ミットフォードとギネス一族の御曹司

ミットフォードとギネス一族の御曹司

  • ジョナサン・ギネス、キャサリン・ギネス(著)、大西俊男(訳)/2023年10月
  • 3300円(本体)/四六判上製200頁
  • 装丁:長田年伸

「全体をまとめた話は個々の話を積み重ねた場合より内容が多くなることもありうるが、同時に簡単にはそのようにならない。ミットフォード家の場合はこれに当てはまる」――
イギリスで1984年にギネス家の父娘が著した伝記から、その曾祖父であるA・B・ミットフォードに関する章を邦訳・抄訳。初代リーズデイル男爵として称され、幕末明治に駐日外交官を務めたミットフォード、および彼と家族関係にある者たちの活動やその逸話を通してうかがえる特徴的なまなざしを描く。
(ISBN 9784861108181)

目次|Contents

訳者まえがき
原著者について
序文
祖父たち
第1章 家族と初期の生活
第2章 外務省
第3章 中国公使館
第4章 日本の夜明け
第5章 世界旅行
第6章 スタンレー家
第7章 工部省
第8章 爵位ある人の人物像
第9章 老後と死
資料(系図1~3)

著者|Authors

ジョナサン・ブライアン・ギネス(Jonathan Guinness)(第3代モイン男爵)
1930年3月16日生。英国の貴族、実業家。ギネス一家の一員。イートン校、オックスフォード大学卒。第2代モイン男爵と最初の妻ダイアナ・ミットフォードの長男。若い頃にジャーナリスト、レオポルト・ジョゼフの銀行家を務める。マンデイ・クラブ会員、マンデイ・クラブの副議長(1990年)。ギネス醸造会社役員(1960-1988)。実業家、銀行家。

キャサリン・イングリッド・ギネス(キャサリン・チャタリス、ニードパス伯爵夫人(1983-1988)、キャサリン・ヘスケス(1990-2004))
1952年6月1日生。英国貴族、作家、社交家、実業家。ギネス一家の一員。若い頃に父親の親友で有名な芸術家、雑誌編集者のアンディ・ウォーホールの個人秘書としてニューヨークで活躍。

訳者|Translator

大西俊男(おおにし・としお)
昭和8(1933)年生。三重県伊勢市出身。国立三重大学学芸学部(現教育学部)卒業。鳥羽商船高等専門学校名誉教授(1997-)、三重県内の高校・元三重大学教員。全国高専英語教育学会会長(第5代)のち同会顧問(1995-)。著書に『ミットフォードと釈尊―イギリス人外交官の見た理想郷日本』(春風社、2017年)、『A・B・ミットフォード』(近代文芸社、1993年)がある。日本英学史学会会員。

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新聞4コマ漫画と内閣総理大臣―全国3大紙に見る小泉純一郎から野田佳彦までの首相描写

新聞4コマ漫画と内閣総理大臣

全国3大紙に見る小泉純一郎から野田佳彦までの首相描写

  • 水野剛也(著)/2023年10月
  • 5400円(本体)/A5判上製608頁
  • 装丁:矢萩多聞

日本の新聞ジャーナリズムの特色の一つといえる「4コマ漫画」。ニュース全般を扱う社会面にその定位置を確保し、ごく普通の庶民(家庭)を主人公(舞台)とした内容で、主要日刊紙の大多数において間断なく掲載されつづけている漫画は、世界的にも稀有である。そこで本書では、7名の首相の在任期間(2001年4月26日〜2012年12月26日、約11年8ヵ月間)を時間枠として、全国3大紙(毎日・読売・朝日)に掲載された全4コマ漫画(朝刊・夕刊とも)を精査し、現職の首相を描いている作品を量的・質的に分析。世論調査にはあらわれなかった、もう一つの首相像を明らかにする。

(ISBN 9784861108921)

目次|contents

献辞
凡例
まえがき

◆第Ⅰ部 研究の基本的手続き
第1章 本書の目的・方法・意義、および構成
はじめに
第1節 本書の目的  第2節 研究の方法
第3節 本書の意義  第4節 本書の構成

第2章 新聞4コマ漫画の歴史とジャーナリズム機能
はじめに
第1節 新聞4コマ漫画の誕生と定着
第2節 新聞4コマ漫画の政治性・社会性とジャーナリズム機能
主要新聞4コマ漫画略年表

