ドイツの幼児教育におけるビルドゥング―子どもにとっての学びを問い直す

ドイツの幼児教育におけるビルドゥング

子どもにとっての学びを問い直す

  • 中西さやか(著)/2023年3月
  • 4000円(本体)/四六判上製242頁
  • 装丁:松田晴夫(クリエイティブ・コンセプト)

自らの経験を理解し意味づけていく、幼児期に特有な学びのプロセスを描く
ドイツの幼児教育をめぐる政策動向に顕著に見られるようになった教育観や教育課題を、そこにおけるビルドゥングという言葉の意味を再考することで見直す。子ども自身が主観的な学びをまず培うことの必要性を示し、子どもに見えていることを起点とする学びに向けた幼児教育を提案する。
(ISBN 9784861108686)

目次|contents

序章 なぜ幼児期のビルドゥングに着目するのか
第1章 幼児教育とビルドゥングをめぐる視点の整理
第2章 教育政策における幼児期のビルドゥングの強調
第3章 幼児教育学におけるビルドゥングをめぐる議論
第4章 ビルドゥング・アプローチの理論的枠組み
第5章 ビルドゥング・アプローチによる教育構想の意義と課題
終章 幼児教育におけるビルドゥングが照らすもの
あとがき
引用参考文献

著者|author

中西さやか(なかにし・さやか)
佛教大学社会福祉学部准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了、博士(教育学)。名寄市立大学短期大学部専任講師、名寄市立大学保健福祉学部専任講師を経て現職。専門は保育学・教育学。主な著書に『保育政策の国際比較――子どもの貧困・不平等に世界の保育はどう向き合っているか』(共監訳、明石書店、2018年)、「保育の質をめぐる世界の動向 ドイツ」『世界の保育の質評価――制度に学び、対話をひらく』(共著、明石書店、2022年)。

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江戸時代の唐画―南蘋派、南画から南北合派へ

江戸時代の唐画

南蘋派、南画から南北合派へ

  • 伊藤紫織(著)/2023年3月
  • 6500円(本体)/A5判上製428頁
  • 装丁:長田年伸

「唐画」の成立と伝播のありようをひもとく――
江戸時代中期以降の日本絵画の諸相を、「唐画」の語に注目して横断的に解き明かす。京都、大坂、江戸の複数の画派に関する実証的な検討を行い、その変遷を様式や題材から総合的に捉える。
(ISBN 9784861108570)

目次|contents

はじめに
第一章 唐画の広がり
第二章 京都の唐画
第三章 大坂の唐画
第四章 江戸の唐画
補論 『賞春芳帖』と岩垣龍渓主催松蘿館詩社
おわりに
あとがき
参考文献一覧
初出一覧
図版出典
索引

著者|author

伊藤紫織(いとう・しおり)
一九六九年、富山県生まれ。一九九二年、東京大学文学部美術史学専修課程卒業。一九九四年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。一九九四年~二〇一五年、開設準備室を経て千葉市美術館学芸員。二〇一一年、東京大学大学院人文社会系研究科美術史学専攻博士、課程単位取得退学。二〇一三年、博士(文学)を東京大学より授与。二〇一五年、尚美学園大学准教授。この間、実践女子大学、千葉大学、立教大学の非常勤講師を務める。現在、尚美学園大学教授。主な著書・論文に「森蘭斎について――支持者との関わりを中心に――」(『美術史』一五六、二〇〇四年)、「死絵と画中画――肖像としての死絵」(『死生学研究』一一、東京大学大学院人文社会研究科、二〇〇九年)、大久保純一責任編集『日本美術全集15 浮世絵と江戸の美術』(小学館、二〇一四年、共著)、『光琳を慕う――中村芳中』(芸艸堂、二〇一四年、共著および編集)「新名所の虚実――『松川十二景和歌色紙帖』(相馬市教育委員会)をめぐって」(『尚美学園大学芸術情報研究』二九、二〇一八年)、「真景図のつくられ方」(板倉聖哲・高岸輝編『日本美術のつくられ方――佐藤康宏先生の退職によせて』羽鳥書店、二〇二〇年)。

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越境のパラダイム、パラダイムの越境―フュスリ絵画から魔法使いハウルまで

