人生の意味を問う教室―知性的な信仰あるいは不信仰のための教育

人生の意味を問う教室

知性的な信仰あるいは不信仰のための教育

  • ネル・ノディングズ(著)、井藤元、小木曽由佳(訳)/2020年6月
  • 3000円(本体)/四六判上製310頁
  • 装丁:長田年伸

私はどこから来たのか、生きるとはどういうことか
あらゆる教科に実存的問いを。現代アメリカを代表する教育哲学者による批判的思考のレッスン
(ISBN 9784861106682)

目次|contents

訳者まえがき
序章
第1章 教室における実存的・形而上学的な問い
第2章 神々の性質
第3章 所属すること
第4章 フェミニズムと宗教
第5章 魂の不滅・救済・悲観主義
第6章 ヒューマニズムと不信仰
第7章 宗教的倫理と非宗教的倫理
第8章 学校でそのような授業は可能か
訳注
訳者あとがき
引用文献
索引

著者|author

ネル・ノディングズ(Nel Noddings)
1929年生まれ。タトガース大学で数学の修士号を取得。小学校教師、ハイスクールの数学教師、教育行政官をつとめた後、スタンフォード大学において教育哲学で博士号取得。アメリカ教育哲学会会長、デューイ学会会長、全米科学アカデミー会長などを歴任。スタンフォード大学名誉教授。著書は『ケアリング――倫理と道徳の教育 女性の観点から』(晃洋書房)、『教育の哲学――ソクラテスから〈ケアリング〉まで』(世界思想社)、『学校におけるケアの挑戦――もう一つの教育を求めて』(ゆみる出版)、『幸せのための教育』(知泉書館)など多数。

訳者|translators

井藤元(いとう・げん)
1980年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。現在、東京理科大学教育支援機構教職教育センター准教授。沖縄シュタイナー教育実践研究会顧問。著書『シュタイナー「自由」への遍歴――ゲーテ・シラー・ニーチェとの邂逅』(京都大学学術出版会)、『マンガでやさしくわかるシュタイナー教育』(日本能率協会マネジメントセンター)、監修『笑育――「笑い」で育む21世紀型能力』(毎日新聞出版)、編著書『ワークで学ぶ教育学 増補改訂版』『ワークで学ぶ道徳教育 増補改訂版』『ワークで学ぶ教職概論』(ナカニシヤ出版)など。

小木曽由佳(おぎそ・ゆか)
1983年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。臨床心理士、公認心理師。現在、同志社大学ウェルビーイング研究センター研究員。著書『ユングとジェイムズ――個と普遍をめぐる探求』(創元社)、共著書Analytical Psychology in a Changing World: The Search for Self, Identity and Community(Routledge)、訳書『危機介入の箱庭療法』(創元社)、『分析心理学セミナー1925――ユング心理学のはじまり』(創元社)、『ユング伝記のフィクションと真相』(創元社)、『死にゆく人と共にあること――マインドフルネスによる終末期ケア』(春秋社)など。

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現代世界の呪術―文化人類学的探究

現代世界の呪術

文化人類学的探究

  • 川田牧人・白川千尋・飯田卓(編)/2020年5月
  • 4500円(本体)/A5判上製482頁
  • 装丁:矢萩多聞

呪術の合理性とは?呪術を問うことの現在的な意義はなにか?
現代でも世界各地でさまざまなかたちで呪術は行われている。人類学の黎明期から議論されてきた問題を、物質性や感覚経験という切り口からアップデートする。

(ISBN 9784861106910)

目次|contents

総論
序論 現代世界において呪術を問うこと(川田牧人)
第1章 偶然と必然を結ぶ妖術―アフリカにおける妖術的現実の存在様相(近藤英俊)

第Ⅰ部 多元的知識実践環境における合理性の再検討
第2章 呪術・宗教・科学を再考する―あるいは呪術における非合理性(中村 潔)
第3章 呪術が禁止されるとき―インドにおける合理主義運動がもたらす迷信としての呪術(松尾瑞穂)
第4章 カザフスタンにおける伝統医療とエムシ(治療者)の活動(藤本透子)
第5章 動物磁気術と催眠術の近代―科学と呪術のはざまにおける実践=知の誕生の素描(島薗洋介)

