ケベックのフェミニズム―若者たちに語り伝える物語

ケベックのフェミニズム

若者たちに語り伝える物語

  • ミシュリンヌ・デュモン(著)、矢内琴江(訳)/2023年3月
  • 2800円(本体)/四六判並製352頁
  • 装丁:苑田菊見

女性たちは歴史の中に存在する、女性たちには歴史がある、そして何よりも女性たちは歴史を創っている。

フェミニスト・スタディーズを切り開いてきた著者が孫娘に語るように綴った、カナダ・ケベック州における女性たちの歴史。
女性参政権、女子高等教育、男女間賃金格差、リプロダクティヴ・ヘルス/ライツ、アンチ・フェミニズムとの対峙など、これまでの女性たちの歩みと今現在につながる問題をたどる。

(ISBN 9784861108341)

目次|contents

日本語版序文
序文
プロローグ―1890年代頃の17歳の女の子たち

第1部 組織する女性たち 1893-1912
 1.フェミニズムの誕生
 2.全国カナダ女性評議会のモンレアルの女性たち
 3.キリスト教フェミニズム
 4.全国サン・ジャン=バティスト連盟
 5.活動するフェミニストたち

第2部 選挙権を要求するフェミニストたち 1913-1940
 6.モントリオール・サフラージュ協会と選挙権への反対
 7.連邦議会選挙の選挙権
 8.ケベックにおける初の試み
 9.ローマ会議
 10.新たな2つのフェミニスト団体
 11.経済危機でも続く選挙権のための闘い
 12.勝利のストラテジー

インターリュード―1940年代頃の17歳の少女たち

第3部 市民となった女性たちの参画への試み 1940-1969
 13.第二次世界大戦の最中
 14.女性のための政治的対立
 15.1950年代にフェミニストはいるのか?
 16.女性たちと「彼女たちの」静かな革命
 17.ケベック女性連盟とAFÉNASの設立
 18.バード委員会

第4部 沸き立つフェミニズム 1969-1980
 19.新たなフェミニズムの出現
 20.ラディカル・フェミニストたちの過激行動
 21.ケベック女性連盟とその多様な現場
 22.波を起こすフェミニズム
 23.困難な状況にある女性たちの支援
 24.フェミニスト意識を探究するアーティストたち
 25.多様化し深化するフェミニズム
 26.1980年州民選挙によって分断されるフェミニスト

第5部 世界を変えるための活動 1981年から今日まで
 27.変化するフェミニズム
 28.フェミニストの新たな目的
 29.論調を変えるフェミニズムのメッセージ
 30.アンチ・フェミニズムの台頭
 31.エネルギーが活発化する選挙権獲得50周年
 32.新たな行動の始まりの印、パンとバラのマーチ
 33.2000年世界女性パレード
 34.新たなフェミニズム論争

エピローグ―2008年の17歳の少女たち

謝辞
訳者あとがき
引用元
参考文献
図版一覧
索引

著者|author

ミシュリンヌ・デュモン(Micheline Dumont)
シェルブルック大学名誉教授。専門は歴史学・女性史。
Dumont, Micheline (2022), De si longues racines : L’histoire d’une historienne, les éditions du remue-ménage.
Dumont, Micheline (2002), Découvrir la mémoire des femmes : Une historienne face à l’histoire des femmes, les éditions du remue-ménage.
Dumont, Micheline, et le Collectif Clio (1992), Religieuses sont-elles féministes ?, Histoire des femmes au Québec depuis quatre siècle, Éditions du jour.

訳者|translator

矢内琴江(やうち・ことえ)
長崎大学ダイバーシティ推進センター コーディネーター/准教授。
専門は、社会教育学、フェミニスト・スタディーズ、ケベック研究。
主な著作に、村田晶子・森脇健介・矢内琴江・弓削尚子『ジェンダーのとびらを開こう~自分らしく生きるために~』(大和書房、2022年)、「貧困地区の住民を支えるアニマトゥール・ソシアルの実践と力量形成―実践者の意識化を支える学びの構造」(日本社会教育学会編『社会教育職員養成と研修の新たな展望』、東洋館出版、2018年)、「女性たちの創作活動を支える知の生成―カナダのフェミニズム・アートのギャラリーを事例にして」(小林富久子・村田晶子・弓削尚子編『ジェンダー研究/教育の深化のために―早稲田からの発信』、彩流社、2016年)など。

