教育の経済―成り立ちと課題

教育の経済

成り立ちと課題

  • 三上和夫/2005年8月
  • 3200円(本体)/A5判上製・302頁

教育政策の経済的な課題を総括する書。公的補助の不備、家庭の経済格差から生じる学歴格差などの問題を示し、教育政策について再考を促す。女性誌を資料として、家計に占める教育費増加の歴史も概観。
(ISBN 4861100496)

目次|indexs

序章 生活と教育のもつれあい―教育秩序の変動
生活場面としての学校の主題化
家族をとりまく社会空間
郊外の「物語」
時間意識と自己決定
時間意識と時間決定の自主性
教育資本と教育危機
支配的秩序の有効限界の外へ
第一章 地方分権一括法の社会的前提
はじめに―一九九〇年代社会への着目
第一節 生活圏域・家族と市場・組織
少子社会
通学通勤圏
費用負担の型
塾と学校―複合する教育制度
少子化と教員養成
第二節 社会変化と教育システムへの要請
社会動向と校則
就学観のゆらぎ
「会社本位」からの離脱
「消費創出」という開拓線
第三節 教育行政機構の改変動向
模索と構想の集約
公費投入の多元化と分権化
負担格差とあらたなまなざし
まとめ 「分権」への動きと教育委員会
社会状況の変化と制度改変
行政改革・分権化と教育委員会活性化
コラム1 中央教育審議会
第二章 家計支出教育費の定着
はじめに
高度経済成長の教育的果実
教育費の形
女性雑誌と「主婦」の位置
第一節 「投資」としての教育―「教育の経済」成立前史
教育投資政策の登場
私学への批判と公費投入―一九七五年前後の教育社会
教育投資意識の定着と相対化
家計をめぐる社会と制度原理
第二節 循環(=「計画する家計」)形成と「教育の経済」の「成り立ち」
一九八〇年代~九〇年代前半の時代特性
『主婦の友』の「教育費取材」―話題提供による資金計画への誘導
あたらしい着眼―全国的な取材構成による「教育費計画百科」
「教育の経済」の「成り立ち」
第三節 家計支出教育費の万華鏡的様相
『DIME』―数値表示の雑誌
『微笑』で見る一八年間
『SOPHIA』―ファイナンシャル・プランナーの登場
『主婦と生活』という亜種
『クロワッサン』―教育費負担反発と教育信念確認
『ミセス』―ライフステージごとのやりくりと保障内容別資金設計
『婦人倶楽部』―小回りのきくアドバイス
『NEXT』―父親の「経済学」
まとめ―家計支出教育費と「教育と教育行政」
「教育の経済」成り立ち―その理論構成
公共性の外部としての「家計支出教育費」
教育行政を補助とする教育の原理
「教育の経済」と公費支出原則
あらたな入会地
第三章 評価と社会・国家
はじめに
第一節 国家責任の歴史的分析
財政政策と「国家責任」
組織と市場へのまなざし
国家責任論の展望
第二節 公教育論の構成
公教育論の三段階と今日
教育関係学会における「公共性」論
公共性再編の課題
第三節 教育評価と社会・国家
教育評価の位置―媒介としての「社会」と「通念」
評価・目標サイクルと「教育と教育行政関係」の再政治化
「教育評価」の責任範囲と公共性
第四節 教育振興基本計画と教育改革特区
評価国家の二つの政策手法
教育振興基本計画
評価国家の機構関係と政策課題
「特区」政策―空間の焦点化と政策目標
コラム2 教育政策
コラム3 生活指導・生徒指導
第四章 歴史的権利としての学校建営
はじめに
第一節 学校選択を考える視点
「学校―社会」の歴史段階
教育制度の戦後
第二節 就学の意味変化
「信任」の後退 契約の「通念化」
包括的・関係的概念としての在学契約
教育的価値としての教育区
第三節 学習社会における人と法人
インクルーシブな教育―「学習社会からの教育改革」の中間総括
市民による教育事業
官・民・公共
学習社会の存在基盤―市民のまとまりと公益
第四節 学校建営の歴史的意義
「就学」の二重化
「学校をつくること」への着目
教育政策と政策―評価の視点
現代への示唆―一九四一年の「断絶」
コラム4 義務教育費国庫負担廃止問題
第五章 教育基本法と地域空間―教育制度の拡大・定着・成熟に着目して
はじめに
第一節 学区制と市町村
市町村のまとまりと学校のまとまり
一九七五年以降の教育と社会の経路
高校という教育経験―市町村を越える学校制度
政治と学事
第二節 教育の長期変動と法関係
教育変動と「世代」
「教育の公共性」の法関係
第三節 改変の現段階―「教育と教育行政」関係
「教育と教育行政」の社会関係
教育行政の空間的責任
教育空間論の課題
第四節 地域と公共性―再編の方向
都道府県による通学区域設定―後期中等教育整備の責任主体
規制基調からの転換
地域教育制度―システム構築の課題
まとめ
コラム5 学校選択制と学区制
コラム6 教育改革―学校選択と学区制度
コラム7 自治体の教育計画の策定
あとがき
人名索引
事項索引

