教養と大衆の間で―「洋楽放送」とラジオ番組制作者たち

教養と大衆の間で

「洋楽放送」とラジオ番組制作者たち

  • 武田康孝(著)/2025年2月
  • 7000円(本体)/A5判上製534頁
  • 装丁:長田年伸

放送100年 その源を「洋楽」から探る
西洋音楽の受容・発信が日本で本格化しつつあった大正時代末期に放送事業は開始され、以降ラジオは「洋楽」を切れ目なく電波に乗せてきた。こうしたラジオと洋楽の「共振」には、当時のどのような経緯や価値観、力が関わっていたのか。

(ISBN 9784868160021)

目次|contents

序章

第1部
第1章 放送開始前後のラジオと洋楽放送の「浮上」
第2章 洋楽番組制作者の誕生
第3章 放送体制の変化と洋楽放送

第2部
第4章 洋楽放送の多様化:思想と実践から
第5章 洋楽放送と「国民音楽」:日本の洋楽発信の場としてのラジオ
第6章 洋楽放送と大衆:「軽音楽」番組の誕生と変容

第3部
第7章 太平洋戦争と洋楽放送:①大戦開始前後1年の変化と連続性
第8章 太平洋戦争と洋楽放送:②「音楽放送」への転換
第9章 音楽放送の戦後

終章 文化の一端を担った「洋楽放送」


おわりに
引用文献
索引

著者|author

武田康孝(タケダ・ヤスタカ)
1972年、北海道生まれ。東京外国語大学外国語学部卒業。日本放送協会(NHK)勤務を経て、東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究専攻博士課程修了。博士(文学)。専門分野は文化政策研究、文化資源学。現在独立行政法人国際交流基金に勤務。
主な論考等:「文化と政治」(小林真理編『文化政策の現在 第1巻 文化政策の思想』東京大学出版会、2018年)、「国際文化交流と文化外交:「アジア」の文化理解を一例として」(小林真理編『文化政策の現在 第2巻 拡張する文化政策』東京大学出版会、2018年)、「日韓文化交流の最前線に身を置いて:周年事業を例に」(国際交流基金編『国際文化交流を実践する』白水社、2020年)、「「交流」から「発信」へ:2000―10年代の対外文化政策」(小林真理・阪本崇・友岡邦之編『文化政策のフロンティア 第3巻』東京大学出版会、近刊)

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在日コリアン教会の戦後―再編されるエスニック・チャーチ

在日コリアン教会の戦後

再編されるエスニック・チャーチ

  • 荻翔一(著)/2025年2月
  • 5300円(本体)/A5判上製350頁
  • 装丁:中本那由子

在日コリアンが礼拝し運営するキリスト教会は、韓国人ニューカマーの参与などで信者が多様化していくなか、どのようにそういった集団を包摂してきたのか。
1980年代以降「エスニック・チャーチ」として日本各地の教会の理念や活動が再編されてきた過程を、組織マネジメントの方法に着目し、インタビューや教会資料の分析などからその特徴を明らかにする

(ISBN 9784868160045)

目次|contents

序章 エスニック・チャーチの発生論から継承/変容論へ――本書の目的・視点・方法
第1章 在日コリアン社会の形成と変容
第2章 朝鮮(韓国)におけるキリスト教の歴史的展開と新旧コリアンへの影響
第3章 在日大韓基督教会(KCCJ)の再建と世代交代
第4章 エスニック・チャーチからマイノリティ教会へ――KCCJ大阪教会
第5章 在日ホーリネス教会の再建と変容――東京・大阪・広島を事例に
第6章 エスニック・チャーチから日本宣教を行う教会へ――広島第一教会
第7章 宣教団体の支援による再建と葛藤――単立教会に至る東京福音教会の再建過程
第8章 エスニック・チャーチの維持・継承――東京福音教会
補論 国際結婚夫婦の信仰生活――信仰の深化と教会への帰属意識
終章 エスニック・チャーチの展開パターンとその要因

あとがき

参考文献一覧
索引

著者|author

荻翔一(おぎ・しょういち)
日本学術振興会・特別研究員(PD)
宗教社会学・「移民と宗教」研究

主な著作
・「高齢化問題に取り組む韓国系キリスト教会―大阪市・在日コリアン集住地域を事例に―」高橋典史・白波瀬達也・星野壮編著『現代日本の宗教と多文化共生―移民と地域社会の関係性を探る―』明石書店、2018年。
・「在日コリアン教会におけるコリアンの多様化と教会運営の模索―主日礼拝における日本語の導入・位置づけをめぐって―」松本誠一編『「共助」をめぐる伝統と創造―日韓コミュニティ比較の視座―』岩田書院、2021年。
・「『在日コリアンと宗教』研究の成果と課題」井上貴也、荻翔一、高橋圭、子島進『アジア諸国の持続可能性(1)』東洋大学アジア文化研究所、2023年。

