
響きあうポーとディケンズ
- 松本靖彦、西山けい子(編)/2025年5月
- 3600円(本体)/四六判上製244頁
- 装丁:矢萩多聞
ポーとディケンズはどのように出会い、すれ違ったのか?
ポーとディケンズの接点や共通点を手がかりとして、彼らの文学がどのような関係にあるのか、彼らはお互いのことをどのように見ていたのか、などを考察する8つの刺激的論考。
(ISBN978486816033)
目次|Contents
第1章 鴉、鴉、鴉―ポーとディケンズ、濡れ羽色の縁(松本靖彦)
第2章 謎解きは書評のあとで―ディケンズとポーの「謎を解く」(渡部智也)
第3章 アメリカ社会と大衆へのまなざし―ポーとディケンズの批評・風刺(福島祥一郎)
第4章 短編小説の技法―ポーがディケンズから学んだこと(西山けい子)
第5章 ポーとディケンズの夜歩き―「群集の人」と「夜の散策」(松本靖彦)
第6章 狂人の革命を描く―ポーとディケンズの作品におけるフランス革命(岡本晃幸)
第7章 ディケンズとポーの描く幽霊、怪奇―一九世紀科学への関心(橋野朋子)
第8章 死体とユーモア―ポーとディケンズにおける無気味と笑いの交差(西山けい子)
編者|Editors
松本靖彦(まつもと・やすひこ)
東京理科大学教授
主な業績:「『互いの友』と『女王即位五十年祭の年に』にみる広告と消費(商品)文化」『ディケンズとギッシング―底流をなすものと似て非なるもの』(大阪教育図書、2018年)、“Perverted Virtue?: Jasper’s Evilness in The Mystery of Edwin Drood Readdressed.” Dickens and the Anatomy of Evil: Sesquicentennial Essays(Athena Press、2020年)、『〈線〉で読むディケンズ―速記術と想像力』(春風社、2022年)、「動かない人形のドラマ―ディケンズを通してみる人と人形(ひとがた)の関わり方」『ヴィクトリア朝文化研究』第22号(2024年)。
西山けい子(にしやま・けいこ)
関西学院大学教授
主な業績:『エドガー・アラン・ポー―極限の体験、リアルとの出会い』(新曜社、2020年)、「正直な人間が嘘をつくとき―『八月の光』における嘘と法外な歓待」『フォークナー』第23号(三修社、2021年)、「ポーにおける絵画の効果―肖像とアナモルフォーシス」『ポー研究』第16号(2024年)、「アウラとしての抒情―カーソン・マッカラーズの『結婚式のメンバー』を読む」『アメリカン・ポエジーの水脈』(小鳥遊書房、2025年)。