終わりの風景

英語圏文学における終末表象

  • 辻󠄀和彦・平塚博子・岸野英美(編)/2022年11月
  • 3100円(本体)/A5判並製240頁
  • 装丁:矢萩多聞

仮に何かが始まる、あるいは何かを新しく私たちが始めるとしても、その起点は「終わりの風景」からになるのではないか――

文学作品において描かれる環境問題、自然災害、社会変動などのさまざまな終末表象に着目し、ものごとの「終わり」を新たな可能性として捉え、読み解く10の論考。

(ISBN 9784861108235)

目次|contents

はじめに【辻󠄀和彦】
序章 リタ・ウォン作品にみる水の詩学―「借用された水」、「水の旅からの急報」、「グレゴワール湖のために」【岸野英美】
第1章 終末世界を救済するための小説のデザイン―カズオ・イシグロの内的持続の文学と『クララとお日さま』【田中ちはる】
第2章 コロナ禍の時代を生きる命と想像力―アリ・スミス『夏』における「終わりの風景」と希望の可能性【霜鳥慶邦】
第3章 家族の終わりとナクサライト―ジュンパ・ラヒリ『低地』とアルンダティ・ロイ『小さきものたちの神』をとおしてみる二つの「応答責任」【加瀬佳代子】
第4章 アジア系アメリカ文学における〈天災〉と〈人災〉―ヒサエ・ヤマモトとルース・オゼキの作品を中心に【松本ユキ】
第5章 「終わり」の見えない不安―イアン・マキューアンの『土曜日』試論【高橋路子】
第6章 ゾラ・ニール・ハーストンの『彼らの目は神を見ていた』における災害とレジリアンス→レジリエンス【平塚博子】
第7章 荒野の王が見た風景―シェイクスピア悲劇『リア王』における飢饉、大嵐、疫病【高橋実紗子】
第8章 〈終わりの風景〉の向こう側―インドラ・シンハの『アニマルズ・ピープル』とボパール、水俣、太平洋核実験【小杉世】
終章 災害と感染症時代の恐怖―エドガー・アラン・ポー作品を辿る【辻󠄀和彦】
終わりの風景の終わりに【辻󠄀和彦】

編者|editors

辻󠄀和彦(つじ・かずひこ) 近畿大学文芸学部教授
平塚博子(ひらつか・ひろこ) 日本大学生産工学部准教授
岸野英美(きしの・ひでみ) 近畿大学経営学部准教授

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