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学問から「いま」を見通す―ヴィーガニズムから生成AIまで

学問から「いま」を見通す

ヴィーガニズムから生成AIまで

  • 山崎真之、坪野圭介(編)/2025年3月
  • 4500円(本体)/A5判上製368頁
  • 装丁:矢萩多聞

この激動の時代に学問の営為はどのような見通しを与えるのか。
人文科学、社会科学、自然科学にまたがる多様な分野の論者らが、それぞれのフィールドにおける「いま」の姿を開示。混迷をきわめる世界と向き合うための、ユニークな〈知〉の見取り図を描き出す。
(ISBN9784861109966)

目次|Contents

はじめに 激動の世界と対峙する「見取り図」のために〔山﨑真之〕
第1部 健康・生活
第1章 コロナ禍、ヴィーガニズム、異星人―マーガレット・アトウッド「わんぱくグリゼルダ」における食の問題〔坪野圭介・今井祥子〕
第2章 ハイブリッド・ジャパニーズ―ノブレストランの料理とデザイン〔今井祥子〕
第3章 生活に根ざした健康情報を共に作る―災害公衆衛生と認知症の事例から〔黒田佑次郎〕
第4章 ギャンブル行動症に対する心理学的支援の現状と今後の課題―エビデンス・ベイスト・プラクティスの展開のために〔田中佑樹〕
第5章 子どもの集団適応の向上を目的とした、子どもと支援者および養育者との良循環の形成―行動論的アプローチに基づく相互作用の検討〔堀川柚〕
第6章 社会人生活の適応を促進する大学生の職業選択行動とは―支援のあり方の一考〔輕部雄輝〕
第2部 情報・言語
第7章 スマートツーリズムでの偶然の出会い―ICTによる観光者の自由の制限と創出からの考察〔澁谷和樹〕
第8章 「推し活」の光と闇―「推し活」に関する記事の内容分析〔市村美帆〕
第9章 生成AIや機械学習の発展は外国語学習を不要なものにするのか―機械翻訳の歴史的発展と外国語学習への応用に向けた検討〔内田翔大〕
第10章 ウェルビーイングに根差した大学英語教育―学生の積極的な学びを促すヒント〔山本貴恵〕
第11章 自律した英語学習者の育成を目指して―英語教育における内省活動とは〔辻るりこ〕
第12章 一人称複数we―複数のIを意味することはあるのか?〔松田麻子〕
第3部 地域・交流
第13章 観光は地域をいかに変えるか―カンボジア・シアヌークビルにおける観光空間の素描〔板垣武尊〕
第14章 無形文化遺産登録がもたらしたもの―中国・安徽省黄山市の「徽州祠祭」を事例に〔李崗〕
第15章 あらゆるものとは「調和」できない―アメリカ先住民ナヴァホ保留地におけるもめごとの対処と風通しのいい他者〔渡辺浩平〕
第16章 経済人類学を通じた人間性の探求―ミクロネシアのランク社会における存在承認の事例から〔河野正治〕
第17章 生物多様性の損失に立ち向かう―研究および地域住民それぞれの目線からの検討〔竹下和貴・石垣裕貴〕
第18章 Uターン者が紡ぐネットワーク―奄美大島瀬戸内町古仁屋における化粧まわし職人のライフストーリーを事例に〔山崎真之〕
おわりに 学問の歩き方 知的関心をひろげる読書のために〔坪野圭介〕

編者|Editors

山崎真之(やまざき・まさゆき)
和洋女子大学国際学部助教。専門は文化人類学、観光人類学。

坪野圭介(つぼの・けいすけ)
和洋女子大学国際学部准教授。専門はアメリカ合衆国の文化と文学。

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当事者性の邂逅から共生へ―多文化社会におけるノンフォーマル教育実践の展開

当事者性の邂逅から共生へ

多文化社会におけるノンフォーマル教育実践の展開

  • 後藤聡美(著)/2025年2月
  • 4500円(本体)/四六判上製314頁
  • 装丁:長田年伸

共生に求められる学びはいかにありうるか?
多文化共生を目指す社会にある当事者の定義をさまざまな状況から再考することで、偶然の出会いが生み出す学習やコミュニティのありようの展望をひらく。
(ISBN9784861109744)

