現代日本農業論考

現代日本農業論考

存在と当為、日本の農業経済学の科学性、農業経済学への人間科学の導入、食料自給力指標の罠、飼料用米問題、条件不利地域論の欠陥、そして湿田問題

  • 小川真如(著)/2022年6月
  • 7200円(本体)/A5判上製572頁
  • 装丁:長田年伸

日本の農業はどうあるべきか? どう考えていけばよいのか?
科学性を確保せんがため「~すべき」という当為命題を排することで独断主義と相対主義の隘路に陥っている農業経済学の現状と正面から対峙。主観、当為を扱うことを可能とする考え方として、現象学に依拠した人間科学の導入を提案し、〈考えていくための考え方〉を基礎づける。

(ISBN 9784861107887)

目次|contents

序論 現代日本農業における技術論の再興と農業経済学の転回に向けた試み

第一章 技術・経済・農業―現代日本農業における「技術」の位置づけの再設定に向けて
第一節 本書の構成
第二節 技術論という未解決問題
第三節 人間の主体性を扱いきれなかった農業技術論
第四節 「存在」(である)と「当為」(すべき)をめぐる葛藤と日本の農業経済学
第五節 農業の意味と価値、そして当為―現代日本農業の意味と価値が乱立している理由

第二章 農業経済学に人間科学を導入する必要性とその方法―「農」の多様化に学問として対応する方法
第一節 人間科学とは何か、そしてその意義―フッサール現象学により解決される問題
第二節 難しくない分析方法―農業経済学における新たな手法の提案
第三節 分析方法の独自性―実証主義批判への弁解
第四節 那須皓、柏祐賢の農学論の限界―フッサールとリッケルトの対比
第五節 筆者の提案する新たな考え方の特徴についての補足―祖田修の農学論、および柏久や神門善久による日本の農業経済学界批判に対する筆者の見解
第六節 求められる人間科学の視点―国際秩序下の農業技術、水田利用再編主体としての農業再生協議会

第三章 人口減少社会における農業技術―農地が余る転換点の到来と、食料自給力指標の罠
第一節 人口と農業技術
第二節 人口減少下の農地と農業技術―転換点Pの到来によって出現する領域X
第三節 多様化する日本農業の最後の結束点としての食料安全保障―二〇二〇年食料・農業・農村基本計画の注目すべきポイント
第四節 食料自給力指標の罠―食料安全保障論によって遮蔽される領域Xの議論
第五節 戦略的な技術指針の必要性―求められるのは領域Xを見据えた方針
第六節 モデルへの自己批判と反批判

第四章 なぜ飼料用米を取り上げるのか―「飼料用米問題」とは何か
第一節 飼料用米とは何か
第二節 〈米の飼料利用〉と〈飼料用米の飼料利用〉―ベン図を用いた概念の整理
第三節 〈米の飼料利用〉に関する統計データの不足
第四節 〈米の飼料利用〉と〈飼料用米の飼料利用〉でみえてくる飼料用米問題の一端
第五節 フラスコの中の飼料用米―飼料用米の仮初め的性格と自己準拠的性格
第六節 飼料用米問題―飼料用米はいかにして存在するか、そして存在を規定する当為命題

第五章 〈〔研究対象―論文―学者―謝辞〕の入れ子構造〉をめぐる論考―本書の謝辞
第一節 本書の途中に謝辞を配置する理由
第二節 本論考の経緯
第三節 〈飼料用米をめぐる入れ子構造〉
第四節 〈〔研究対象-論文-学者-謝辞〕の入れ子構造〉
第五節 前著『構造』と本書、それぞれの特徴
第六節 お世話になった方々

第六章 新釈:角田重三郎の飼料用米論―植物育種学者・角田重三郎博士が飼料用米を研究した理由とは何か
第一節 飼料用米研究における先駆者としての位置
第二節 米の過剰問題の元凶としての内省と飼料用米研究の発端―多収性の追求という当為の自覚
第三節 角田構想とその特徴―水田における米のフル生産のために提案された飼料用米
第四節 角田の飼料用米論の展開―貿易問題に対する反論と「新みずほの国」構想
第五節 イネ科植物と人類とのかかわりに着目した社会形成の提示―共生関係に基づく社会システムの構想
第六節 角田の飼料用米論の核心と限界―単収向上によって使われなくなる水田の利用方策としての飼料用米、そして需要量に関する手抜かり