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認知・言語理論から日本語教育実践へ―類推タスクアイデア29

認知・言語理論から日本語教育実践へ

類推タスクアイデア29

  • 橋本ゆかり(編著)/2023年4月
  • 1800円(本体)/A5判並製210頁
  • カバーデザイン:橋本紋

日本語教育の現場における理論と実践の橋渡しをめざし、認知言語学と第二言語習得理論をベースに考案したすぐに使える29のタスク集。

(ISBN 9784861108747)

『認知・言語理論から日本語教育実践へ』正誤表

目次|contents

はじめに

■理論編
第1章 日本語教育の概要
1. 日本語教育の役割と機能
2. 学習環境と教授法・内容
3. 多様な学習者の習得と能力
第2章 認知言語学・用法基盤モデルの言語習得観
1. 言語習得と認知
2. 言語現象・習得と認知能力の関係
3. ことばと構文の習得
第3章 第二言語習得のプロセスと教育
1. 母語の多様性
2. 学習者のたどる習得プロセス
3. 第二言語習得・内的システムの再構築を促す方法
第4章 おさえるべき学習者の特性
1. 動機づけ
2. 認知スタイル
第5章 認知・言語理論から考える日本語教育

参考文献

■タスク編
1 属性
2 様子・気持ちを表すことば
3 対のことば
4 名詞と い・な形容詞
5  多義語
6 オノマトペ
7  助数詞
8 ひらがな・カタカナ
9 漢字
10  アスペクト
11 副詞・副助詞
12 文づくり
13 受動・能動
14  文章理解と創作

さくいん
付録

編著者|author and editor

橋本ゆかり(はしもと・ゆかり)
横浜国立大学教育学部/同大学院教育学研究科 教授・東京学芸大学大学院博士後期課程(横浜国立大学配置)主指導教員。お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了。博士(人文科学)。≪主著≫『普遍性と可変性に基づく言語構造の構築メカニズム―用法基盤モデルから見た日本語文法における第一言語と第二言語の異同―』(風間書房、2011年)、『教えよう日本語』(凡人社、2016年、共著)、『よくわかる言語発達 改訂新版』(ミネルヴァ書房、2017年、共著)、『用法基盤モデルから辿る第一・第二言語の習得段階―スロット付きスキーマ合成仮説が示す日本語の文法―』(風間書房、2018年)、『学習者コーパスと日本語習得研究』(くろしお出版、2019年、共著)、ほか。

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デジタル化時代のジェンダー平等―メルケルが拓いた未来の社会デザイン

デジタル化時代のジェンダー平等

メルケルが拓いた未来の社会デザイン

  • 佐野敦子(著)/2023年3月
  • 3600円(本体)/A5判並製272頁
  • 装丁:松田晴夫(クリエイティブ・コンセプト)

実生活にデジタル技術が浸透するなか、いかにそれを活用すべきか?
性別を含む差異の政治から、公平性や公正性は生じえるか――
ドイツのメルケル政権期とその前後におけるジェンダーに関わる法律・政策を詳細に分析。ジェンダー平等施策とその国際的な影響を考察し、デジタル化をともなったジェンダー平等の議論や国内の女性運動の要求が施策に反映された過程から、デジタル変容とジェンダー平等推進の両立の可能性を描く。デジタル空間における、自明ではないバイアスに対処し、社会的不平等を改善するための、男女間の公正性の実現および人権と民主主義の尊重に向けた展望を提示する。
(ISBN 9784861108594)

