〈障害者〉として社会に参加する―生涯学習施設で行うあらゆる人の才能を生かす試み

〈障害者〉として社会に参加する

生涯学習施設で行うあらゆる人の才能を生かす試み

  • 三谷雅純(著)/2021年2月
  • 4000円(本体)/四六判上製304頁
  • 装丁:長田年伸

あらゆる人の社会参加とは?
さまざまな〈障害〉のある人たちが自らの才能を生かせるように、博物館などの生涯学習施設の活動、および緊急災害放送の改善策を実際的に検討。多様な個性を生かすことのできる社会の実現に向けた取り組みを、当事者の視点から提言する。
(ISBN 9784861107030)

目次|contents

まえがき
第1部 すべての人を迎える施設
第1章 障害のある子どもとの野外活動とテキスト作り
第2章 生涯学習施設で文章はどう書くべきか――コミュニケーション障害者への対応、子どもと高齢者とのギャップ克服
第3章 小規模作業所でコミュニケーション障害者にDAISYを試してもらう
第4章 言葉やコミュニケーションに障害を持つさまざまな人びとと対応策の現状
第5章 社会のひな形としての生涯学習施設――兵庫県立人と自然の博物館を例に挙げて達成していること/していないことを考える
コラム1 人びとを迎えるために――視覚障害者に対しては
第2部 ことばの認知が難しい人に緊急災害放送を届けるには
第6章 まず障害を自覚していない人に試してもらった肉声とフォルマント合成音声の聞きやすさ/聞きにくさ
第7章 障害者/非障害者にとっての肉声とフォルマント合成音声、波形接続型合成音声の聞きやすさ/聞きにくさ
コラム2 人びとを迎えるために――コミュニケーション障害者に対しては
第8章 言語音の認知が難しい聴覚失認者が理解しやすい災害放送とは?
第9章 聴覚失認者に認知しやすいチャイム音は存在するか――わざと言語音を避けて調べた
第3部 障害の進化、コミュニケーション行動の本質
第10章 聴覚失認者は何を手がかりに視聴覚材料を理解するのか
コラム3 ヒトの進化とスペクトラム
あとがき
用語解説
参考文献
文献初出一覧

著者|author

三谷雅純(みたに・まさずみ)
1954年生まれ。兵庫県立大学准教授/人と自然の博物館主任研究員をへて、現在、兵庫県立大学自然・環境科学研究所客員教授。京都大学理学部卒業。京都大学大学院(博士後期課程)修了。理学博士。専門は人類学、霊長類学、障害学。アフリカのコンゴ共和国とカメルーン、インドネシアなど、熱帯林の調査経験が長い。現在は障害者(自身が2級の重度障害者)になってはじめて見えてきた社会のユニバーサル化について積極的に考察している。著書に『ンドキの森』(どうぶつ社)、『ヒトは人のはじまり』(毎日新聞社)、『霊長類生態学』(京都大学学術出版会、共著)ほか多数。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

社会学的システム理論の軌跡―ソシオサイバネティクスとニクラス・ルーマン

社会学的システム理論の軌跡

ソシオサイバネティクスとニクラス・ルーマン

  • 赤堀三郎(著)/2021年2月
  • 3600円(本体)/四六判上製236頁
  • 装丁:長田年伸

システム理論を用いてこそ社会学ができる。
どういうロジックでそう言えるのか?
難解とされる理論を基層から掘り起こし、その可能性と魅力を明快に示す。

(ISBN 9784861107207)

目次|contents

はしがき
第Ⅰ部 社会学的システム理論
第1章 システム理論は社会学的でありうるか
第2章 システム理論の社会学化―ニクラス・ルーマンによる試みの概観
第Ⅱ部 社会学的システム理論の源流
第3章 戦後アメリカにおけるサイバネティクスと社会学
第4章 社会システム理論における自己言及パラダイムの由来
第5章 コミュニケーションの自己言及性とオートポイエーシス
第Ⅲ部 社会学的システム理論のロジック
第6章 社会システムという観察者―構造的カップリングとセカンド・オーダーの観察
第7章 社会の進化はどうシステム理論と関連するか
第8章 コミュニケーション・コード
第9章 社会の自己記述―そのシステム理論的含意
終章 理解の「ありそうもなさ」の克服のために
あとがき
初出一覧
文献一覧

