モビリティと物質性の人類学

  • 古川不可知(編)/2024年3月
  • 3300円(本体)/A5判並製280頁
  • 装丁:コバヤシタケシ

人と物が行き交うグローバルな世界と移動論的転回のなか、大地と海の起伏を感じ、乗り物に揺さぶられ、汗をかきながら移動する。人々と「私」の経験とともに、モビリティを再考する論集。

本書の「序章」(古川不可知 著)を公開しています:「序章 物質の世界をかきわけて」pdf

 

(ISBN 9784861109126)

目次|contents

序章 物質の世界をかきわけて(古川不可知)

第一部  ともに行く/変容する―身体
第1章 「儀礼化」する現代徒歩巡礼―反復の氾濫による連続性とその時空(土井清美)
第2章 ケニアの自転車競技選手の「ラウンドな世界」―移動を重ねてならされる、滞留がサイクルする日常(萩原卓也)
第3章 移動する身体と身分証―インドにおけるチベット難民の移動をめぐる物質的実践(片雪蘭)
第4章 モバイルハウスの民族誌―動く住まいとノマドの共生成をめぐる日米仏の事例から(左地亮子)

第二部  作り出す/反転する―インフラストラクチャー
第5章 環境に棲まうインフラ―流れ橋が刻むリズムと集める空間(難波美芸)
第6章 不可視性に抗して〈観る〉ために―ジープニーをケアするインフラ労働(西尾善太)
第7章 未知の故郷への帰還―ソロモン諸島マライタ島の道路建設にみるインフラストラクチャーの両義性(橋爪太作)

第三部  探る/流動する―環境
第8章 ヒマラヤ山岳観光のモビリティと斜面の質感―山間部の移動をめぐる変化と連続性について(古川不可知)
第9章 多島海のナヴィゲーション―環境のなかを動く身体(中野真備)
第10章 定住した移動民のモビリティ―北西インドに暮らすジョーギーの野営と住まい方(中野歩美)
第11章 難民移動とポリティクス―逃避と越境における南スーダン人の身体、感覚、滞留(村橋勲)

あとがき
執筆者紹介

編者|editor

古川不可知(ふるかわ・ふかち)
九州大学大学院比較社会文化研究院・講師
専門:文化人類学/ヒマラヤ地域研究。
主な著作に、『「シェルパ」と道の人類学』(亜紀書房、2020年)、レーン・ウィラースレフ『ソウル・ハンターズ―シベリア・ユカギールのアニミズムの人類学』(奥野克巳、近藤祉秋との共訳、亜紀書房、2018年)、「インフラストラクチャーとしての山道―ネパール・ソルクンブ郡クンブ地方、山岳観光地域における「道」と発展をめぐって」(『文化人類学』83(3)、2018年)など。

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