◆2023年度社会デザイン学会奨励賞 受賞

目次|contents

はじめに
序章
第I部 「普遍的価値」から雄の性格の混淆を取り除くのは可能か?――ジェンダーからみたデジタル化・AIの発展をめぐる議論:ドイツを中心に
第1章 ジェンダー平等なAI社会をデザインするには
第2章 ドイツのデジタル変容とジェンダー平等推進――ジェンダーからみたAI戦略
第I部 結論
第II部 デジタル化は、旧来の性的役割ひいては家父長制を変容させるのか?――メルケル政権のジェンダー平等推進とデジタル化を振り返る
第3章 東西分裂の禍根――統一時からメルケル政権までのジェンダー課題の進展
第4章 メルケル政権下の男女平等報告書とドイツ初の男女平等戦略
第5章 COVID-19がジェンダー施策に与える影響――ドイツの男女平等戦略からの分析
第6章 ICTがリプロダクティブ・ヘルス/ライツに与える影響――ドイツにおける人工妊娠中絶をめぐる法改正と女性運動の考察から
第7章 メルケルが拓いたジェンダー平等な未来――新政権の公約に盛り込まれた女性運動の要求と保守の限界
第II部 結論
第III部 デジタル化はジェンダー平等の敵か味方か?――ポスト・メルケル時代のジェンダー平等とデジタル化への展望から
第8章 ドイツからみるデジタル化時代のジェンダー平等の課題
結章 デジタル化時代のジェンダー平等
おわりに
謝辞
付録 ドイツ女性協議会による新政権の連立協定の評価文書
参考文献
初出一覧
索引

著者|author

佐野敦子(さの・あつこ)
博士(社会デザイン学)。立教大学大学院21 世紀社会デザイン研究科博士後期課程修了。東京大学大学院情報学環・BeyondAI 推進機構B’AI グローバルフォーラム特任研究員(2023年3月現在)。元国立女性教育会館専門職員(eラーニング担当)。共著に『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)、『AI から読み解く社会――権力化する最新技術』(東京大学出版会)、『知る・わかる・伝えるSDGs I 貧困・食料・健康・ジェンダー・水と衛生』(学文社)がある。2018 年国連女性の地位委員会(CSW62)日本代表団メンバー、Women 7 Japan 2023 Advisor を務める。

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ドイツの幼児教育におけるビルドゥング―子どもにとっての学びを問い直す

ドイツの幼児教育におけるビルドゥング

子どもにとっての学びを問い直す

  • 中西さやか(著)/2023年3月
  • 4000円(本体)/四六判上製242頁
  • 装丁:松田晴夫(クリエイティブ・コンセプト)

自らの経験を理解し意味づけていく、幼児期に特有な学びのプロセスを描く
ドイツの幼児教育をめぐる政策動向に顕著に見られるようになった教育観や教育課題を、そこにおけるビルドゥングという言葉の意味を再考することで見直す。子ども自身が主観的な学びをまず培うことの必要性を示し、子どもに見えていることを起点とする学びに向けた幼児教育を提案する。
(ISBN 9784861108686)

目次|contents

序章 なぜ幼児期のビルドゥングに着目するのか
第1章 幼児教育とビルドゥングをめぐる視点の整理
第2章 教育政策における幼児期のビルドゥングの強調
第3章 幼児教育学におけるビルドゥングをめぐる議論
第4章 ビルドゥング・アプローチの理論的枠組み
第5章 ビルドゥング・アプローチによる教育構想の意義と課題
終章 幼児教育におけるビルドゥングが照らすもの
あとがき
引用参考文献

著者|author

中西さやか(なかにし・さやか)
佛教大学社会福祉学部准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了、博士(教育学)。名寄市立大学短期大学部専任講師、名寄市立大学保健福祉学部専任講師を経て現職。専門は保育学・教育学。主な著書に『保育政策の国際比較――子どもの貧困・不平等に世界の保育はどう向き合っているか』(共監訳、明石書店、2018年)、「保育の質をめぐる世界の動向 ドイツ」『世界の保育の質評価――制度に学び、対話をひらく』(共著、明石書店、2022年)。

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江戸時代の唐画―南蘋派、南画から南北合派へ

江戸時代の唐画

南蘋派、南画から南北合派へ

  • 伊藤紫織(著)/2023年3月
  • 6500円(本体)/A5判上製428頁
  • 装丁:長田年伸

「唐画」の成立と伝播のありようをひもとく――
江戸時代中期以降の日本絵画の諸相を、「唐画」の語に注目して横断的に解き明かす。京都、大坂、江戸の複数の画派に関する実証的な検討を行い、その変遷を様式や題材から総合的に捉える。
(ISBN 9784861108570)

目次|contents

はじめに
第一章 唐画の広がり
第二章 京都の唐画
第三章 大坂の唐画
第四章 江戸の唐画
補論 『賞春芳帖』と岩垣龍渓主催松蘿館詩社
おわりに
あとがき
参考文献一覧
初出一覧
図版出典
索引