著者|author

三上和夫(みかみ・かずお)
神戸大学発達科学部教授。主な著書に『学校と学区の地域教育史』(共編著、川島書店、2005年)、『学区制度と学校選択』(大月書店、2002年)など。

担当編集者から

本格的な教育経済論としてかっちりとしたつくり。先日、横浜で開催された教育学会でも好評を博す。各女性雑誌の「こんなにかかる教育費!」特集を追いかけて得られた具体的なオカネの実態は興味深く、塾に通い私立へ進学した私も身につまされた。改めて両親に感謝。天秤をモチーフにした装丁は萩原。[-井戸川-]

 

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ナショナリズムと宗教―現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動

ナショナリズムと宗教

現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動

  • 中島岳志/2005年8月
  • 3619円(本体)/四六判上製・384頁

ナショナリストとは誰か? インド国内メディアでさえ取材の難しい過激な宗教ナショナリズム運動の内部深く入り、その活動実態と理念を明らかにする。『中村屋のボース』で話題の著者による新しい民族誌!
第一回南アジア学会賞受賞
日本図書館協会選定図書
(ISBN 4861100488)

目次|indexs

はじめに
第一章 公共圏・ナショナリズム・宗教
はじめに
第一節 公共圏と宗教
世俗化パラダイムの脱構築/公共圏における善と正義/公共圏とサバルタン
第二節 ナショナリズムと宗教
近代主義的ナショナリズム論/「宗教ナショナリズム」論/ナショナリズム運動と主体
第二章 ヒンドゥー・ナショナリズムの歴史
はじめに
第一節 ヒンドゥーの近代
「ヒンドゥー」の近代的客体化と植民地支配/インド独立運動のなかのヒンドゥー・ナショナリズム/ポスト植民地社会としての現代インド
第二節 ヒンドゥー・ナショナリズムの台頭
インディラ・ガンディー政権と国民統合(一九八〇―一九八四)/ラジーヴ・ガンディー政権のポピュリズムと政治腐敗(一九八四―一九八九)/ジャナタ・ダル政権とアイデンティティ・ポリティクス(一九八九―一九九一)/ラオ政権から統一戦線政権へ(一九九一―一九九八)/BJP政権の成立(一九九八―二〇〇四)
第三章 ヒンドゥー・ナショナリズム運動の組織と理念
はじめに
第一節 ヒンドゥー・ナショナリズム運動の組織
RSSの組織形態/サング・パリワール
第二節 ヒンドゥー・ナショナリストの理念
ヒンドゥーとは誰か?/有機体的国家としての「ヒンドゥー・ラーシュトラ」/「真のセキュラリズム」論/サンスクリット語による国民統合/カーストとトライブ
第四章 身体のポリティクス
はじめに
第一節 シャーカー
シャーカーの活動内容/国民規範としてのダルマ
第二節 国民的身体の形成
身体の客体化と自己統御/時間・空間・制服/整列・行進・スポーツ・ヨーガ
第三節 現場リーダーによる表象
神話の流用/母なる大地と国民国家の領土
第四節 参加者の主体
ニューデリーにおける四つの事例/上層・中間層のシャーカー/下層民のシャーカー
第五章 サバルタン的公共性とヒンドゥー・ナショナリズム
はじめに
第一節 社会奉仕活動と国民統合
セワー・バーラティの活動概要/セワー・バーラティの理念
第二節 スラム街におけるヒンドゥー・ナショナリストの活動
ニューデリーK町のスラム街/セワー・バーラティの教育活動/ダルマに生きる
第三節 民衆のエージェンシーとヒンドゥー・ナショナリズム
ヒンドゥー・ナショナリズムを飼い馴らす/共鳴するダルマ/ヒンドゥー復興とヒンドゥー・ナショナリズムの狭間
第六章 ヒンドゥー・ナショナリズムと暴力
はじめに
第一節 バジュラング・ダル
構成員/シャクティとバクティ
第二節 政治集会・デモ・ヤートラー
事例の概要/主催者の意図、参加者の主体
第三節 主体・逸脱・暴力
パフォーマンスのアリーナ/暴力とレジティマシー
おわりに
参考文献

