最強の男―三国志を知るために

最強の男

三国志を知るために

  • 竹内真彦(著)/2020年9月
  • 2000円(本体)/四六判並製280頁
  • 装丁・レイアウト:桂川潤

正史から『平話』、雑劇、『演義』へと変化する中で、『三国志』が物語世界へと収斂していく様を、武将・呂布の描写を中心に考察する。

(ISBN 9784861107023)

目次|contents

序(附:凡例)

第一章 呂布
呂布の略歴/何故、呂布なのか?/史書における呂布の武勇の評価/何に拠って呂布の物語を辿るのか?/十八路諸侯/孫堅/関雲長斬華雄/三戦呂布/「最強」呂布の誕生

【コラム】 1姓名字 2暦 3行政区分

第二章 貂蟬
董卓の侍女/董卓の最期/司徒王允/涼州対幷州/王允の最期/物語における「因」と「果」/貂蟬の「機能」/第十五則「司徒王允説貂蟬」/第十六則「鳳儀亭呂布戯貂蟬」/第十七則「王允定計誅董卓」/第十八則「李傕郭汜寇長安」/貂蟬の最期/『演義』以前の貂蟬/高橋繁樹「『連環計』の虚構」について/「錦雲堂美女連環記」雜劇/「連環記」と「連環計」/息機子本と『元曲選』/「才子」呂布/貂蟬の物語の変遷/貂蟬の年齢

第三章 赤兎馬
人中の呂布、馬忠の赤兎/関羽と赤兎馬/『平話』の赤兎馬/『花関索伝』の赤兎馬/胭脂馬/関元帥/呂布と赤兎馬/呂布の最期/劉備と的盧/英雄と馬/「不義」なる「最強」/「剣神」の死/「史実」と「伝説」と

【コラム】 4干支 5五行説

第四章 李粛
方天戟/薛仁貴/李粛と葛蘇文/史書の李粛/史書の葛蘇文/李粛と薛仁貴/葛蘇文と呂布/呂方と郭盛/英雄の「祖型」/転生する英雄/残る疑問

第五章 再び呂布
呂布の装束/呂布以外の例/呂布の図像/三叉束髪紫金冠/束髪冠と紫金冠/賈宝玉/父殺しの貴公子/殷元帥/旅の終着点

【コラム】 6八健将

附章一 陳寿と裴松之
現代日本における正史/正史の体裁=紀伝体/遡る時系列/再読する読者/本文の撰者 陳寿/陳寿への非難/陳寿の諸葛亮評/陳寿の非難される理由/陳寿の記録できなかったこと/曹操の体格/正閏論/「紀」と「伝」/「崩」/「薨」/「殂」/「帝」と「主」/孫堅の出自/曹操の出自/劉備の出自/裴松之註の成立/裴松之註の形式/裴松之の警鐘/史家の覚悟/一次史料の問題

【コラム】 7廟号と諡号 8『資治通鑑』と『資治通鑑綱目』 9『三国志平話』 10雜劇 11『花関索伝』

附章二 羅貫中と毛宗崗
「演義」の意味/作者の不在/羅貫中の伝記/『演義』の成立年代/『演義』の系統/関羽の呼称/羅貫中にサヨナラを/毛宗崗/百二十回本/李卓吾/回目の改変/曹操の初登場/四大奇書/毛本が通行本となった理由

参考文献一覧
初出一覧

[巻末附録]三国志 略年表・正史『三国志』目録一覧・『三国志演義』回目

著者|author

竹内真彦(たけうち・まさひこ)
1971年、静岡県生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。博士(学術)。2001年より龍谷大学経済学部講師、同助教授・准教授を経て、現在は教授。専門は『三国志演義』に関する文献研究。