著者|author

伊藤紫織(いとう・しおり)
一九六九年、富山県生まれ。一九九二年、東京大学文学部美術史学専修課程卒業。一九九四年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。一九九四年~二〇一五年、開設準備室を経て千葉市美術館学芸員。二〇一一年、東京大学大学院人文社会系研究科美術史学専攻博士、課程単位取得退学。二〇一三年、博士(文学)を東京大学より授与。二〇一五年、尚美学園大学准教授。この間、実践女子大学、千葉大学、立教大学の非常勤講師を務める。現在、尚美学園大学教授。主な著書・論文に「森蘭斎について――支持者との関わりを中心に――」(『美術史』一五六、二〇〇四年)、「死絵と画中画――肖像としての死絵」(『死生学研究』一一、東京大学大学院人文社会研究科、二〇〇九年)、大久保純一責任編集『日本美術全集15 浮世絵と江戸の美術』(小学館、二〇一四年、共著)、『光琳を慕う――中村芳中』(芸艸堂、二〇一四年、共著および編集)「新名所の虚実――『松川十二景和歌色紙帖』(相馬市教育委員会)をめぐって」(『尚美学園大学芸術情報研究』二九、二〇一八年)、「真景図のつくられ方」(板倉聖哲・高岸輝編『日本美術のつくられ方――佐藤康宏先生の退職によせて』羽鳥書店、二〇二〇年)。

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越境のパラダイム、パラダイムの越境―フュスリ絵画から魔法使いハウルまで

越境のパラダイム、パラダイムの越境

フュスリ絵画から魔法使いハウルまで

  • 今村武、佐藤憲一(編)/2023年3月
  • 4500円(本体)/四六判上製426頁
  • 装丁:矢萩多聞

いかなるパラダイム転換を経て、美的創造活動は今日まで営まれつづけてきたのか。
18世紀から20世紀までのさまざまな転換期における文学作品や文化事象を比較検討し、時代的・地理的・分野的な「越境性」の諸相を明らかにする。
(ISBN 9784861108525)

目次|contents

前書【今村武】
第Ⅰ部:現代イギリス文学【西村醇子】
第1章:ダイアナ・ウィン・ジョーンズの流儀―ファンタジー作家は何と戦ったのか
第2章:ジョーンズと昔話世界―物語、「境界」を超える
第Ⅱ部:二〇世紀アメリカ文学【川村幸夫】
第3章:ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』をめぐって
第4章:ウィリアム・フォークナー『死の床に横たわりて』とそれ以降
第Ⅲ部:世紀転換期イギリス文学【内田均】
第5章:コナン・ドイルの短編小説と視覚情報
第6章:H・G・ウェルズのゲーム作品と写真
第Ⅳ部:近代アメリカ文学【佐藤憲一】
第7章:『白鯨』の内と外―「タウン・ホー号の物語」の時空間
第8章:『白鯨』奪胎―マンガ版『白鯨』研究序説
第Ⅴ部:現代日本文化【杉本章吾】
第9章:「かわいさ」という「繭」の中で―矢沢あい「天使なんかじゃない」における「少女」像の転回
第10章:若年女性の分断を乗り越えて―矢沢あい「ご近所物語」における「少女」像の解体と再構築
第Ⅵ部:日朝演劇・比較文化【金牡蘭】
第11章:村山知義と朝鮮―連帯と朝鮮表象の軌跡
第12章:一九四五年・京城の村山知義―転換期朝鮮演劇の現場で
第Ⅶ部:ドイツ文学・比較文化【今村武】
第13章:フュスリのシェイクスピア
第14章:チューリヒの啓蒙とロンドンの美術
あとがき【佐藤憲一】
人名索引
執筆者紹介

編者|editors

今村武(いまむら・たけし)
東京理科大学教養教育研究院教授。専門は18世紀ドイツ文学、ドイツ演劇。著書に『十八世紀スイス文学とシュトゥルム・ウント・ドラング―源流としての美学的共和主義』(春風社、2022年)、『救いと寛容の文学―ゲーテからフォークナーまで』(共著、春風社、2019年)、『人間関係から読み解く文学―危難の時の人間関係』(共著、日本人間関係学会・文学と人間関係部会編、開文社出版、2014年)、『近代ドイツ文学の萌芽と展開』(南窓社、2012年)、『不道徳な女性の出現―独仏英米の比較文化』(南窓社、2011年)等がある。