著者|author

中島岳志(なかじま・たけし)
1975年、大阪生まれ。大阪外国語大学(ヒンディー語専攻)卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。学術博士(地域研究)。博士論文で第三回アジア太平洋研究賞受賞。京都大学人文科学研究所研修員、日本学術振興会特別研究員。著書に『中村屋のボース インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社)、『ヒンドゥー・ナショナリズム 印パ緊張の背景』(中公新書ラクレ)。

担当編集者から

骨太なナショナリズム研究書。基になった論文は第三回アジア太平洋研究賞を受賞している。だが、単なる学術書に止まらないのは、中島氏がインドの人びとと真正面から対峙してきたからだろう。校正校閲を通じ、そのことが伝わってくる。
ブックデザインは矢萩多聞氏。各章トビラ裏に写真をふんだんに使い、読みやすい組を考えてくれた。装丁にはヒンドゥー・ナショナリズムに参加する民衆の渇望感、不安を象徴する一枚を。
『中村屋のボース』と並び、間違いなく著者の主著になるであろう一冊。[-長田-]

 

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ユウ君とレイちゃん―葉画・物語のはじまり

ユウ君とレイちゃん

葉画・物語のはじまり

  • 鈴木みどり/2005年7月
  • 1575円(税込)/B5判変型・36頁

落ち葉を絵の具の代わりに使う葉画。自然の営みの中で枯れ落ちた葉が物語の中で生き生きと蘇る。幼い二人が迷い込んだ不思議な世界に再生への願いを込める初めての葉画絵本。
(ISBN 4861100437)

推薦の言葉

落葉の絵に出会って4年、みどりさんがついに夢を叶えた。葉画だから表現できる世界、葉画にしか表現できない世界を彼女はものにした。
―葉彩画・赤崎一雄

作者|author

鈴木みどり(すずき・みどり)
雅号:桧葉(あすなろ)。秋田県出身。大東文化大学中国文学科卒業。千葉県木更津総合(旧木更津中央)高等学校に勤務。「ふしぎな花倶楽部」インストラクター。JLFA葉画講師。

担当デザイナーから

鈴木みどりさんの葉画絵本・第1作目!
真夜中に浮かぶ月みたいにきれいで不気味。得体が知れないのにそちら側に行ってしまいたいような感じのする絵本に仕上がった。
写真家の橋本照嵩氏、シナノ印刷の方々、ありがとうございました。[-萩原-]

 

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アメリカ-コミュニケーション研究の源流

アメリカ-コミュニケーション研究の源流

  • E・デニス、E・ウォーテラ編著 伊達康博・藤山新他訳/2005年7月
  • 4286円(本体)/A5判・284頁

マスコミ研究の源流をヨーロッパに求め、それがアメリカに定着、発展した過程を具体的な研究を通して考証。各流派とそこにかかわった人々を丹念にたどりながら、コミュニケーション研究の歴史を概観する。
日本図書館協会選定図書
(4861100240)