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幻想と怪奇の英文学IV―変幻自在編

幻想と怪奇の英文学IV

変幻自在編

  • 東雅夫、下楠昌哉(責任編集)/2020年9月
  • 3000円(本体)/四六判上製468頁
  • 装丁:矢萩多聞
  • 装画:Richard Dadd

気鋭の英文学者らが論じた幻想文学の本格的な研究・批評の集成、第4弾!
〈ゴシック〉理論のベースともいえる、A・L・バーボールドの崇高恐怖論とその実作「サー・バートランド」の翻訳も収録。

(ISBN 9784861106996)

目次|contents

前口上【東雅夫】

第Ⅰ部:怪獣大進撃
「植物する」(plant doing)ということ―ジョン・ウィンダム『トリフィドの日』、その可能性の中心へ【遠藤徹】
洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴【南谷奉良】
マンティコア変奏曲―実在と幻想の狭間【大沼由布】

第Ⅱ部:英国ゴシックの矜持
アナ・リティティア・エイキン「恐怖の諸対象を起源とする快楽について。断片作品『サー・バートランド』を付して」訳【下楠昌哉】
怪奇小説『メルモス』における結婚のメタファーと〈生〉の修辞学(レトリック)【小川公代】
『マンク』における二つのプロットと世界史的背景【市川純】
モノ語るゴシック―『オトラント城』と『ドリアン・グレイの肖像』に見る物質性【日臺晴子】
「幽霊のキャサリン」と奪われた肖像―新しいゴシック小説としての『嵐が丘』【金谷益道】

第Ⅲ部:ヴィクトリアン・ゴースト・ストーリーを越えて
E・F・ベンスン、拡散と転覆のオブセッション―「塔の中の部屋」および「アムワース夫人」を中心に【岡和田晃】
「萎えた腕」に掴まれるとき 痣(マーク) ―しるしは別のことを問い告げる【石井有希子】
亡霊は二度窓を叩く―ジェイムズ・ジョイス「死者たち」における歓待と寛大【小林広直】
『窓ガラスの言葉』に書かれた読めないメッセージ【岩田美喜】
語り手はもう死んでいる―カズオ・イシグロ「ある家族の夕餉」の怪奇性【田多良俊樹】
ロバート・M・パーシグ『禅とオートバイ修理技術』における幽霊の隠喩と文学的想像力【深谷公宣】

第Ⅳ部:罪・妄執・狂気
アーサー王伝説における騎士と狂気【小宮真樹子】
幾重もの語りの内側にあるもの―罪食いの伝承とフィオナ・マクラウドの「罪食い人」をめぐって【有元志保】
緑深き原生林へ―マリー・コレリ『復讐――忘れられた男の物語』における自然回帰【桐山恵子】
「死への衝動(ドライブ)」―ミュリエル・スパークの終末観【高橋路子】
対談―またしても解説に代えて【東雅夫×下楠昌哉】

執筆者紹介(東雅夫によるメール・インタビュー)
あとがき【下楠昌哉】
人名索引

編者|editors

東雅夫(ひがし・まさお)
神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。元『幻想文学』編集長、現『幽』編集顧問。
著作に、『遠野物語と怪談の時代』(角川選書、第64回日本推理作家協会賞受賞)、『なぜ怪談は百年ごとに流行るのか』(学研新書)、『文学の極意は怪談である―文豪怪談の世界』(筑摩書房)、『日本幻想文学大全』『世界幻想文学大全』(編著、ともに全三冊、ちくま文庫)など。
下楠昌哉(しもくす・まさや)
東京都生まれ。同志社大学文学部教授、博士(文学)。
著作に、Vampiric: Tales of Blood and Roses from Japan(共著、Kurodahan Press)、『妖精のアイルランド―「取り替え子」の文学史』(平凡社新書)、『良心学入門』(共著、岩波書店)、訳書にマクドナルド『旋舞の千年都市』(東京創元社)、ゴードン『吸血鬼の英文法』(彩流社)、『クリス・ボルディック選 ゴシック短編小説集』(共訳、春風社)など。

