幻想と怪奇の英文学V

関西疾風編

  • 東雅夫、下楠昌哉(責任編集)/2025年10月
  • 3000円(本体)/四六判上製422頁
  • 装丁:矢萩多聞

気鋭の文学者らが論じた幻想文学の本格的な研究・批評の集成、第5弾!
関西の若手研究者を中心とした論考群に加え、「首なし騎士」伝説について論じた東雅夫氏によるエッセーも収録!
(ISBN 9784868160632)

目次|contents

前口上【東雅夫】

第1部 吸血鬼 vs. ヴァンパイア
無声映画と溢れる分身―懸賞映画小説「踊る幻影」の世界【西川貴子】
ヴァンパイアをめぐる〈皮膚〉と美醜の問題―ルスヴン、クラリモンド、カーミラ、ドラキュラを中心に【森口大地】
吸血鬼をヴァンパイアと呼ばなかった男―ラフカディオ・ハーンと血を吸う怪物たち【下楠昌哉】
第2部 この世のあわいの英詩の園で
死の床に横たわりて―「物」としてのジョン・ダンの生と死の身体【友田奈津子】
循環するコモンプレイス―初期近代読書文化と『妖精の女王』第一巻【円浄ゆり】
イギリス・ロマン主義とゴシック―ワーズワスの『ソールズベリー平原』を中心に【金津和美】
幕間 「首なし騎士」に魅せられて【東雅夫】
第3部 メイク・アメリカ・ファンタスティック
女が語り始めるとき―エドガー・アラン・ポーと霊との交信【池末陽子】
セアラ・オーン・ジュエットの幻想小説―哀しい怪物たちと恐ろしい人々【斎藤彩世】
ルイーザ・メイ・オルコットが描く「ミイラの呪い」【吉田朱美】
『オズの魔法使い』における虚偽と政治の可能性―日本文学との比較をとおして【山辺省太】
第4部 英国とアイルランドの「あなたの知らない世界」
人を撮るカメラ、人を撃つカメラ―E・W・ホーナング『カメラの悪魔』【金谷益道】
寄る辺ない者たち、共闘せよ!―フラン・オブライエン『第三の警官』における自転車との接続【遠藤徹】
反転する別世界―C・S・ルイスの『魔術師のおい』とスザンナ・クラークの『ピラネージ』における対照的な他者性【野田ゆり子】
曖昧になる生と死の境界線―ローラ・パーセルの『象られた闇』【諏訪暁】

対談【下楠昌哉×東雅夫】
執筆者紹介(東雅夫によるメール・インタビュー)
あとがき

編者|editors

東雅夫(ひがし・まさお)
神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。『幻想文学』と『幽』の編集長を歴任。
著作に『遠野物語と怪談の時代』(角川選書、第64回日本推理作家協会賞受賞)、『なぜ怪談は百年ごとに流行るのか』(学研新書)、『クトゥルー神話大事典』(新紀元社)、『文豪たちの怪談ライブ』(ちくま文庫)、『日本幻想文学大全』『世界幻想文学大全』(編著、ともに全三冊、ちくま文庫)など。
下楠昌哉(しもくす・まさや)
東京都生まれ。同志社大学文学部教授・博士(文学)。著作に『妖精のアイルランド―「取り替え子」の文学史』(平凡社新書)、『イギリス文化入門』(責任編集、三修社)、『良心学入門』(共著、岩波書店)、編訳書に『妖精・幽霊短編小説集―『ダブリナーズ』と異界の住人たち』、『雪女・吸血鬼短編小説集―ラフカディオ・ハーンと怪奇譚』(共に平凡社ライブラリー)など。

この本を注文する

Amazonで注文する 楽天ブックスで注文する 版元ドットコム