目次|indexs

まえがき
第1部 学派とその思想
第1章 ヨーロッパにおける研究のルーツ
第2章 シカゴ学派とマス・コミュニケーション研究
第3章 1950年代のイェール大学におけるコミュニケーションと態度変容研究プログラム
第4章 コロンビア大学における普及研究
第5章 子どもたちとテレビ
第6章 社会制度としてのプレス
第2部 当時の研究を知る人々の証言
第7章 レイティング(聴取率・視聴率)調査の確立と発展―ラジオからケーブルテレビまで
第8章 スタントン、ラザースフェルド、そしてマートン―コミュニケーション研究のパイオニアたち
第9章 フランク・スタントンとの対話
第10章 優れた先達
第11章 力の道具としてのコミュニケーション研究
第12章 公共政策への取り組み
第3部 再評価
第13章 北米コミュニケーション研究における学史的研究の構築
第14章 再考されていく歴史
コミュニケーション研究に貢献した65人についてのバイオグラフィー的スケッチ
協力者・編者の略歴
参考文献
訳者あとがき
索引

訳者|translator

伊達康博(だて・やすひろ)
東洋大学大学院社会学研究科博士後期課程。
藤山新(ふじやま・しん)
日本写真芸術専門学校講師。

 

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マリー・ダグー―19世紀フランス伯爵夫人の孤独と熱情

マリー・ダグー

19世紀フランス伯爵夫人の孤独と熱情

  • 坂本千代/2005年6月
  • 2200円(本体)/四六判上製・208頁

夫と子がありながら音楽家リストと恋に落ち、やがて破局。ダニエル・ステルンとして『一八四八年革命史』を記し歴史に名を残す。激動のヨーロッパを駆け抜けたマリー・ダグーの波瀾に満ちた生涯を、スピード感溢れる筆致で描く!
日本図書館協会選定図書
(4861100429)

目次|indexs

まえがき
|序章| ふたつの文化のはざまで
第一部 ロマン主義者の恋
|第一章| リスト登場
|第二章| 巡礼時代の始まり
|第三章| イタリアの旅
第二部 ダニエル・ステルンと二月革命
|第一章| ダニエル・ステルン誕生
|第二章| 二月革命中のマリー
|第三章| 『一八四八年革命史』
|終章| 第二帝政下のパリで
あとがき
参考文献
索引

著者|author

坂本千代(さかもと・ちよ)
東京大学大学院博士課程仏語仏文学専門課程中退。文学博士(リヨン第2大学)。現在、神戸大学国際文化学部教授。
主著にInterprétations romantiques de Jeanne d’Arc(Presses Universitaires du Septentrion、1997年)、『ジョルジュ・サンド』(清水書院、1997年)、『愛と革命―ジョルジュ・サンド伝』(筑摩書房、1992年)、『ジョルジュ・サンドの世界』(共著、第三書房、2003年)など。

担当編集者から

私事で恐縮だが、この本の製作上まさに佳境の4月末、わたしは愚かにも鎖骨を折ってしまった。校正・校閲は終っていたとはいうものの、著者の坂本先生、スタッフの長田君には多大な迷惑をかけた。連休も返上し頑張ってくれているあいだ、わたしはといえば家で痛みに堪えながらしょぼくれていた。ともかく、立派な本に仕上がってうれしい。[-三浦-]

 

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教師再生―石川県公立中学校における授業実践から

教師再生

石川県公立中学校における授業実践から

  • 砂上昌一 編著/2005年5月
  • 1905円(本体)/四六判上製・328頁

教育哲学者・林竹二にならい、石川県公立中学校の教師たちが立ち上がった。砂上校長を中心に現場の教師たちが<再生>をかけ、みずから吟味し苦闘した生々しい教育ドキュメントがここにある。熱気あふれる授業記録!
(4861100410)