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小鳥が歌う―古いポルトガル語による聖母マリアの詩

小鳥が歌う

古いポルトガル語による聖母マリアの詩

  • 菊地章太(著)/2020年9月
  • 3600円(本体)/四六判上製224頁
  • 装丁:桂川潤

中世イベリア半島の吟遊詩人たちによって作られ歌われた、ガリシア=ポルトガル語の詩「カンティーガ」。詩の和訳と解説を通して、聖母に対する当時の人々の思いを汲み上げる。

(ISBN 9784861106941)

目次|contents

はじめに―トロバドールの芸術

第一部 世俗の詩
Ⅰ 愛のささやきのカンティーガ
Ⅱ 愛の哀しみのカンティーガ
Ⅲ 旅の愁いのカンティーガ
Ⅳ 聖母を慕うカンティーガ

第二部 信仰の詩
Ⅰ 聖母のトロバドールとして
Ⅱ 奇跡と巡礼のカンティーガ
Ⅲ 王の生涯のカンティーガ
Ⅳ 聖母の祝祭のカンティーガ

おわりに―中世イベリアの聖母信仰

補遺
参考文献
あとがき

著者|author

菊地章太(きくち・のりたか)
1959年、横浜市生まれ。神奈川県立外語短期大学附属高校卒、筑波大学卒業後、トゥールーズ神学大学高等研究院留学。東洋大学教授。博士(文学)。著書に『姿を変えたキリスト―みなし子を育てたシスターたち』(春風社)、『聖母マリアのカンティーガ―中世イベリアの信仰と芸術』『奇跡の泉へ―南ヨーロッパの聖地をたずねて』(以上、サンパウロ)、『ユダヤ教 キリスト教 イスラーム』『エクスタシーの神学』(以上、ちくま新書)、『悪魔という救い』(朝日新書)、『魔女とほうきと黒い猫』(角川ソフィア文庫)ほか。

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環境を批評する―英米系環境美学の展開

環境を批評する

英米系環境美学の展開

  • 青田麻未(著)/2020年8月
  • 4000円(本体)/四六判並製322頁
  • 装丁:中島衣美
  • 装画:門眞妙

環境を美的に見ることはいかにして可能か?
なぜ私たちは環境について語り合うのか?

1970年代、環境保護思想の高まりとともに始まった英米系環境美学
代表的な環境美学者であるカールソンを始めとする諸学説を批評理論として読み直し、常に我々を取り巻き変化し続ける環境に対する美学的アプローチを考察する。
(ISBN 9784861106989)

目次|contents


第1章 環境としての世界とその批評―英米系環境美学とはなにか
第1節 美学からの環境へのアプローチ  
第2節 英米系環境美学のスタイル

第2章 知識による美的鑑賞の変容―カールソンの環境美学
第1節 ネイチャーライティングと環境批評家 
第2節 知識によって支えられる環境批評   
第3節 影を潜める主体―カールソンの達成点と問題点  

第3章 諸説の再配置―環境批評理論としての評価
第1節 認知モデル/非認知モデル、そしてそのボーダーライン 
第2節 環境の批評はできない―ゴドロヴィッチ、キャロル、バッドとフィッシャー  
第3節 環境を批評する―サイトウ、バーリアント、ブレイディ 

第4章 フレームをつくる―鑑賞対象の選択と参与の美学
第1節 バーリアントの参与の美学とその展開可能性   
第2節 ミクロな変化のフレーミング―個別の活動と統括的活動   
第3節 美的鑑賞の始まりはどこか―美的快の源泉としてのフレーミング  

第5章 観光と居住―統括的活動とフレーミング
第1節 行って帰ってくる―観光と居住の円環構造   
第2節 観光という統括的活動―ずれては重なるフレーム   
第3節 居住という統括的活動―時間的厚みのあるフレーム   

第6章 環境批評家とはだれか―美的判断の規範性
第1節 ブレイディによる規範性の再定義 
第2節 コミュニケーションと規範の生成   
第3節 批評家たちの協働―環境の漸進的な把握のために   