著者|author

赤堀三郎(あかほり・さぶろう)
1971年生まれ。東京女子大学現代教養学部教授。専門:社会学理論,現代社会論,社会学史(特に社会学におけるシステム理論)。主要著作:『グローバル社会の変容』(分担執筆,晃洋書房,2020年),『嗜好品の社会学』(分担執筆,東京大学出版会,2020年),Social Theory and Asian Dialogues(分担執筆,Palgrave Macmillan, 2018年),Handbook of Systems Sciences(分担執筆,Springer, 2021年)。訳書:ニクラス・ルーマン『社会の社会』(共訳,法政大学出版局,2009年),同『社会構造とゼマンティク2』(共訳,法政大学出版局,2013年),同『社会構造とゼマンティク3』(共訳,法政大学出版局,2013年)。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

制服ガールの総力戦―イギリスの「女の子」の戦時貢献

制服ガールの総力戦

イギリスの「女の子」の戦時貢献

  • 杉村使乃(著)/2021年3月
  • 3200円(本体)/四六判並製234頁
  • 装丁:矢萩多聞

女性は戦争にどのように関わったのか?
制服の女性は戦時下のメディアでどのように取り上げられたのか?

第二次世界大戦時の制服姿の女性を通して、「女性活躍」の表象を読み解く。

(ISBN 9784861106033)

目次|contents

はじめに
第Ⅰ部 成長する女の子の時代(Girls Growing Up)―二〇世紀初頭のイギリス
第1章 「私たちもスカウトになれますよね……」―元祖制服ガール、ガールガイド運動
第2章 雑誌『ガールズ・オウン・ペーパー』に見る戦間期イギリスの「ガール」の表象
第3章 第一次世界大戦と女性の「大義」―レイ・ストレイチーの『大義』とヴァージニア・ウルフの『3ギニー』
第Ⅱ部 第二次世界大戦下の制服のガールたち

第1章 イギリスにおける女たちの銃後
第2章 写真週刊誌『ピクチャー・ポスト』の制服のカバーガールたち
第3章 女性誌に見る制服のカバーガール
第4章 フィクションに見る制服ガールの冒険―「空軍婦人補助隊のウォーラルズ」(Worrals of the W.A.A.F.’s)シリーズ
おわりに ジェンダーと階級を越境する制服ガールたち

著者|author

杉村使乃(すぎむら・しの))

共立女子大学文芸学部文芸学科教授。専門はイギリス文学、英米児童文学、表象文化論。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

ナチスと闘った劇場―精神的国土防衛とチューリヒ劇場の「伝説」

ナチスと闘った劇場

精神的国土防衛とチューリヒ劇場の「伝説」

  • 葉柳和則(編)/2021年3月
  • 4200円(本体)/四六判上製476頁
  • 装丁:中本那由子

劇場をとおして浮かびあがる中立国・スイスの姿
ナチス時代のドイツ語圏で、亡命演劇人を起用しつつ焚書にされた作品の上演を続けたスイスのチューリヒ劇場。民主主義の象徴として伝説化されたチューリヒ劇場における作品上演のプロセスを社会・文化的視点で分析し、その実態に迫る。

(ISBN 9784861107191)

目次|contents

序論 チューリヒ劇場と社会・文化的文脈(葉柳和則)

第1部 リーザー時代(戦間期)
概 観 国民統合を推進するスイスの文化政策と亡命者たち(葉柳和則)
第1章 焚書に抗して―亡命演劇人と時事劇『人種』、『マムロック教授』(市川明)
第2章 チューリヒ劇場の実態―リーザーの登場と退陣(市川明)

第2部 ヴェルターリン時代 Ⅰ(戦争前夜から終戦まで)
概 観 「別様のドイツ」における古典と現代劇の寓意的上演(葉柳和則)
第3章 「アルカディア」というプロジェクション―『テル』の変奏(中村靖子)
第4章 方法としての寓意劇―『肝っ玉おっ母とその子どもたち』と『ガリレイの生涯』の世界初演(市川明)
第5章 レジスタンス演劇のポリティクス―『月は沈みぬ』チューリヒ初演(葉柳和則)