目次|indexs

はじめに   砂上 昌一
Ⅰ 授業のあり方を考える

一 授業の改革のはじめに   砂上 昌一
1 小野四平先生の提案授業
2 小寺正一先生の道徳の授業
3 何が問題なのか
4 生きる力の糧としての授業
二 再び授業の改革に向かう
1 授業研究のねらい
2 林竹二「授業の成立についての覚書」について
3 授業で変わる子ども
4 「総合的な学習」について
5 子どもを見る目を確かなものに
6 竹内敏晴先生の朗読の授業
7 こだわり続けてきたこと
8 何が変わったか
Ⅱ 授業実践研究のなかで見えてきたこと
子どもの想像力は飛躍する   小荒 孝康
授業の質を問い直す   村田 有司
子どもに学び、授業をとらえ直したい   市村 護
荒れているからこそ授業で勝負    東 伸治
説明したのに何でわからんの?   三森 洋子
振り返れば   勝木一博
「イマジン」の授業    定者 由美子
子どもを映し出す場としての保健室    木戸 陽子
授業再考    滝口 誠久
スタートラインが見えた   谷舗 秀治
素直に子どもを見ること    新井 徹
谷井、聞いて…    谷井 寿美代
学校の中心に授業を据える   浜 洋
後戻りできない位置に立つ    小林 克規
Ⅲ 国語の授業研究
提案授業三年国語 澤登文子「生きる」   小野 四平
Ⅳ 朗読の授業研究
ドラマの立ち上がり―授業者の手記―   竹内 敏晴
二年選択国語朗読劇「よだかの星」   小座間 美智子
Ⅴ 道徳の授業研究
提案授業一年道徳「私たちの学校」   小寺 正一
Ⅵ 授業を創る
私の校内研修論   伊藤 功一
授業を創るとは―三年間の提案授業を総括しながら―   小野 四平
あとがき―私の「授業」について―   小野 四平

編者|editor

砂上昌一(すながみ・しょういち)
1943年石川県生まれ。立命館大学文学部卒。2003年3月石川県江沼郡山中町立山中中学校退職。編著書に『学校に魂を入れる』(国土社、1985年)『教育の原型を刻む』(能登印刷出版部、2004年)。
現在、山中町立公民館嘱託。全国同和教育研究協議会役員。

担当編集者から

この本の編著者である砂上昌一さんは元中学校の校長先生、教育哲学者の林竹二氏の授業に触発され、授業を根本から考え直すことをこころざし、周囲の先生方を巻き込み学校一丸となって改革に取り組まれた。その熱い記録が本書だ。大学を卒業したての新米教師でも教室に入れば生徒からは<先生>と呼ばれる。しかし、教師というのは何をもって教師というのか。この本の著者たちはそれぞれの置かれた立場でその問いに真摯に向き合い答えようとしている。<教師再生>がこの本のタイトルだが、それは著者たちの熱い願いでもある。[-三浦-]

 

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ヨコハマ ヨコスカ 幕末 パリ

ヨコハマ ヨコスカ 幕末 パリ

  • 飯島耕一/2005年5月
  • 2800円(本体)/四六判上製・328頁

「おれだっていやだが、どうすればいいんだ」生と死、日常と狂気、時空の淵を彷徨う男がいる。単行本未収録の「パリ愛惜」ほか1篇を含む8作品で構成。話題の詩集『アメリカ』で読売文学賞受賞の詩人による自選短篇小説集!
日本図書館協会選定図書
(4861100402)

目次|indexs

ヨコハマ ヨコスカ 幕末 パリ
虹橋
ブナ林へ
パリ愛惜
顔見世は世界の図也夜寝ぬ国
神田滅多町の女
出発
硫酸の日々
あとがき

著者|author

飯島耕一(いいじま・こういち)
1930年岡山市に生まれる。1952年東京大学文学部仏文科卒業。2000年3月まで明治大学教授。一九五三年詩集『他人の空』。1955年シュルレアリスム研究会をつくって数年間続いた。詩集に『ゴヤのファースト・ネームは』(高見順賞)、『夜を夢想する小太陽の独言』(現代詩人賞)、『さえずりきこう』、『浦伝い 詩型を旅する』などがあり、評論集に『日本のシュールレアリスム』、『萩原朔太郎』、『白秋と茂吉』、『シュルレアリスムという伝説』などがある。他に小説『暗殺百美人』(ドゥ・マゴ文学賞)、『小説・平賀源内』、著作集として『飯島耕一・詩と散文』(全5巻)がある。近作詩集『アメリカ』で2004年度読売文学賞と詩歌文学館賞を受賞。2013年10月14日、吸収不良症候群のため死去。