第Ⅱ部 呪術とコミュニケーション
第6章 ベナンにおけるブードゥのメディア転回(田中正隆)
第7章 恐れを通じた干渉―ガーナ南部における挨拶、遊び、王権闘争(浜田明範)
第8章 すべてははじめからわかっていた―東南アジア大陸部山地民ラフの呪術と動物(片岡 樹)
第9章 「フェティッシュ」を飼い馴らす(中川 敏)

第Ⅲ部 感覚とマテリアリティの呪術論
第10章 感覚・マテリアリティ・言葉―ヴァヌアツにおける邪術と科学の関係を起点として(白川千尋)
第11章 西欧近世の魔術信仰における感覚・実践・マテリアリティ(黒川正剛)
第12章 不可視を「見る」、不可解を「語る」―東北タイにおける呪術と感覚経験(津村文彦)
第13章 妖術師の生成するところ―ベナンの新宗教の実践における身体・情動・マテリアリティ(村津 蘭)
第14章 あるはずのないものへの疑念―北タイにおける呪術と情動(飯田淳子)
第15章 経験されざるものを知る―マダガスカル漁撈民ヴェズにおける霊と呪術のリアリティ(飯田 卓)

あとがき  (飯田卓・白川千尋)

編者|editors

川田牧人(かわだ・まきと)
成城大学文芸学部教授。文化人類学、宗教人類学。『「人新世」時代の文化人類学』(共著、放送大学教育振興会、2020年)、『呪者の肖像』(共編著、臨川書店、2019年)、『パブリックヒストリー入門』(共著、勉誠出版、2019年)など。

白川千尋(しらかわ・ちひろ)
大阪大学大学院人間科学研究科教授。文化人類学。『呪者の肖像』(共編著、臨川書店、2019 年)、『南太平洋の伝統医療とむきあう―マラリア対策の現場から』(臨川書店、2015年)、『呪術の人類学』(共編著、人文書院、2012年)など。

飯田卓(いいだ・たく)
国立民族学博物館教授。生態人類学、視覚メディアの人類学、文化遺産の人類学。『文化遺産と生きる』(編著、臨川書店、2017年)、『文明史のなかの文化遺産』(編著、臨川書店、2017 年)、『海を生きる技術と知識の民族誌―マダガスカル漁撈社会の生態人類学』(世界思想社、2008年)など。

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スコットランド文学の深層―場所・言語・想像力

スコットランド文学の深層

場所・言語・想像力

  • 木村正俊(編)/2020年5月
  • 3700円(本体)/A5判上製442頁
  • 装丁:矢萩多聞

なぜスコットランドはすぐれた文学者たちを輩出してきたのか?
先端的研究の成果をふまえ、『オシアン詩』から現代までのスコットランド文学を展望。その特異な風土や文化を背景として生まれた、豊穣な詩的想像力の世界を照射する。

(ISBN 9784861106897)