◆第Ⅱ部 新聞4コマ漫画が描く内閣総理大臣 量的分析
第3章 量的に見る全体的な特徴
はじめに
第1節 分析時間枠全体にわたる特徴  第2節 小泉純一郎
第3節 安倍晋三(第1次政権)  第4節 福田康夫
第5節 麻生太郎  第6節 鳩山由紀夫
第7節 菅直人  第8節 野田佳彦
本章のまとめ

◆第Ⅲ部 新聞4コマ漫画が描く内閣総理大臣 質的分析
第4章 各漫画の概要と作者の略歴
はじめに
 「アサッテ君」 (東海林さだお)   「まっぴら君」 (加藤芳郎)
 「ウチの場合は」 (森下裕美)   「コボちゃん」 (植田まさし)
 「サンワリ君」 (鈴木義司)   「オフィス ケン太」 (唐沢なをき)
 「ののちゃん」 (いしいひさいち)  「ワガハイ」 (砂川しげひさ)
 「地球防衛家のヒトビト」 (しりあがり寿)

第5章 小泉純一郎
はじめに
第1節 アサッテ君  第2節 まっぴら君
第3節 ウチの場合は  第4節 コボちゃん
第5節 サンワリ君  第6節 ののちゃん
第7節 ワガハイ  第8節 地球防衛家のヒトビト
本章のまとめ

第6章 安倍晋三(第1次政権)
はじめに
第1節 アサッテ君  第2節 ウチの場合は
第3節 コボちゃん  第4節 ののちゃん
第5節 地球防衛家のヒトビト
本章のまとめ

第7章 福田康夫
はじめに
第1節 アサッテ君  第2節 ウチの場合は
第3節 コボちゃん  第4節 ののちゃん
第5節 地球防衛家のヒトビト
本章のまとめ

第8章 麻生太郎
はじめに
第1節 アサッテ君  第2節 ウチの場合は
第3節 コボちゃん  第4節 ののちゃん
第5節 地球防衛家のヒトビト
本章のまとめ

第9章 鳩山由紀夫
はじめに
第1節 アサッテ君  第2節 ウチの場合は
第3節 コボちゃん  第4節 ののちゃん
第5節 地球防衛家のヒトビト
本章のまとめ

第10章 菅直人
はじめに
第1節 アサッテ君  第2節 ウチの場合は
第3節 コボちゃん  第4節 ののちゃん
第5節 地球防衛家のヒトビト
本章のまとめ

第11章 野田佳彦
はじめに
第1節 アサッテ君  第2節 ウチの場合は
第3節 コボちゃん  第4節 オフィス ケン太
第5節 ののちゃん  第6節 地球防衛家のヒトビト
本章のまとめ

◆第Ⅳ部 結論
終章 分析・知見の総括
はじめに
第1節 量的分析の主要な知見
第2節 質的分析の主要な知見
第3節 今後の課題
第4節 権力監視・番犬機能、政治的コミュニケーション機能に照らした理論的考察

あとがき 謝辞とともに
人名索引/事項索引

著者|author

水野剛也(みずの・たけや)
1970年、東京生まれ。明治大学政治経済学部教授。日系アメリカ人史、アメリカ・ジャーナリズム史。アメリカ・ミズーリ州立大学スクール・オブ・ジャーナリズム博士課程修了後、文教大学専任講師、東洋大学准教授・教授を経て、2021年より現職。
主要な研究業績
・『日系アメリカ人強制収容とジャーナリズム リベラル派雑誌と日本語新聞の第二次世界大戦』(春風社、2005年)。
・『「敵国語」ジャーナリズム 日米開戦とアメリカの日本語新聞』(春風社、2011年)。
・『「自由の国」の報道統制 大戦下の日系ジャーナリズム』(吉川弘文館、2014年)。
・『有刺鉄線内の市民的自由 日系人戦時集合所と言論・報道統制』(法政大学出版局、2019年)。
・“U.S. Government Suppression of Japanese-Language Press in World War II,” in Teri Finneman and Erika Pribanic-Smith, eds., Social Justice, Activism and Diversity in U.S. Media History (New York: Routledge, 2023).

