海と路地のリズム、女たち

モザンビーク島の切れては繋がる近所づきあい

  • 松井梓(著)/2024年3月
  • 5000円(本体)/A5判上製338頁
  • 装丁:大田高充
  • 装画・挿画:長谷若菜

海の波や天候は生計を左右する。かつて栄えた都市は現在では廃れて産業を失い漁村となった。稠密に建てられた家々のあいだに路地が張り巡らされ、住居では複数の家族が共に住む。モザンビーク島の女性たちの近所づきあいは、こうした繋がりのなかから生まれる。
一方で彼女たちは、いくつもの仕方でみずからを切り離し、人づきあいのバランスを調整する。あけすけなゴシップを言い合う、家族どうしでの食べ物のやりとりをバタリと打ち切る。それらは島の間延びしたリズムからすれば、あまりにドライな切断に見える。
―――本書が描くのは、こういったことだ。

 

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(ISBN 9784861109546)

目次|contents

はじめに 変転する関係に触発される
序章  繋がることと切り離すこと
第一章 モザンビーク島という舞台―環境、歴史、社会、女性
第二章 居住空間の形成史、空間の特徴と近所づきあいのリズム
第三章 海がもたらす時間性―変動と確実性のリズム
第四章 誰と住まい、誰と食べるか―住居内での食のやり取り
第五章 濃密な関わりあいとその変転―親密さと摩擦を行き来する
第六章 ゴシップの渦中で共在する
終章  受け流すこと、委ねすぎないこと

著者|author

松井梓(まつい・あずさ)

人間文化研究機構 人間文化研究創発センター 研究員/国立民族学博物館 環インド洋地域研究拠点 特任助教
専攻・専門:アフリカ地域研究・文化人類学
主な著作に「ゴシップの渦中で共在する:モザンビーク島の女性たちの近所付き合い」『アジア・アフリカ地域研究』(21(2)、2022年)など。

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