あとがき
参考文献
人名索引
事項索引

著者|author

青田麻未(あおた・まみ)
一九八九年、神奈川県生まれ。専門は環境美学・日常美学。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(成城大学)。
主な論文に、「環境の時間変化と鑑賞―参与を伴う活動によるフレームの構築」(『美学』70(2)、二〇一九年)、「動物の美的価値―擬人化と人間中心主義の関係から」(『美学芸術学研究』37、二〇一九年)、「アレン・カールソンのリーディングリスト―現代英米圏環境美学におけるネイチャー・ライティングの位置」(『文学と環境』19、二〇一六年)がある。

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芦田恵之助の教育思想―とらわれからの解放をめざして

芦田恵之助の教育思想

とらわれからの解放をめざして

  • 山田直之(著)/2020年8月
  • 4000円(本体)/四六判上製320頁
  • 装丁:長田年伸

「書く」ことによって「自己」はどのように変わるか?
明治から昭和にかけて国語・綴方教育の変革に寄与した芦田恵之助の思想と実践を、自身の生涯や当時の新教育運動との関連をふまえその方法論から検討。「綴らせて導く」ことによる主体形成に向けた、教育原理と実践の往還を捉える。
(ISBN 9784861106880)

【お詫び】以下の本文記載に誤りがございました。記してお詫びいたします。
271頁2行目:〔誤〕芦田恵之助の教育想 →〔正〕芦田恵之助の教育思想
282頁9行目:〔誤〕修年業限三年 →〔正〕修業年限三年
306頁17/19行目:〔誤〕橋本美穂 →〔正〕橋本美保
vii頁7-9行目:〔誤〕森信三 11-12, 14, 28, 46-52, 61, 64-66, 97, 189, 194, 199, 218-219, 232, 252, 269 →〔正〕森信三 199, 219, 232

目次|contents

序章 問題設定
第一章 随意選題をめぐる諸解釈
第二章 随意選題思想の形成
第三章 「人文一致主義」を基底とする随意選題
第四章 「自己」確立のための随意選題――書記行為による〈主体〉育成の機制
第五章 随意選題における「修養」
第六章 随意選題における「同志同行」
第七章 随意選題の射程――その意義と可能性
終章 作文・綴方教育の展望
謝辞――あとがきにかえて
資料「授業記録――初舞台 尋二の修身教授」
芦田恵之助簡易年表
参考・引用文献一覧
論文初出
索引

著者|author

山田直之(やまだ・なおゆき)
1989年島根県生まれ。2017年にドイツ・オスナブリュック大学留学、2018年に広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了、博士(教育学)。2018年より現在、神戸女子大学文学部教育学科助教。専門分野は教育哲学、教育思想史、国語科教育。著書に『教員養成を担う』(分担執筆、渓水社、2019年)、主な論文に「初期綴方運動への評価に対する批判的考察――芦田恵之助の『自己』、『文話』、『想』に着目して」(『教育新世界』第64号、世界新教育学会、2016年)、「芦田恵之助の綴方教育を再考する――『人文一致主義』の流布とその射程から」(『教育新世界』第65号、世界新教育学会、2017年)、「国語科作文教育における訓育的教授の探求――芦田恵之助の綴方教育を手がかりに」(『国語科教育』第87集、全国大学国語教育学会、2020年)。

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多文化チームと日本人リーダーの動的思考プロセス―グラウンデッド・セオリーからのアプローチ

多文化チームと日本人リーダーの動的思考プロセス

グラウンデッド・セオリーからのアプローチ

  • 石黒武人(著)/2020年6月
  • 3600円(本体)/四六判上製202頁
  • 装丁:矢萩多聞

多国籍のメンバーを率いる日本人リーダーに求められるグローバル・マインドセットとは?
日本的労働環境においてメンバーの文化的多様性を活かしつつチームを運営するリーダーの認知過程を、コンテクスト・シフティング、メンバー尊重型の行動などの概念をもとに「見える化」する。