佐藤憲一(さとう・けんいち)
東京理科大学教養教育研究院教授。専門は初期近代トランスアトランティック文学文化。著作に『異形のピューリタン―ジョン・ウィンスロップ・ジュニアとトランスアトランティック・トランザクション』(春風社、2020年)、『救いと寛容の文学―ゲーテからフォークナーまで』(共著、春風社、2019年)、『異文化理解とパフォーマンス―Border Crossers』(共著、松田幸子・笹山敬輔・姚紅編、春風社、2016年)、『人間関係から読み解く文学―危難の時の人間関係』(共著、日本人間関係学会・文学と人間関係部会編、開文社出版、2014年)、『知の版図―知識の枠組みと英米文学』(共著、鷲津浩子・宮本陽一郎編、悠書館、2007年)がある。

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揺り動かされるヒンドゥー寺院―現代インドの世俗主義、サティー女神、寺院の公益性

揺り動かされるヒンドゥー寺院

現代インドの世俗主義、サティー女神、寺院の公益性

  • 田中鉄也(著)/2023年3月
  • 4000円(本体)/A5判上製306頁
  • 装丁:長田年伸

インドの寡婦殉死慣習サティーの規制によって、サティー女神を本尊とする寺院やその信仰はどのように変化してきたのか。またそこにはいかなる人や組織や制度が関与しているのか。

現代インドの公益信託や寺院の利害関係者に着目し、多元化した「公益性」にもとづいて各寺院のあり方が形作られてきた経緯を検討することで、世俗主義と宗教のかかわりを考察する。

(ISBN 9784861108563)

目次|contents

まえがき
序章

第Ⅰ部 公益信託、マールワーリー、サティー女神
第1章 公益信託を支える宗教的・慈善的な基金をめぐる司法的言説
第2章 マールワーリーと宗教的・慈善的な基金
第3章 サティー女神を規制するということ

第Ⅱ部 公益に左右されるヒンドゥー寺院
第4章 公益とコミュニティとのあいだ
第5章 新たな利害関係者と寺院管理の変容

第Ⅲ部 公益を飼いならすヒンドゥー寺院
第6章 揺れ動く公益性
第7章 多元化する寺院の公益性

終章

あとがき
参考文献
索引

著者|author

田中鉄也(たなか・てつや)
1979年、大阪生まれ。関西大学文学部卒業。関西大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文学)。
専門は宗教学、南アジア地域研究。現在、中京大学国際学部准教授。

主な著作に、『インド人ビジネスマンとヒンドゥー寺院運営―マールワーリーにとっての慈善・喜捨・実利』(風響社、2014年)、“Trustee, State and Stakeholder: Hindu Temple Management in Contemporary India, 1957–2012”(Journal of Interdisciplinary Economics 32 (1), 2020)、「カースト族譜と社会関係資本――マールワーリーが具現化する一族の系譜関係」(三尾稔(編)『南アジアの新しい波(上)――グローバルな社会変動と南アジアのレジリエンス』昭和堂、2022年)など。

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自分を整えるブリーフサイコセラピー―瞑想法、NLP、臨床動作法、バイオフィードバック

自分を整えるブリーフサイコセラピー

瞑想法、NLP、臨床動作法、バイオフィードバック

  • 岡本浩一・小林能成・長谷川明弘(編)/2023年3月
  • 2500円(本体)/四六判並製310頁
  • 装丁:矢萩多聞

ストレスのセルフ・ケアに適用できる、短期心理療法のさまざまな技法を紹介。支援・治療相手の心の傷を疑似体験してしまう心理職、福祉職、医療職に就いている人や、効率よく自分自身でストレス・マネジメントをしたい人にとりわけ効力を発揮する。
アメリカでも著名な心理催眠療法家・大谷彰博士によるPTSD概論とマインドフルネス・トレーニング実演も収録。
【東洋英和女学院大学社会科学研究叢書10】
(ISBN 9784861108600)

