
神による〈記憶〉と死者のための祈り
日本ハリストス正教会の定着過程をめぐって
- 佐﨑愛(著)/2025年2月
- 5500円(本体)/四六判上製512頁
- 装丁:中本那由子
日本の正教徒は、なぜ死者のために祈るのだろうか?
実際のところ死後にどうなったかが分からないという点に加えて、天国にいる場合でも死者がより神の近くに行けるよう祈るのだという、このようなある種の死に対する明るさが、正教会における死に関する受け止め方のもっとも大きな特徴である。(本文より)
(ISBN9784861109904)
目次|Contents
図・表・写真一覧
凡例
はじめに
序章 日本にキリスト教はいかに定着したか
I部 日本ハリストス正教会の概観
第1章 日本ハリストス正教会の歴史的概要
第2章 日本ハリストス正教会の儀礼
第3章 日本ハリストス正教会の死生観と神による〈記憶〉
II部 日本ハリストス正教会の儀礼実践
第4章 新しい〈供養〉儀礼「月例パニヒダ」
第5章 日本の正教徒宅の家庭祭壇
第6章 葬儀と墓地
終章 日本ハリストス正教会の定着過程
あとがき
附録
(1)日本ハリストス正教会信徒数の推移
(2)日本ハリストス正教史年表
(3)日本正教会の神品・教衆ほかの名称一覧
(4)アンケート調査①:質問紙とその結果(対象:日本全国の正教会)
参考・引用文献
索引
著者|Author
佐﨑愛(さざき・あい)
1992年、大阪生まれ。北海学園大学人文学部卒業。東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、東北大学文学部助教。専門は宗教学、主な関心は日本ハリストス正教会の死者儀礼、死者の弔いをめぐる儀礼やモノの現代的変容。
・主な著書
共著に、「近現代日本の正教会」(キリスト教文化事典編集委員会編『キリスト教文化事典』丸善出版、2022年)、主な論文に「日本ハリストス正教会の〈死者の記憶〉」(『論集』46号、2019年)、「家庭祭壇に置かれる「モノ」の物質性――日本の正教徒宅にある家庭祭壇の比較を通して」(『東北宗教学』15号、2019年)など。