目次|contents

1章:上書きされる古代ケルト―『オシアン詩』におけるテクストの多層性【三原穂】
2章:伝承童謡「あそこに落ちているのはなあに?」の思想史的淵源―ヒュームとスミスの「汎神論的コスモロジー」【鵜野祐介】
3章:一七八七年のロバート・バーンズ―スコットランド旅行の意味するもの【木村正俊】
4章:レイディ・ネアンのソングにおけるテーマの変遷―ジャコバイティズムからパトリオティズムへ【照山顕人】
5章:十九世紀初頭のスコットランド人文学者を支援する読者―聖職者詩人オーグルヴィの予約購読出版【小林英美】
6章:叙事詩の創造―ジェイムズ・ホッグ『女王の夜曲』と「羊飼いの暦」再読【吉野由起】
7章:エドワード・ウェイヴァリーの読書と教育―「歴史小説」における想像力とハイランド表象【向井秀忠】
8章:共同体の再生―ウォルター・スコットの『ガイ・マナリング』【米本弘一】
9章:十九世紀スコットランド農業労働者たちの歌―ボシー・バラッドの世界【宮原牧子】
10章:スコットランドと怪異の伝統―ハーンの講義にみるスコットランド文学の怪異【先川暢郎】
11章:R・L・スティーヴンソンとスコットランド・ゴシック―『バラントレーの若殿』にみる輝ける悪と怪異ロマンス【立野晴子】
12章:反逆するスコットランド―J・M・バリ『あっぱれクライトン』ほか【阿部陽子】
13章:ジョージ・マクドナルドのファンタジー文学における神話性―内的女性像グレートマザーを探る【長田惠子】
14章:ウィリアム・シャープによる「新異教主義」の追求―『異教評論』を中心に【有元志保】
15章:ヒュー・マクダーミッド―栄光ある孤立から文化再生の先導者へ【風呂本武敏】
16章:エドウィン・ミュアのカフカ論―翻訳を通して捧げた賛辞【米山優子】
17章:はじまりの地に光がさす―ミュリエル・スパークが描く罪人たちのヴィジョン【畑中杏美】
18章:キャロル・アン・ダフィ――スコットランド生まれの桂冠詩人【金津和美】
19章:スコットランド文学におけるグラスゴー表象―現代映画を中心に探る街の変遷【浦口理麻】

編者|editor

木村正俊(きむら・まさとし)
神奈川県立外語短期大学名誉教授
早稲田大学大学院文学研究科(英文学専攻)博士課程単位取得満期退学
著書に『ロバート・バーンズ―スコットランドの国民詩人』(共編著、晶文社、2008年)、『増補改訂版 ロバート・バーンズ詩集』(共訳、国文社、2009年)、『文学都市ダブリン―ゆかりの文学者たち』(編著、春風社、2017年)など

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合法性と正当性―ワイマール期におけるカール・シュミット、ハンス・ケルゼンおよびヘルマン・ヘラー

合法性と正当性

ワイマール期におけるカール・シュミット、ハンス・ケルゼンおよびヘルマン・ヘラー

  • デイヴィッド・ダイゼンハウス(著)池端忠司(訳)/2020年3月
  • 4100円(本体)/A5判並製424頁
  • 装丁:長田年伸

合法性は国家をどのように正当化できるのか。
ワイマール憲法下における三者の法理論を詳述し、現代のロールズやハーバーマスらとも比較。その意義と限界を指摘するとともに、英語圏ではほとんど未知であったヘラーの法理論に対する正当な評価を促す。
(ISBN 9784861106866)

目次|contents

1.合法性と正当性:ワイマール期から見たこれらの屈折度
1.1 複数の緊急事態
1.2 ワイマール期:短い紹介
1.3 1932年7月20日のクーデター
1.4 ワイマール憲法第48条と国事裁判所の判決
2.友と敵:シュミットと法の政治
2.1 決断の主権
2.2 国民の意思としての法
2.3 自由主義、議会主義および法実証主義
2.4 ワイマール憲法の護り手とは
2.5 自由主義の地平
2.6 反ユダヤ主義と弁明
3.実践の中の純粋理論:ケルゼンの法科学
3.1 ケルゼンのシュミット批評
3.2 ワイマール憲法第48条に関するケルゼン
3.3 神、国家および民主制
3.4 合法性の原理
3.5 ケルゼンの思想内部の異質性
4.法秩序の正当性:ヘラーの法理論
4.1 国家論の危機
4.2 文化、社会および国家
4.3 国家の正当性と法
4.4 民主制と同質性
4.5 国民の意思の主権的表現としての法
4.6 立憲的制定法の概念
4.7 個人の法的良心
4.8 法秩序の観念
5.ワイマール期からの教訓:合法性の正当性
5.1 正当化理由に関するシュミットとロールズ
5.2 法の民主制的形態に関するハーバーマス
5.3 ヘルマン・ヘラーと、私たちと同時代の政治哲学および法哲学

著者|author

デイヴィッド・ダイゼンハウス(David Dyzenhaus)