第七章 飼料用米をめぐる群像―〈代替性〉と〈土地条件〉、二つのキーワードで読み解く飼料用米論
第一節 飼料用米の生産適地はどこか―共通了解が成立しているようで成立していない〈土地利用の代替性〉に関する領域
第二節 畑作が困難な田の存在から想起された飼料用米像―飼料用米の提起・研究の原動力であった湿田の存在
第三節 エサ米運動の帰結―湿田対策で生まれ、湿田対策で消えていった論調
第四節 水田フル活用における飼料用米―二〇一三年度から二〇一四年度にかけて変質した水田フル活用政策
第五節 飼料用米の存在に関する本書の結論―〈代替性〉、〈土地条件〉についての共通了解を育む
第六節 〈代替性〉、〈土地条件〉で読み解く飼料用米問題―飼料用米をめぐる混乱の具体的な解消方法

第八章 現行の飼料用米政策の特徴―飼料用米の「量的拡大論」と「面的拡大論」からみえてくる現行政策の特殊性
第一節 飼料用米の増産目標がもつ意味―求められるのは単なる運動論との決別
第二節 量的拡大論の台頭とその問題点―数量払い政策が捨象したこととは何か
第三節 量的拡大論に与す数量払い政策―飼料用米政策は単なる飼料生産政策へ
第四節 水田フル活用政策の変質とその結果―二〇一四年度を画期とした政策変更がもたらしたこと
第五節 数量払い政策がもつ選別政策としての性格―標準単収値問題を提起する
第六節 水田活用の直接支払交付金における水張り要件の影響―二〇二二年度の政策変更の影響

第九章 現行の飼料用米政策の問題点と改善策―飼料用米政策が批判されるべき点、そして、新たな政策の提案
第一節 飼料を確保するための政策という傾向の強まりと財政負担のムダ
第二節 〈単収向上による財政負担軽減〉という思考に抜け落ちているもの―単収向上の「能書き」を考える
第三節 飼料用米政策にみる存在と当為―単収問題と農業経済学者のしごと
第四節 新たな飼料用米政策の提案―飼料用米問題、代替性、単収問題からの提言

第一〇章 条件不利地域論の欠陥と湿田―見落とされてきた条件不利性
第一節 湿田という条件不利性―条件不利地域論の対象であるはずの湿田
第二節 主観と湿田―〈湿田〉の認識構造
第三節 食料自給力指標の誤りの指摘と修正要求―湿田の把握をめぐって
第四節 条件不利地域論の着眼点の基底―湿田に着目しない論理
第五節 条件不利地域論の欠陥―湿田はいかにして捨象されたか
第六節 条件不利地域論の欠陥からみた中山間地域等直接支払制度の特徴
第七節 低米価時代に増幅する条件不利性―稲作に頼らざるを得ない湿田
第八節 条件不利地域と飼料用水稲―手厚い補助金でも生産されない飼料用水稲
第九節 日本農業における条件不利地域論の将来予想

第一一章 農業・農村の多面的機能をめぐる政策は誰に利するか―湿田問題の本質
第一節 農業・農村の多面的機能論をめぐる冒険
第二節 〝水田の多面的機能〟という〈錦の御旗〉と日本農業―そこにある搾取の構造
第三節 〝稲作にしか向かない〟という〈免罪符〉と日本農業―そこにある搾取の構造
第四節 湿田問題の本質的構造―乾田化・汎用化、田の畑地化では解決できない根本的な問題とは何か
第五節 本章の留意点

第一二章 総括―各章の大要と趣旨、そして農業経済学者が農業技術を論じる意義
第一節 一つ目の総括
第二節 二つ目の総括がある理由
第三節 二つ目の総括
第四節 日本の農業経済学の発展に向けて

