グロテスク・美のイメージ―ドムス・アウレア、ピラネージからフロベールまで

グロテスク・美のイメージ

ドムス・アウレア、ピラネージからフロベールまで

  • 武末祐子(著)/2018年2月
  • 3200円(本体)/四六判上製288頁
  • 装丁:中島衣美

建築から美術、文学へと横断し、洞窟(グロッタ)に始まるグロテスクの美をたどる
ルネサンス期に発掘されたネロ帝の黄金宮から
ピラネージの廃墟画を経て、19世紀フランス主義文学へ。
(ISBN 9784861105883)

目次|contents

はじめに
第1章 グロテスク装飾のインパクト
1 ネロ皇帝の黄金宮(Domus Aurea)
2 周縁性と境界性
3 同化力―隣接するものを巻き込む
4 表面性―シミと想像力
5 反転力―葉群を古代風に回す術
第2章 ピラネージの廃墟とグロテスクⅠ―Grotteschi
1 『グロッテスキ(Grotteschi)』
2 舞台装飾―『建築と透視図法、第一部』
3 エフェ(effet)という概念―美的効果
4 暖炉装飾
第3章 ピラネージの廃墟とグロテスクⅡ―Vedute di Roma
1 廃墟と植物
2 廃墟のハイブリッド性
3 化石アートとしてのグロテスク模様
第4章 一九世紀文学のグロテスク美学
1 ピラネージ作品の受容
2 ユゴーと『ノートル=ダム・ド・パリ』
3 ゴーティエと『グロテスクたち』
4 フロベールと『ボヴァリー夫人』
おわりに―合体と螺旋の時代に向けて

著者|author

武末祐子(たけまつ・ゆうこ)
西南学院大学文学部教授。西南学院大学文学部卒業。グルノーブル第三大学フランス文学博士課程修了。パリ第四大学フランス文学DEA取得。専門は19世紀フランス文学、研究テーマは文学・芸術におけるグロテスク美学。

 

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世界のミュージカル・日本のミュージカル【横浜市立大学新叢書9】

世界のミュージカル・日本のミュージカル

  • 岩崎徹・渡辺諒(編著)/2017年11月
  • 2500円(本体)/四六判並製298頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞

「元祖ミュージカル」のサヴォイ・オペラ、世界を席巻するフレンチ・ミュージカル、墺日で人気を博す『エリーザベト』、これら英・仏・独語圏のミュージカルと、
宝塚歌劇から2.5次元作品までの日本のミュージカル――海外と日本、双方の歴史を紐解く。
そのうえで、各国の作品の魅力、発展と変容の在り方を辿り、ミュージカルという芸能の今後の可能性と課題を考察する。全ミュージカルファン必携の一冊!
(ISBN 9784861105708)

◆横浜市立大学新叢書「発刊の辞

目次|contents

はじめに 渡辺 諒
第Ⅰ部 世界のミュージカル
第1章 英語圏のミュージカル ミュージカル誕生―サヴォイ・オペラ 岩崎 徹
ミニ歴史:英米のミュージカル
【コラム】パクろう、シェイクスピア(またはオムレットの味)/ブロードウェイでタイム・トラベル
第2章 仏語圏のミュージカル スペクタクル・ミュージカルの隆盛と変容 渡辺 諒
ミニ歴史:フランス・ミュージカル
【コラム】日本の独仏ミュージカル
第3章 独語圏のミュージカル ウィーン版『エリーザベト』の「死の舞踏」―ライトモチーフと演出の重層性 関根裕子
【コラム】ウィーンのミュージカル劇場事情
第Ⅱ部 日本のミュージカル
第4章 小林一三「国民劇」構想を読む 安冨 順
【コラム】今はなき胸像―久松一聲
第5章 宝塚「歌劇」の変遷と男役の変遷―歌劇、レビュー、そしてミュージカルへ 中本千晶
【コラム】タカラヅカ・娘役の変遷
第6章 日本のミュージカル受容―海外ミュージカル/オリジナル作品/2.5次元ミュージカル 渡辺 諒/下川晶子
【コラム】カブキ最新事情(渡辺)
おわりに 岩崎 徹
ミュージカル作品年表
参考文献
執筆者紹介