担当編集者から

「詩の武芸者」飯島耕一さんの短篇小説ベスト集。
恐るべき博識に裏打ちされた、大らかな文体の織りなす掛け値なしの傑作ぞろい。たとえばオビ惹句に用いた「出発」のラストシーンはこうだ。

「こんな時代を何とかしたくないんですか」と、その女の声は囁き続けた。
「おれはしかし動きたくないのだ。おれだっていやだが、どうすればいいんだ。おれは何もしたくないんだ」と、わたしは内心で繰り返していた。
エスカレーターに乗ってホームの上まで行ってしまえば赤や青や白のセルロイドのような椅子があり、キオスクと呼ばれる売店があり、すでにそこは感傷に耽るような場所ではなかった。

「出発」は今から28年前の作(故ヤスケンさんの依頼による)だが、この底知れぬ絶望、けっして過去のものではないと思う。
本物の小説をお探しの方、ご損はさせませんぜ![-内藤-]

 

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さなぎの時代の教育学

さなぎの時代の教育学

  • 奥野雅和/2005年5月
  • 1400円(本体)/四六判並製・178頁

どこの家庭にもある「普通の」悩みへの処方箋―15年間の教師生活を通じ、生徒たちとの触れ合いから見えてきたものは…現場をふまえた最新教育エッセイ!
(4861100364)

目次|indexs

はじめに
第一章 子どものとらえ方
1 子どもの心の理解
人の心を理解することは難しい/ライフサイクルから青年期をみると/疾風怒濤のさなぎ時代
2 今の子どもたち
子どもの現在/坐り、刷り合わせ、落としどころ/成人後の集団行動/個人の時代/落とし穴
3 学校では
生きる力/生きる力を育むために/生きる力の成熟
第二章 新しい時代の子どもを育てる
1 新しい時代に必要な力
意思決定のための判断/課題解決/異文化理解/共生/自分の役割を果たす/身の周りにある情報を活用する
2 新しい時代に必要な力を育てる
対応のヒント/自尊感情を育てる子どもと大人の関係/子育ての枠組み
3 子どもと大人のほどよい関係
正解を一つと限らない/異文化とのコミュニケーション/価値意識を豊かにする親の働きかけ
第三章 コミュニケーションを図るための心得
1 眼差し
来る者拒まず、去る者追わず/「情」と「関係」/共通の話題/原則/好きにしていいよ/試行錯誤の自由を保証する/先回りしないこと、壁になること/承認/子どもの気持ちにフィットする/親子の会話があれば大丈夫?/親の背中を見て育つ?/照れくさいほど真面目な態度も大切/親の取り組み/陰の努力/三割バッター/赤ん坊の頃を思い出して/自然の営みから学ぶ/モデルと実際
2 会話
不安は人をおしゃべりにする/会話はキャッチボールで/何を聞くのか/ねぇ/会話のキャッチボールを眺める/キャッチボールの終結
第四章 コミュニケーションを助ける技術
1 話を聞く
相槌/オーム返し/肩の荷を降ろす/取り扱い
2 対応する
受容・共感/感想を述べる/事実を伝える/総括より世間の情報/提案/わかったということを伝える/僕、わたし/まぁ、ええやんか/機が熟する
おわりに

著者|author

奥野雅和(おくの・まさかず)
1955年、京都市生まれ。京都文教中学・高等学校教諭。学校心理士。心理学・社会学の視点を取り入れたエデュケーションプランナーとして、子どもの育成に悩む保護者や教師を支援。
著書に『学校選びで人生が変わる』『情報教育の理論と実践』(共著)など。

担当編集者から

子供をさなぎととらえる見方に触発された著者だが、その根は、小学校時代の理科の実験にあった。過酸化水素水から酸素を発生させる実験において二酸化マンガンを触媒として使用することはつとに知られているが、この驚きがはじめにあった。子供に接する親や教師の「レッスンの場」として本書を手にとってもらえればありがたい。[-三浦-]

 