初出文献一覧
人名索引
事項索引

英文要旨

著者|author

小川真如(おがわ・まさゆき)
1986年島根県生まれ。一般財団法人農政調査委員会専門調査員、東京農工大学非常勤講師、恵泉女学園大学非常勤講師など。修士(農学)、博士(人間科学)。専攻は農業経済学、人間科学。主な著作に『水稲の飼料利用の展開構造』(日本評論社、2017年)、『水田フル活用の統計データブック ― 2018年水田農業政策変更直後の悉皆調査結果からみる農業再生協議会・水田フル活用ビジョン・産地交付金の実態』(三恵社、2021年)、『日本のコメ問題 ― 5つの転換点と迫りくる最大の危機』(中央公論新社、2022年)など。

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日本の東アジア投資100年史【横浜市立大学新叢書14】

日本の東アジア投資100年史

  • 金子文夫(著)/2022年3月
  • 3000円(本体)/A5判並製296頁
  • 装丁:矢萩多聞

1910年代から2010年代に至る日本の東アジアへの投資活動を考察し、100年間の日本-東アジア経済関係の変遷を描き出す。【横浜市立大学新叢書14】
◆横浜市立大学新叢書「発刊の辞
(ISBN 9784861108044)

目次|contents

序章 課題と視角

第1節 課題
第2節 先行研究
第3節 視角
第4節 構成

第Ⅰ部 戦前期
第1章 第一次大戦期の対外拡張―1910~1924年
第1節 大陸政策の展開
第2節 対外投資の増大
第3節 帝国圏貿易の構造

第2章 満州事変と円ブロックの形成―1925~1936年
第1節 満州事変から華北進出へ
第2節 帝国圏投資の拡大
第3節 円ブロック貿易の進展

第3章 「大東亜共栄圏」の形成と展開―1937~1945年
第1節 戦時開発政策の展開過程
第2節 「大東亜共栄圏」投資の膨脹
第3節 「大東亜共栄圏」の貿易構造

第Ⅱ部 戦後期
第4章 高度成長期の東アジア進出―1950~1973年
第1節 アジア再進出政策の形成と展開
第2節 対外投資の増大
第3節 アジア貿易の発展

第5章 経済大国期の東アジア経済圏形成―1974~1990年
第1節 対外経済政策の展開
第2節 対外投資大国への道
第3節 貿易大国化とアジア

第6章 低成長期の東アジア経済圏再編―1991~2019年
第1節 東アジア経済政策の展開
第2節 対外投資の新展開
第3節 東アジア貿易圏の再編

終章 総括と展望
第1節 対外投資の俯瞰的・数量的把握
第2節 国家資本システム
第3節 東アジアのなかの日本
第4節 展望

参考文献
あとがき
索引

著者|author

金子 文夫(かねこ・ふみお)
横浜市立大学名誉教授
専攻:国際経済史
主な著作に『近代日本における対満州投資の研究』(近藤出版社、1991年)、『トヨタ・イン・フィリピン』(共著、社会評論社、2008年)、『韓国経済発展の始動』(共編著、日本経済評論社、2018年)など。

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『リスト全集』の出版

『リスト全集』の出版

  • 諸田實(著)/2022年2月
  • 3500円(本体)/四六判並製320頁
  • 装丁:長田年伸

主著に匹敵する懸賞論文がパリで発見、独・米の研究者の協力、思いがけない結末…
ナチスの足音が近づくなかで刊行された、一九世紀ドイツの経済学者フリードリッヒ・リストの『全集』。その編集と出版の経緯・困難に迫る

(ISBN 9784861107870)

目次|contents

まえがき
第1章 『リスト全集』の編集と出版(一九二七―一九三五年)―ナチスの足音が近付くなかで
第2章 ある懸賞論文の九〇年─執筆(一八三七年)から出版(一九二七年)まで
第3章 「フリードリッヒ・リスト協会」の事業─出版と学術大会
第4章 「フリードリッヒ・リスト協会」の「会報」から
あとがき
付録