著者|authors

岩崎 徹(いわさき・とおる)
横浜市立大学准教授。主要論文に、「イギリス喜歌劇の幕開け:『培審裁判』」(『横浜市立大学論叢人文科学系列   61(3)』、2010)、「100年続いた歌劇団」(『竹村民郎著作集記念文集』三元社、2015)など。

渡辺 諒(わたなべ・りょう)
1952(昭和27)年生まれ。早稲田大学教授。主要著書に、『「エリザベート」読本―ウィーンから日本へ』(青弓社、2010)、『フランス・ミュージカルへの招待』(春風社、2012)など。

関根裕子(せきね・ゆうこ)
1960(昭和35)年生まれ。早稲田大学、明治大学等で非常勤講師。主要著書に、『ようこそヴィーンへ!』(白水社、2010)、翻訳書に『ヘルベルト・フォン・カラヤン 僕は奇跡なんかじゃなかった:その伝説と実像』(音楽之友社、2017)など。

安冨 順(やすとみ・じゅん)
1959(昭和34)年生まれ。白百合女子大学非常勤講師。主要論文に、「随想・革命家と国民作家―寒村・英治とハンケチ芝居(一)・(二)」(『歌舞伎 研究と批評46』雄山閣、2011、2012)、「都の治助―『けいせい鎌倉山』をめぐって」(『朱(53)』伏見稲荷大社、2010)など。

中本千晶(なかもと・ちあき)
1967(昭和42)年生まれ。フリージャーナリスト。主要著書に、『宝塚歌劇に誘う7つの扉』(東京堂出版、2016)、『鉄道会社がつくった「タカラヅカ」という奇跡』(ポプラ社、2107)など。

下川晶子(しもかわ・しょうこ)
1992(平成4)年生まれ。早稲田大学教育学部「舞台芸術入門」において「2.5次元ミュージカル」の授業を担当。

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茶艶―我が師 有馬賴底猊下 小堀宗慶御家元

茶艶

我が師 有馬賴底猊下 小堀宗慶御家元

  • 堀江恭子(著)/2017年10月
  • 3500円(本体)/B5判上製312頁
  • 装丁・レイアウト:長田年伸

遠州流茶道を修めた著者が一年を通じて催した茶事の記録。
四季の花と料理におもてなしの精神が映る。茶事にまつわるエッセイも収録。
(ISBN 9784861105678)

目次|contents

まえがき
序  有馬賴底
第一章
故堀江知彦 大徳寺孤篷庵永眠の記
沙羅双樹
挿花の記
書は人なり 茶も人なり
茶を学ぶということ
四方斎宗偏居士をお偲びしての茶会
「恭子について」
堀江知彦顕彰茶会のこと
茶事について、戸田宗安宗匠ご夫妻をお招きしての茶事
小堀宗慶お家元ご夫妻をお招きしての茶事
三笠宮同妃両殿下をお迎えしての茶事
賴底猊下の茶の湯
有馬賴底猊下をお招きしての茶事 於 陽明文庫
伊勢物語茶会 於 南蔵院
雛の茶会 於 孤篷庵
雛の茶会から松江 不昧公二百年祭に月照寺で掛け釜
第二章
一月 初釜
二月 観梅の茶事
三月 雛の茶事
四月 観桜の茶事
五月 初風炉 不如帰の茶事
五月 端午の節句の茶事
六月 蛍の茶事
七月 七夕の茶事
八月 納涼の茶事
九月 重陽の節句の茶事
十月 名残の茶事
十一月 口切の茶事
十二月 歳暮の茶事
あとがき

