平等主義暴力

ポスト狩猟採集民トゥワとのマルチモーダル人類学

  • ふくだぺろ(著)/2026年3月(4月下旬より発売開始予定)
  • 4600円(本体)/A5判上製352頁
  • 装丁:松本久木
  • 特設サイト:橋本麦

「支配のための暴力」の向こうにある「共在としての暴力」

中央アフリカに住む元狩猟採集民トゥワは、9日に1度は流血の乱闘を起こす。
だが次の瞬間には歌とダンスがはじまり、笑いがはじける。
分断や支配を生まない暴力とグルーヴの探究から感情=身体=政治を問いなおす―――
特設サイトとも連動する、文字・映像の〈マルチモーダルな知〉の実践へ。

 

彼らの暴力には、他人を支配しようとする意志がほとんど見られない。彼らにとって暴力とは、怒りや悲しみといった感情と身体の生成的な交感であり、統制や支配の手段ではない。むしろ暴力を許容することこそが、平等で平和な社会性を生みだす基盤となっているのではないか。――「はじめに」より

 

いたるところから噴きだし、乱反射する二〇人あまりの声という声。女、男、子ども、老人。みなが叫んでいる。パパン。パンッパパパン。パパンッパン。二、三、四、五。様々なリズムで声にはさまれ、声を衝き動かすハンドビート。手だけではない。手に持ったサンダルを叩く音。棍棒を地面にたたきつける音。鉈をたたきつける音。――「はじめに」より

 

※フィールドに同行した著者の妻、福田ゆみによる人類学者観察日記つき。

 

本書の「はじめに」をこちらからお読みいただけます。

 

(ISBN 9784868160748)

目次|contents

はじめに

序章
第1章 映像
第2章 背景
第3章 闘争
第4章 音楽
第5章 罵倒
第6章 撮影
第7章 歴史
終章

あとがき
参照文献
索引

著者|author

ふくだぺろ
マルチモーダル人類学者、詩人、アーティスト。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科特別研究員(学振PD)。立命館大学先端総合学術研究科博士課程修了。博士(学術)。Forward Prize for Poetry 選奨(2020)、マンチェスター国際映画祭実験映画賞受賞(2016)。

【主要業績】
論文 「「わたしたちは毎日殺し合っている」―トゥワ·ピグミーの平等主義的暴力とポリエモーション=ボディ 」(2025)『文化人類学』89(4):495-515
映像 『ドッグ·シット·フード』(2025)
詩集 『flowers like blue glass』(2018)Commonword
展示 《SOS 応答と対話で「何か」を探す》(2025)武蔵大学、西野正将・小森真樹との共作

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