相克のタカラヅカ

《ベルサイユのばら》前夜 宝塚歌劇・奮闘の軌跡

  • 中本千晶(著)/2025年3月
  • 3000円(本体)/A5判並製494頁
  • 装丁・レイアウト:中本那由子

《ベルばら》は「神風」ではなかった!?
戦後から1960年代における宝塚歌劇団の挑戦的試みを追うとともに、その尽力がいかに《ベルばら》へと結実し、現在の「タカラヅカ」を形作ったかを熱誠溢れる筆致で描く。
(ISBN 9784868160359)

目次|contents

はじめに タカラヅカの「夢」と「リアル」

序 論 なぜ「相克」なのか
第一章 一九五〇〜六〇年代とはどういう時代だったのか
  第一節 政治、経済、社会、文化の動向
  第二節 歌舞伎界の動向と民俗芸能の隆盛
  第三節 新劇と小劇場運動
  第四節 日本のミュージカル
第二章 「ベルばら以前」のタカラヅカのありよう
  第一節 タカラヅカ創成期から「レビュー黄金時代」まで
  第二節 「松竹歌劇団」と「日劇レビュー」
  第三節 終戦後から一九五〇年代のタカラヅカ
  第四節 一九六〇年代から《ベルサイユのばら》までのタカラヅカ
第三章 「虚」と「実」の相克
  第一節 タカラヅカと「ミュージカル」
  第二節 菊田一夫と「ミュージカル・ロマンス」
  第三節 高木史朗と「宝塚ミュージカル」
  第四節 海外ミュージカルへの挑戦
第四章 「和」と「洋」の相克
  第一節 一九五〇〜六〇年代のタカラヅカと日本の古典芸能
  第二節 歌舞伎俳優らによる演出と反リアリズム
  第三節 「日本郷土芸能研究会」の取り組み
第五章 「ベルばらブーム」の時代に何があったのか
  第一節 若手演出家の台頭と「新人会」の試み
  第二節 植田紳爾と「宝塚グランド・ロマン」
  第三節 柴田侑宏と「ミュージカル・ロマン」
  第四節 植田紳爾と柴田侑宏、相違と類似
  第五節 「ベルばらブーム」を振り返る
  第六節 《ベルサイユのばら》に結実したもの
第六章 「タカラヅカ様式」の確立
  第一節 「男役」の存在とレビュー的要素
  第二節 歴史を舞台にドラマを描く
  第三節 「恋愛」要素の必須化
  第四節 日本物ミュージカル
結 論 「相克」がもたらしたもの

著者|author

中本千晶(なかもと・ちあき)
山口県周南市出身。東京大学法学部卒業後、株式会社リクルート勤務を経て独立。二〇二三年、早稲田大学大学院文学研究科にて博士(文学)学位を取得。舞台芸術、とりわけ宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で分析し続けている。主著に『なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか―観客を魅了する「男役」はこうして創られる』(東京堂出版)、『タカラヅカの解剖図鑑』『タカラヅカの解剖図鑑 詳説世界史』『タカラヅカの解剖図鑑 詳説日本史』(エクスナレッジ)など。早稲田大学非常勤講師。

この本を注文する

Amazonで注文する 楽天ブックスで注文する 版元ドットコム