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イギリス湖水地方―ピーターラビットの野の花めぐり

イギリス湖水地方

ピーターラビットの野の花めぐり

  • 臼井雅美(著)/2023年9月
  • 2200円(本体)/四六判並製158頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞

早春、春から初夏、光の夏、実りの秋、そして貯えの冬――
季節の移ろいに応じてさまざまな表情を見せるイングランド湖水地方の野の花をピーターラビットとともにめぐる。カラー写真満載。
(ISBN 9784861108785)

目次|contents

プロローグ
Ⅰ 春の訪れとともに
雪の結晶から生まれた妖精 スノードロップ(Snowdrop)
春一番の微笑み プリムローズ(Primrose)
可憐な少女 スミレ(Violet)
光の訪問者 ラッパスイセン(Daffodil)
地面に散った星の群れ ヤブイチゲ(Wood Anemone)
Ⅱ 初夏への扉
うなだれた黒服の貴婦人 フリティラリア(Fritillary)
寄り添ってうなだれているの キバナノクリンザクラ(Cowslip)
早く私を探して アルム(Arum)
たくさん集まって、何のおはなし? キンポウゲ(Buttercup)
待っていますからね ノハラワスレナグサ(Wood Forget-Me-Not)
わたしたちの世界へようこそ ブルーベル(Bluebell)
そんなに急いで通り過ぎないで ラムソンズ(Ramsons)
海を越えた侵入者 ガーリック・マスタード(Garlic mustard)
紫の手袋に包まれて アーリー・パープル・オーキッド(Early Purple Orchid)
涙のビーズが並びます スズラン(Lily-of-the-Valley)
甘い香りで誘ってくる スイカズラ(Honeysuckle)
一緒に静かな時を過ごして オダマキ(Columbine)
水辺で輝く光 リョウキンカ(Marsh Marigold)
生垣からあなたのことを見ています ヨーロッパノイバラ(Wild Rose)
どこからか現れる貴人 ツルニチニチソウ(Periwinkle)
小さな贈り物 野いちご(Wild Strawberry)
Ⅲ 夏の光のもとで
ハンドベルから飛び出した調べ ソロモン王の印章(Common Solomon’s Seal)
あなたの足を包んであげます レイディース・スリッパー・オーキッド(Lady’s Slipper Orchid)
たくさんのお花で守ってあげるね マルタゴンリリー(Martagon Lily)
揺れる思いが開きました ウェリッシュ・ポピー(Welsh Poppy)
水鳥たちの友達が来たよ キショウブ(Yellow Iris)
海がつくった波の花 アルメリア(Thrist)
藪からのぞいたお顔 セイヨウヒルガオ(Hedge Bindweed)
背高のっぽのダンサーたち ジギタリス(Foxglove)
Ⅳ 秋の憂いの囁き
秋風を呼んでいます セイヨウイラクサ(Nettle)
秋風にゆれて優しく咲く スカルキャップ(Skullcap)
荒れ地に揺れる風の子たち ヘザー(heather, Ling)
君のほっぺをいっぱいにするよ ブラックベリー(Blackberry)
揺れるレースの帽子たち ノラニンジン(Wild Carrot)
ひっそりと咲く姿への賛歌 イトシャジン(Harebell)
たくましさの勲章 アザミ(Welted Thistle)
嵐の中でもめげません ハリエニシダ(Common Gorse)
恥ずかしくて真っ赤になってしまったの セイヨウナナカマド(Rowan)
Ⅴ 冬に守られる命
春の新たな命への道のり ヨーロッパイチイ(Yew)
エピローグ
参考文献

著者|author

臼井雅美(うすい・まさみ)
1959年神戸市生まれ。同志社大学文学部・文学研究科教授。神戸女学院大学卒業後、同大学院修士課程修了(文学修士)、1987年ミシガン州立大学修士課程修了(M.A.)、1989年博士課程修了(Ph.D.)。ミシガン州立大学客員研究員を経て、1990年広島大学総合科学部に専任講師として赴任。同大学助教授、同志社大学文学部助教授を経て、2002年より現職。著書に、『記憶と共生するボーダレス文学―9・11プレリュードから3・11プロローグへ』(2018年)、『カズオ・イシグロに恋して』(2019年)、『赤バラの街ランカスター便り』(2019年)、『ビアトリクス・ポターの謎を解く』(2019年)、『不思議の国のロンドン』(2020年)、『ボーダーを超えることばたち―21世紀イギリス詩人の群像』(2020年)、『記憶と対峙する世界文学』(2021年)、『ふだん着のオックスフォード』(2021年)、『イギリス湖水地方アンブルサイドの女神たち』(2021年)、『イギリス湖水地方モアカム湾の光と影』(2022年)、『ブラック・ブリティッシュ・カルチャー―英国に挑んだ黒人表現者たちの声』(2022年)、『イギリス湖水地方におけるアーツ・アンド・クラフツ運動』(2023年)などがある。

