道をむすぶ 時をたがやす

台湾原住民族アミ・カトリック信者の近現代誌

  • 岡田紅理子(著)/2025年5月
  • 5400円(本体)/A5判上製388頁
  • 装丁:大田高充

「キリスト教徒になること」と「キリスト教徒として生きること」
キリスト教信仰と「伝統文化」が複雑に絡み合いながらアイデンティティを未来へとつなげてきた、台湾の先住民族であるアミの人々の生の過程を描く。

「(表面的・形式的ではない、本当の)信仰」を身に付け、「篤い信仰」を持ったのか否か、あるいはキリスト教の信仰を「真に受容した」のか否かは、信者自身による申告や他者による観察によって、客観的かつ相対的に判別できるのだろうか。在来のコスモロジーにおけるパンテオンとカトリック教会の教理における神や霊的・聖的な神聖の存在を変換可能とみなすことは、超越的唯一神の崇拝とは相容れない解釈なのだろうか。もしくは、在来のコスモロジーとの親和性を見出しながら解釈されたものは、キリスト教信仰とは呼べないのだろうか。(中略)救済品を獲得したことへの感謝の想いから、集いに参加したり、祈ったり、あるいは洗礼を受けることを決断したりする行為を、「信仰」とはみなせないのだろうか[本書「おわりに」より]

(ISBN 9784868160076)

目次|contents

序論
第一部 アミとカトリシズム
第二部 アミの入信
第三部 アミの都市移住と都市生活
第四部 都市アミとカトリック信者共同体
おわりに

あとがき
参考文献一覧
索引

著者|author

岡田紅理子(おかだ くりこ)

ノートルダム清心女子大学・講師

専攻・専門:文化人類学、台湾地域研究

主な著作に『都市原住民の生活誌:台北に移住したアミの「都市」、「故郷」、「共同体」』(Monograph Series  vol. 13)(上智大学アジア文化研究所、2013年)、「「救済品」とキリスト教:米援をめぐるカトリック宣教とアミの入信の諸相」(『台湾原住民研究』第24号、2020年)、「呼応する教会と神学:台湾のキリスト教会と先住民族からの考察」(『宣教学ジャーナル』第17号、2023年)など。

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