日本スポーツ界におけるアマチュアリズムの源流―大日本体育協会による近代スポーツ思想の受容と展開

日本スポーツ界におけるアマチュアリズムの源流

大日本体育協会による近代スポーツ思想の受容と展開

  • 根本想(著)/2025年2月
  • 5000円(本体)/四六判上製358頁
  • 装丁:長田年伸

なぜアマチュアでなければならなかったのか?
大日本体育協会が担った近代スポーツ思想の普及と制度化の過程を丹念にたどる。国際競技大会や政府の政策、さらには社会的要因が重層的に絡み合う中で、アマチュアリズムがどのように形成・変容していったのかを明らかにし、現代スポーツに通じる課題をも照射する。
(ISBN9784861109737)

目次|Contents

まえがき
序章 本書の目的と構成
第1節 問題の所在と本書の目的
第2節 先行研究の検討
第3節 本書の課題・方法・意義
第4節 本書の構成
第1章 競技者資格の形成および消失過程(第Ⅰ期
第1節 大日本体育協会の設立と第Ⅰ期における財政状況
第2節 大日本体育協会による競技会の開催と競技者資格の形成
第3節 第8回オリンピック・パリ大会日本代表選手選考過程における競技者資格の適用
第4節 1925年の組織改造による独自の競技者資格の消失
第5節 第Ⅰ期における大日本体育協会でのアマチュアリズムの位置づけ
第2章 「アマチュアリズム堅持に関する声明書」の形成過程(第Ⅱ期
第1節 第10回オリンピック・ロサンゼルス大会における日本代表選手団派遣費の捻出
第2節 日本代表選手団の強化と活躍
第3節 第10回オリンピック・ロサンゼルス大会における報道体制と大衆のオリンピックに対する関心の高まり
第4節 第Ⅱ期における大日本体育協会でのアマチュアリズムの位置づけ
第3章 改正寄附行為(1935年)の形成過程(第Ⅲ期
第1節 日本運動競技連合の設立
第2節 日本運動競技連合におけるアマチュアリズムの位置づけ
第3節 1935年における寄附行為の改正
第4節 第Ⅲ期における大日本体育協会でのアマチュアリズムの位置づけ
終章 アマチュアリズムの形成過程が映す日本スポーツ界の課題
第1節 本書の総括
第2節 結論
補論1 アマチュア市民ランナーによる豊かなスポーツライフの実現過程
補論2 アマチュア競技者の競技引退後のキャリア形成――箱根駅伝に出場した大学教員を事例として
あとがき
引用・参考文献
初出一覧
人名索引
Summary

著者|Author

根本想(ねもと・そう)
育英大学教育学部講師。広島大学教育学部卒業。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科博士後期課程修了。博士(スポーツ科学)。早稲田大学オリンピック・パラリンピック教育研究センター研究員、育英短期大学現代コミュニケーション学科講師を経て2022年より現職。専門は体育思想史。主な著書・論文に、『広辞苑 第七版』(体育・スポーツ関連語句執筆、岩波書店、2018年)、『体育原理』(分担執筆、みらい、2023年)、「1920年代における武田千代三郎のアマチュアリズム観――大阪市立高等商業学校長時代の活動を中心に」『体育・スポーツ哲学研究』第38巻第1号、2016年、「メルクリアリス De Arte Gymnastica 第3巻第1章試訳」『育英大学研究紀要』第6号、2024年などがある。

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神による〈記憶〉と死者のための祈り―日本ハリストス正教会の定着過程をめぐって

神による〈記憶〉と死者のための祈り

日本ハリストス正教会の定着過程をめぐって

  • 佐﨑愛(著)/2025年2月
  • 5500円(本体)/四六判上製512頁
  • 装丁:中本那由子

日本の正教徒は、なぜ死者のために祈るのだろうか?
実際のところ死後にどうなったかが分からないという点に加えて、天国にいる場合でも死者がより神の近くに行けるよう祈るのだという、このようなある種の死に対する明るさが、正教会における死に関する受け止め方のもっとも大きな特徴である。(本文より)
(ISBN9784861109904)