目次|Contents

はじめに
第Ⅰ部 共生の創成過程において当事者性を問う意味
第1章 多文化共生をめぐる今日的課題と学習論的アプローチの必要性
第2章 当事者性をめぐる学習論とその枠組み
第3章 共生の創成過程において重視されるべき周辺的学習者
第Ⅱ部 当事者性を軸とする共生の学習プロセスの実質化に向けて
第4章 当事者性の構造的課題と当事者性概念の再構築
第5章 〈当事者性の邂逅〉という現象
第6章〈当事者性の邂逅〉を基軸とする学習論
第Ⅲ部 〈当事者性の邂逅〉を生む実践的環境
第7章 コンヴィヴィアリティと〈当事者性の邂逅〉
第8章 〈当事者性の邂逅〉を把持する観点
第9章 〈当事者性の邂逅〉仮説の援用可能性と今後の課題
おわりに
謝辞
引用・参考文献
索引

著者|Author

後藤聡美(ごとう・さとみ)
神戸大学人間発達環境学研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員RPD、神戸大学人間発達環境学研究科特命助教。神戸大学学部生の時より多文化理解・ESDに関する実践に関わり、現在は「ESDプラットフォームWILL」事務局長、「RCE兵庫-神戸」副事務局長などを務める。著書に『SDGsと社会教育・生涯学習』(分担執筆、東洋館出版社、2023年)、『現代社会教育学事典』(分担執筆、東洋館出版社、2024年)、『究める! 福祉教育・ボランティア学習の課題』(分担執筆、大学図書出版、2024年)がある。

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学校改革としてのイエナ・プラン―ペーター・ペーターゼンの自律的教育科学の構想を訪ねて

学校改革としてのイエナ・プラン

ペーター・ペーターゼンの自律的教育科学の構想を訪ねて

  • 安藤和久(著)/2025年2月
  • 6300円(本体)/A5判上製416頁
  • 装丁:矢萩多聞

学校を改革するとはいかなることか
教育共同体による創造的な実践――
1924年よりイエナ大学附属学校で開始され、「自由で一般的な民衆学校」に向けた学校改革であるイエナ・プランと、その創始者ペーターゼンによる自律的教育科学の構想に立ち戻り、その理念と展開を問う。また、ペーターゼンの教育思想、同校での教育実践や改革の過程、同時代の他校のイエナ・プランによる学校改革といった変遷を解き明かし、これからの学校改革のあり方を、教育と改革の関係、および授業指導・教育学研究・教師教育から展望する。
(ISBN9784861109720)

目次|Contents

序章 本書の目的と構成
第一節 研究の目的および対象
第二節 先行研究の検討と研究課題の設定
第一章 ペーターゼンの自律的教育科学の構想
第一節 ペーターゼンの自律的教育科学における学校改革の構想
第二節 教育学的事実研究による教育学の科学的自律と学校改革
第三節 教育学的事実研究を手がかりとした学術的な教師教育の設計
第二章 ペーターゼンによるイエナ・プランの授業指導論
第一節 授業指導論の理論的背景
第二節 授業指導論の構造と特質
第三節 イエナ大学附属学校における授業指導の実際
第三章 1924-1950年のイエナ・プランによる学校改革過程
第一節 イエナ大学附属学校での学校改革としてのイエナ・プラン
第二節 イエナ大学附属学校外でのイエナ・プランによる学校改革
第三節 イエナ大学附属学校とイエナ大学教育科学研究所の歴史的展開
第四章 イエナ・プランからの学校改革の問い直し
第一節 イエナ・プランの今日的展開――イエナ大学附属学校閉鎖後のイエナ・プランの相対化に向けて
第二節 Reformpädagogikから学校改革と教育改革を問う
第三節 エポックとしての改革教育学におけるイエナ・プランの再評価
終章 本書の成果と課題
第一節 各章で得られた知見
第二節 本書の成果
第三節 本書の展望と課題
引用参考文献
初出一覧
あとがき

著者|Author

安藤和久(あんどう・かずひさ)
1995年香川県丸亀市生まれ。博士(教育学)。広島大学大学院人間社会科学研究科特任助教。2023年3月に広島大学大学院人間社会科学研究科博士後期課程修了後、現職。主な論文に、安藤和久(2022)「ペーターゼンにおける自律的教育科学の構想――教育学的事実研究と学術的な教師教育に着目して」日本教育方法学会編『教育方法学研究』第47巻、47-58頁(日本教育方法学会研究奨励賞)、などがある。