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アロエ

アロエ

  • キャサリン・マンスフィールド(著)、宗洋(訳)/2023年8月
  • 2400円(本体)/四六判仮フランス装並製190頁
  • 装丁:矢萩多聞 /装画:agoera

花は咲かないの? 咲くわ、百年に一度ね――
遠いニュージーランドの夏の思い出。三世代の女性の日常を繊細な筆致で描いた名作「プレリュード」。生前には出版されなかったそのロング・ヴァージョン。
著者没後100年、初の邦訳。短編「ケザイアとトゥイ」「パットのこと」も併せて収録。
(ISBN 9784861108372)

目次|contents

アロエ
ケザイアとトゥイ
パットのこと
遠い場所、遠い声―『アロエ』解題
参考文献
あとがき

著者|author

キャサリン・マンスフィールド(Katherine Mansfield 1888–1923)
ニュージーランドの裕福な家庭に生まれる。父の反対を押し切ってロンドンに渡り、作家となる。短編集『幸福』(1920年)で高い評価を得、『ガーデン・パーティー』(1922年)で作家としての地位を確立するが、翌年、結核のため34歳で夭逝。日常に生じる微細な感情の変化を独自の文体で紡ぎ、珠玉の短編を残した。代表的な作品に「ガーデン・パーティー」「プレリュード」「入り江にて」「幸福」などがある。

訳者|translator

宗洋(そう・ひろし)
1974年生まれ。高知大学教授。著書に『世紀末の長い黄昏―H・G・ウェルズ試論』(春風社)、アンソロジーにH. G. Wells’s Fin-de-Siècle: Twenty-first Century Reflections on the Early H. G. Wells (Peter Lang)、共訳書にアン・フリードバーグ『ウィンドウ・ショッピング―映画とポストモダン』(松柏社)、『ヴァーチャル・ウィンドウ―アルベルティからマイクロソフトまで』(産業図書)がある。

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新先蹤録―秋田高校を飛び立った俊英たち

新先蹤録

秋田高校を飛び立った俊英たち

  • 秋田高校同窓会新先蹤録委員会(編)/2023年9月
  • 2000円(本体)/A5判変形並製360頁
  • 装丁:矢萩多聞 /装画:ミロコマチコ《鳥との対話》

「わが生わが世の天職いかに」秋田県立秋田高等学校創立150周年記念。各方面で活躍し大きな足跡を残した38名それぞれのライフヒストリーをまとめる。
(ISBN 9784861108723)

目次|contents

先蹤追ひつつ未来の望み―新先蹤録発刊に寄せて 【銭谷眞美】

青江舜二郎 戯曲と評伝、二つのジャンルで人間を探究 劇作家・評論家
明石 康  努力と忍耐でカンボジアに和平をもたらす 元国連事務次長
秋山正子  「どんなときでも、命は輝く」を実践 訪問看護師
阿部信泰  世界の外交要所に特命全権大使として足跡を残す 元外交官
荒井 献  聖書を古典として読み解き、イエスの時代を描く 聖書学者
伊藤 隆  探索した史料と聞き書きで日本近現代史を再構築 歴史学者
伊東 博  日本における「カウンセリング」の先駆者 教育学者
井上隆明  文人の香りを放つ秋田の文化の生き字引 文芸評論家
井上房子  草創期の美術館運営を担ったアートの探求者 学芸員
岩崎俊一  磁気記録の独創的な発明でビッグデータ時代の扉を開く 工学者
小畑勇二郎 生涯教育を県政の柱にすえた政治家 元秋田県知事
加藤日出男 社会を下支えする若者たちを全力で励ます 社会運動家
菊池栄一  中学でゲーテに開眼、生涯をその研究に捧げる ドイツ文学者
北林照助  鋭い先見性で県政をただし、政策提案した 元秋田県議会議員
木村興治  頂点を極め、競技力向上と国際親善に尽力 卓球世界王者
小玉健吉  無心で顕微鏡をのぞきつづけ、白神こだま酵母を発見 酵母菌研究者
小玉得太郎 文化と経済を往還して人間学を唱え、実践した 実業家
齋藤昭一郎 伝統の山廃で秋田清酒の評価を高めた酒造家 飛良泉二五代蔵元
佐々木毅  利と理をつなぎ、現実政治の改良に力を尽くす 政治学者
佐々木常夫 私にとっての仕事・会社・家族 「生活と働き方改革」実践提言者
佐々木義武 資源小国日本の舵取り役 通産大臣
佐藤菊夫  「秋田県民歌」復活の立役者、普及にも尽くす 指揮者
佐藤嘉尚  作家に愛され、オモシロいことをマジメに追究した 編集者
椎名其二  反権力の心情を貫き通した自由人 フランス文化研究者
鈴木重晴  秋高OB唯一のオリンピアン 陸上競技五輪選手
中村和雄  日本人が世界に勝つバスケ追究 バスケットボール指導者
西木正明  現代史の大波の裏に隠された人間ドラマを描く 作家
野口達二  「滅びの美学」に魅せられ、歌舞伎で表現した 劇作家
橋本五郎  歴史を参照しながら「いま」という時代を記録 ジャーナリスト
林左絵子  次世代大型望遠鏡の製作を究め宇宙の謎解きに挑む 天文学者・天文工学者
平野政吉  フジタにほれ込み名作の数々を秋田に残す 美術品収集家
分銅惇作  独自の文学研究を極めた教育者 近代日本文学研究者
前田 庸  病と闘い不屈の人生を切り拓く 商法学者
町田與太郎 戦時下の秋中で修身の授業の合間に哲学を説いた教師 教育者
町田 睿  ふるさと秋田の力を信じて人々を鼓舞し続けた 銀行家
山梨絵美子 美術作品の力を伝える人を目指して 美術史家
吉村 昇  人生の四半世紀を大学改革に挑む 元秋田大学学長
吉本高志  脳神経外科学を極め、大学改革に邁進した 元東北大学総長