目次|Contents

図・表・写真一覧
凡例
はじめに
序章 日本にキリスト教はいかに定着したか
I部 日本ハリストス正教会の概観
第1章 日本ハリストス正教会の歴史的概要
第2章 日本ハリストス正教会の儀礼
第3章 日本ハリストス正教会の死生観と神による〈記憶〉
II部 日本ハリストス正教会の儀礼実践
第4章 新しい〈供養〉儀礼「月例パニヒダ」
第5章 日本の正教徒宅の家庭祭壇
第6章 葬儀と墓地
終章 日本ハリストス正教会の定着過程
あとがき

附録
 (1)日本ハリストス正教会信徒数の推移
 (2)日本ハリストス正教史年表
 (3)日本正教会の神品・教衆ほかの名称一覧
 (4)アンケート調査①:質問紙とその結果(対象:日本全国の正教会)
参考・引用文献
索引

著者|Author

佐﨑愛(さざき・あい)
1992年、大阪生まれ。北海学園大学人文学部卒業。東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、東北大学文学部助教。専門は宗教学、主な関心は日本ハリストス正教会の死者儀礼、死者の弔いをめぐる儀礼やモノの現代的変容。
・主な著書
共著に、「近現代日本の正教会」(キリスト教文化事典編集委員会編『キリスト教文化事典』丸善出版、2022年)、主な論文に「日本ハリストス正教会の〈死者の記憶〉」(『論集』46号、2019年)、「家庭祭壇に置かれる「モノ」の物質性――日本の正教徒宅にある家庭祭壇の比較を通して」(『東北宗教学』15号、2019年)など。

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越境する歌舞伎―戦前・戦後の小芝居と女役者

越境する歌舞伎

戦前・戦後の小芝居と女役者

  • 浅野久枝(著)/2025年2月
  • 5000円(本体)/A5判上製488頁
  • 装丁:矢萩多聞

大芝居/小芝居、中央/地方、演者/観客 そして男/女を架橋する
大歌舞伎に比して小規模な歌舞伎興行を行う小芝居。松竹による大歌舞伎界との交流はもとより、時間・ジェンダー・国境と、さまざまな枠を越えながら、昭和後期まで活動していたその実態を詳細に追う。
(ISBN 9784868160120)

目次|Contents

はじめに――昭和期の小芝居への旅

【第一部】大正期から昭和期に活躍した小芝居劇団
第一章 小芝居劇団の概略
 第一節 かたばみ座
 第二節 中山(市松)延見子一座
 第三節 劇団新鋭歌舞伎
 第四節 細川興行
 第五節 市川少女歌舞伎
第二章 備前屋中村芝寛一座と三河屋市川市蔵劇団
 第一節 市川市蔵の岳父中村芝寛と大森家
 第二節 市川市蔵と藤田家
 第三節 初代市川団四郎と今井家
 第四節 三河屋市川市蔵劇団に関わった役者たち
 第五節 家族で固めていた小芝居劇団
第三章 市川市蔵劇団の活動の歴史と興行形態の変遷
 第一節 藤田栄(市川市蔵)が座組した劇団の変遷
 第二節 興行の実態と役者たちの日常
 第三節 長期の活動が可能だった市蔵劇団
第四章 道具としての芸名
 第一節 正統な襲名と命名
 第二節 親族や師弟間の襲名と命名
 第三節 大歌舞伎のネームバリューの利用
 第四節 小芝居役者の命名・襲名の特徴

【第二部】 小芝居劇団が好んだ演目と演技
第五章 上演された演目の特徴
 第一節 明治期以降によく上演された演目
 第二節 上方風の演目とその演出
 第三節 東西のしきたりの違い
 第四節 小芝居に残った江戸期の歌舞伎の香り
第六章 小芝居独特の演出とその保持
 第一節 市蔵劇団が上演した外題一覧
 第二節 小芝居の演出と独自演目
 第三節 演出の傾向
 第四節 小芝居の持つ魅力と矜恃
 第五節 演目や演出の伝承
 第六節 観客の心をつかむ歌舞伎
第七章 劇評から見る小芝居劇団の演技――同人誌『劇友』誌上「歌舞伎劇卅七種を観る 小池橇歌」翻刻
 第一節 歌舞伎愛好家同人誌『劇友』について
 第二節 翻刻 「歌舞伎劇卅七種を観る  小池 橇歌」
 第三節 橇歌が観た細川興行の演技内容
 第四節 小芝居の実力

