

あとがき
参考文献
索引

著者|author

加藤英明(かとう・ひであき)

南山大学人類学研究所プロジェクト研究員。
専攻・専門は、文化人類学、技術研究。
主な著作に、「金属切削加工に従事する町工場の技術──シェーン・オペラトワール論を分析視座として」(『物質文化』 96 、2017年)、「「公差」におさめる──システム、技術的実践、企業間関係 」(『年報人類学研究』12、2021年)、「新旧の工作機械の使用をめぐる町工場のモノづくり──デジタル・物質性・技能の観点から」(後藤明監修、大西秀之編『モノ・コト・コトバの人類史――総合人類学の探求』、雄山閣 、2022年)。

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