カナダの憲法学者・法哲学者。トロント大学教授。オックスフォード大学で博士号を取得しており、主な著作には本書の前作であるHard Cases in Wicked Legal Systems: South African Law in the Perspective of Legal Philosophy (1991)や、Judging the Judges, Judging Ourselves: Truth, Reconciliation and the Apartheid Legal Order(1998)、The Constitution of Law: Legality in a Time of Emergency(2006)がある。そのほか、彼はLaw as Politics: Carl Schmitt’s Critique of Liberalism Hobbes and the Law(1998)の編者であり、Hobbes and the Law(2012)の共同編者である。

訳者|translator

池端忠司(いけはた・ただし)
香川大学法学部を経て、神奈川大学法学部教授。論文に「寛容・コンテクスト・原理―表現の自由と「抑圧的寛容」」(東京大学社会情報研究所編『放送制度論のパラダイム』東京大学出版会、1994年)、「米国における公的文化助成と表現の自由」(『香川大学法学部創設二十周年記念論文集』成文堂、2005年)、「プロイセン対ライヒ事件をめぐるドイツ憲法理論―英語圏のダイゼンハウスの道案内で」(『憲法理論とその展開―浦部法穂先生古稀記念』信山社、2017年)などがある。翻訳に『寛容な社会―アメリカ合衆国における言論の自由と過激派の言論』(春風社、2018年)がある。

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転生する物語―アダプテーションの愉しみ

転生する物語

アダプテーションの愉しみ

  • 渡辺諒(著)/2020年4月
  • 2500円(本体)/四六並製296頁
  • 装丁:大國貴子

次のアダプテーション=転生先は戯曲? オペラ? バレエ? 映画? ミュージカル? それとも……?
原作の魅力をうまく引き出し、時に原作を超えたおもしろさが発見できる翻案作品。古典~現代の著名な七作品が、フランス・ミュージカル、宝塚、ハリウッド映画、劇団☆新感線など、ジャンルによっていかに姿を変えるのか!?
(ISBN 9784861106859)

目次|contents

まえがき

第一章 ロミオとジュリエット―夜と昼、死と生の神話
第二章 マクベス―対西洋から超西洋へ
コラム1:レ・ミゼラブル

第三章 ドン・ジュアン―究極的自己愛の結末
第四章 カルメン―自由とはなにか
コラム2:2.5次元ミュージカルと翻案ミュージカル

第五章 レント―「今日」を借りる
第六章 オペラ座の怪人―仮面か、素顔か
コラム3:スター・アイドル VS パフォーマー

第七章 星の王子さま―見ること・聞くことのレッスン

あとがき

著者|author

渡辺諒(わたなべ・りょう)
1952年生まれ。早稲田大学教授。
主要著書に、『「エリザベート」読本―ウィーンから日本へ』(青弓社、2010年)、『フランス・ミュージカルへの招待』(春風社、2012年)など、編著に『横浜市立大学新叢書9 世界のミュージカル・日本のミュージカル』(春風社、2017年)がある。

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ボルネオ 森と人の関係誌

ボルネオ 森と人の関係誌

  • 佐久間香子(著)/2020年3月
  • 3900円(本体)/四六判上製416頁
  • 装丁:矢萩多聞

ボルネオ島・サラワク州のロングハウスに暮らす「森の民」
交易の時代から植民地支配を経て、出稼ぎ、先住民運動、国立公園設立による観光業の隆盛まで――住民たちは周囲の勢力との関係のなかで、生き抜いてきた。
フィールドワークと史料分析に基づいて描く、森と人の100年間。
(ISBN 9784861106842)