【第三部】 女役者たちの活躍
第八章 昭和期まで活躍した女役者の動向と消長
 第一節 系譜
 第二節 女役者たちの活動動向
 第三節 女役者の消長と歌舞伎の近代化
第九章 大正期から昭和期の歌舞伎海外公演
 第一節 渡米した歌舞伎一座
 第二節 小芝居劇団のバイタリティー

おわりに――越境する歌舞伎

[資料]市川市蔵と岩井小紫の名跡について
一 「大和屋岩井小紫」の名跡の系譜
二 大歌舞伎と小芝居の交流

著者|Author

浅野久枝(あさの・ひさえ)
一九五七年、東京に生まれ、愛知県に育つ。東京学芸大学大学院修士課程修了。教育学修士。現在、東京都立大学非常勤講師、同志社女子大学嘱託講師。主な共著に、『女の眼でみる民俗学』(高文研、一九九九年)、『ふるさと山梨の民俗世界――可能性としての生活文化』(アスパラ社、二〇二四年)などがある。

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じゃがたらお春・更紗の時代―17世紀、グローバルな街で生きた日本人女性たち

じゃがたらお春・更紗の時代

17世紀、グローバルな街で生きた日本人女性たち

  • 白石広子(著)/2025年2月
  • 4800円(本体)/四六判上製366頁
  • 装丁:中本那由子

1640年、「はる」15歳、バタヴィア到着
可哀そうな「はる」像は創作だった!
鎖国時代、日本史から排除された人々は、異国でどのような生涯を送ったのか。グローバル化されたバタヴィアの街で多様な民族と文化を受け入れながら、たくましく生を全うした「はる」たち移住日本人女性。彼女たちの地域に根差した生活者としての姿は、17世紀の日本史に新たな視点を提供する。オランダ語史料、日本語古文書・研究書に基づき、「はる」の伝説と実像を考証。
(ISBN 9784868160267)

目次|Contents

序  章 課題の設定と構成
第一章 「ジャガタラ文」
第二章 西川如見の思想と「じゃがたら文」
第三章 バタヴィア社会と日本人女性たち
第四章 「はる」の残存史料と孤児財産管理局
第五章 日蘭貿易への苦情文書―「訴状」と「そ志(じ)やう」
結 論 「はる」の存在とその研究意義

著者|Author

白石広子(しらいし・ひろこ)
1944年大阪市に生まれる。博士(歴史学、青山学院大学)
2003年学習院大学人文科学研究科日本語日本文学専攻博士前期課程修了、2022年青山学院大学文学研究科史学専攻博士後期課程修了、博士(歴史学)学位取得
〈主要著書・論文〉
『じゃがたらお春の消息』(勉誠出版、2001年)、『長崎出島の遊女』(勉誠出版、2005年)、『バタヴィアの貴婦人』(新典社、2008年)、「17世紀、異国に生きた日本女性の生活」(水井万里子他編『世界史のなかの女性たち』勉誠出版、2015年)、「17世紀バタヴィア移住日本人女性「はる」の資産について」(洋学史学会『洋学』29、岩田書院、2022年)

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変貌するエチオピアの光と影―民族連邦制・開発主義・革命的民主主義の時代

変貌するエチオピアの光と影

民族連邦制・開発主義・革命的民主主義の時代

  • 石原美奈子・眞城百華・宮脇幸生(編)/2025年2月
  • 5000円(本体)/A5判並製418頁
  • 装丁:長田年伸

「アフリカの角」の地域大国エチオピアにおいて、1991年から28年間にわたり政権を握ったエチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)。政権発足当初は期待をもって国民に迎え入れられたにもかかわらず、その期待が疑惑や失望へと変質したのはなぜなのか。その遺産は繁栄党政権にどのように受け継がれたのか。――日本人研究者たちが、この政権期に構築された政治・経済・社会体制の意義を総括する。
(ISBN 9784868160052)