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The Art of Escape: On Melville’s Bachelor Machines

The Art of Escape

On Melville’s Bachelor Machines

  • Taras Alexander Sak(著)/2025年2月
  • 6000円(本体)/A5判並製220頁
  • 装丁:長田年伸

ハーマン・メルヴィルの主要作品(『白鯨』『ピエール』『信用詐欺師』)やそれらに関連する小品もあわせて検討しながら、作中人物が社会や法律に背を向けそこから離れようとする「逃避」(escape)や「飛翔」(flight)の動きを追跡。メルヴィルの「逃避の芸術」(art of escape)が現代においてどのような意義を持つのかを考察する。(本文英語)
(ISBN9784861109959)

目次|Contents

Introduction
Chapter 1: Mad Fathers; or, Escaping the Nation
Chapter 2: Lost Sons (and Daughters); or, Escaping the Family
Chapter 3: An (Un)Holy Ghost; or, Escaping the Subject
Conclusion

著者|Author

サック・タラス (Taras Alexander Sak)
安田女子大学文学部英語英米文学科准教授。専門は19・20世紀アメリカ文学。
ニューヨーク州立大学ビンガムトン校で比較文学の博士号を取得し、19世紀と20世紀のアメリカ文学、ハーマン・メルヴィルの作品、批評理論を中心に研究している。メルヴィル、ポー、ドン・デリーロ、トマス・ピンチョン、ソール・ベロー、コーマック・マッカーシーや、音楽(ルー・リード、ボブ・ディラン)、映画に関する著書多数。

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日本スポーツ界におけるアマチュアリズムの源流―大日本体育協会による近代スポーツ思想の受容と展開

日本スポーツ界におけるアマチュアリズムの源流

大日本体育協会による近代スポーツ思想の受容と展開

  • 根本想(著)/2025年2月
  • 5000円(本体)/四六判上製358頁
  • 装丁:長田年伸

なぜアマチュアでなければならなかったのか?
大日本体育協会が担った近代スポーツ思想の普及と制度化の過程を丹念にたどる。国際競技大会や政府の政策、さらには社会的要因が重層的に絡み合う中で、アマチュアリズムがどのように形成・変容していったのかを明らかにし、現代スポーツに通じる課題をも照射する。
(ISBN9784861109737)

目次|Contents

まえがき
序章 本書の目的と構成
第1節 問題の所在と本書の目的
第2節 先行研究の検討
第3節 本書の課題・方法・意義
第4節 本書の構成
第1章 競技者資格の形成および消失過程(第Ⅰ期
第1節 大日本体育協会の設立と第Ⅰ期における財政状況
第2節 大日本体育協会による競技会の開催と競技者資格の形成
第3節 第8回オリンピック・パリ大会日本代表選手選考過程における競技者資格の適用
第4節 1925年の組織改造による独自の競技者資格の消失
第5節 第Ⅰ期における大日本体育協会でのアマチュアリズムの位置づけ
第2章 「アマチュアリズム堅持に関する声明書」の形成過程(第Ⅱ期
第1節 第10回オリンピック・ロサンゼルス大会における日本代表選手団派遣費の捻出
第2節 日本代表選手団の強化と活躍
第3節 第10回オリンピック・ロサンゼルス大会における報道体制と大衆のオリンピックに対する関心の高まり
第4節 第Ⅱ期における大日本体育協会でのアマチュアリズムの位置づけ
第3章 改正寄附行為(1935年)の形成過程(第Ⅲ期
第1節 日本運動競技連合の設立
第2節 日本運動競技連合におけるアマチュアリズムの位置づけ
第3節 1935年における寄附行為の改正
第4節 第Ⅲ期における大日本体育協会でのアマチュアリズムの位置づけ
終章 アマチュアリズムの形成過程が映す日本スポーツ界の課題
第1節 本書の総括
第2節 結論
補論1 アマチュア市民ランナーによる豊かなスポーツライフの実現過程
補論2 アマチュア競技者の競技引退後のキャリア形成――箱根駅伝に出場した大学教員を事例として
あとがき
引用・参考文献
初出一覧
人名索引
Summary