目次|contents

はじめに
凡例
序章 森と人が織りなす時空間へ
第Ⅰ部 森の総合商社―交易拠点としてのロングハウス・コミュニティの形成
第一章 海洋交易を支えた森林資源
第二章 起源・移動・戦闘―動乱の森を生き抜く人びと
コラム1 ボルネオの『竹取物語』は、「民族」の始まりの物語?
第三章 後背地の交易拠点
第四章 「流域社会」という森の社会空間
第五章 第Ⅰ部のまとめ
第Ⅱ部 拡大するロングハウス・コミュニティ、縮小する社会空間
第六章 ロングハウスの空間、国家の空間
第七章 国立公園と生きる―流域の勢力図転換を生き抜く
第八章 森で食べる、森を食べる
コラム2 ヤマアラシの毒の解釈
コラム3 生を受ける場所、死を迎える場所
第九章 先住民運動の光と影―「先住民」プナン人をめぐる葛藤
終章 森と人がつくるロングハウス
おわりに
索引
参照・引用文献
巻末付録

著者|author

佐久間香子(さくま・きょうこ)
1982年京都府生まれ。2015年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科博士課程修了、博士(地域研究)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員、京都大学東南アジア地域研究研究所連携研究員。専門は文化人類学、東南アジア地域研究。
主な著作に、「「生」を満たす活動としての狩猟― ボルネオ内陸部における現在の「森の民」に関する一考察」『地理学論集』89巻1号(2014年)、「ボルネオ内陸部の交易拠点としてのロングハウス―19世紀末のサラワクにおける河川交易からの考察」『東南アジア研究』54巻2号(2017年)、「サラワク人類学の系譜と今日的課題」『マレーシア研究』6号(2017年)など。

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アフリカの森の女たち―文化・進化・発達の人類学

アフリカの森の女たち

文化・進化・発達の人類学

  • ボニー・ヒューレット(著)服部志帆、大石高典、戸田美佳子(訳)/2020年3月
  • 3100円(本体)/四六判並製420頁
  • 装丁:北原和規(UMMM)

「ねえ、聞いて」――ある暑い午後、アメリカから来た人類学者の部屋を訪れた女性たち。少女時代、結婚、出産と子育て、喪失、そして老い――中央アフリカ共和国で隣り合って暮らす農耕民ンガンドゥと狩猟採集民アカの女性たちが人類学者に語る、「女になること」の意味。
女性たちの語りと文化・進化・発達の理論から、人間の多様性と普遍的特性が見えてくる。

「ジャングルで暮らす女の生理と心理を、女の視点から初めて描いたライフヒストリー。自然の中で産む苦難と歓喜が進化の不思議を語る」――山極寿一(京都大学総長)
「日本やアメリカとはまったく異なる注目すべき女性たちについて、魅力的な視点を与えてくれる比類なき本である」――ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』)

(ISBN 9784861106828)

刊行特集ページ

女は文化なのか? 自然なのか?――語りからさぐる人類社会の多様性と普遍性(前半)
女は文化なのか? 自然なのか?――語りからさぐる人類社会の多様性と普遍性(後半)

目次|contents

まえがき
はじめに―岐路に立つ女性の生活
第1章 森と村の世界
コラム リバーサイド・ストーリーズ(大石高典)
第2章 森と村の子どもたち
コラム 観の目の子育て(園田浩司)
第3章 良き人生の諸構成要素
コラム 健康と栄養状態から見る「良き人生」(萩野泉)
第4章 結婚と母親期―厳しくも喜びのある現実
コラム 母になるとき(四方篝)
第5章 女性であることの帰結
コラム 女としての呼び名(戸田美佳子)
第6章 世代間の繋がりと祖母たち
コラム すれ違うふたり(服部志帆)
第7章 結論―グローバリゼーションと変化の力
コラム 衣服への渇望(市川光雄)
日本語で読めるおすすめ本
原注
引用文献
解説 コンゴ盆地に生きる女たちの物語―狩猟採集民をめぐる生活世界の人類学(高田明)
解説 語り、理論、物語―森の女性たちの語りに見られる、人間の普遍的特性としての「共同育児」と「自然の教育」(竹ノ下祐二)
訳者あとがき
索引