目次|Contents

はじめに(石原 美奈子) [pp.11-27]
第Ⅰ部 EPRDF政権の民族連邦制・革命的民主主義・開発主義
第1章 エチオピアにおける民族連邦制と革命的民主主義(石原 美奈子・眞城 百華)[pp.31-64]
第2章 開発主義国家の誕生(宮脇 幸生)[pp.65-98]
第3章 言語政策―学校における教授言語に注目して(利根川 佳子)[pp.99-118]
第4章 マスメディアとNGOセクター(利根川 佳子)[pp.119-144]
第Ⅱ部 エチオピアの民族連邦制―そのおこりと行方
第5章 ティグライ人民解放戦線によるティグライ支配の構図―内戦期の遺産と課題(眞城 百華)[pp.147-176]
第6章 「アムハラ」民族の再形成―民族ナショナリズム台頭の背景(児玉 由佳)[pp.177-208]
第7章 オロモ民族主義の過去・現在・未来―民族連邦制の功罪(石原 美奈子)[pp.209-239]
第8章 オロモの再想像/創造としての無形文化遺産―ガダ体系をめぐる重層的な文化翻訳のプロセス(田川 玄)[pp.239-255]
第9章 国家への集合的トラウマとエスノナショナリズムの隆盛―エチオピア南東部アルシにおける抵抗者たちの経験とナラティブに焦点をあてて(大場 千景)[pp.257-284]
第10章 民族連邦制の功罪―南部諸民族州からの分離と新たな州の設立(吉田 早悠里)[pp.285-308]

第Ⅲ部 開発政策と人びとの生活の変化
第11章 周辺民族にとっての国家の諸相―西南部の農耕民マロとEPRDF政権を中心に(藤本 武)[pp.311-338]
第12章 力の政治文化と困窮するくらし―EPRDF政権下での牧畜社会の経験(佐川 徹)[pp.339-364]
第13章 新たなコモンズと資源管理システムの生成―エチオピア西南部農牧民ツァマコの事例から(宮脇 幸生)[pp.365-391]

おわりに(眞城 百華)[pp.392-400]
あとがき(宮脇 幸生)[pp.401-405]

索引
執筆者一覧

編者|Editors

石原美奈子(いしはら・みなこ)
南山大学人文学部・教授。文化人類学。主な著作に、『愛と共生のイスラーム:現代エチオピアのスーフィズムと聖者崇拝』(編著、春風社、2021年)、『現代エチオピアの女たち:社会変化とジェンダーをめぐる民族誌』(編著、明石書店、2017年)、『せめぎあう宗教と国家:エチオピア 神々の相克と共生』(編著、風響社、2014年)など。

眞城百華(まき・ももか)
上智大学総合グローバル学部・教授。エチオピア史、アフリカ研究。主な著作に、『エチオピアの歴史を変えた女たちの肖像』(テケステ・ネガシュ著、共訳、ぎょうせい、2024年)、『エチオピア帝国再編と反乱(ワヤネ):農民による帝国支配への挑戦』(春風社、2021年)、「戦う女性たち:ティグライ人民解放戦線と女性」(石原美奈子編著『現代エチオピアの女たち:社会変化とジェンダーをめぐる民族誌』明石書店、2017年)、「民族の分断と地域再編:ティグライから見たエチオピアとエリトリアの100年」(小倉充夫編著『現代アフリカ社会と国際関係:国際社会学の地平』、有信堂、2012年)など。

宮脇幸生(みやわき・ゆきお)
大阪公立大学・名誉教授。文化人類学。主な著作に、Female Genital Mutilation/Cutting: Global Zero Tolerance Policy and Diverse Responses from African and Asian Local Communities (共編著、Springer、2023年)、『国家支配と民衆の力:エチオピアにおける国家・NGO・草の根社会』(編著、大阪公立大学共同出版会、2018年)、『辺境の想像力:エチオピア国家に抗する少数民族ホール』(世界思想社、2006年)など。