(ISBN 9784861106873)

目次|contents

プロローグ 多文化チームと日本人リーダーの思考プロセス
第1章 国内多文化チームにおける日本人リーダーの認知的志向性とその動態
第2章 国内多文化チームにおける日本人リーダーの認知的志向性の継承モデル
第3章 研究方法における分野横断的な試み―M-GTAと談話分析の接合
第4章 認知的複雑性と「コンテクスト・シフティング」
第5章 文化的多様性と「多元的察し」―日本的コミュニケーションの可能性
第6章 多文化チームの活用―コンテクスト・シフティングとファシリテーション
エピローグ 日本的労働環境における多文化チームと日本人リーダーの動的思考プロセス

著者|author

石黒武人(いしぐろ・たけと)
武蔵野大学グローバル学部准教授。
専門:異文化コミュニケーション学。組織ディスコース研究。
M.A. (International Studies, University of Oregon)、修士(異文化コミュニケーション、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科)、博士(異文化コミュニケーション学、同研究科)。
ライフストーリー・インタビュー、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ、談話分析などの質的研究法を研究目的に応じて用い、様々な研究を行っている。
著書に、「多文化組織におけるコミュニケーションと日本人リーダー」多文化関係学会(編)『多文化社会日本の課題』(pp.158-176)(明石書店、2011年)、『多文化組織の日本人リーダー像―ライフストーリー・インタビューからのアプローチ』(春風社、日本図書館協会推薦図書、2012年)、「異文化コミュニケーションの教育・訓練」石井敏・久米昭元・長谷川典子・桜木俊行・石黒武人『はじめて学ぶ異文化コミュニケーション―多文化共生と平和構築に向けて』(pp.207-230)(有斐閣、2013年)、「多国籍チームにみる組織内コミュニケーション―差異とアイデンティティ」池田理知子・塙幸枝(編著)『グローバル社会における異文化コミュニケーション』(pp.110-119)(三修社、2019年)などがある。

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人生の意味を問う教室―知性的な信仰あるいは不信仰のための教育

人生の意味を問う教室

知性的な信仰あるいは不信仰のための教育

  • ネル・ノディングズ(著)、井藤元、小木曽由佳(訳)/2020年6月
  • 3000円(本体)/四六判上製310頁
  • 装丁:長田年伸

私はどこから来たのか、生きるとはどういうことか
あらゆる教科に実存的問いを。現代アメリカを代表する教育哲学者による批判的思考のレッスン
(ISBN 9784861106682)

目次|contents

訳者まえがき
序章
第1章 教室における実存的・形而上学的な問い
第2章 神々の性質
第3章 所属すること
第4章 フェミニズムと宗教
第5章 魂の不滅・救済・悲観主義
第6章 ヒューマニズムと不信仰
第7章 宗教的倫理と非宗教的倫理
第8章 学校でそのような授業は可能か
訳注
訳者あとがき
引用文献
索引

著者|author

ネル・ノディングズ(Nel Noddings)
1929年生まれ。タトガース大学で数学の修士号を取得。小学校教師、ハイスクールの数学教師、教育行政官をつとめた後、スタンフォード大学において教育哲学で博士号取得。アメリカ教育哲学会会長、デューイ学会会長、全米科学アカデミー会長などを歴任。スタンフォード大学名誉教授。著書は『ケアリング――倫理と道徳の教育 女性の観点から』(晃洋書房)、『教育の哲学――ソクラテスから〈ケアリング〉まで』(世界思想社)、『学校におけるケアの挑戦――もう一つの教育を求めて』(ゆみる出版)、『幸せのための教育』(知泉書館)など多数。