第3部 ヴェルターリン時代 Ⅱ(終戦からドイツ分断まで)
概 観 「ナチズムとスイス」というまなざしとその演劇的表象(葉柳和則)
第6章 メーリケを愛する殺戮者―『ほら、また歌っている』における批判の理路(中村靖子)
第7章 亡命演劇から戦後演劇へ―『アンティゴネ・モデル 1948』(ヴェルナー・ヴュートリヒ、翻訳:井上美里)
第8章 「偶像」の行く末―『聖書に曰く』の生成と受容(増本浩子)

展望 チューリヒ劇場の伝統と発展(市川明)

文献一覧
上演記録
索引

編者|editor

葉柳和則(はやなぎ・かずのり)
一九六三年徳島県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。長崎大学多文化社会学部教授。博士(文学)。著書に『経験はいかにして表現へともとらされるのか―M・フリッシュの順列の美学』(鳥影社、二〇〇八年)、編著書に『長崎―記憶の風景とその表象』(晃洋書房、二〇一七年)などがある。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

親子とは何か―ナイジェリア・ハウサ社会における「里親養育」の民族誌

親子とは何か

ナイジェリア・ハウサ社会における「里親養育」の民族誌

  • 梅津綾子(著)/2021年2月
  • 4100円(本体)/A5判上製330頁
  • 装丁:中本那由子

「生んで育てる」はあたりまえなのか?
「生みの親」と「育ての親」が分担して一人の子供を育てる慣行がある、ナイジェリアのハウサ社会。その慣行を可能にしている社会の仕組みや、それぞれの「親」と「子」がお互いに何を感じ、何をやり取りしているのかについてフィールドワークを行い、「親子」の多彩なつながりの可能性を、「分人」などのキーワードを手がかりに探る。

(ISBN 9784861107238)

目次|contents

まえがき  
凡例
調査地の主な人物紹介  

序章 里親養育・養子縁組をめぐる親子論
第1章 ハウサ社会の日常生活と家族―ザリア地域を中心に
第2章 ハウサの子の引き取り慣行、リコ 
第3章 子育て期の育親と〈子〉そして生親
第4章 結婚した〈子〉、育親、生親の関係
第5章 育親の「親」としての弱さと強さ 
終章 ハウサの親子観から親子を考える 

あとがき
謝辞
引用文献
付表
索引

著者|author

梅津綾子(うめつ・あやこ)
専門は文化人類学、アフリカ研究。南山大学人類学研究所・非常勤研究員。
「出生と養育に基づく複数的・多元的親子関係―ナイジェリア北部・ハウサ社会に
おける『里親養育』の民族誌から」(名古屋大学大学院文学研究科 博士論文、二〇
一五年)、「複数の両親による子育て―北部ナイジェリア、ハウサ社会の里親養育
(リコ)の事例より」(『アジア・アフリカ地域研究』第一四巻一号、二〇一四年)、「現代ナイジェリアの〝里親養育〟に見る親子のあり方―生みの親・育ての親と子の長期的共存関係」(『比較家族史研究』二六号、二〇一二年)。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

日本語学習者の読解ストラテジー―要点関係図の効果を探る

日本語学習者の読解ストラテジー

要点関係図の効果を探る

  • 田川麻央(著)/2021年2月
  • 4400円(本体)/四六判並製214頁
  • 装丁:矢萩多聞

非日本語ネイティブの日本語学習者が「語の意味は分かるが文章の意味は分からない」という状況に対して有効に機能する読解ストラテジー(方略)を解明。認知心理学的な視点からデータにもとづき実証的に分析し、読解誘導のための実効的な方途を提示する。

(ISBN 9784861107078)

目次|contents

はじめに
第1章 問題の所在
第2章 読解ストラテジーに関わる研究
第3章 研究方法
第4章 中級学習者の要点関係図の作成における要点探索と関係探索の効果(研究1)
第5章 要点関係図の作成による効果と作成する図は日本語習熟度によって異なるか(研究2、研究3)
第6章 日本語習熟度の異なる学習者の作成した要点関係図の違いが表象構築に及ぼす影響(研究4)
第7章 総合考察
参考文献
付録資料
謝辞
索引

著者|author

田川麻央(たがわ・まお)

兵庫県神戸市出身。お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科博士後期課程修了。博士(人文科学)。日本女子大学非常勤講師を得て、2014年から明海大学専任講師。専門は、日本語教育学。著書に『日本語教育学研究8 日本語学習者の読解過程』(2020年、ココ出版、共著)、主要論文に「中級日本語学習者の読解における要点と構造の気づき:要点探索活動と構造探索活動の統合と順序の影響を考慮して」(2012年、日本語教育(151)34–47、日本語教育学会第8回林大記念論文賞受賞)がある。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