著者|author

堀江恭子(宗篷)(ほりえ・きょうこ(そうほう))
文学博士。1943年生まれ。二松学舎大学大学院(中国学専攻)博士課程修了。1978年に故・堀江知彦氏と結婚。墨香会主宰(書道・号は蓬壺)、幽水会会長(茶道遠州流、号は宗篷)。知彦氏の遺志を継ぎ、幽趣庵を一切こだわりのない、自由な文化的サロンにするのが夢。知彦氏との共著に『名筆鑑賞入門 中国風の書』(知道出版、1991年)、『名筆鑑賞入門 和風の書』(知道出版)、単著に『我が乳房を亡夫に』(毎日新聞社、1992年)、『墨艶 会津八一・堀江知彦追想』(芸術新聞社、1997年)、『異郷に永眠る悲劇の美人王昭君』(白帝社、2003年)、『砂艶』(新潮社、2015年)。
2014年6月、紺綬褒章受章。
2014年8月、外務大臣表彰。

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絲みち

絲みち

  • 吉住小三代(著)/2017年10月
  • 1852円(本体)/四六判上製208頁
  • 装丁:中島衣美

能の梅若家に生まれ、長唄の吉住家に嫁ぐ――
「長唄では自分も主役になれる」。三味線を自立の糧とし、演奏家として、またNPO活動など普及活動の担い手として活躍する一人の女性が語る、古典芸能の世界とそこに生きる女性たち。
巻頭対談「伝統と生きる――女性の歩む道」(坂東眞理子×吉住小三代)、長唄研精会の名曲をめぐる対談(解説・聞き手 細谷朋子)を収録。
(ISBN 9784861105623)

目次|contents

まえがき
伝統と生きる――女性の歩む道(対談 坂東眞理子×吉住小三代)
一 能の家に生まれて
二 植え替えられるように
三 芸と継承
四 女性とご奉仕
私の好きな長唄研精会の曲(解説・聞き手 細谷朋子)
能大夫のお家から長唄のお家元に嫁がれた才媛(山本東次郎)
あとがき

著者|author

吉住小三代(よしずみ・こさよ)
1940年、能の梅若家に出生。名人55世梅若六郎を父とする。20歳で長唄・吉住家の嫡子に嫁し、三味線の演奏家として活動する傍ら、NPO法人「三味線音楽普及の会」を立ち上げ理事長を務めるなど、古典芸能の普及活動にも力をそそぐ。女性ボランティア団体である国際ソロプチミストでも精力的に活動。2012年から2014年には東リジョンガバナーを務める。

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表象の京都―日本映画史における観光都市のイメージ

表象の京都

日本映画史における観光都市のイメージ

  • 須川まり(著)/2017年3月
  • 3000円(本体)/四六判上製400頁
  • 装丁:根本眞一(クリエイティブ・コンセプト)

細部に宿る京都を凝視する!

映画の中に現れる「表象としての京都」は、
戦後どのような変化を遂げてきたのか。
映画と観光の相関史。
(ISBN 9784861105371)

目次|indexes

第1部 映画における京都の風土
第1章 吉村公三郎が描く観光都市京都の境界線
第2部 映画における京都の観光都市化
第2章 文化・観光・京都を巡る戦後の日本映画――小津安二郎の視座
第3章 観光体験と映画観賞――中村登作品を中心に
第3部 映画における京都の都市景観
第4章 1990年代以降の映画における京都の自然景観
第5章 観光都市化がもたらした表象

◆取り上げる主な映像作品
溝口健二監督『祇園の姉妹』/小津安二郎監督『晩春』ほか
吉村公三郎監督『偽れる盛装』/木下惠介監督『カルメン故郷に帰る』
中村登監督『我が家は楽し』ほか/相米慎二監督『お引越し』
周防正行監督『舞妓はレディ』/水田伸生監督『舞妓Haaaan!!!』
松本佳奈監督『マザーウォーター』/小林達夫監督『カントリーガール』

著者|author

須川まり(すがわ・まり)
1986年生まれ。同志社大学政策学部卒業。
京都大学人間環境学研究科修士課程、博士後期課程修了。
京都大学・博士(人間環境学)学位取得。奈良県立大学特任講師。

 

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