母校に栄光あれ―あとがきに代えて 【畠山 茂】

編者|editors

秋田高校同窓会新先蹤録委員会(あきたこうこうどうそうかいしんせんしょうろくいいんかい)

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一般科学教授学綱要―教員養成・授業・研究のための基礎と方向づけ

一般科学教授学綱要

教員養成・授業・研究のための基礎と方向づけ

  • ディートリッヒ・ベンナー(著)、牛田伸一(訳)/2023年7月
  • 5000円(本体)/A5判上製384頁
  • 装丁:長田年伸

学ぶ者の経験や意味は、科学によって一般化できるか――
教えることの開かれた働きは何をもたらすか? 教育/教授することと陶冶/学習することによる知の提示と構築のありようを、教授学の理論・方法・実践として検討し、哲学と科学とが互いに媒介する学問の体系をひもとく。対象や事象の一般化と、この特殊化という両価的な作用とをふまえ、主客を媒介する教授可能性を、知識の数多性と関係づけから方法的に再構成することで捉え直す。また確かさと不確かさを行き来する科学的/日常的な経験とその学との関係を問い、1つのパラダイムや知識形式に位置づけられない、「科学を通した陶冶」の連関を教育の視角から導く。
(ISBN 9784861108204)

目次|Inhaltsverzeichnis

凡例
まえがき
第1章 大学者に関する講義――ヨーロッパとアメリカにおける教授学的な論拠づけと反省の問題史
第2章 一般教育学的かつ一般教授学における基底的な区別
第3章 パラダイムと知識形式――経験、知識、科学、ならびに教授、学習、そして授業の関係
第4章 20世紀のドイツ教育学における科学教授学のアプローチとその発展
第5章 一般科学教授学の構成要素
第6章 具体例
第7章 展望――大学教授学
訳者あとがき
文献一覧
邦訳文献一覧
事項索引
人名索引
著訳者紹介

著訳者|Autor und Übersetzer

【著者】ディートリッヒ・ベンナー(Dietrich Benner)
1941年3月1日ノイヴィートに生まれる。ウィーン大学の哲学者ハインテル(Erich Heintel)の指導を受けて、1965年に博士号を取得。その後ボン大学のデルボラフ(Josef Derbolav)の下で研究助手として研究を継続する。1970年に教授資格論文を提出し、教授資格を取得(ボン大学)。1973年にはミュンスター大学に、東西ドイツの統一後の1991年には、ベルリン・フンボルト大学に招聘される。2009年にフンボルト大学を退職後も、同大学名誉教授として、精力的に研究活動を継続している。ドイツ教育学会(Deutsche Gesellschaft für Erziehungswissenschaft)会長(1990-1994年)、『教育学雑誌(Zeitschrift für Pädagogik)』編集委員長(1996-2001年)、フンボルト大学第四哲学部長(1994-1996年/2002-2006年)などを務める。経歴の詳細はベンナー著/牛田伸一訳『一般教育学――教育的思考と行為の基礎構造に関する体系的・問題史的な研究』協同出版、2014年を参照。

