スコットランド文学の深層

場所・言語・想像力

  • 木村正俊(編)/2020年5月
  • 3700円(本体)/A5判上製442頁
  • 装丁:矢萩多聞

なぜスコットランドはすぐれた文学者たちを輩出してきたのか?
先端的研究の成果をふまえ、『オシアン詩』から現代までのスコットランド文学を展望。その特異な風土や文化を背景として生まれた、豊穣な詩的想像力の世界を照射する。

(ISBN 9784861106897)

目次|contents

1章:上書きされる古代ケルト―『オシアン詩』におけるテクストの多層性【三原穂】
2章:伝承童謡「あそこに落ちているのはなあに?」の思想史的淵源―ヒュームとスミスの「汎神論的コスモロジー」【鵜野祐介】
3章:一七八七年のロバート・バーンズ―スコットランド旅行の意味するもの【木村正俊】
4章:レイディ・ネアンのソングにおけるテーマの変遷―ジャコバイティズムからパトリオティズムへ【照山顕人】
5章:十九世紀初頭のスコットランド人文学者を支援する読者―聖職者詩人オーグルヴィの予約購読出版【小林英美】
6章:叙事詩の創造―ジェイムズ・ホッグ『女王の夜曲』と「羊飼いの暦」再読【吉野由起】
7章:エドワード・ウェイヴァリーの読書と教育―「歴史小説」における想像力とハイランド表象【向井秀忠】
8章:共同体の再生―ウォルター・スコットの『ガイ・マナリング』【米本弘一】
9章:十九世紀スコットランド農業労働者たちの歌―ボシー・バラッドの世界【宮原牧子】
10章:スコットランドと怪異の伝統―ハーンの講義にみるスコットランド文学の怪異【先川暢郎】
11章:R・L・スティーヴンソンとスコットランド・ゴシック―『バラントレーの若殿』にみる輝ける悪と怪異ロマンス【立野晴子】
12章:反逆するスコットランド―J・M・バリ『あっぱれクライトン』ほか【阿部陽子】
13章:ジョージ・マクドナルドのファンタジー文学における神話性―内的女性像グレートマザーを探る【長田惠子】
14章:ウィリアム・シャープによる「新異教主義」の追求―『異教評論』を中心に【有元志保】
15章:ヒュー・マクダーミッド―栄光ある孤立から文化再生の先導者へ【風呂本武敏】
16章:エドウィン・ミュアのカフカ論―翻訳を通して捧げた賛辞【米山優子】
17章:はじまりの地に光がさす―ミュリエル・スパークが描く罪人たちのヴィジョン【畑中杏美】
18章:キャロル・アン・ダフィ――スコットランド生まれの桂冠詩人【金津和美】
19章:スコットランド文学におけるグラスゴー表象―現代映画を中心に探る街の変遷【浦口理麻】

編者|editor

木村正俊(きむら・まさとし)
神奈川県立外語短期大学名誉教授
早稲田大学大学院文学研究科(英文学専攻)博士課程単位取得満期退学
著書に『ロバート・バーンズ―スコットランドの国民詩人』(共編著、晶文社、2008年)、『増補改訂版 ロバート・バーンズ詩集』(共訳、国文社、2009年)、『文学都市ダブリン―ゆかりの文学者たち』(編著、春風社、2017年)など

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