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カレワラ物語―フィンランドの国民叙事詩

カレワラ物語

フィンランドの国民叙事詩

  • キルスティ・マキネン―著 荒牧和子 訳/2005年5月
  • 1800円(本体)/四六判上製・210頁

「ムーミン物語」で知られる氷の国フィンランドの国生み神話『カレワラ』をやさしい物語にしたベストセラー、本邦初訳。魔法と冒険、滑稽とファンタジーたっぷりの愉しい世界。画家AKIKOの美しい挿画とともにおくる。
(4861100348)
厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財

『Trinity WEB』の「スピリチュアルエンタメ」で紹介されています。
「カレワラ物語」PART.1~サンタ・ムーミン・オーロラだけじゃない!フィンランドの底知れぬ魅力は老賢者の魔法の世界から

目次|indexs

ヴァイナモイネンの誕生/ヴァイナモイネンとヨウカハイネンの呪文合戦/アイノの運命/ヨウカハイネンの復讐/ポホヨラのヴァイナモイネン/ヴァイナモイネンの負傷といやし/サンポの鍛造/レンミンカイネンとキュリッキ/ポホヨラのレンミンカイネン/トゥオネラのレンミンカイネン/ヴァイナモイネンのトゥオネラへの旅/ポホヨラの娘への求婚競争/ポホヨラの婚礼/レンミンカイネンの無謀な幻想旅行/クッレルヴォ/金の乙女の鍛造/サンポ奪還の旅/シラカバの木のカンテレ/ロウヒの復讐/マルヤッタとカレワラの王/原著者あとがき/訳者あとがき

著者|author

キルスティ・マキネン
1939年フィンランド国タンペレー市生まれ。元ヘルシンキ大学哲学修士。ヘルシンキ大学助手、同インストラクター、ヘルシンキ市高等学校国語教員。カレワラ女性協会会長(1985~91)。2002年にLarin Paraske賞受賞。
著書に『Ajattelen Kynalani』(SKS)、『Suomen Lasten Kalevala』(OTAVA、本書)、『Sammon Sanat — Kalevalan Sitaatteja』(OTAVA)、『Kapalan Kosketus』(近刊)。

訳者|translator

荒牧和子(あらまき・かずこ)
1938年東京生まれ。東京教育大学理学部、コロラド大学大学院Ph. D。東京大学物性研究所文部技官、コロラド大学およびノースイースタン大学リサーチアソシエイト、東京女子大学助教授などを経て龍谷大学教授。
訳書に『七回の東方旅行』(中央公論社。原作『Seitseman Retkea Itaan』G. J. Ramstedt著)ほか。論文に「Separation of Amines by Ligand Exchange」(Analytica Chimica Acta)ほかがある。

挿絵画家|illustrator

AKIKO(あきこ)
1968年北海道生まれ。1997年、表参道にて作品を展示。アーティスト活動を始める。1998年放送作家・志岐奈津子とのコラボレーションによる絵本『simple side.』を発表。2000年アトリエ兼ギャラリー「nociw」をオープン。ここを拠点に創作活動、個展を行うかたわら、REVOLVERとのコラボレーションTシャツを発表。絵本に『KANTO』『wor un nociw』などがある。現在、各地で精力的に個展・イヴェントを開催。
AKIKOホームページ

担当編集者から

春の翻訳フェア(!)第3弾。
平易だが詩情あふれる物語で、氷の国の凛とした神話世界を堪能できる。岩波文庫の「カレワラ」に辟易した向きも、これならとっつきいいはず。
フィンランドといえばまず作曲家シベリウス(とムーミン)が浮かぶが、「クッレルヴォ交響曲」「アイノ交響曲」などシベリウス作品には「カレワラ」にちなんだものも多い。実際、物語を知ってから聴くと情景もぐっと鮮やかに。音楽好きにもぜひ![-内藤-]

 

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はじめよう! 生きがいとしての英語

はじめよう!