【訳者】牛田伸一(うしだ・しんいち)
1974年2月23日東京都生まれ。創価大学教育学部教授。私費留学(1999年10月-2000年9月ブレーメン大学、2000年10月-2002年3月オルデンブルク大学)ののち、フンボルト大学客員研究員(2013年9月-2014年3月、2021年11月-2022年3月)を務める。主な著訳書に、『トビアスへの26通の手紙(上)』(共訳)第三文明社、2006年、『トビアスへの26通の手紙(下)』(共訳)第三文明社、2006年、『「教育的教授」論における学校批判と学校構想に関する研究――「教授学的学校論研究」の「序説」に代えて』協同出版、2011年、『システムとしての教育を探る』(分担)勁草書房、2011年、『一般教育学――教育的思考と行為の基礎構造に関する体系的・問題史的な研究』協同出版、2014年ほか。

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ローカル・フードシステムと都市農地の保全―庭先直売、移動販売、産消提携の立地と生産緑地

ローカル・フードシステムと都市農地の保全

庭先直売、移動販売、産消提携の立地と生産緑地

  • 佐藤忠恭(著)/2023年8月
  • 3700円(本体)/四六判上製280頁
  • 装丁:根本眞一(クリエイティブ・コンセプト)

なぜ都市に農地は必要なのか?
食料品アクセス確保に資するローカル・フードシステムの観点から市街地と農地の混在合理性を提示。従来の都市農業論に不足していた食料供給という農地固有の機能からの立地分析により、都市農地保全の意義に迫る。
(ISBN 9784861108716)

目次|contents

第1章 本書の問題意識と課題
第2章 日本における都市農地制度の変遷
第3章 ローカル・フードシステムと都市における食料安全保障
第4章 ローカル・フードシステムにおける農産物の供給方法
第5章 ローカル・フードシステムを支える都市農地保全
第6章 結論
引用文献
あとがき
初出一覧
索引

著者|author

佐藤忠恭(さとう・ただやす)
1977年神奈川県相模原市生まれ。東京農工大学大学院連合農学研究科修了。神奈川県農業技術センター三浦半島地区事務所研究課 主任研究員。キャベツ、ダイコン等の試験研究を担当。東京農工大学非常勤講師。博士(農学)。2005年に神奈川県に奉職。神奈川県農業技術センター普及指導部野菜課、同経営情報研究部、川崎市都市農業振興センター農地課(出向)等を経て、2022年より現職。主な論文に、「農業における技能の構造:無意識及び情愛の役割」『有機農業研究』10(1): 78–86. 2018年、「CSV形式でデータを蓄積する土壌診断プログラム及び肥料コストを比較できる施肥設計プログラムの開発」『神奈川県農業技術センター研究報告』153: 1–9. (共著)2010年がある。

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ユダヤ人として生きる―幼児期にホロコーストを経験したアンガー教授の回想録

ユダヤ人として生きる

幼児期にホロコーストを経験したアンガー教授の回想録

  • イズラエル・アンガー、キャロライン・ギャモン(著)、仁木久恵(訳)/2023年7月
  • 2700円(本体)/A5判並製354頁
  • 装丁:矢萩多聞

アンネ・フランクの隠れ家は私たちの部屋に比べれば「宮殿」のようだったが、私たちのほうがはるかに恵まれていた。密告する人がいなかったから。(本文より)

5歳~7歳の時期に隠れ家で過酷な生活を送り、さまざまな差別や偏見と向き合いながら歩んできた化学者の人生を綴る。入念な調査資料・目撃証言が体験談を裏付け、貴重な写真が歴史的事実を突きつける。勇気、愛、正義、平和への願いがこもる力強い物語。

(ISBN 9784861108839)