越境のパラダイム、パラダイムの越境

フュスリ絵画から魔法使いハウルまで

  • 今村武、佐藤憲一(編)/2023年3月
  • 4500円(本体)/四六判上製426頁
  • 装丁:矢萩多聞

いかなるパラダイム転換を経て、美的創造活動は今日まで営まれつづけてきたのか。
18世紀から20世紀までのさまざまな転換期における文学作品や文化事象を比較検討し、時代的・地理的・分野的な「越境性」の諸相を明らかにする。
(ISBN 9784861108525)

目次|contents

前書【今村武】
第Ⅰ部:現代イギリス文学【西村醇子】
第1章:ダイアナ・ウィン・ジョーンズの流儀―ファンタジー作家は何と戦ったのか
第2章:ジョーンズと昔話世界―物語、「境界」を超える
第Ⅱ部:二〇世紀アメリカ文学【川村幸夫】
第3章:ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』をめぐって
第4章:ウィリアム・フォークナー『死の床に横たわりて』とそれ以降
第Ⅲ部:世紀転換期イギリス文学【内田均】
第5章:コナン・ドイルの短編小説と視覚情報
第6章:H・G・ウェルズのゲーム作品と写真
第Ⅳ部:近代アメリカ文学【佐藤憲一】
第7章:『白鯨』の内と外―「タウン・ホー号の物語」の時空間
第8章:『白鯨』奪胎―マンガ版『白鯨』研究序説
第Ⅴ部:現代日本文化【杉本章吾】
第9章:「かわいさ」という「繭」の中で―矢沢あい「天使なんかじゃない」における「少女」像の転回
第10章:若年女性の分断を乗り越えて―矢沢あい「ご近所物語」における「少女」像の解体と再構築
第Ⅵ部:日朝演劇・比較文化【金牡蘭】
第11章:村山知義と朝鮮―連帯と朝鮮表象の軌跡
第12章:一九四五年・京城の村山知義―転換期朝鮮演劇の現場で
第Ⅶ部:ドイツ文学・比較文化【今村武】
第13章:フュスリのシェイクスピア
第14章:チューリヒの啓蒙とロンドンの美術
あとがき【佐藤憲一】
人名索引
執筆者紹介

編者|editors

今村武(いまむら・たけし)
東京理科大学教養教育研究院教授。専門は18世紀ドイツ文学、ドイツ演劇。著書に『十八世紀スイス文学とシュトゥルム・ウント・ドラング―源流としての美学的共和主義』(春風社、2022年)、『救いと寛容の文学―ゲーテからフォークナーまで』(共著、春風社、2019年)、『人間関係から読み解く文学―危難の時の人間関係』(共著、日本人間関係学会・文学と人間関係部会編、開文社出版、2014年)、『近代ドイツ文学の萌芽と展開』(南窓社、2012年)、『不道徳な女性の出現―独仏英米の比較文化』(南窓社、2011年)等がある。

佐藤憲一(さとう・けんいち)
東京理科大学教養教育研究院教授。専門は初期近代トランスアトランティック文学文化。著作に『異形のピューリタン―ジョン・ウィンスロップ・ジュニアとトランスアトランティック・トランザクション』(春風社、2020年)、『救いと寛容の文学―ゲーテからフォークナーまで』(共著、春風社、2019年)、『異文化理解とパフォーマンス―Border Crossers』(共著、松田幸子・笹山敬輔・姚紅編、春風社、2016年)、『人間関係から読み解く文学―危難の時の人間関係』(共著、日本人間関係学会・文学と人間関係部会編、開文社出版、2014年)、『知の版図―知識の枠組みと英米文学』(共著、鷲津浩子・宮本陽一郎編、悠書館、2007年)がある。

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揺り動かされるヒンドゥー寺院―現代インドの世俗主義、サティー女神、寺院の公益性

揺り動かされるヒンドゥー寺院

現代インドの世俗主義、サティー女神、寺院の公益性

  • 田中鉄也(著)/2023年3月
  • 4000円(本体)/A5判上製306頁
  • 装丁:長田年伸

インドの寡婦殉死慣習サティーの規制によって、サティー女神を本尊とする寺院やその信仰はどのように変化してきたのか。またそこにはいかなる人や組織や制度が関与しているのか。