著者|author

ボニー・ヒューレット(Bonnie L. Hewlett)
ワシントン州立大学・臨床助教授。ワシントン州立大学博士(文化人類学)。専門は医療人類学、思春期の発達、狩猟採集民、進化=文化人類学。中央アフリカ共和国、コンゴ共和国、ガボン、エチオピアにおいて現地調査を行い、思春期の発達や感染症の文化的背景、社会的学習、愛着行動、健康などについて研究を行ってきた。主著に、The Secret Lives of Anthropologists: Lessons from the Field (Routledge, 2019)等がある。

訳者|translators

服部志帆(はっとり・しほ)
天理大学国際学部・准教授。京都大学博士(地域研究)。専門は生態人類学、アフリカ地域研究。中部アフリカのカメルーンで狩猟採集民バカの森林利用や民族植物学について、屋久島では狩猟活動の変遷について研究を行っている。主著に、『森と人の共存への挑戦―カメルーンの熱帯雨林保護と狩猟採集民の生活・文化の保全に関する研究』(松香堂書店、2012年)等がある。

大石高典(おおいし・たかのり)
東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター・准教授。京都大学博士(地域研究)。専門は生態人類学、アフリカ地域研究。中部アフリカのカメルーンで、農耕民バクウェレと狩猟採集民バカの生業活動や民族間関係について研究を行っている。著書・編著書に『民族境界の歴史生態学―カメルーンに生きる農耕民と狩猟採集民』(京都大学学術出版会、2016年)、『犬からみた人類史』(勉誠出版、2019年)、『アフリカで学ぶ文化人類学』(昭和堂、2019年)等がある。

戸田美佳子(とだ・みかこ)
上智大学総合グローバル学部・助教。京都大学博士(地域研究)。専門は生態人類学、アフリカ地域研究、障害学。カメルーンの森で暮らす障害者との出会いから、中部アフリカのカメルーンやコンゴで障害者に関する人類学的研究や、アフリカ熱帯林における森林資源利用に関する実践的研究にたずさわっている。主著に『越境する障害者―アフリカ熱帯林に暮らす障害者の民族誌』(明石書店、2015年)等がある。

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国際協力の行方—経済・開発・オルタナティブ

国際協力の行方

経済・開発・オルタナティブ

  • 吉川健治(編)/2020年3月
  • 2500円(本体)/四六判並製141頁
  • 装丁:矢萩多聞


グローバル資本主義に未来はあるのか?
経済成長を前提とした発展の限界が露呈しつつある今日、経済・開発政策を見直し、今後必要とされる社会開発やビジネスを論じることで、実現可能な国際協力のオルタナティブを考察する。水野和夫氏ほか気鋭の論者らによる挑戦的論集。
【東洋英和女学院大学社会科学研究叢書8】

(ISBN 9784861106460)

目次|contents

序章 国際協力―サステナビリティの確保に向けて【吉川健治】
第1章 資本主義の終焉、未来の経済【水野和夫】
第2章 グローバル化時代の社会保障を通じた国際貢献【岡伸一】
第3章 オルタナティブな開発と教育―持続可能な開発目標(SDGs)における開発教育の課題と役割【湯本浩之】
第4章 EU の対外経済関係―EU 対外政策の展開と地中海諸国【高﨑春華】
第5章 商社ビジネスと国際貢献―14年間駐在したアフリカにフォーカスして【是永和夫】
第6章 中小企業の国際協力志向型海外展開を通じた貢献【丸山隼人】

編者|editor

吉川健治(よしかわ・けんじ)

東洋英和女学院大学国際社会学部教授。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程満期退学。専門は国際協力論。

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ポール・ボウルズ 越境する空の下で

ポール・ボウルズ 越境する空の下で

  • 外山健二(著)/2020年3月
  • 4500円(本体)/四六判上製424頁
  • 装丁:桂川潤

ボウルズにとって〈移動〉とは何であったのか、どのようにイスラーム圏のマグレブを表象したのか。越境する作家の魅力の根源を探る。
(ISBN 9784861106835)