訳者|translators

井藤元(いとう・げん)
1980年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。現在、東京理科大学教育支援機構教職教育センター准教授。沖縄シュタイナー教育実践研究会顧問。著書『シュタイナー「自由」への遍歴――ゲーテ・シラー・ニーチェとの邂逅』(京都大学学術出版会)、『マンガでやさしくわかるシュタイナー教育』(日本能率協会マネジメントセンター)、監修『笑育――「笑い」で育む21世紀型能力』(毎日新聞出版)、編著書『ワークで学ぶ教育学 増補改訂版』『ワークで学ぶ道徳教育 増補改訂版』『ワークで学ぶ教職概論』(ナカニシヤ出版)など。

小木曽由佳(おぎそ・ゆか)
1983年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。臨床心理士、公認心理師。現在、同志社大学ウェルビーイング研究センター研究員。著書『ユングとジェイムズ――個と普遍をめぐる探求』(創元社)、共著書Analytical Psychology in a Changing World: The Search for Self, Identity and Community(Routledge)、訳書『危機介入の箱庭療法』(創元社)、『分析心理学セミナー1925――ユング心理学のはじまり』(創元社)、『ユング伝記のフィクションと真相』(創元社)、『死にゆく人と共にあること――マインドフルネスによる終末期ケア』(春秋社)など。

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現代世界の呪術―文化人類学的探究

現代世界の呪術

文化人類学的探究

  • 川田牧人・白川千尋・飯田卓(編)/2020年5月
  • 4500円(本体)/A5判上製482頁
  • 装丁:矢萩多聞

呪術の合理性とは?呪術を問うことの現在的な意義はなにか?
現代でも世界各地でさまざまなかたちで呪術は行われている。人類学の黎明期から議論されてきた問題を、物質性や感覚経験という切り口からアップデートする。

(ISBN 9784861106910)

目次|contents

総論
序論 現代世界において呪術を問うこと(川田牧人)
第1章 偶然と必然を結ぶ妖術―アフリカにおける妖術的現実の存在様相(近藤英俊)

第Ⅰ部 多元的知識実践環境における合理性の再検討
第2章 呪術・宗教・科学を再考する―あるいは呪術における非合理性(中村 潔)
第3章 呪術が禁止されるとき―インドにおける合理主義運動がもたらす迷信としての呪術(松尾瑞穂)
第4章 カザフスタンにおける伝統医療とエムシ(治療者)の活動(藤本透子)
第5章 動物磁気術と催眠術の近代―科学と呪術のはざまにおける実践=知の誕生の素描(島薗洋介)

第Ⅱ部 呪術とコミュニケーション
第6章 ベナンにおけるブードゥのメディア転回(田中正隆)
第7章 恐れを通じた干渉―ガーナ南部における挨拶、遊び、王権闘争(浜田明範)
第8章 すべてははじめからわかっていた―東南アジア大陸部山地民ラフの呪術と動物(片岡 樹)
第9章 「フェティッシュ」を飼い馴らす(中川 敏)

第Ⅲ部 感覚とマテリアリティの呪術論
第10章 感覚・マテリアリティ・言葉―ヴァヌアツにおける邪術と科学の関係を起点として(白川千尋)
第11章 西欧近世の魔術信仰における感覚・実践・マテリアリティ(黒川正剛)
第12章 不可視を「見る」、不可解を「語る」―東北タイにおける呪術と感覚経験(津村文彦)
第13章 妖術師の生成するところ―ベナンの新宗教の実践における身体・情動・マテリアリティ(村津 蘭)
第14章 あるはずのないものへの疑念―北タイにおける呪術と情動(飯田淳子)
第15章 経験されざるものを知る―マダガスカル漁撈民ヴェズにおける霊と呪術のリアリティ(飯田 卓)

あとがき  (飯田卓・白川千尋)

編者|editors

川田牧人(かわだ・まきと)
成城大学文芸学部教授。文化人類学、宗教人類学。『「人新世」時代の文化人類学』(共著、放送大学教育振興会、2020年)、『呪者の肖像』(共編著、臨川書店、2019年)、『パブリックヒストリー入門』(共著、勉誠出版、2019年)など。