生きがいとしての英語

  • 石田正/2005年5月
  • 1500円(本体)/四六判並製・264頁

何歳からでも英語は話せる! 23年間にわたり中高年に英語を教えてきたスペシャリストが、究極の学習法を提示する。楽しく英語を学んでいる中高年の体験記も満載!
(ISBN 4861100399)
●「朝日新聞」(10月9日)に紹介されました。

目次|indexes

はじめに
プロローグ 上意下達ではなくて
第一部 英語への挑戦
第一章 具体的な勉強の方法(受講者の質問)
英会話はどのように勉強すればよいのですか/無意識に英語を話せるようになりますか/最初にどんな文を覚えたらよいのですか/ホームステイで英語をすぐ話せる方法はありますか/英会話を練習するときの注意点は何ですか/どうしたら英語で応答できるようになりますか/英語で考えることはできますか/英語でどう言ったらよいかわからないのですが/発音も文法も完璧にしてから英語を話したいのですが/間違えるのがこわくて英語が話せないのですが/文法は勉強しなければいけませんか/前置詞の使い方がわからないのですが/単語はどうやって覚えたらよいのですか/英語はなぜ発音が大事なのですか/英語と日本語の発音の違いを教えてください/英語を聞く訓練はどのようにしたらよいですか/英語を聞きとるコツを教えてください/いろいろな分野の生の英語を聞きとりたいのですが/映画で英語を勉強する方法を教えてください/英語でメールを書きたいのですが/究極の英会話独習法を教えてください
第二章 アルファベットとローマ字(英語学習の準備)
アルファベットの書き順を教えてください/ローマ字を教えてください
第二部 英語の生涯学習
第一章 なぜいまさら英語を学ぶのか(熟年世代の体験記)
敵国語の英語を勉強するとは/活字を無理やりとられた時代に生きたので/アラファト議長にお会いして/年とともに賢くなる気がして/本当に英語を勉強したいときにできなかったので/60の手習いとはじめてから早10年/英語は初恋の味/気力を失った私を救ってくれた英語学習/いま勉強しなければもったいない/駐留軍の家族との会話が忘れられず/外国人に親切に道案内がしたい/会話が成り立つ表現力を身につけたい/手話から英語へ/娘に刺激されて/海外旅行で自由な時間を楽しみたい/ホストファミリーになりたくて/定年後の生活のリズムをつくるために/遠く思える英語を身近なものにしたい/辞書を片手に勉強する楽しみと苦しみ/国際結婚した娘の夫と話がしたい/娘の義理の母のイギリス人と会話がしたい/インターネットへの活用をめざして/英語は世界の共通言語/老化防止と健康を維持するために/
第二章 なぜいま大学で学ぶのか(主婦の体験記)
平安女学院大学現代文化学部/岐阜女子大学文学部/武蔵野女子大学文学部/上智大学大学院/
第三部 英語の生涯教育
第一章 高齢者にアルファベットを教えて
第二章 教える側からの英語
エピローグ 下意上達を
Ⅰ 少子高齢化時代の大学の役割
Ⅱ 成人学生に対する教育法
なぜ英語を学ぶのか(あとがきに代えて)
本書で紹介した関係機関

著者|author

石田正(いしだ・ただし)
中央大学商学部卒業後、インドネシア商社、日米高校生交換留学事業等を経て、東京都台東区教育委員会主催の生涯学習英会話講座等で、約2,000人の中高年者に、独自の方法で英語を教える。NPO全国語学教育学会監事。台東区国際交流委員会理事。英語専門研究所所長。

担当編集者から

「発音記号とは何ですか?」「子音とは何ですか?」「どんどん話せと言われても、英語を話す機会がなかなか見つかりません」など英語学習中の疑問や悩みに対して、的確に親身に答える石田先生。
「“have”の本来の意味は、主語と目的語が一緒になること」という説明を受けた受講生は、「私は頭痛と一緒になりたくありません」「もうすぐ正月ですので、休暇と早く一緒になりたいです。授業と一緒になれません」など、“have”の使い方を会話の中で習得していく。学校で英語を学ばなかった世代が楽しく英語を学び、実際に活用している姿は生き生きとして、実年齢よりずっと若い!だから、書名は『はじめよう!生きがいとしての英語』、略して『生きがい英語』。[-山岸-]

 

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