目次|contents

序章 なぜ、ボウルズか
第Ⅰ部 移動するボウルズ
第1章 抑圧・空想・移動―フレッチャリズム、スプリング・フィールド、グリニッジ・ヴィレッジ
第2章 選択されたフランス
第3章 フランスからモロッコ―シュールレアリズムと民族誌学
第4章 イギリス植民地セイロンにおけるバーガー ―「筌とプライヴェートな用向き」に見るセイロンの社会構造
第5章 なぜ、スレイドは医師か―『世界の真上で』と〈新しきもの〉
第Ⅱ部 ボウルズの北アフリカ表象
第6章 サハラ沙漠の移動―『シェルタリング・スカイ』の自伝性とポート夫婦をめぐって
第7章 二つの『シェルタリング・スカイ』と表象―「コロニアル・ロード・ナラティヴ」のセクシュアリティと人類学
第8章 「非読み書き能力」をめぐる魅力の探求
第9章 タンジールと民衆―「山上でのティー」と『雨は降るがままにせよ』
第10章 非人称的自己と他者―『雨は降るがままにせよ』におけるダイアー
第Ⅲ部 モロッコのボウルズ
第11章 アマールの人形と近代性―『蜘蛛の家』のイスラーム表象
第12章 〈近代化〉に隠された〈同性愛〉―『蜘蛛の家』を読む
第13章 ボウルズとアルフレッド・チェスター
第14章 モハメド・ショークリ『パンのためだけに』を読む―ボウルズの〈翻訳〉と二一世紀英語文学の可能性
終章 翻訳家としてのボウルズ―二一世紀の世界文学へ向けて

引用および参考文献一覧
あとがき
索引

著者|author

外山健二(とやま・けんじ)
山口大学人文学部准教授(アメリカ文学・英語文学)。筑波大学大学院博士課程修了。博士(文学)。常磐大学准教授を経て現職。筑波大学地中海・北アフリカ研究センター客員共同研究員。共著として『英文学と他者』(金星堂 二〇一五年)、『アメリカン・ロードの物語学』(金星堂 二〇一六年)、『二十一世紀の英語文学』(金星堂 二〇一七年)ほか。

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おしゃべりなポライトネス―会話の中の共話・話題交換・笑い・メタファー

おしゃべりなポライトネス

会話の中の共話・話題交換・笑い・メタファー

  • 笹川洋子(著)/2020年3月
  • 3500円(本体)/四六判上製386頁
  • 装丁:矢萩多聞

なぜ、おかしくない時でも会話に笑いを添えるのか?
性別や言語文化圏が異なる人物どうしの会話におけるポライトネス(丁寧な振る舞い)を豊富な具体例をもとに分析。対人関係を円滑にするための言語的配慮の諸相を探る。
(ISBN 9784861106422)

目次|contents

はじめに
第一章 会話の中のポライトネス
一 会話のルールとポライトネス
二 言語文化圏による会話のルールの違い
第二章 協調的発語媒介行為としての共話
一 協調的発語媒介行為としての共話
二 異文化コミュニケーションに見られる一文型の共話
三 異文化コミュニケーションに見られる添加型の共話
第三章 話題交換から探るポライトネスとジェンダー
一 会話構造を分析する視点
二 初対面の話者に対する日本人女性の名乗りの談話方略について
三 初対面の話者に対する日本人女性の談話構成の変化について―性差と異文化差の視点から
四 話題転換における意図の了解過程
第四章 発語媒介行為としての笑い
一 発語媒介行為の装置―儀礼行為としての笑い
二 異文化コミュニケーションに現れる笑いの発語媒介行為調整機能について
第五章 発語媒介行為としてのメタファー
一 会話におけるメタファーの機能
二 物語構造の中のメタファー ―『流星花園(花より男子)』台湾、日本、韓国版の物語構造の比較
引用文献
初出一覧
おわりに

著者|author

笹川洋子(ささがわ・ようこ)
神戸親和女子大学文学部総合文化学科教授。東京大学大学院人文社会研究科社会学専攻、社会学修士。専門はコミュニケーション論。
著作に『日本語のポライトネス再考―発話行為・発語媒介行為・相互行為』(春風社、2016年)、『樋口一葉―物語論・言語行為論・ジェンダー』(春風社、2013年)等がある。

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