お詫びと訂正

本文中に編集上の不手際で67ページのグラフに誤りが生じました。こちら(pdfファイル)が正しいものになります。謹んでお詫びして訂正いたします。

 

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女子プロレスの誕生—冷戦期日本の大衆文化とインターセクショナリティ

女子プロレスの誕生

冷戦期日本の大衆文化とインターセクショナリティ

  • 瀬戸智子(著)/2025年2月
  • 3200円(本体)/四六判並製398頁
  • 装丁:中本那由子

エロさ or 強さ? 生業 or 自己実現?
近年、さまざまな団体が活動し、一ジャンルとしてたしかな地位を築いている女子プロレス。その黎明期の10年間にみられた、冷戦下日本の家父長的なありようとレスラー自身のエンパワメント性、双方の混淆を描く。
(ISBN 9784861109997)

目次|Contents

序章
第一章 女子プロレスの誕生
第二章 一九五四年 世界女子プロレスリング大試合
第三章 第一次女子プロレスブーム
第四章 インターセクショナルな女子レスラー表象
終章
あとがき
主要参考文献一覧

著者|Author

瀬戸智子(せと・ともこ)
東京都八王子市生まれ。シカゴ大学東アジア言語文化学科博士課程修了。博士(Ph.D)。韓国・延世大学校アンダーウッド国際大学を経て、現在、神戸女学院大学国際学部准教授。専門は近現代日本文化史、ジェンダー史、民衆文化研究。主な論文に、”From the Stage to the Ring: The Early Years of Japanese Women’s Professional Wrestling, 1948–1956″ (Journal of Women’s History, 33:3, 2021)、”Shoka and Naniwa-bushi in Inoue Hisashi’s Manzanar, My Town (1993): Violence, Vulnerability, and Women’s Solidarity” (U.S.-Japan Women’s Journal, 55/56, 2019)、”‘Anarchist Beauties’ in Late Meiji Japan: Media Narratives of Police Violence in the Red Flag Incident” (Radical History Review, 126, 2016)など。

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幸田露伴の「知」の世界

幸田露伴の「知」の世界

  • 西川貴子(著)/2025年2月
  • 4800円(本体)/四六判上製324頁
  • 装丁:毛利一枝

露伴にとって、「文章を作る」ということは「境界」をなくし、「広い」「茫漠として分らぬ」世界を作ることに他ならないという意識があったことがわかる。「いさなとり」に内包される「知」と「力」の錯綜のありようには、露伴の求めた「広い」「茫漠として分らぬ」世界の一端を観ることができる。(本文より)
(ISBN 9784861109874)

目次|Contents

凡例
はじめに――書を読むは猶文を作るが如し
第一部 「制度」からの逸脱
第一章 「法」と「幽霊」―「あやしやな」
第二章 「美術」の季節―『風流仏』
第三章 錯綜する「知」と「力」―「いさなとり」
第二部 合理的ならざるものへの眼差し
第四章 伝説と現実―「新浦島」
第五章 〈煩悶、格闘〉する詩人―「心のあと 出廬」
第六章 「詩」の行方―「天うつ浪」
第三部 「幻」をめぐる談し
第七章 「移動」と「境界」―「観画談」
第八章 「境界」に挑む者たち―「魔法修行者」
第九章 〈言〉をめぐる物語―「平将門」
第十章 香から広がる世界―「楊貴妃と香」
むすび

〔資料編〕
初出一覧
あとがき
人名索引

著者|Author

西川貴子(にしかわ・あつこ
東京都生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。同志社大学文学部教授。専門は日本近現代文学。主な著書は、『建築の近代文学誌――内地と外地の西洋表象』(共編著、勉誠出版、2018年)、『日本文学の見取り図――宮崎駿から古事記まで』(共編著、ミネルヴァ書房、2022年)など。論文に「紙上映画という試み――懸賞映画小説「霊の審判」を読む」(『人文学』2022年)、「戦略としての「実話」――橘外男「博士デ・ドウニヨールの「診断記録」」に見る仕掛け」(『小説のフィクショナリティ――理論で読み直す日本の文学』高橋幸平・久保昭博・日高佳紀編、ひつじ書房、2022年)などほか多数。