現代インドの公益信託や寺院の利害関係者に着目し、多元化した「公益性」にもとづいて各寺院のあり方が形作られてきた経緯を検討することで、世俗主義と宗教のかかわりを考察する。

『揺り動かされるヒンドゥー寺院』の書評が『宗教研究』に掲載されました

(ISBN 9784861108563)

目次|contents

まえがき
序章

第Ⅰ部 公益信託、マールワーリー、サティー女神
第1章 公益信託を支える宗教的・慈善的な基金をめぐる司法的言説
第2章 マールワーリーと宗教的・慈善的な基金
第3章 サティー女神を規制するということ

第Ⅱ部 公益に左右されるヒンドゥー寺院
第4章 公益とコミュニティとのあいだ
第5章 新たな利害関係者と寺院管理の変容

第Ⅲ部 公益を飼いならすヒンドゥー寺院
第6章 揺れ動く公益性
第7章 多元化する寺院の公益性

終章

あとがき
参考文献
索引

著者|author

田中鉄也(たなか・てつや)
1979年、大阪生まれ。関西大学文学部卒業。関西大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文学)。
専門は宗教学、南アジア地域研究。現在、中京大学国際学部准教授。

主な著作に、『インド人ビジネスマンとヒンドゥー寺院運営―マールワーリーにとっての慈善・喜捨・実利』(風響社、2014年)、“Trustee, State and Stakeholder: Hindu Temple Management in Contemporary India, 1957–2012”(Journal of Interdisciplinary Economics 32 (1), 2020)、「カースト族譜と社会関係資本――マールワーリーが具現化する一族の系譜関係」(三尾稔(編)『南アジアの新しい波(上)――グローバルな社会変動と南アジアのレジリエンス』昭和堂、2022年)など。

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自分を整えるブリーフサイコセラピー―瞑想法、NLP、臨床動作法、バイオフィードバック

自分を整えるブリーフサイコセラピー

瞑想法、NLP、臨床動作法、バイオフィードバック

  • 岡本浩一・小林能成・長谷川明弘(編)/2023年3月
  • 2500円(本体)/四六判並製310頁
  • 装丁:矢萩多聞

ストレスのセルフ・ケアに適用できる、短期心理療法のさまざまな技法を紹介。支援・治療相手の心の傷を疑似体験してしまう心理職、福祉職、医療職に就いている人や、効率よく自分自身でストレス・マネジメントをしたい人にとりわけ効力を発揮する。
アメリカでも著名な心理催眠療法家・大谷彰博士によるPTSD概論とマインドフルネス・トレーニング実演も収録。
【東洋英和女学院大学社会科学研究叢書10】
(ISBN 9784861108600)

目次|contents

I部:PTSDの概論:セルフケアへの脅威を知る
1章:PTSDについての概論
II部:マインドフルネス・トレーニングと伝統的瞑想法の応用
2章:タッチ・アンド・リターンの実演とチョコレートを使ったマインドフルネス・トレーニング
3章:坐禅瞑想法の現代的解釈と横隔膜マインドフルネス・トレーニング
4章:なんそ法
5章:地球イメージ法
III部:NLP/ブリーフセラピーの応用
6章:COACHステート
7章:セルフ・ダイナミック・スピン・リリース
8章:未来からの手紙
9章:○×法
IV部:臨床動作法
10章:動作法によるセルフケア1:着座姿勢での肩上げ
11章:動作法によるセルフケア2:腕挙げ、立位膝前出し・膝伸ばし
V部:バイオフィードバックの進展
12章:ニューロフィードバック
13章:心拍変動バイオフィードバック