著者|author

諸田實(もろた・みのる)
神奈川大学名誉教授

一九二八年静岡市に生まれる 一九五二年東京大学経済学部卒業

【主な著書】『ドイツ初期資本主義研究』有斐閣、一九六七年/『クルップ』東洋経済新報社、一九七〇年/『ドイツ関税同盟の成立』有斐閣、一九七四年/『フッガー家の遺産』有斐閣、一九八九年/『フッガー家の時代』有斐閣、一九九八年/『フリードリッヒ・リストと彼の時代』有斐閣、二〇〇三年/『晩年のフリードリッヒ・リスト』有斐閣、二〇〇七年/『〈新版〉西洋経済史』共著、有斐閣、一九八五年/『ドイツ経済の歴史的空間』共著、昭和堂、一九九四年/『近代西欧の宗教と経済』共著、同文館出版、一九九六年/『リストの関税同盟新聞』私家版、二〇一二年/『「新聞」で読む黒船前夜の世界』日本経済評論社、二〇一五年/『異色の経済学者 フリードリッヒ・リスト』春風社、二〇一八年

【訳書】クーリッシェル『ヨーロッパ中世経済史』共訳、東洋経済新報社、一九七四年/クーリッシェル『ヨーロッパ近世経済史』Ⅰ、Ⅱ 共訳、東洋経済新報社、一九八二、八三年

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韓国経済史―先史・古代から併合まで

韓国経済史

先史・古代から併合まで

  • 李榮薫(著)、須川英徳・加藤裕人・大沼巧(訳)/2021年12月
  • 7000円(本体)/A5判上製664頁
  • 装丁:長田年伸

東アジア史の大きな潮流を捉え、朝鮮半島における原初共同体から小農社会成立以降までを実証的に論じた、歴史認識を覆す経済通史。

(ISBN 9784861107825)

目次|contents

目次
はじめに
日本語版への序文

第1章 韓国経済史の方法
1.研究史の回顧
2.何を書くべきか
3.新たな時代区分
第2章 文明の曙
1.先史時代の韓半島
2.烟の成立
3.族長社会
4.国家の出現
第3章 孔烟から丁戸へ
1.7世紀末の農村
2.丁の成立
3.統一新羅の社会
第4章 国人と佃戸
1.集権的支配体制の展開
2.農民と社会
3.元服属期の社会と経済
第5章 儒教的転換
1.朝鮮王朝の創業
2.国田制の再編
3.支配体制の二元化
4.両班と奴婢
5.経済体制と社会
第6章 小農社会
1.市場経済の台頭
2.小農経済の展開
3.小農社会の様相
4.国家的再分配経済
第7章 危機
1.19世紀の停滞
2.帝国主義の到来
3.1880年代の混沌
4.対外貿易の展開と伝統経済の再編
5.黄昏の大韓帝国

参考文献
訳者あとがき
索引

著者|author

李榮薫(イ・ヨンフン)
1951年生まれ。ソウル大学大学院修了、経済学博士。
韓神大学・成均館大学を経てソウル大学経済学部教授、2017年で定年退職。
韓国経済史学会・韓国古文書学会などの会長を歴任。
学術出版賞も数多く受賞(韓国、豪州)。
本書は、退職記念のための書下ろし。

訳者|translators

須川英徳(すかわ・ひでのり)
1957年生まれ。横浜国立大学教育学部、教育人間科学部、大学院都市イノベーション学府教授を経て、2017年より放送大学教授。博士(経済学)。主な著書・論文に『李朝商業政策史研究』(東京大学出版会、1994年)、編著『韓国・朝鮮史への新たな視座』(勉誠出版、2017年)、「一九世紀朝鮮の経済状況をめぐる新たな歴史像」(『朝鮮史研究会論文集』54、2016年)、「高麗末から朝鮮初における武についての試論」(『韓国朝鮮文化研究』17、2018年)など。

加藤裕人(かとう・ひろと)
1981年生まれ。東京学芸大学大学院博士後期課程修了、博士(学術)。
神田外語大・横浜国大・亜細亜大学などで非常勤講師、担当:韓国語・朝鮮史。
主要論文:「高麗末期 恭愍王の『王』の歴史」(『韓国・朝鮮史への新たな視座』勉誠出版、2017年)。「朝鮮前期仏教史に対する歴史学的研究の推移と問題」(『年報朝鮮学』19号、2016年)他。