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CQという異文化適応力―グローバルなリーダーシップ成功の秘訣

CQという異文化適応力

グローバルなリーダーシップ成功の秘訣

  • デイヴィッド・リヴァーモア(著)、下村冬彦(訳)/2025年1月
  • 4500円(本体)/四六判上製338頁
  • 装丁:斉藤啓

グローバルビジネスにおいて効率よくリーダーシップを執るのに有効なCQ(異文化理解に関する知能指数)とは?
ハーバード大学ビジネススクール、Google、コカ・コーラ、アメリカ国防総省、BMWなどでコンサルティング業を務める著者が、多様なケーススタディをもとにビジネスの実践に即した知見を提供する。
(ISBN 9784861109843)

目次|Contents

序章
パート1 グローバルなビジネス・リーダーにとってのCQ
第1章 文化の影響は侮れない―なぜCQが必要なのか
第2章 CQとは何か
パート2 CQを伸ばすために
第3章 CQへの動機―異文化に適応するための潜在能力を見つけ出すこと
第4章 CQに関する知識(パート1)―どのような文化の違いが問題になるのか知ること
第5章 CQに関する知識(パート2)―文化的価値観の10側面を理解すること
第6章 CQに関連した戦略―根拠なく「ガッツ」を信じすぎないこと
第7章 CQを用いた行動―異文化圏でもある程度偽りのない自分自身でいるべき
パート3 CQの活用
第8章 CQの高いリーダーへの見返り(リターン)
第9章 CQの高いチームの育成
終章  グローバルなリーダーに本当になれるのだろうか?
謝辞
付録 10種類の文化クラスタ
訳者解説

著訳者|Author and Translator

【著者】
デイヴィッド・リヴァーモア(David Livermore
ミシガン州立大学博士課程修了。ミシガン州イーストランシングにCQ(カルチュラルインテリジェンス)センターを創設し、100カ国以上の国を訪問した自身の異文化体験とCQに関する専門知識をもとに、ハーバード大学ビジネススクール、Google、コカ・コーラ社、アメリカ国防総省、BMW、カタール航空、UNなどの多国籍企業や大学、グローバル組織等でCQに関するコンサルティング業務を務める。

【訳者】
下村冬彦(しもむら・ふゆひこ)
2001年、同志社大学文学部英文学科卒業後に単身渡米。911のテロ直後の中東系への差別が激化するニューヨーク市で、NYU(ニューヨーク大学)とコロンビア大学の修士課程を修了し、UW(ワシントン大学)の博士課程においても異文化理解や多文化共生について研究。帰国後は京都産業大学、神戸女学院大学、京都女子大学に於いて、異文化コミュニケーション分野や英語分野の専任教員として教鞭を執る。2022年4月立命館大学経営学部着任。

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老アブー

老アブー

  • ナタリー・ド・クルソン(著)、髙井邦子・大野デコンブ泰子(訳)/2025年1月
  • 2500円(本体)/四六判・仮フランス装220頁
  • 装丁:中本那由子

老いた父をめぐる風景
北フランスの町、ペリクールで一人暮らしをしている老父アブー。旧家の末裔である父、絶対的な家父長として君臨していた父が、今や老いて認知症になっている。この父をどうしたらいいか。子どもたちにとって必ずしも愛しい父ではないが、立派に生きた過去を持つ父を交代で世話をし、その様子をメールで報告し合う。そこに子どもたち一人ひとりのこれまでの人生が自然と浮かび上がる。父と子どもたちの関係、老い、介護を巡る物語。
(ISBN 9784861109980)