目次|contents

I部:PTSDの概論:セルフケアへの脅威を知る
1章:PTSDについての概論
II部:マインドフルネス・トレーニングと伝統的瞑想法の応用
2章:タッチ・アンド・リターンの実演とチョコレートを使ったマインドフルネス・トレーニング
3章:坐禅瞑想法の現代的解釈と横隔膜マインドフルネス・トレーニング
4章:なんそ法
5章:地球イメージ法
III部:NLP/ブリーフセラピーの応用
6章:COACHステート
7章:セルフ・ダイナミック・スピン・リリース
8章:未来からの手紙
9章:○×法
IV部:臨床動作法
10章:動作法によるセルフケア1:着座姿勢での肩上げ
11章:動作法によるセルフケア2:腕挙げ、立位膝前出し・膝伸ばし
V部:バイオフィードバックの進展
12章:ニューロフィードバック
13章:心拍変動バイオフィードバック

編者|editors

岡本浩一(おかもと・こういち)
大阪府出身。東京大学文学部社会心理学専修課程卒業。同大大学院社会学研究科で社会学修士、社会学博士。同大文学部助手を経て、1989年より東洋英和女学院大学人文学部助教授。1997年より人間科学部教授。NLPをロバート・ディルツに師事し、NLPトレーナー。日本心理学会、日本社会心理学会、日本実験社会心理学会、日本行動計量学会、日本催眠医学心理学会、日本リスク研究学会などに所属。茶道を修め、裏千家淡交会巡回講師を兼任。リスク認知心理学を専門とし、原子力安全委員会専門委員、内閣府原子力委員会専門委員など歴任。国の科学技術研究領域の創始メンバーのひとり。著書に『会議を制する心理学』(単著)、『組織の社会技術1 組織健全化のための社会心理学:違反・自己・不祥事を防ぐ社会技術』(共著)、『グローバリゼーションとリスク社会〔東洋英和女学院大学社会科学研究叢書1〕』『新時代のやさしいトラウマ治療〔東洋英和女学院大学社会科学研究叢書4〕』『パワハラ・トラウマに対する短期心理療法〔東洋英和女学院大学社会科学研究叢書7〕』(共編)など。

小林能成(こばやし・よしなり)
東京都出身。上智大学文学部心理学科卒業。同大大学院文学研究科教育学専攻で修士。東京純心女子大学助教授を経て、2007年より、東洋英和女学院大学人間科学部准教授。日本心理学会、日本生理心理学会、日本バイオフィードバック学会(現在、理事)などに所属。主要論文に「ストレス軽減技法末梢皮膚温BF」など。

長谷川明弘(はせがわ・あきひろ)
愛知県出身。愛知学院大学文学部心理学科卒業、新潟大学大学院教育学研究科より修士(教育学)、東京都立大学大学院都市科学研究科博士課程より博士(都市科学)。医療・福祉・教育・産業領域での臨床実践と研究活動を並行し、金沢工業大学専任講師などを経て、2013年より東洋英和女学院大学人間科学部准教授。大学院人間科学研究科兼務。臨床心理士、臨床動作士、認定催眠士。公認心理師。日本心理学会、日本心理臨床学会、日本臨床動作学会などに所属、日本ブリーフサイコセラピー学会ならびに日本催眠医学心理学会の常任理事として編集委員、学術委員、研修委員、資格認定委員など歴任。主要な著書・論文は、『日常生活における「自然な」心理療法』『「からだ」と「こころ」をつなぐ心理療法のかたち』「臨床動作法と自己治癒力―主体性を活性化させる心理療法」「臨床心理学の歴史―催眠を基軸として」「ブリーフセラピーの学びをどのように臨床現場で活かしていくのか(共著)」など。

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コトのデザイン―発想力を取り戻す

コトのデザイン

発想力を取り戻す

  • 谷内眞之助・山川修(著)/2023年3月
  • 2500円(本体)/A5判並製152頁
  • 装丁:矢萩多聞

「真似(まね)び」と「学(まな)び」は、どうつながっていて、どう異なるのか?
学習者自身が複層的に自由に発想できるよう、ことがらの仕組みや関係性をひもとき、新たに構想するための方法と工夫を紹介。アイデアを生み出し表現するプロセスを培うことで、それを体験する楽しさや多様な意義をあらわす。

尾登誠一(東京芸術大学名誉教授)氏推薦!
――自己の視点に立って課題の本質を発見するデザイン思考は、①観察・共感、②定義、③着想、④試作、⑤テストの5段階思考プロセスを踏襲し、創造的問題解決力を獲得させる。本書は、普段の生活から発想するコトのデザインの啓蒙書といえる。

(ISBN 9784861108556)