白川千尋(しらかわ・ちひろ)
大阪大学大学院人間科学研究科教授。文化人類学。『呪者の肖像』(共編著、臨川書店、2019 年)、『南太平洋の伝統医療とむきあう―マラリア対策の現場から』(臨川書店、2015年)、『呪術の人類学』(共編著、人文書院、2012年)など。

飯田卓(いいだ・たく)
国立民族学博物館教授。生態人類学、視覚メディアの人類学、文化遺産の人類学。『文化遺産と生きる』(編著、臨川書店、2017年)、『文明史のなかの文化遺産』(編著、臨川書店、2017 年)、『海を生きる技術と知識の民族誌―マダガスカル漁撈社会の生態人類学』(世界思想社、2008年)など。

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スコットランド文学の深層―場所・言語・想像力

スコットランド文学の深層

場所・言語・想像力

  • 木村正俊(編)/2020年5月
  • 3700円(本体)/A5判上製442頁
  • 装丁:矢萩多聞

なぜスコットランドはすぐれた文学者たちを輩出してきたのか?
先端的研究の成果をふまえ、『オシアン詩』から現代までのスコットランド文学を展望。その特異な風土や文化を背景として生まれた、豊穣な詩的想像力の世界を照射する。

(ISBN 9784861106897)

目次|contents

1章:上書きされる古代ケルト―『オシアン詩』におけるテクストの多層性【三原穂】
2章:伝承童謡「あそこに落ちているのはなあに?」の思想史的淵源―ヒュームとスミスの「汎神論的コスモロジー」【鵜野祐介】
3章:一七八七年のロバート・バーンズ―スコットランド旅行の意味するもの【木村正俊】
4章:レイディ・ネアンのソングにおけるテーマの変遷―ジャコバイティズムからパトリオティズムへ【照山顕人】
5章:十九世紀初頭のスコットランド人文学者を支援する読者―聖職者詩人オーグルヴィの予約購読出版【小林英美】
6章:叙事詩の創造―ジェイムズ・ホッグ『女王の夜曲』と「羊飼いの暦」再読【吉野由起】
7章:エドワード・ウェイヴァリーの読書と教育―「歴史小説」における想像力とハイランド表象【向井秀忠】
8章:共同体の再生―ウォルター・スコットの『ガイ・マナリング』【米本弘一】
9章:十九世紀スコットランド農業労働者たちの歌―ボシー・バラッドの世界【宮原牧子】
10章:スコットランドと怪異の伝統―ハーンの講義にみるスコットランド文学の怪異【先川暢郎】
11章:R・L・スティーヴンソンとスコットランド・ゴシック―『バラントレーの若殿』にみる輝ける悪と怪異ロマンス【立野晴子】
12章:反逆するスコットランド―J・M・バリ『あっぱれクライトン』ほか【阿部陽子】
13章:ジョージ・マクドナルドのファンタジー文学における神話性―内的女性像グレートマザーを探る【長田惠子】
14章:ウィリアム・シャープによる「新異教主義」の追求―『異教評論』を中心に【有元志保】
15章:ヒュー・マクダーミッド―栄光ある孤立から文化再生の先導者へ【風呂本武敏】
16章:エドウィン・ミュアのカフカ論―翻訳を通して捧げた賛辞【米山優子】
17章:はじまりの地に光がさす―ミュリエル・スパークが描く罪人たちのヴィジョン【畑中杏美】
18章:キャロル・アン・ダフィ――スコットランド生まれの桂冠詩人【金津和美】
19章:スコットランド文学におけるグラスゴー表象―現代映画を中心に探る街の変遷【浦口理麻】