編者|editors

岡本浩一(おかもと・こういち)
大阪府出身。東京大学文学部社会心理学専修課程卒業。同大大学院社会学研究科で社会学修士、社会学博士。同大文学部助手を経て、1989年より東洋英和女学院大学人文学部助教授。1997年より人間科学部教授。NLPをロバート・ディルツに師事し、NLPトレーナー。日本心理学会、日本社会心理学会、日本実験社会心理学会、日本行動計量学会、日本催眠医学心理学会、日本リスク研究学会などに所属。茶道を修め、裏千家淡交会巡回講師を兼任。リスク認知心理学を専門とし、原子力安全委員会専門委員、内閣府原子力委員会専門委員など歴任。国の科学技術研究領域の創始メンバーのひとり。著書に『会議を制する心理学』(単著)、『組織の社会技術1 組織健全化のための社会心理学:違反・自己・不祥事を防ぐ社会技術』(共著)、『グローバリゼーションとリスク社会〔東洋英和女学院大学社会科学研究叢書1〕』『新時代のやさしいトラウマ治療〔東洋英和女学院大学社会科学研究叢書4〕』『パワハラ・トラウマに対する短期心理療法〔東洋英和女学院大学社会科学研究叢書7〕』(共編)など。

小林能成(こばやし・よしなり)
東京都出身。上智大学文学部心理学科卒業。同大大学院文学研究科教育学専攻で修士。東京純心女子大学助教授を経て、2007年より、東洋英和女学院大学人間科学部准教授。日本心理学会、日本生理心理学会、日本バイオフィードバック学会(現在、理事)などに所属。主要論文に「ストレス軽減技法末梢皮膚温BF」など。

長谷川明弘(はせがわ・あきひろ)
愛知県出身。愛知学院大学文学部心理学科卒業、新潟大学大学院教育学研究科より修士(教育学)、東京都立大学大学院都市科学研究科博士課程より博士(都市科学)。医療・福祉・教育・産業領域での臨床実践と研究活動を並行し、金沢工業大学専任講師などを経て、2013年より東洋英和女学院大学人間科学部准教授。大学院人間科学研究科兼務。臨床心理士、臨床動作士、認定催眠士。公認心理師。日本心理学会、日本心理臨床学会、日本臨床動作学会などに所属、日本ブリーフサイコセラピー学会ならびに日本催眠医学心理学会の常任理事として編集委員、学術委員、研修委員、資格認定委員など歴任。主要な著書・論文は、『日常生活における「自然な」心理療法』『「からだ」と「こころ」をつなぐ心理療法のかたち』「臨床動作法と自己治癒力―主体性を活性化させる心理療法」「臨床心理学の歴史―催眠を基軸として」「ブリーフセラピーの学びをどのように臨床現場で活かしていくのか(共著)」など。

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コトのデザイン―発想力を取り戻す

コトのデザイン

発想力を取り戻す

  • 谷内眞之助・山川修(著)/2023年3月
  • 2500円(本体)/A5判並製152頁
  • 装丁:矢萩多聞

「真似(まね)び」と「学(まな)び」は、どうつながっていて、どう異なるのか?
学習者自身が複層的に自由に発想できるよう、ことがらの仕組みや関係性をひもとき、新たに構想するための方法と工夫を紹介。アイデアを生み出し表現するプロセスを培うことで、それを体験する楽しさや多様な意義をあらわす。

尾登誠一(東京芸術大学名誉教授)氏推薦!
――自己の視点に立って課題の本質を発見するデザイン思考は、①観察・共感、②定義、③着想、④試作、⑤テストの5段階思考プロセスを踏襲し、創造的問題解決力を獲得させる。本書は、普段の生活から発想するコトのデザインの啓蒙書といえる。

(ISBN 9784861108556)

目次|contents

はじめに
第1章 なぜ教育にコトのデザインが必要か
第2章 コトのデザインとは
第3章 コトのデザインを授業のなかに組み込む
第4章 発想の基本
第5章 コトのデザイン演習
おわりに
参考文献
索引