目次|contents

はじめに
第1章 なぜ教育にコトのデザインが必要か
第2章 コトのデザインとは
第3章 コトのデザインを授業のなかに組み込む
第4章 発想の基本
第5章 コトのデザイン演習
おわりに
参考文献
索引

著者|authors

谷内眞之助(たにうち・しんのすけ)
所属:safeology 研究所。専門:プロダクトデザイン、デザインコーディネート、発想論。経歴:東京芸術大学美術研究科大学院デザイン専攻修了。芸術学修士。東洋ガラスマーケティング部を経て、神戸芸術工科大学附置芸術工学研究所にてデザインの発想の研究を行う。神戸芸術工科大学大学院、神戸女学院大学、神戸松蔭女子大学、金沢美術工芸大学の非常勤講師。福井工業大学デザイン科教授を退任後、福井県立大学にて非常勤講師として「コトのデザインと発想」を担当。現在、safeology 研究所にて「デザインの発想」を担当、オンラインセミナーを実施している。ガラスびん、ガラス食器のデザイン及び企画、ことば想像力開発プログラムTAAT、発見立て発想法(CDROM含む)の研究出版、地域おこしの一環として間伐材アートのデザイン制作、アートビアガーデンの制作及びコーディネートに携わる。神戸ビエンナーレ実行委員会委員及びディレクターを務める。
山川修(やまかわ・おさむ)
所属:福井県立大学学術教養センター教授。専門:学習科学、教育工学。経歴:名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻終了。理学博士。その後、高エネルギー物理学研究所、日本ビジネスオートメーション(現、東芝情報システム)、福井県立短期大学を経て2007年より現職。現在、自律的学習者をささえる内発的動機づけの大本にある「安心さ」に興味を持ち、社会情動的スキルを向上させる観点からの実践と理論化に取り組んでいる。

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ディープ・アクティブラーニングのはじめ方―つながりのなかに主体性を取り戻す

ディープ・アクティブラーニングのはじめ方

つながりのなかに主体性を取り戻す

  • 山川修・早川公(著)/2023年3月
  • 2200円(本体)/A5判並製136頁
  • 装丁:矢萩多聞

地域社会や身近にある様々な問題に向かい合うとき、
どのように自ら探索し解決策を構想するのか?

学習者自身が多角的に問題を解決できるよう、ディープ・アクティブラーニングという学習活動として「問いを立てる」ことと「信頼関係を創る」ことの2つの要素を採り入れ、新たな方法と考えの枠組みを提案する。

松下佳代(京都大学大学院教育学研究科教授)氏推薦!
――地域PBL×デザイン思考で、ディープ・アクティブラーニングという理念に確かなかたちを与えた1冊。学生が協働で地域課題に取り組みながら、自律的学習者に育っていくためのヒントとツールに溢れている。

(ISBN 9784861108549)

目次|contents

はじめに
第1章 ディープ・アクティブラーニングとは何か
第2章 つながりづくり(リーダーシップ)
第3章 問いの育み(デザイン思考)
第4章 授業設計と実践
第5章 評価方法
第6章 授業設計の基礎となる理論
第7章 地域PBLをオンラインで実施する
おわりに
参考文献
索引

著者|authors

山川修(やまかわ・おさむ)
所属:福井県立大学学術教養センター教授。専門:学習科学、教育工学。経歴:名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻修了。理学博士。その後、高エネルギー物理学研究所、日本ビジネスオートメーション(現、東芝情報システム)、福井県立短期大学を経て2007年より現職。現在、自律的学習者をささえる内発的動機づけの大本にある「安心さ」に興味を持ち、社会情動的スキルを向上させる観点からの実践と理論化に取り組んでいる。
早川公(はやかわ・こう)
所属:大阪国際大学准教授、FD センター長。専門:文化人類学、まちづくり論、地域志向教育論。経歴:筑波大学大学院人文社会科学研究科修了。博士(国際政治経済学)。大学院在学時につくば市北条地区のまちづくり活動に関わりながら研究を実践。民間企業勤務後大学教員となり、宮崎、福井、大阪で地域志向教育(Commmunity Based Learning)に携わってきた。現在は、文化人類学の方法を社会に実装する方法について研究している。主著に『まちづくりのエスノグラフィ』(春風社、2018 年)、「地域志向教育における主体性の布置――中動態を手掛かりとして」(関係性の教育学、19 巻、2020 年)など。

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