主な内容|contents

ポーランドに生き残った数少ないユダヤ人
「住み替え」作戦と称する粛清/隠れ家生活/ソ連兵の軍靴にキス
無国籍者になって
キエルツエのユダヤ人迫害―頭に負った裂傷/「孤児」になってポーランド出国/チャーリーとシドニーに名前を変えてロンドン生活
家族でカナダに移住
「おまえに、命(いのち)を二度も与えたんだよ」―父の口癖/カナダの市民権取得/苦学生時代と反ユダヤ主義
化学者になって
テキサス大学で光化学の研究/父の死―筋萎縮性側索硬化症/カナダのおかげで得た活躍の場
ホロコーストの語り部―妻マリーンと二人三脚
チャーリー―父親と同じ病魔に冒されて/ホロコースト否定論者との闘い/ホロコーストの語り部として
「僕の名前はスルリク」―幼児期の体験を振り返って
隠れ家に食料を運んでくれたスコルパ/親族のための墓碑/隠れ家で一緒に暮らした姉妹との再会/ホロコーストがその後の人生に与えた影響の有無

著者|authors

イズラエル・アンガー(Israel Unger)
1938年生まれ。幼い頃、ナチスドイツ占領下のポーランドで、2年間にわたり屋根裏部屋の狭い空間で怯(おび)えながら暮らす。ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)から生き延び、戦後は各地を転々として、最終的にカナダに移住し、カナダ市民権を得る。ニューブランズウィック大学で博士号(化学)を取得。長年にわたり、教育と研究に携わり、ニューブランズウィック大学理学部の学部長を務め、名誉学部長の称号を得る。学術論文の執筆多数。ホロコースト体験を伝える語り部として各地で講演を行う。

キャロライン・ギャモン(Carolyn Gammon)
カナダ、ニューブランズウィック州生まれ。コンコーディア大学(モントリオール)卒業。専攻は文学と創作(クリエイティブ・ライティング)。1991年ドイツに渡り、ユダヤ人の生活やホロコーストに特化した案内役を務める。著書にJohanna Krause-Twice Persecuted-Surviving Nazi Germany and Communist East Germany (Wilfrid Laurier University Press: Christiane Hemkerと共著)。その他、詩・評論など多数。現在ベルリン在住。

訳者|translator

仁木 久恵(Hisae NIKI)
津田塾大学卒業後、テキサス大学大学院に留学し、修士号取得。津田塾大学博士課程修了。専攻は英米演劇と英語教育。津田塾大学非常勤講師、NHK基礎英語講師、聖路加国際大学教授、明海大学教授などを経て、明海大学名誉教授。著書にShakespeare Translation in Japanese Culture(Kensei-Sha)、『漱石とハムレット』(リーベル出版)。訳書に『平静の心』(医学書院:日野原重明と共訳)などがある。

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現代韓国占街巡礼―巫者密集地域の民俗誌

現代韓国占街巡礼

巫者密集地域の民俗誌

  • 吉村美香(著)/2023年7月
  • 3500円(本体)/四六判上製256頁
  • 装丁:中本那由子

街中にあふれる神降ろしや易学、占いカフェの看板。新しいもの好きで世界屈指のIT社会である韓国で、どうして伝統的な占い・巫俗が根強く人気なのだろうか。
ソウル近辺で巫俗・占術を行う巫者たちへの調査をもとに、現代韓国でひろく行われている巫俗の特徴や社会的背景を描く。

(ISBN 9784861108846)

目次|contents

第1部
第1章 本書の概要
第2章 現在までの韓国巫俗研究

第2部
第3章 巫者密集地域の現地調査:彌阿里地区
第4章 巫者密集地域の現地調査:阿峴洞地区
第5章 巫者密集地域の現地調査:九老洞地区
第6章 巫者密集地域の現地調査:大林洞・奉天洞地区
第7章 巫者密集地域の現地調査:水原・華西門地区 

第3部
第8章 コラム1 巫具
第9章 コラム2 巫俗の文化遺産化活動

第10章 結論 

あとがき
参考文献一覧

著者|author

吉村美香(よしむら・みか)
愛知大学非常勤講師。
文学博士(韓国国立韓国学中央研究院、2016年)。専門は東アジアの民俗学。
単著に『東医宝鑑叢書 江戸に朝鮮医学がもたらされる』(韓国:国立韓医学研究院、2021年)、『村山智順の生涯と巫俗研究』(韓国:民俗苑、2014年)、編著に『新編尾張医科学史攷 附牧野富太郎書簡』(志学社、2023年)、『(国際日本文化研究センター共同研究会成果論集)巫・占の異相――東アジアにおける巫・占術の多角的研究』(志学社、2023年)、訳書に『1920-1930年代朝鮮人の生老病死――村山智順の所蔵写真集』(韓国:新亜出版、2014年)、『朝鮮の場市研究』(韓国:民俗苑、2014年)などがある。