著者|authors

谷内眞之助(たにうち・しんのすけ)
所属:safeology 研究所。専門:プロダクトデザイン、デザインコーディネート、発想論。経歴:東京芸術大学美術研究科大学院デザイン専攻修了。芸術学修士。東洋ガラスマーケティング部を経て、神戸芸術工科大学附置芸術工学研究所にてデザインの発想の研究を行う。神戸芸術工科大学大学院、神戸女学院大学、神戸松蔭女子大学、金沢美術工芸大学の非常勤講師。福井工業大学デザイン科教授を退任後、福井県立大学にて非常勤講師として「コトのデザインと発想」を担当。現在、safeology 研究所にて「デザインの発想」を担当、オンラインセミナーを実施している。ガラスびん、ガラス食器のデザイン及び企画、ことば想像力開発プログラムTAAT、発見立て発想法(CDROM含む)の研究出版、地域おこしの一環として間伐材アートのデザイン制作、アートビアガーデンの制作及びコーディネートに携わる。神戸ビエンナーレ実行委員会委員及びディレクターを務める。
山川修(やまかわ・おさむ)
所属:福井県立大学学術教養センター教授。専門:学習科学、教育工学。経歴:名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻終了。理学博士。その後、高エネルギー物理学研究所、日本ビジネスオートメーション(現、東芝情報システム)、福井県立短期大学を経て2007年より現職。現在、自律的学習者をささえる内発的動機づけの大本にある「安心さ」に興味を持ち、社会情動的スキルを向上させる観点からの実践と理論化に取り組んでいる。

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ディープ・アクティブラーニングのはじめ方―つながりのなかに主体性を取り戻す

ディープ・アクティブラーニングのはじめ方

つながりのなかに主体性を取り戻す

  • 山川修・早川公(著)/2023年3月
  • 2200円(本体)/A5判並製136頁
  • 装丁:矢萩多聞

地域社会や身近にある様々な問題に向かい合うとき、
どのように自ら探索し解決策を構想するのか?

学習者自身が多角的に問題を解決できるよう、ディープ・アクティブラーニングという学習活動として「問いを立てる」ことと「信頼関係を創る」ことの2つの要素を採り入れ、新たな方法と考えの枠組みを提案する。

松下佳代(京都大学大学院教育学研究科教授)氏推薦!
――地域PBL×デザイン思考で、ディープ・アクティブラーニングという理念に確かなかたちを与えた1冊。学生が協働で地域課題に取り組みながら、自律的学習者に育っていくためのヒントとツールに溢れている。

(ISBN 9784861108549)

目次|contents

はじめに
第1章 ディープ・アクティブラーニングとは何か
第2章 つながりづくり(リーダーシップ)
第3章 問いの育み(デザイン思考)
第4章 授業設計と実践
第5章 評価方法
第6章 授業設計の基礎となる理論
第7章 地域PBLをオンラインで実施する
おわりに
参考文献
索引

著者|authors

山川修(やまかわ・おさむ)
所属:福井県立大学学術教養センター教授。専門:学習科学、教育工学。経歴:名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻修了。理学博士。その後、高エネルギー物理学研究所、日本ビジネスオートメーション(現、東芝情報システム)、福井県立短期大学を経て2007年より現職。現在、自律的学習者をささえる内発的動機づけの大本にある「安心さ」に興味を持ち、社会情動的スキルを向上させる観点からの実践と理論化に取り組んでいる。
早川公(はやかわ・こう)
所属:大阪国際大学准教授、FD センター長。専門:文化人類学、まちづくり論、地域志向教育論。経歴:筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。博士(国際政治経済学)。大学院在学時につくば市北条地区のまちづくり活動に関わりながら研究を実践。民間企業勤務後大学教員となり、宮崎、福井、大阪で地域志向教育(Commmunity Based Learning)に携わってきた。現在は、文化人類学の方法を社会に実装する方法について研究している。主著に『まちづくりのエスノグラフィ』(春風社、2018 年)、「地域志向教育における主体性の布置――中動態を手掛かりとして」(関係性の教育学、19 巻、2020 年)など。

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現代の皮膚感覚をさぐる―言葉、表象、身体

現代の皮膚感覚をさぐる

言葉、表象、身体

  • 平芳幸浩(編)/2023年3月
  • 3700円(本体)/四六判上製264頁
  • 装丁:コバヤシタケシ
  • 装画:げこる 「ここかも」(2021年)

デジタル・デバイスが浸透し、ヴァーチャルな空間での活動が増加する現代社会においてもなお/であるからこそ、皮膚はファジーで錯綜的、非局所的な身体感覚のトポス(在処)としてある。
現代の表現行為や日々の営為における皮膚感覚、その意義と可能性に触れなおす。