持続可能な開発における〈文化〉の居場所―「誰一人取り残さない」開発への応答

持続可能な開発における〈文化〉の居場所

「誰一人取り残さない」開発への応答

  • 関根久雄(編)/2021年1月
  • 3500円(本体)/四六判並製368頁
  • 装丁:中島衣美

SDGsにおいて経済・社会・環境は語られる一方で、文化は見過ごされてきたのではないか?
「持続可能な開発」に、地域社会の文化や文化的多様性はいかにして結びつく・結びつけられるべきなのか。開発の理念・思想と各国の現場の実際を、開発学・人類学・教育学・社会学の観点から多角的に検討することで、議論の足がかりを探る。

(ISBN 9784861107115)

目次|contents

はじめに
第Ⅰ部 開発・SDGs・文化―その関係性の再考
第1章  斎藤文彦 一〇年後の地球に人類はまだ生きているか?―資本主義経済から社会連帯経済への転換の可能性
第2章  真崎克彦 文化的多様性を尊重したSDGsのあり方とは?―脱成長論の科学的方法論を手がかりに考える
第3章  野田真里 SDGsとNGO/市民社会―「誰一人取り残さない」ボトムアップの社会変革と「包摂的な文化」にむけて
第4章  北村友人・荻巣崇世・芦田明美 SDGs時代における「学び」のあり方を「文化」の視点から捉え直す  
第5章  下田恭美 「開発」と「文化」を超えて―SDGs時代に求められる開発プラクティス

第Ⅱ部 地域文化と接続可能な開発実践―文化の視点から持続可能な開発の姿を読み解く
第6章  関根久雄 サブシステンスと持続可能な開発―ソロモン諸島におけるSDGsをみる視点
第7章  井上真 熱帯林保護地域管理への住民参加―ボルネオ島中央部の事例より
第8章  箕曲在弘 コーヒー生産地域における搾取的状況と「文化」―ラオス南部ボーラヴェーン高原におけるフェアトレードコーヒーの事例から
第9章  西川芳昭 食料・農業のための生物多様性の文化的価値―作物と人の関係から読み解く持続可能な食と農・農村
第10章  川口純 持続可能な開発のための教育の理念と実態―国際教育協力における「文化の居場所」について
第11章  菅野美佐子 インド農村におけるSDGsとジェンダーをめぐる文化的位相―開発による変化からの日常の回復と持続
第12章  白川千尋 保健医療分野のSDGsと文化―目標三および東南アジア・オセアニアのマラリア対策活動をめぐって
第13章  早川公 地方創生は持続可能なまちづくりの夢を見るか?―「SDGs未来都市つくば」を事例として
第14章  朱藝 持続可能な企業文化とは―海外日系企業を事例に

おわりに
執筆者紹介

編者|editor

関根久雄(せきね・ひさお)
1962年生。筑波大学人文社会系教授。専門は文化人類学、開発人類学、オセアニア島嶼地域研究。主な著作に、『地域的近代を生きるソロモン諸島―紛争・開発・「自律的依存」』(筑波大学出版会、2015年)、『実践と感情―開発人類学の新展開』(編著、春風社、2015年)、『グローバル化する〈正義〉の人類学―国際社会における法形成とローカリティ』(共著、昭和堂、2019年)など。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

Y専の歴史―横浜市立大学の源流【横浜市立大学新叢書12】

Y専の歴史

横浜市立大学の源流

  • 齊藤毅憲(著)/2021年1月
  • 2500円(本体)/A5判並製168頁
  • 装丁:矢萩多聞

明治期に創立し、戦時の苦難を経て、現在の横浜市立大学と横浜の高等教育の礎を築いたY専=横浜市立横浜商業専門学校の変遷をひもとく。【横浜市立大学新叢書12】
(ISBN 9784861107160)