『老アブー』正誤表

目次|Contents

すべてのDの喪失の喪失

虫の知らせ
老いた林檎の木
黒いもの
超人ハルク
ユーロ王
徘徊
一〇〇歳
古い弾丸
地震地帯(東日本大震災)
余命いくばく

訳者あとがき

著訳者|Author and Translator

【著者】
ナタリー・ド・クルソン(Nathalie de Courson)
1951年パリ生まれの作家、詩人、翻訳家。パリ大学(仏文学)博士。元高校教師。著書に Nathalie Sarraute – la peau de maman (L’Harmattan 出版、2011年)、Eclats d’école (Le Lavoir Saint-Martin 出版、2014年)がある。翻訳書(スペイン語からフランス語)に Estela Puyuelo著、Tous les vers à soie (La Ramonda出版、2021年) 等。

【訳者】
髙井 邦子(Kuniko TAKAI)
明治大学、明治学院大学、成蹊大学、國學院大學等、元非常勤講師。共訳書に、アニー・アンジュー『特性のない女』(言叢社)、フェリックス・ナダール+ポール・ナダール『パリの肖像 ナダール写真集』(立風書房)、ニコラ・アブラハム、マリア・トローク『表皮と核』(松籟社)。

大野デコンブ 泰子(Yasuko ONO-DESCOMBES)
元仏国オルレアン大学文学部准教授。仏国立東洋言語文化学院(INALCO)博士。パリ第7大学(仏文学)修士。米国ジョンス・ホプキンス大学(西洋美術史)修士。慶應義塾大学(仏文学)学士。専門は日本文化史および比較文化。著書に、Kenzan, potier ermite – regards sur un artiste japonais de jadis (L’Harmattan 出版、2011年)。

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「1968年」以後のポスト革命的運動―西ドイツ青年によるローカルな挑戦

「1968年」以後のポスト革命的運動

西ドイツ青年によるローカルな挑戦

  • 川﨑聡史(著)/2025年1月
  • 5900円(本体)/A5判上製388頁
  • 装丁:長田年伸

68年運動は西ドイツ社会をリベラル化したのか?
一次史料を丹念に読み解き、共同保育施設キンダーラーデンや青年組織ユーゾーの活動を詳細に分析することで、ローカルな場で試みられた変革の歴史的意義を再評価する。
(ISBN 9784861109799)

目次|Inhaltsverzeichnis

序章 68年運動は西ドイツをリベラルにしたのか?
第1章 「1968年」の展開とその帰結
第1節 1960年代までの西ドイツ
第2節 運動の転換―新しい運動の展望の発見
第3節 新たな運動の誕生
第2章 共同保育施設キンダーラーデンの運動
第1節 1960〜70年代の子育てをめぐる状況
第2節 キンダーラーデンの教育理念
第3節 キンダーラーデンの活動
第4節 キンダーラーデンの「体制内化」
第3章 ドイツ社会民主党青年組織ユーゾーの運動
第1節 ユーゾーの党内活動
第2節 ユーゾーによる地方での実践―ヘッセン州南部を例に
第3節 ユーゾーの弱体化
第4章 キンダーラーデンとユーゾーの意義とその後</strong
第1節 68年運動の挫折とその遺産
第2節 「コミューン化」と「ポスト革命的運動」
第3節 キンダーラーデンとユーゾーの運動の位置付け
第4節 キンダーラーデンとユーゾーのその後
終章 ローカルな急進的運動による社会のリベラル化

著者|Autor

川﨑聡史(かわさき・さとし)
獨協大学外国語学部ドイツ語学科専任講師。1992年栃木県佐野市生まれ。2017年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2021年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)取得。日本学術振興会特別研究員(PD)、東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センター(DESK)特任助教などを経て、現在、獨協大学外国語学部専任講師。主要業績に、「西ドイツにおける自主管理型保育施設「キンダーラーデン」―68年運動後の新しい幼児教育の思想と実践に関する考察」『ヨーロッパ研究』(21号 2021年12月)、「1960〜70年代のフランクフルト・アム・マイン再開発問題―抗議運動への行政の対応に注目して」『現代史研究』(68号 2022年12月)、「「過激派条令」に見る西ドイツの民主主義理解―1970年代のヘッセン州を中心に」『歴史学研究』(1048号 2024年5月)などがある。

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