著者|Author

根本想(ねもと・そう)
育英大学教育学部講師。広島大学教育学部卒業。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科博士後期課程修了。博士(スポーツ科学)。早稲田大学オリンピック・パラリンピック教育研究センター研究員、育英短期大学現代コミュニケーション学科講師を経て2022年より現職。専門は体育思想史。主な著書・論文に、『広辞苑 第七版』(体育・スポーツ関連語句執筆、岩波書店、2018年)、『体育原理』(分担執筆、みらい、2023年)、「1920年代における武田千代三郎のアマチュアリズム観――大阪市立高等商業学校長時代の活動を中心に」『体育・スポーツ哲学研究』第38巻第1号、2016年、「メルクリアリス De Arte Gymnastica 第3巻第1章試訳」『育英大学研究紀要』第6号、2024年などがある。

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神による〈記憶〉と死者のための祈り―日本ハリストス正教会の定着過程をめぐって

神による〈記憶〉と死者のための祈り

日本ハリストス正教会の定着過程をめぐって

  • 佐﨑愛(著)/2025年2月
  • 5500円(本体)/四六判上製512頁
  • 装丁:中本那由子

日本の正教徒は、なぜ死者のために祈るのだろうか?
実際のところ死後にどうなったかが分からないという点に加えて、天国にいる場合でも死者がより神の近くに行けるよう祈るのだという、このようなある種の死に対する明るさが、正教会における死に関する受け止め方のもっとも大きな特徴である。(本文より)
(ISBN9784861109904)

目次|Contents

図・表・写真一覧
凡例
はじめに
序章 日本にキリスト教はいかに定着したか
I部 日本ハリストス正教会の概観
第1章 日本ハリストス正教会の歴史的概要
第2章 日本ハリストス正教会の儀礼
第3章 日本ハリストス正教会の死生観と神による〈記憶〉
II部 日本ハリストス正教会の儀礼実践
第4章 新しい〈供養〉儀礼「月例パニヒダ」
第5章 日本の正教徒宅の家庭祭壇
第6章 葬儀と墓地
終章 日本ハリストス正教会の定着過程
あとがき

附録
 (1)日本ハリストス正教会信徒数の推移
 (2)日本ハリストス正教史年表
 (3)日本正教会の神品・教衆ほかの名称一覧
 (4)アンケート調査①:質問紙とその結果(対象:日本全国の正教会)
参考・引用文献
索引

著者|Author

佐﨑愛(さざき・あい)
1992年、大阪生まれ。北海学園大学人文学部卒業。東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、東北大学文学部助教。専門は宗教学、主な関心は日本ハリストス正教会の死者儀礼、死者の弔いをめぐる儀礼やモノの現代的変容。
・主な著書
共著に、「近現代日本の正教会」(キリスト教文化事典編集委員会編『キリスト教文化事典』丸善出版、2022年)、主な論文に「日本ハリストス正教会の〈死者の記憶〉」(『論集』46号、2019年)、「家庭祭壇に置かれる「モノ」の物質性――日本の正教徒宅にある家庭祭壇の比較を通して」(『東北宗教学』15号、2019年)など。

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越境する歌舞伎―戦前・戦後の小芝居と女役者

越境する歌舞伎

戦前・戦後の小芝居と女役者

  • 浅野久枝(著)/2025年2月
  • 5000円(本体)/A5判上製488頁
  • 装丁:矢萩多聞

大芝居/小芝居、中央/地方、演者/観客 そして男/女を架橋する
大歌舞伎に比して小規模な歌舞伎興行を行う小芝居。松竹による大歌舞伎界との交流はもとより、時間・ジェンダー・国境と、さまざまな枠を越えながら、昭和後期まで活動していたその実態を詳細に追う。
(ISBN 9784868160120)

目次|Contents

はじめに――昭和期の小芝居への旅

【第一部】大正期から昭和期に活躍した小芝居劇団
第一章 小芝居劇団の概略
 第一節 かたばみ座
 第二節 中山(市松)延見子一座
 第三節 劇団新鋭歌舞伎
 第四節 細川興行
 第五節 市川少女歌舞伎
第二章 備前屋中村芝寛一座と三河屋市川市蔵劇団
 第一節 市川市蔵の岳父中村芝寛と大森家
 第二節 市川市蔵と藤田家
 第三節 初代市川団四郎と今井家
 第四節 三河屋市川市蔵劇団に関わった役者たち
 第五節 家族で固めていた小芝居劇団
第三章 市川市蔵劇団の活動の歴史と興行形態の変遷
 第一節 藤田栄(市川市蔵)が座組した劇団の変遷
 第二節 興行の実態と役者たちの日常
 第三節 長期の活動が可能だった市蔵劇団
第四章 道具としての芸名
 第一節 正統な襲名と命名
 第二節 親族や師弟間の襲名と命名
 第三節 大歌舞伎のネームバリューの利用
 第四節 小芝居役者の命名・襲名の特徴