◆横浜市立大学新叢書「発刊の辞

目次|contents

はしがき
1.少ないY専史研究
2.Y専創立までの主な経過
3.高等教育化への動きとY専のポジション
4.創立期におけるY専
5.Y専の充実と専任校長・前田幸太郎
6.「アメリカ研究」で成果をあげたY専
7.戦時に向かうなかでのY専
8.「学問の自由」への圧力と一部教員の検挙
9.『横浜商業専門学校一覧』にみる当時のY専
10.存続の危機にあったY専
11.戦争前半期のY専
12.戦争後半期のY専
13.『望雲』にみる「思い出の教師たち」
14.一九四五年の第十七回卒業式
15.終戦直後のY専
16.Y校校長・山田瑛の見た教師たちの回想
17.『望雲』における当時の教師生活
18.『Y専の沿革と回顧』におけるY専の再生
19.Y専は輝いていた!
20.私が出会った「Y専パーソン」
あとがき
Y専(横浜市立横浜商業専門学校)の主要沿革年表
主要参考資料

著者|author

齊藤毅憲(さいとう・たけのり)
1942年生まれ。横浜市立大学名誉教授。商学博士。専門は経営学・経営教育論。横浜市立大学商学部長、同大学院経済学研究科・経営学研究科長、全国ビジネス系大学教育会議会長、神奈川県人事委員会委員長ほかを歴任。現在、全国ビジネス系大学教育会議理事。主な著書に『現代日本の大学と経営学教育』(成文堂、1981年)、『上野陽一 ――人と業績』(産業能率大学、1983年、日本経営協会「経営科学文献賞」受賞)、『経営学を楽しく学ぶ』(編著、中央経済社、1990年、4刷2020年) ほか、経営学関係の著書多数。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

教育のリーダーシップとハンナ・アーレント

教育のリーダーシップとハンナ・アーレント

  • ヘレン・M・ガンター(著)、末松裕基・生澤繁樹・橋本憲幸(訳)/2020年12月
  • 3000円(本体)/四六判上製368頁
  • 装丁:桂川潤

指導すること=他者と関わり何かを始めることは、いまでも何らかの意味を有しているか――
英国の公教育における政策・経営の現代化改革がもたらした、全体主義的な影響を検討。擬制のなかで無自覚に行なわれうる受動的・均質的な思考をしりぞけ、学校・組織・政治と私たちの間にある関係、教育をめぐる〈活動〉の過程と意味を探る。
(ISBN 9784861107047)

目次|contents

凡例
略語一覧
日本語版序文
シリーズ序文
謝辞

第1章 ハンナ・アーレントを取り入れる
はじめに/ハンナ・アーレント/ハンナ・アーレントを読み、ともに思考する/本書の意義

第2章 ハンナ・アーレントとELMAの研究および実践
はじめに/ELMAと社会科学/アーレントとともに思考する――ELMAにとっての意義/アーレントの歴史的・政治的思考――ELMAにとっての意義

第3章 アーレントを使ってELMAについて思考する――政治と全体主義
はじめに/教育、教育、教育/全体主義の政治/全面的なリーダーシップ

第4章 アーレントを使ってELMAについて思考する――〈活動的生〉
はじめに/〈労働〉/〈仕事〉/〈活動〉/〈活動的生〉

第5章 アーレントを使ってELMAについて思考する――〈観照的生〉(デイヴィッド・ホールとの共同執筆)
はじめに/悪の凡庸さ/リーダーシップの凡庸さ/分散型リーダーシップの凡庸さ

第6章 アーレントとともに/抗して思考する
はじめに/アーレントとともに思考する/ジェンダーという課題/社会的なるものとともに思考する/「ブーメラン論」とともに思考する/一時休止

文献案内
訳注
訳者あとがき
文献一覧
索引
著訳者紹介

著者|author

ヘレン・M・ガンター(Helen M. Gunter)
英国マンチェスター大学教授。専門は教育政策学、教育経営学。社会学、政治学、歴史学の視点から教育のリーダーシップや統治、教師の力量形成といった教育経営の現代的課題とともに教育経営の理論史について研究を行なっている。著書に『教育を再考する――ジュラシック・マネジメントの帰結』(1997年)、『教育におけるリーダーとリーダーシップ』(2001年)、『リーダーシップと教育改革』(2012年)、『スクールリーダーシップの実践・研究の思想史』(2016年)、『公教育の政治学――改革の理念と課題』(2018年)、編著に『ニュー・パブリック・マネジメントと教育改革』(2016年)、『ハンナ・アーレント 暗い時代における教育的思考と実践――危機にある世界のための教育』(2020年)など(いずれも未邦訳)。