(ISBN 9784861108495)

目次|contents

序論  皮膚感覚について [平芳 幸浩]
第1章  かゆみの哲学断章―哲学的触覚論のゆくえ  [藤田 尚志]
第2章  皮膚と時間―作品の「身体」性格を再考する  [若林 雅哉]
第3章  陶器のようにつるりとした背中―村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』における皮膚  [高木 彬]
第4章  シームレスの美学―ファッションと皮膚感覚  [平芳 裕子]
第5章  プラスチックが蠢く、プラスチックと蠢く―『寄生獣』における皮膚(感覚)  [太田 純貴]
第6章  ピピロッティ・リストのヴィデオ・インスタレーションにおける皮膚感覚  [牧口 千夏]
第7章  皮膚感覚としての「建築する身体」―荒川修作+マドリン・ギンズあるいはヘレン・ケラー  [平芳 幸浩]
第8章  サーフェスとイメージ―新しい映像創作がもたらす皮膚感覚  [池側 隆之]

あとがき
参考文献一覧
執筆者一覧

編者|editor

平芳幸浩(ひらよし・ゆきひろ)
京都工芸繊維大学デザイン・建築学系 教授。近現代美術。
主な著作に、『マルセル・デュシャンとは何か』(河出書房新社、2018年)、『日本現代美術とマルセル・デュシャン』(思文閣出版、2021年)など。

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近代市民社会の信仰と音楽―オラトリオは「聖」か「俗」か

近代市民社会の信仰と音楽

オラトリオは「聖」か「俗」か

  • 瀬尾文子(著)/2023年3月
  • 5000円(本体)/A5判上製420頁
  • 装丁:毛利一枝

キリスト役を一人の歌手が担うのは不遜なこと?

19世紀ドイツの市民社会において、オラトリオという「教会と歌劇場の間」で揺れ動くジャンルは、どのように変容したのか。メンデルスゾーン作《エリヤ》の楽曲分析などをもとに、宗教的な題材の芸術化、また、それを演奏するということについて一考を促す刺激的著作。

(ISBN 9784861108389)

目次|contents

序――教会音楽の世俗化の論理を問う

【第一部】
第一章 オラトリオは教会音楽か?―― 一九世紀におけるジャンル概念の拡大
1.オラトリオ・ブームと議論の勃発
2.流行の要因――ナショナリズムと教養主義
3.新ジャンル創設の意識
4.素材の問題

第二章 オラトリオの物語はいかに表すべきか――オラトリオ論における詩の形式の議論
1.詩の三形式(エピック・リリック・ドラマチック)
2.オラトリオ論の流れ――リリックからドラマチックへ
3.エピック派の少なさと時代の趣向
4.趣向の変化の要因――リアリティおよびエンターテインメント性の追求

第三章 キリスト役は歌ってよいか――聖なる存在の具象化の問題
1.ベートーヴェン《オリーヴ山のキリスト》(一八〇三年ヴィーン初演)
2.シュポーア《救世主の最期のとき》(一八三五年カッセル初演)

第四章 オラトリオは何を主題とすべきか――崇高の表現への挑戦
1.「崇高」概念とオラトリオの関連
2.「最後の審判」オラトリオ二作品の概要
3.アーペルの作品構想と「崇高」概念
4.ロホリッツの作品構想と「崇高」概念

【第二部】
第五章 実際の演奏の場の宗教性――ニーダーライン音楽祭の場合
1.一九世紀前半のドイツの音楽祭
2.ニーダーライン音楽祭の実態
3.ニーダーライン音楽祭が目指したもの

第六章 メンデルスゾーン《エリヤ》のドラマ・トゥルギー――独自のエンターテインメント性の追求
1.作風の変化の理由
2.シュープリング宛書簡中の「ドラマチック」への言及
3.「ドラマチック」の内実の分析
4.根本主題「見えざる神の接近」
5.根本主題の意義――なぜ、「見えざる神の接近」だったか