大沼巧(おおぬま・たくみ)
1990年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程在学中。
主要論文:「海税徴収の実態と近代的「所有権」概念との矛盾」須川英徳編『韓国・朝鮮史への新たな視座』勉誠出版、2017年。「大韓帝国期における漁税徴収の実態と「所有権」の整理」『朝鮮学報』246、2018年、他。

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国際協力の行方—経済・開発・オルタナティブ

国際協力の行方

経済・開発・オルタナティブ

  • 吉川健治(編)/2020年3月
  • 2500円(本体)/四六判並製141頁
  • 装丁:矢萩多聞


グローバル資本主義に未来はあるのか?
経済成長を前提とした発展の限界が露呈しつつある今日、経済・開発政策を見直し、今後必要とされる社会開発やビジネスを論じることで、実現可能な国際協力のオルタナティブを考察する。水野和夫氏ほか気鋭の論者らによる挑戦的論集。
【東洋英和女学院大学社会科学研究叢書8】

(ISBN 9784861106460)

目次|contents

序章 国際協力―サステナビリティの確保に向けて【吉川健治】
第1章 資本主義の終焉、未来の経済【水野和夫】
第2章 グローバル化時代の社会保障を通じた国際貢献【岡伸一】
第3章 オルタナティブな開発と教育―持続可能な開発目標(SDGs)における開発教育の課題と役割【湯本浩之】
第4章 EU の対外経済関係―EU 対外政策の展開と地中海諸国【高﨑春華】
第5章 商社ビジネスと国際貢献―14年間駐在したアフリカにフォーカスして【是永和夫】
第6章 中小企業の国際協力志向型海外展開を通じた貢献【丸山隼人】

編者|editor

吉川健治(よしかわ・けんじ)

東洋英和女学院大学国際社会学部教授。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程満期退学。専門は国際協力論。

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アジアの国際関係―移行期の地域秩序【東洋英和女学院大学社会科学研究叢書5】

アジアの国際関係

移行期の地域秩序

  • 福田保(編)/2018年3月
  • 2500円(本体)/四六判並製296頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞

21世紀アジアの地域秩序とはどのようなものなのか?
覇権国と追随国との間に見られる「連合と抵抗」の力学を探り、アジアにおける秩序の移行と変容の諸相を明らかにする。
【東洋英和女学院大学社会科学研究叢書5】
(ISBN 9784861105906)

目次|contents

序章 (福田保)
第1部 アジア地域秩序の構図
第1章 アジア地域安全保障秩序―国際関係理論からみる現状と展望(湯澤武)
第2章 アジア経済秩序―米中覇権競争と地域制度(寺田貴)
第2部 主要国・組織の視点
第3章 日本とアジア―冷戦後の座標軸をもとめて(昇亜美子)
第4章 アメリカとアジア(森聡)
第5章 中国とアジア(青山瑠妙)
第6章 インドとアジア―インドは日本の安全保障に関係あるのか?(長尾賢)
第7章 東南アジア諸国とアジア―5つのバランシング戦略(福田保)
第3部 Flashpoints
第8章 尖閣諸島をめぐる国際関係―東シナ海で戦争は起こるのか(小谷哲男)
第9章 南シナ海(小谷哲男)
第10章 朝鮮半島―なぜ米中競争に巻き込まれるのか(渡邊武)
第11章 台湾海峡―せめぎあう2つのナショナリズム(松本充豊)
終章 20世紀のヨーロッパと21世紀のアジア―歴史の類推と戦争の可能性(今野茂充)

編者| editor

福田保(ふくだ・たもつ)
現職:東洋英和女学院大学 国際社会学部 准教授
学歴:オーストラリア国立大学大学院アジア太平洋研究科博士課程修了(Ph.D. in Political Science and International Relations)
専攻:国際関係論、アジア太平洋の国際関係・地域主義、東南アジア安全保障
主要著作:『現代アジア学入門』芦書房、2017年/『ASEANを知るための50章』明石書店、2015年/『アメリカにとって同盟とはなにか』中央公論新社、2013年

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エネルギーと地方財政の社会学―旧産炭地と原子力関連自治体の分析