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〈文事〉をめぐる日朝関係史―近世後期の通信使外交と対馬藩

〈文事〉をめぐる日朝関係史

近世後期の通信使外交と対馬藩

  • 松本智也(著)/2023年7月
  • 6500円(本体)/A5判上製558頁
  • 装丁:長田年伸

秀吉の朝鮮出兵ののち、「善隣友好・平和外交」の象徴として200年、12回にわたって続いた通信使はなぜ失敗に終わったのか。近世後期の、日朝関係および東アジア史のターニングポイントともいえる時期を捉え、幕末にかけての通信使との学術・文才交流、すなわち「文事」と、日朝それぞれの識者の言説および対馬の歴史書にみられる対馬の「藩屏」認識という2つの視角から緻密かつダイナミックに考究。交易、政治面のみならず思想、学術・文化的な交流に焦点をあて、東アジアの大きな潮流のなかに日朝関係史を位置づける。
(ISBN 9784861108808)

目次|contents

はじめに
凡例

序章
一、問題の所在
二、近世後期日朝関係の課題
三、近世日本の対外関係と思想状況
四、本書の研究視座と構成

第一部 近世後期の通信使と〈文事〉
第一章  一八世紀の日朝知識人における通信使改革論
一、緒言
二、 一七世紀の日朝関係と〈文事〉
三、 一八世紀の日本における通信使改革論
四、 一八世紀の朝鮮における通信使改革論
五、小結

第二章 宝暦度通信使と日本人との接触―「寛政異学の禁」を視野に
一、緒言
二、宝暦度通信使の背景
三、宝暦度通信使のみる日本人
四、宝暦度通信使と那波魯堂の交流
五、通信使帰国後の那波魯堂・西山拙斎
六、小結

第三章 文化易地聘礼をめぐる江戸幕府の対応―林述斎の発言を手掛かりに
一、緒言
二、易地聘礼と林述斎
三、易地聘礼の儀礼空間構築
四、筆談・唱和
五、小結

第四章 文化度通信使と日本使節との接触
一、緒言
二、文化度通信使以前の日本の思想界の動向
三、文化度通信使前後の日本知識人の日朝関係認識
四、文化度通信使との接触
五、小結
補、文化度通信使来日時における学術認識

第二部 対馬藩における「藩屏」言説と日朝関係認識
第五章 一八世紀対馬藩知識人の「藩屏」論―〈朝鮮の藩屏〉論との交錯
一、緒言
二、近世日本における「藩屏」論―新井白石に即して
三、朝鮮王朝における対馬認識―〈朝鮮の藩屏〉論
四、「日本の藩屏」論と〈朝鮮の藩屏〉論との交錯
五、対馬「藩屏」論の幕藩体制への適合―雨森芳洲による論理的転回
六、小結

第六章 満山雷夏の「藩屏」論と日朝関係再編構想
一、緒言
二、一八世紀前期対馬藩知識人の「藩屏」論と日朝関係認識―陶山訥庵と雨森芳洲
三、一八世紀後期対馬藩知識人の「藩屏」論と日朝関係認識―松浦桂川
四、満山雷夏の「藩屏」論
五、満山雷夏の日朝関係再編構想
六、講学方設置の背景
七、小結

第七章 対馬藩の歴史書にみられる「藩屏」論
一、緒言
二、一八世紀初期の対馬藩の歴史書にみられる「藩屏」論
三、一九世紀初期の対馬藩の歴史書にみられる「藩屏」論
四、小結

終章 〈文事〉をめぐる日朝関係史
一、本書の成果
二、試論的展望

あとがき
参考文献一覧

人名索引/事項索引
韓国語要旨

著者|author

松本智也(まつもと・ともや)
1988年、大阪府生まれ。立命館大学大学院文学研究科人文学専修博士課程後期課程修了(博士・文学)。現在立命館大学授業担当講師・衣笠総合研究機構客員研究員。
主要論文に「近世後期日本知識人の日朝関係認識――文化度通信使との接触を通して」(『歴史評論』834号、2019年)、「一八~一九세기 對馬 지식인들의 ‘藩屛’론 -역사서 편찬에 보이는 자아인식의 형성-」(『韓日関係史研究』66号、2019年)、「文化易地聘礼をめぐる徳川幕府の対応――諱・上使称号・衣服についての林述斎の発言を手掛りに」(『日本思想史研究会会報』38号、2022年)など。

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