結語――宗教と娯楽を両立させるドラマチック・オラトリオ

付録 《エリヤ》全体像

著者|author

瀬尾文子(せお・ふみこ)
国立音楽大学准教授。東京大学大学院人文社会研究科博士課程修了(美学芸術学専攻)。博士(文学)。日本シェリング協会第一六回研究奨励賞受賞。主な論文に「ファニー・ヘンゼルのカンタータ《ヨブ》」のジェンダー論的解釈試論」(『美学美術学研究37』二〇一九年)などがある。

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賢治の前を歩んだ妹 宮沢トシの勇進

賢治の前を歩んだ妹 宮沢トシの勇進

  • 山根知子(著)/2023年3月
  • 4500円(本体)/四六判上製500頁
  • 装丁:毛利一枝

宮沢トシ自身の言葉による資料を読み解くことによりトシの実像に迫り、それへの賢治のまなざし、兄妹の精神のエコーを聴きとる。

(ISBN 9784861108679)

目次|contents

第 一 部 〈評伝〉宮沢トシの生涯と信仰
一 「信仰を一つにするたつたひとりのみちづれ」
二 成瀬仁蔵・宮沢トシ・宮沢賢治 略年譜
三 トシ誕生から花巻高等女学校時代まで
四 日本女子大学校四年間について
五 卒業後の「自省録」執筆から母校教員へ
六 「真実ノ為ノ勇進」

第二部 資料を通してみるトシの精神的軌跡
第一章 【花巻高等女学校在学中のトシ資料】
一 花巻高等女学校一年   1911(明治44)年度
二 花巻高等女学校二年   1912(明治45・大正元)年度
三 花巻高等女学校三年   1913(大正2)年度
四 花巻高等女学校四年   1914(大正3)年度
第二章 【日本女子大学校在学中のトシ資料】
一 日本女子大学校予科   1915(大正4)年度
二 日本女子大学校本科一年 1916(大正5)年度
三 日本女子大学校本科三年 1917(大正6)年度
四 日本女子大学校本科四年 1918(大正7)年度
五 卒業関係資料
六 未確認資料・トシの答案「信仰とハ何ぞや教育とハ何ぞや」
――成瀬仁蔵の〈信仰と教育〉思想と学生たちの答案から探る
第三章 【日本女子大学校卒業後療養中のトシ資料】
第四章 【花巻高等女学校教員時代のトシ資料】

第三部 トシの学びから賢治へ
第一章 賢治の前を歩んだトシ―信仰・死生観・病気・自省・愛
第二章 賢治の死後世界への意識の変遷―トシのメーテルリンク受容との関わりから
第三章 賢治の「宇宙意志」――トシ・成瀬仁蔵・タゴールとの関連
第四章 賢治の芸術観――トシ・成瀬仁蔵・タゴールとの共鳴
第五章 トシの学びと賢治
――日本女子大学校時代の教師、福来友吉・高島平三郎・阿部次郎を通して
第六章 トシとつながるキリスト者と賢治

あとがき

著者|author

山根知子(やまね・ともこ)

1964年岡山市生まれ。ノートルダム清心女子大学文学部教授。博士(文学)。早稲田大学第一文学部卒業。日本女子大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専門は日本近代文学および日本児童文学。
著書に、『宮沢賢治 妹トシの拓いた道─「銀河鉄道の夜」へむかって』(朝文社)、『わたしの宮沢賢治──兄と妹と「宇宙意志」』(ソレイユ出版)。
共著に、『イーハトーヴからのいのちの言葉──宮沢賢治の名言集』(角川書店)、『宮沢賢治を読む』(笠間書院)、『宮沢賢治──驚異の想像力 その源泉と多様性』(朝文社)、『宮澤賢治の深層──宗教からの照射』(法藏館)、『宮沢賢治の切り拓いた世界は何か』(笠間書院)など。
その他の共著に、『人物書誌大系47 坪田譲治』(日外アソシエーツ)、『日本女子大学に学んだ文学者たち』(翰林書房)、『赤い鳥事典』(柏書房)など。
受賞に、著書『宮沢賢治 妹トシの拓いた道──「銀河鉄道の夜」へむかって』(朝文社)により第14回宮澤賢治賞奨励賞受賞(花巻市)。論文「宮沢賢治の文学と浄土真宗信仰──信仰の重層性の基層から」により第32回暁烏敏賞受賞(白山市)。

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