訳者|translators

末松裕基(すえまつ・ひろき)
東京学芸大学教育学部准教授。専門は学校経営学。主な著書・論文に『現代の学校を読み解く――学校の現在地と教育の未来』(春風社、2016年、編著)、『教育経営論』(学文社、2017年、編著)、“Finding Alternatives and/or Following Global Trends for School Leaders? Reflection of Educational Management in Japan”(Journal of the International Society for Teacher Education, Vol. 22, No. 1, 2018, 共著)。

生澤繁樹(いざわ・しげき)
名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授。専門は教育哲学、教育思想史。主な著書に『共同体による自己形成――教育と政治のプラグマティズムへ』(春風社、2019年)、『民主主義と教育の再創造――デューイ研究の未来へ』(勁草書房、2020年、共著)、『政治において正しいとはどういうことか――ポスト基礎付け主義と規範の行方』(勁草書房、2019年、共著)。

橋本憲幸(はしもと・のりゆき)
山梨県立大学国際政策学部准教授。専門は国際教育開発論、教育哲学。主な著書・論文に『教育と他者――非対称性の倫理に向けて』(春風社、2018年、日本比較教育学会平塚賞、国際開発学会奨励賞受賞)、「国際教育開発論の思想課題と批判様式――文化帝国主義と新自由主義の理論的超克」(『教育学研究』第86巻第4号、日本教育学会、2019年)、「教育はグローバル・ガバナンスを統御できるか――国際教育開発の理論的外部」(『国際開発研究』第25巻第1・2号、国際開発学会、2016年)。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

ロバート・フロスト詩集 ニューハンプシャー

ロバート・フロスト詩集 ニューハンプシャー

  • 藤本雅樹(訳)/2020年12月
  • 4000円(本体)/四六判上製352頁
  • 装丁:桂川潤

20世紀アメリカ詩を代表する詩人の第4詩集『ニューハンプシャー』の翻訳。これによって、フロストは、ピュリッツァー賞を射止めた。

(ISBN 9784861107153)

目次|contents

ニューハンプシャー

〈注釈詩群〉
石舟の中の隕石
国勢調査員
望遠鏡

斧の柄
丸砥石
ポールの女房
野ブドウ
三人目の居場所
二人の魔女
 一 クース郡の魔女
 二 グラフトン郡の乞食魔女
むなしい脅威
泉、瓶、ロバの耳と何冊かの本
あなたに午前一時を歌いましょう

〈装飾詩群〉
青の断片
火と氷
使われなくなった墓地で
雪の粉
E・Tに
金色のままでいられるものは何もない
逃げた子馬
目的は歌だった
冬の夕べ森辺に佇んで
一度だけ、そのとき、何かが
青い蝶の日
冬の訪れ
大地のほうへ
さようなら、そして冷たくしておいて
二匹が二人を見つめている
大切にとっておくためにではなく
町の小川
台所の煙突
冬、日暮鳥を探しもとめて
無限の瞬間
砂糖果樹園の夕べ
落ち葉拾い
谷間が歌う日
不安
山腹の雪解け
農夫たち
道をふさぐ倒木に寄せて
僕たちの歌の力
鍵のないドア
田舎の風物をよく知ることの必要

注解

【解説にかえて】
「ニューハンプシャー」の世界
「望遠鏡」のレトリック

あとがき

訳者|translator

藤本雅樹(ふじもと・まさき)
1953年生まれ。龍谷大学文学部教授。
主な業績
〈著書〉『黒船の行方――アメリカ文学と「日本」』(共著、英宝社、2009年)、『フロストの「西に流れる川」の世界――新たな抒情を求めて』(国文社、2003年)、『オレゴン・トレイル物語――開拓者の夢と現実』(共著、英宝社、1997年)
〈翻訳〉『ロバート・フロストの牧歌の技法』(ジョン・F・リネン著、晃洋書房、2019年)、『エリノア・フロスト――ある詩人の妻』(サンドラ・L・キャッツ著、晃洋書房、2017年)、『ロバート・フロスト――哲学者詩人』(ピーター・J・スタンリス著、共訳、晃洋書房、2012年)、『ロバート・フロスト詩集――少年の心』(国文社、1985年)、『ロバート・フロスト詩集――ボストンの北』(国文社、1984年)他。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する