異なる者の出会いと共存

西アフリカ・ムスリムの人類学的聖者伝

  • 坂井信三(著)/2023年2月
  • 5000円(本体)/A5判上製352頁
  • 装丁:コバヤシタケシ

西アフリカのムスリムは、外来のイスラームとの出会いと在来の文化との共存をどのように生きたのか。
19世紀から20世紀初頭にかけて生きた三人のムスリム知識人の生涯と思想を、彼らの時代・社会を構成する様々な対立的要素と結び合わせながら描く「聖者伝」の形式によって、口頭伝承と文書記録から成るこの地の「知の布置構造」や社会倫理、そして「聖者の生成」を要請する社会状況を考察する。

(ISBN 9784861109119)

目次|contents

序章 「異なる者の出会いと共存」

第一部 ジャのアルファ・ボアリ・カラベンタ:嘆願する聖者
第1章 背景
第2章 伝承
第3章 嘆願する聖者

第二部 シンサニのカラモコ・ウスマン・ソソ:「戦争の家」のムスリム知識人
第1章 マルカ・ムスリムの文書研究の課題
第2章 状況
第3章 文書
第4章 マルカ・ムスリムの自己像

第三部 バンジャガラのチェルノ・ボカール・サーリフ・タル:「唯一以外であり得ない神」
第1章 植民地支配とチェルノ・ボカールの生涯
第2章 資料
第3章 チェルノ・ボカールの宗教思想

終章 対立を担う「聖者」たち

あとがき
文献
索引

著者|author

坂井 信三(さかい・しんぞう)
南山大学名誉教授。専門は西アフリカの歴史人類学。
主な著書等に、『イスラームと商業の歴史人類学―西アフリカの交易と知識のネットワーク』、(2003年、世界思想社)、「口頭伝承からみたジャ」(川田順造編『ニジェール川大湾曲部の自然と文化』1997年、東京大学出版会)、M.グリオール『水の神―ドゴン族の神話的世界』(竹沢尚一郎と共訳、1981年、せりか書房)などがある。

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