
学校改革としてのイエナ・プラン
ペーター・ペーターゼンの自律的教育科学の構想を訪ねて
- 安藤和久(著)/2025年2月
- 6300円(本体)/A5判上製416頁
- 装丁:矢萩多聞
学校を改革するとはいかなることか
教育共同体による創造的な実践――
1924年よりイエナ大学附属学校で開始され、「自由で一般的な民衆学校」に向けた学校改革であるイエナ・プランと、その創始者ペーターゼンによる自律的教育科学の構想に立ち戻り、その理念と展開を問う。また、ペーターゼンの教育思想、同校での教育実践や改革の過程、同時代の他校のイエナ・プランによる学校改革といった変遷を解き明かし、これからの学校改革のあり方を、教育と改革の関係、および授業指導・教育学研究・教師教育から展望する。
(ISBN9784861109720)
目次|Contents
序章 本書の目的と構成
第一節 研究の目的および対象
第二節 先行研究の検討と研究課題の設定
第一章 ペーターゼンの自律的教育科学の構想
第一節 ペーターゼンの自律的教育科学における学校改革の構想
第二節 教育学的事実研究による教育学の科学的自律と学校改革
第三節 教育学的事実研究を手がかりとした学術的な教師教育の設計
第二章 ペーターゼンによるイエナ・プランの授業指導論
第一節 授業指導論の理論的背景
第二節 授業指導論の構造と特質
第三節 イエナ大学附属学校における授業指導の実際
第三章 1924-1950年のイエナ・プランによる学校改革過程
第一節 イエナ大学附属学校での学校改革としてのイエナ・プラン
第二節 イエナ大学附属学校外でのイエナ・プランによる学校改革
第三節 イエナ大学附属学校とイエナ大学教育科学研究所の歴史的展開
第四章 イエナ・プランからの学校改革の問い直し
第一節 イエナ・プランの今日的展開――イエナ大学附属学校閉鎖後のイエナ・プランの相対化に向けて
第二節 Reformpädagogikから学校改革と教育改革を問う
第三節 エポックとしての改革教育学におけるイエナ・プランの再評価
終章 本書の成果と課題
第一節 各章で得られた知見
第二節 本書の成果
第三節 本書の展望と課題
引用参考文献
初出一覧
あとがき
著者|Author
安藤和久(あんどう・かずひさ)
1995年香川県丸亀市生まれ。博士(教育学)。広島大学大学院人間社会科学研究科特任助教。2023年3月に広島大学大学院人間社会科学研究科博士後期課程修了後、現職。主な論文に、安藤和久(2022)「ペーターゼンにおける自律的教育科学の構想――教育学的事実研究と学術的な教師教育に着目して」日本教育方法学会編『教育方法学研究』第47巻、47-58頁(日本教育方法学会研究奨励賞)、などがある。