【第二部】 小芝居劇団が好んだ演目と演技
第五章 上演された演目の特徴
 第一節 明治期以降によく上演された演目
 第二節 上方風の演目とその演出
 第三節 東西のしきたりの違い
 第四節 小芝居に残った江戸期の歌舞伎の香り
第六章 小芝居独特の演出とその保持
 第一節 市蔵劇団が上演した外題一覧
 第二節 小芝居の演出と独自演目
 第三節 演出の傾向
 第四節 小芝居の持つ魅力と矜恃
 第五節 演目や演出の伝承
 第六節 観客の心をつかむ歌舞伎
第七章 劇評から見る小芝居劇団の演技――同人誌『劇友』誌上「歌舞伎劇卅七種を観る 小池橇歌」翻刻
 第一節 歌舞伎愛好家同人誌『劇友』について
 第二節 翻刻 「歌舞伎劇卅七種を観る  小池 橇歌」
 第三節 橇歌が観た細川興行の演技内容
 第四節 小芝居の実力

【第三部】 女役者たちの活躍
第八章 昭和期まで活躍した女役者の動向と消長
 第一節 系譜
 第二節 女役者たちの活動動向
 第三節 女役者の消長と歌舞伎の近代化
第九章 大正期から昭和期の歌舞伎海外公演
 第一節 渡米した歌舞伎一座
 第二節 小芝居劇団のバイタリティー

おわりに――越境する歌舞伎

[資料]市川市蔵と岩井小紫の名跡について
一 「大和屋岩井小紫」の名跡の系譜
二 大歌舞伎と小芝居の交流

著者|Author

浅野久枝(あさの・ひさえ)
一九五七年、東京に生まれ、愛知県に育つ。東京学芸大学大学院修士課程修了。教育学修士。現在、東京都立大学非常勤講師、同志社女子大学嘱託講師。主な共著に、『女の眼でみる民俗学』(高文研、一九九九年)、『ふるさと山梨の民俗世界――可能性としての生活文化』(アスパラ社、二〇二四年)などがある。

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じゃがたらお春・更紗の時代―17世紀、グローバルな街で生きた日本人女性たち

じゃがたらお春・更紗の時代

17世紀、グローバルな街で生きた日本人女性たち

  • 白石広子(著)/2025年2月
  • 4800円(本体)/四六判上製366頁
  • 装丁:中本那由子

1640年、「はる」15歳、バタヴィア到着
可哀そうな「はる」像は創作だった!
鎖国時代、日本史から排除された人々は、異国でどのような生涯を送ったのか。グローバル化されたバタヴィアの街で多様な民族と文化を受け入れながら、たくましく生を全うした「はる」たち移住日本人女性。彼女たちの地域に根差した生活者としての姿は、17世紀の日本史に新たな視点を提供する。オランダ語史料、日本語古文書・研究書に基づき、「はる」の伝説と実像を考証。
(ISBN 9784868160267)

目次|Contents

序  章 課題の設定と構成
第一章 「ジャガタラ文」
第二章 西川如見の思想と「じゃがたら文」
第三章 バタヴィア社会と日本人女性たち
第四章 「はる」の残存史料と孤児財産管理局
第五章 日蘭貿易への苦情文書―「訴状」と「そ志(じ)やう」
結 論 「はる」の存在とその研究意義

著者|Author

白石広子(しらいし・ひろこ)
1944年大阪市に生まれる。博士(歴史学、青山学院大学)
2003年学習院大学人文科学研究科日本語日本文学専攻博士前期課程修了、2022年青山学院大学文学研究科史学専攻博士後期課程修了、博士(歴史学)学位取得
〈主要著書・論文〉
『じゃがたらお春の消息』(勉誠出版、2001年)、『長崎出島の遊女』(勉誠出版、2005年)、『バタヴィアの貴婦人』(新典社、2008年)、「17世紀、異国に生きた日本女性の生活」(水井万里子他編『世界史のなかの女性たち』勉誠出版、2015年)、「17世紀バタヴィア移住日本人女性「はる」の資産について」(洋学史学会『洋学』29、岩田書院、2022年)

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