編者|editor

木村正俊(きむら・まさとし)
神奈川県立外語短期大学名誉教授
早稲田大学大学院文学研究科(英文学専攻)博士課程単位取得満期退学
著書に『ロバート・バーンズ―スコットランドの国民詩人』(共編著、晶文社、2008年)、『増補改訂版 ロバート・バーンズ詩集』(共訳、国文社、2009年)、『文学都市ダブリン―ゆかりの文学者たち』(編著、春風社、2017年)など

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合法性と正当性―ワイマール期におけるカール・シュミット、ハンス・ケルゼンおよびヘルマン・ヘラー

合法性と正当性

ワイマール期におけるカール・シュミット、ハンス・ケルゼンおよびヘルマン・ヘラー

  • デイヴィッド・ダイゼンハウス(著)池端忠司(訳)/2020年3月
  • 4100円(本体)/A5判並製424頁
  • 装丁:長田年伸

合法性は国家をどのように正当化できるのか。
ワイマール憲法下における三者の法理論を詳述し、現代のロールズやハーバーマスらとも比較。その意義と限界を指摘するとともに、英語圏ではほとんど未知であったヘラーの法理論に対する正当な評価を促す。
(ISBN 9784861106866)

目次|contents

1.合法性と正当性:ワイマール期から見たこれらの屈折度
1.1 複数の緊急事態
1.2 ワイマール期:短い紹介
1.3 1932年7月20日のクーデター
1.4 ワイマール憲法第48条と国事裁判所の判決
2.友と敵:シュミットと法の政治
2.1 決断の主権
2.2 国民の意思としての法
2.3 自由主義、議会主義および法実証主義
2.4 ワイマール憲法の護り手とは
2.5 自由主義の地平
2.6 反ユダヤ主義と弁明
3.実践の中の純粋理論:ケルゼンの法科学
3.1 ケルゼンのシュミット批評
3.2 ワイマール憲法第48条に関するケルゼン
3.3 神、国家および民主制
3.4 合法性の原理
3.5 ケルゼンの思想内部の異質性
4.法秩序の正当性:ヘラーの法理論
4.1 国家論の危機
4.2 文化、社会および国家
4.3 国家の正当性と法
4.4 民主制と同質性
4.5 国民の意思の主権的表現としての法
4.6 立憲的制定法の概念
4.7 個人の法的良心
4.8 法秩序の観念
5.ワイマール期からの教訓:合法性の正当性
5.1 正当化理由に関するシュミットとロールズ
5.2 法の民主制的形態に関するハーバーマス
5.3 ヘルマン・ヘラーと、私たちと同時代の政治哲学および法哲学

著者|author

デイヴィッド・ダイゼンハウス(David Dyzenhaus)

カナダの憲法学者・法哲学者。トロント大学教授。オックスフォード大学で博士号を取得しており、主な著作には本書の前作であるHard Cases in Wicked Legal Systems: South African Law in the Perspective of Legal Philosophy (1991)や、Judging the Judges, Judging Ourselves: Truth, Reconciliation and the Apartheid Legal Order(1998)、The Constitution of Law: Legality in a Time of Emergency(2006)がある。そのほか、彼はLaw as Politics: Carl Schmitt’s Critique of Liberalism Hobbes and the Law(1998)の編者であり、Hobbes and the Law(2012)の共同編者である。

訳者|translator

池端忠司(いけはた・ただし)
香川大学法学部を経て、神奈川大学法学部教授。論文に「寛容・コンテクスト・原理―表現の自由と「抑圧的寛容」」(東京大学社会情報研究所編『放送制度論のパラダイム』東京大学出版会、1994年)、「米国における公的文化助成と表現の自由」(『香川大学法学部創設二十周年記念論文集』成文堂、2005年)、「プロイセン対ライヒ事件をめぐるドイツ憲法理論―英語圏のダイゼンハウスの道案内で」(『憲法理論とその展開―浦部法穂先生古稀記念』信山社、2017年)などがある。翻訳に『寛容な社会―アメリカ合衆国における言論の自由と過激派の言論』(春風社、2018年)がある。

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