エンパワーメント・ギャップ

主権者になる資格のない子などいない

  • メイラ・レヴィンソン(著)、渡部竜也、桑原敏典(訳)/2022年11月
  • 4500円(本体)/A5判上製422頁
  • 装丁:長田年伸

民主的な関与への権利を活かすために、教育はいかに支援すべきか?
開かれた学校と社会とは――
2000年代以降のアメリカの学校教育政策が引き起こした逆説的な問題をめぐり、市民権行使の機会・能力における子どもの格差を実際の事例から分析。貧困層やマイノリティといった自らを取り巻く構造的な不平等の是正を時に必要とする子どもほど、政治的社会化に関する知識や態度を持たないという皮肉な事態を告発し、民主的な社会参加や意思決定への手立てを培うための、多様な経験や文化による差異をふまえた教育の役割を探る。
(ISBN 9784861108198)

目次|contents

訳者まえがき
プロローグ カート・コバーン対マスターP
第1章 市民のエンパワーメント・ギャップ
第2章 人種について語ることと市民権行使能力の開発
第3章 あなたには闘う権利がある――歴史的なカウンターナラティブの構築
第4章 ヒーローとロールモデルの再考
第5章 出会ったことのない世界でいかに羽ばたくのか――市民性を学校で「見える化」する
第6章 アクション・シヴィックスの事例
第7章 民主主義・説明責任・教育
エピローグ 立ち上がること、言い返すこと
参考文献
謝辞
訳者解説
索引
著訳者紹介

著訳者|author and translators

◆著者
メイラ・レヴィンソン(Meira Levinson)
ハーバード大学大学院教育学研究科教授。アメリカのアトランタとボストンの公立中学校で8年間教師を務めた。主な著書に The Demands of Liberal Education(2002, Oxford University Press, U. S. A)、Democratic Discord in Schools: Cases and Commentaries in Educational Ethics(2019, Harvard Educational Press)ほか。
◆訳者
渡部竜也(わたなべ・たつや)
東京学芸大学教育学部准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学、カリキュラム論、授業設計論、教師教育、社会改造主義教育論研究。主な著訳書に『真正の評価――テストと教育評価の新しい科学に向けて』(共訳、春風社、2021年)、『教室における政治的中立性――論争問題を扱うために』(共監訳、春風社、2021年)、『主権者教育論――学校カリキュラム・学力・教師』(春風社、2019年)、『アメリカ社会科における価値学習の展開と構造――民主主義社会形成のための教育改革の可能性』(風間書房、2015年)ほか。
桑原敏典(くわばら・としのり)
岡山大学大学院教育学研究科教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学、公民教育論、主権者教育論。主な著書に『高校生のための主権者教育実践ハンドブック』(編著、明治図書、2017年)、『社会科教育学研究法ハンドブック』(共編著、明治図書、2015年)、『中学校新教育課程 社会科の指導計画作成と授業づくり』(明治図書、2009年)、『中等公民的教科目内容編成の研究――社会科公民の理念と方法』(風間書房、2004年)ほか。

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