老アブー

  • ナタリー・ド・クルソン(著)、髙井邦子・大野デコンブ泰子(訳)/2025年1月
  • 2500円(本体)/四六判・仮フランス装220頁
  • 装丁:中本那由子

 

老いた父をめぐる風景

北フランスの町、ペリクールで一人暮らしをしている老父アブー。旧家の末裔である父、絶対的な家父長として君臨していた父が、今や老いて認知症になっている。この父をどうしたらいいか。子どもたちにとって必ずしも愛しい父ではないが、立派に生きた過去を持つ父を交代で世話をし、その様子をメールで報告し合う。そこに子どもたち一人ひとりのこれまでの人生が自然と浮かび上がる。

父と子どもたちの関係、老い、介護を巡る物語。
(ISBN 9784861109980)

目次|Contents

すべてのDの喪失の喪失

虫の知らせ
老いた林檎の木
黒いもの
超人ハルク
ユーロ王
徘徊
一〇〇歳
古い弾丸
地震地帯(東日本大震災)
余命いくばく

訳者あとがき

著訳者|Author and Translator

【著者】
ナタリー・ド・クルソン(Nathalie de Courson)
1951年パリ生まれの作家、詩人、翻訳家。パリ大学(仏文学)博士。元高校教師。著書に Nathalie Sarraute – la peau de maman (L’Harmattan 出版、2011年)、Eclats d’école (Le Lavoir Saint-Martin 出版、2014年)がある。翻訳書(スペイン語からフランス語)に Estela Puyuelo著、Tous les vers à soie (La Ramonda出版、2021年) 等。

【訳者】
髙井 邦子(Kuniko TAKAI)
明治大学、明治学院大学、成蹊大学、國學院大學等、元非常勤講師。
共訳書に、アニー・アンジュー『特性のない女』(言叢社)、フェリックス・ナダール+ポール・ナダール『パリの肖像 ナダール写真集』(立風書房)、ニコラ・アブラハム、マリア・トローク『表皮と核』(松籟社)

大野デコンブ 泰子(Yasuko ONO-DESCOMBES)
元仏国オルレアン大学文学部准教授。仏国立東洋言語文化学院(INALCO)博士。パリ第7大学(仏文学)修士。米国ジョンス・ホプキンス大学(西洋美術史)修士。慶應義塾大学(仏文学)学士。専門は日本文化史および比較文化。
著書に、Kenzan, potier ermite – regards sur un artiste japonais de jadis (L’Harmattan 出版、2011年)。

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