エネルギーと地方財政の社会学

旧産炭地と原子力関連自治体の分析

  • 湯浅陽一(著)/2018年3月
  • 3700円(本体)/四六判上製320頁
  • 装丁:桂川潤

石炭から石油、原子力、再生可能エネルギーへの移り変わりの中で、地方財政はいかなる問題を抱えてきたのか。
その分析を通じて、財政面での自治体の持続可能性と地方財政制度全体の課題を明らかにする。
(ISBN 9784861105869)

目次|contents

はじめに
第Ⅰ部 財政社会学の理論
第1章 問題の所在
第2章 分析の枠組み
第3章 財政社会学の研究史
第Ⅱ部 旧産炭地自治体財政の社会学分析
第4章 日本の地方財政制度の諸特徴
第5章 財政の破綻と再建の諸事例
第6章 石炭産業と産炭地対策の歴史
第7章 田川郡の財政再建団体の取り組み
第8章 夕張市における破綻と再生への取り組み
第Ⅲ部 原子力関連施設立地自治体財政の社会学的分析
第9章 原子力エネルギーをめぐる現状
第10章 原子力関連施設立地の経済・財政効果と特徴
第11章 原子力関連施設立地自治体の財政動向
第12章 電源三法交付金の社会学的分析
最終章 まとめにかえて
あとがき
参考文献一覧
索引

著者|author

湯浅陽一(ゆあさ・よういち)
関東学院大学社会学部教授
1972年生まれ。埼玉大学卒業。法政大学大学院修了。博士(社会学)。青森大学社会学部を経て、2006年度より関東学院大学。著書に『政府の失敗の社会学』(舩橋晴俊らとの共著、2001年、ハーベスト社)、『政策公共圏と負担の社会学』(2005年、新評論)など。

 

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スイスの謎―経済の空間的秩序

スイスの謎

経済の空間的秩序

  • 加藤幸治(著)/2018年2月
  • 2700円(本体)/A5判並製202頁
  • 装丁:江森恵子(クリエイティブ・コンセプト)

ステレオタイプのスイス理解を超えるために―
言語・宗教・文化・制度面での「多様性」が拡がりつつあるにもかかわらず、スイスが国民国家として一体化しているのはなぜか? その謎を経済地理学的観点から解明する。
(ISBN 9784861105852)

目次|contents

第1章 スイスの空間的秩序を捉える意義とその方法
第2章 スイスの人口と産業の概要
第3章 農業の地帯性
第4章 スイスの製造業における「棲み分け」
第5章 第三次産業の遍在性と偏在性
第6章 地域間経済格差と人口移動
第7章 スイスとチューリッヒにおけるサービス経済化
第8章 スイス経済の空間的秩序

著者|author

加藤幸治(かとう・こうじ)
国士舘大学文学部教授。専門:経済地理学。
1969年生まれ。横浜市出身。横浜市立大学文理学部文科卒業。明治大学大学院文学研究科地理学専攻博士前期課程修了、博士後期課程退学。
広島大学文学部助手をへて、2001年より国士舘大学文学部。2005年、博士(地理学);明治大学。
2015年度国士舘大学学外派遣研究員制度にて、チューリッヒ大学地理学教室(Universität Zürich Geographisches Institut)にAkademischer Gast(Visiting Professor)として滞在。

 

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異色の経済学者 フリードリッヒ・リスト

異色の経済学者 フリードリッヒ・リスト

  • 諸田實(著)/2018年1月
  • 2700円(本体)/四六判並製262頁
  • 装丁:桂川潤

主著の出版から170年余、リストは、経済のグローバル化への対抗軸としていまも世界中で読まれている。
「異色の経済学者」の実像を描き、晩年の謎に迫る。
(ISBN 9784861105760)

目次|contents

第1章 異色の経済学者―フリードリッヒ・リスト
第2章 未完の「遺作」の謎―「ドイツ人の政治的・経済的国民統一」の「続き」
第3章 「国民経済学」の体系―リストのプラン
第4章 『国民的体系』のリストと『ライン新聞』のマルクス―ブリュッゲマンを中心に
第5章 リストのメーザー受容について
第6章 本の目次
第7章 リストとモール―『経済学の国民的体系』の書評をめぐって
第8章 二人のリスト
第9章 妻への手紙
第10章 心の傷
補論 リスト『経済学の国民的体系』のドイツ語版と外国語版

