空腹のアイルランド
ジェイムズ・ジョイスの大飢饉表象を読み解く
- 田多良俊樹(著)/2026年2月
- 3100円(本体)/四六判上製198頁
- 装丁:矢萩多聞
19世紀なかば、ジャガイモの凶作に端を発し、100万人の餓死と100万人の国外流出をもたらしたアイルランド大飢饉。この災厄はジョイスの作品でどのように表象されているのか。『ダブリンの市民』『若き日の芸術家の肖像』『ユリシーズ』を詳細に分析し、ジョイスが秘めていた政治的意思を読む。
(ISBN9784868161073)
目次|Contents
序章 ジェイムズ・ジョイスとアイルランド大飢饉
第一章 マンガンとミッチェルを読むジョイスを読む――大飢饉人災説の系譜とテクストを介した追体験
第二章 ポリー・ムーニー、あるいは謀略のタイピスト――「下宿屋」における大飢饉後の晩婚化社会と女性の就労
第三章 「ベルファストの贈り物」、あるいは大飢饉後のアイルランドにおける「魔女」――「土」の政治性を再考する
第四章 その名を語りえぬ亡霊――「死者たち」に取り憑く大飢饉の記憶
第五章 傷ついたジャガイモ、あるいはテクストの政治的無意識――『若き日の芸術家の肖像』と『次こそ必ず』における大飢饉表象の比較を通して
第六章 「硬く、黒く、しなびたジャガイモ」の政治学――ポスト大飢饉小説としての『ユリシーズ』
終章 空腹のアイルランドとジョイスの渇望
著者|Author
田多良俊樹(たたら・としき)
1977年、熊本県生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了・博士(文学)。現在、安田女子大学文学部准教授。専門は英文学、アイルランド文学。共著に、『百年目のユリシーズ』(松籟社、2022年)、『ジョイスの挑戦―『ユリシーズ』に嵌る方法』(言叢社、2022年)、『幻想と怪奇の英文学IV―変幻自在編』(春風社、2020年)などがある。
