イタリア・ルネサンスと東洋

美術にみる東西文化交流

  • 田辺清(著)/2025年6月
  • 3900円(本体)/A5判上製176頁
  • 装丁:長田年伸

古今東西の作品をまなざし、交流の光景を描く
多様な地域や時代を想像する――
風景・肖像・静物という近代絵画における主要ジャンルで、レオナルドの影響下にあった画家たちを採り上げ、それらの作品の東洋的性格や、東方と古典古代からの着想や影響を考察する。レオナルドを中心とする中世後期から近世に至る西洋の美術家たちが、どのように東洋や東方に関心を持ち作品に活用していったかを、共通の自然観や審美眼を手がかりに解き明かす。
(ISBN 9784861109690)

目次|Contents

第1章 東西の自然観と審美眼
第2章 風景・肖像・静物
 1.東西絵画にみられる狩猟表現
 2.東西風景画における古代の伝統
 3.レオナルド・ダ・ヴィンチの背景風景――水墨画との関連について
 4.東西の肖像画にみられる「心の動き」について
 5.絵画にみられる楽器描写――東西の比較を中心に
第3章 文化交流と美術
 1.素描にみられる東西文化交流
 2.ラファエッロの素描―古典古代の起源と東方
 3.レオナルド・ダ・ヴィンチと東方(Ⅰ)――《聖ヒエロニムス》をめぐって
 4.ルネサンス絵画と中国陶磁器(Ⅰ)
 5.ルネサンス絵画と中国陶磁器(Ⅱ)
 6.レオナルド・ダ・ヴィンチと東方(Ⅱ)――《岩窟の聖母》をめぐって
 7.再考レオナルド・ダ・ヴィンチと東方
 8.レオナルド・ダ・ヴィンチと古典古代――東方との関連について
 9.レオナルド・ダ・ヴィンチの素描様式と東方――初期作品と《レダと白鳥》をめぐって
おわりに――「東洋」と「東方」
初出一覧
図版目録
索引

著者|Author

田辺清(たなべ・きよし)
大東文化大学名誉教授。専門はルネサンス絵画史・比較芸術学。1952年、千葉県生まれ。1978-81年、ロンドン大学付属コートールド美術研究所に聴講生として留学。1985年、成城大学大学院博士課程単位取得退学。1987-2023年、大東文化大学国際関係学部で教鞭をとる。2017-21年、大東文化大学図書館長。主要著書・論文に『平凡社版・世界の名画2 レオナルド・ダ・ヴィンチ』(平凡社、1983)、『レオナルドの教え――美術史方法論研究会論集』(共著、ボーダーインク、2013)、『天心をめぐる人々』(代表編著、大東文化大学東洋研究所、2020)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの源泉――様式・文学・人物表現』(春風社、2023)、「フラ・バルトロメオの素描――素材と様式による考察」(『上原和古稀記念美術史論集』、上原和古稀記念美術史論集刊行会、1995、pp. 466–84)、「ラッファエッロと祭壇画――《バルダッキーノの聖母》をめぐって」(関根秀一編『イタリア・ルネサンス美術論――プロト・ルネサンス美術からバロック美術へ』、東京堂出版、2000、pp. 151–61)、「ラファエッロと古代――《廃墟の風景》(ウインザー王立図書館所蔵)を中心とした考察」(前田富士男編『伝統と象徴――美術史のマトリックス』、沖積舎、2003、pp. 66–79)など。

 

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