著者|author

諸田實(もろた・みのる)
神奈川大学名誉教授
1928年静岡市に生まれる
1952年 東京大学経済学部卒業
【主な著書】
『ドイツ初期資本主義研究』有斐閣、1967年/『クルップ』東洋経済新報社、1970年/『ドイツ関税同盟の成立』有斐閣、1974年/『フッガー家の遺産』有斐閣、1989年/『フッガー家の時代』有斐閣、1998年/『フリードリッヒ・リストと彼の時代』有斐閣、2003年/『晩年のフリードリッヒ・リスト』有斐閣、2007年/『〈新版〉西洋経済史』共著、有斐閣、1985年/『ドイツ経済の歴史的空間』共著、昭和堂、1994年/『近代西欧の宗教と経済』共著、同文館出版、1996年/『リストの関税同盟新聞』私家版、2012年/『「新聞」で読む黒船前夜の世界』日本経済評論社、2015年
【訳書】
クーリッシェル『ヨーロッパ中世経済史』共訳、東洋経済新報社、1974年/クーリッシェル『ヨーロッパ近世経済史』Ⅰ、Ⅱ 共訳、東洋経済新報社、1982、83年

 

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中国興業銀行の崩壊と再建―第一次大戦後フランスの政治・経済・金融的対抗

中国興業銀行の崩壊と再建

第一次大戦後フランスの政治・経済・金融的対抗

  • 篠永宣孝(著)/2017年12月
  • 8000円(本体)/A5判上製800頁
  • 装丁:長田年伸

中国政府の支援とフランス外務省の庇護によって1913年に設立された中仏合弁銀行は、いかに発展し、破綻したか。
厖大な一次史料や民間銀行史料を駆使して全貌を究明した世界初の本格的実証研究。
(ISBN 9784861105654)

目次|contents

はしがき
I 中国興業銀行の発展(一九一三~一九二〇年)
第一章  中国興業銀行の発展(一九一三~一九一四年)
第二章 第一次大戦期の中国興業銀行
第三章 戦後の中国興業銀行の発展(一九一九~一九二〇年)
II 中国興業銀行の破綻とパリバ銀行団の金融支援
第四章 戦後恐慌と中国興業銀行の危機
第五章 中国興業銀行の破綻とパリバ銀行団の金融支援
第六章 中国興業銀行危機に対する銀行・金融界、政府・政界の対応
第七章 H・フィナリ=Ph・ベルトロ=L・ルシュールの奔走と中国興業銀行の窓口閉鎖
第一節 H・フィナリ=Ph・ベルトロと大蔵省国庫局長J・パルマンチエの対抗
第二節 解放区相ルイ・ルシュールの最後の奔走(一九二一年六月)
III 中国興業銀行の再建―中国興業銀行管理会社の設立
第八章 中国興業銀行再建をめぐる論戦と再建計画
第九章 中国興業銀行再建への新展開―義和団賠償金充当案
第十章 中国興業銀行管理会社〔SFGBIC〕の設立
IV 中国興業銀行管理会社と中仏商工銀行の発展
第十一章 中国興業銀行管理会社から中仏商工銀行へ
第十二章 中仏商工銀行〔BFCCI〕の発展と一九三〇年代の危機
総括
あとがき
史料・参考文献一覧
索引

著者|author

篠永宣孝(しのなが・のぶたか)
1949年生まれ。1988年、パリ第八大学第三課程博士号取得(歴史学)。現在、大東文化大学経済学部教授。
著書に、『日本の戦後賠償』(〔共著〕勁草書房1999年)、『クローデルと日本』(〔共著〕七月堂2006年)、『フランス帝国主義と中国―第一次世界大戦前の中国におけるフランスの外交・金融・商工業』(春風社2008年)、訳書に、A・ベルトラン、P・グリゼ著『フランス戦間期経済史』(〔共訳〕早稲田大学出版部1997年)、W・ウッドラフ『概説 現代世界の歴史』(〔共訳〕ミネルヴァ書房2003年)、主要論文に、「駐日大使クローデルとフランスの極東政策」『早稲田政治経済学雑誌』第368号2007年、などがある。

 

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