北上川

北上川

  • 橋本照嵩 撮影/2005年10月
  • 3333円(本体)/B5変形判並製・208頁

木村伊兵衛をして「臭ってくる」と言わしめた伝説の写真集『瞽女』の写真家・橋本照嵩が、故郷・北上川の原風景と人々の暮らしを深い愛情と洞察力をもち半世紀かけて写しとった。写真表現をひたすら磨いてきた写真家畢生の写真集!
(ISBN 4861100550)

撮影者|photographer

橋本照嵩(はしもと・しょうこう)
宮城県石巻市出身。1974年に『瞽女』で日本写真協会新人賞受賞。
橋本照嵩の写真館

担当編集者から

橋本照嵩を推す
山口百恵は菩薩であると喝破した人がいた。
その伝でいくと橋本照嵩は地鶏である。なぜ地鶏か。まず風貌からして赤銅色の筋肉が双肩に盛り上がり、ファストフードなど絶対食わぬと思わせるような圧倒的な存在感、オーラを発しているからだ。眼をギョロつかせ、口をすぼめ、ウヒョヒョヒョヒョ…、まさに好奇心の塊といった風情をかもし出す。
先年亡くなった名編集者・安原顯は好きな詩人・作家について、字が書いてあればなんでもかまわないと礼賛したそうだが、その伝でいくと、橋本照嵩の写真ならなんでもかまわないという気持ちがわたしにはある。橋本の写真ほど多義性を感じさせる写真をわたしは他に知らないからだ。ブロイラーでない地鶏が好奇心まるだしでコココ、コココ…と地を歩く姿を思い浮かべるだけで愉快になってくる。
写真家橋本照嵩の故郷は宮城県石巻市。子供のころ、父や伯母の引くリヤカーに乗せられ見た景色・視点が橋本の写真家人生を決定づけたと聞いている。味覚を刺激する写真を撮る写真家、聴覚を刺激する写真を撮る写真家がいるけれど、橋本は「地を這うよう」にしながら匂いを嗅ぎ取り嗅覚を刺激する写真を撮る。橋本の写真は圧倒的に嗅覚にうったえてくる。あたかも匂いがこの世とあの世をつなぐ糸であるかのように。
橋本の最初の写真集『瞽女』を見た木村伊兵衛は「臭ってくる写真集」と絶賛。然り、匂いといっても、いい匂いばかりではない。汗の匂い、潮の匂い、煙の匂い、雨の匂い、風の匂い、魚の匂い、乳の匂い、醤油の匂い、味噌の匂い、肥やしの匂い、男の匂い、女の匂い、花の匂い、石の匂い、鉄の匂い、魂の匂い、この世には無数の匂いが渾然一体となって渦巻いている。押し寄せる匂いに噎せ返りながら橋本はシャッターを切る。橋本の写真の多義性は匂いの多義性といっても過言ではないだろう。
この写真集には橋本が高校時代に撮ったものも含まれている。初めて買ってもらったカメラ(リコーフレックス)を手にした若き写真家の喜びはいかばかりだったろう。その後橋本は写真を生業にするようになり、東京の出版社・雑誌社の仕事を多く手がけるようにもなる。しかし、ことあるごとに帰省し、写真パネルを積んだリヤカーを引き引き街角展を開きながら北上川を撮りつづけてきた。
半世紀、歓喜と共に無我夢中で橋本がフィルムに収めたものの一部を思いつくまま列記すれば、いかにも美味そうにキセルで煙草を吸う祖父、酒好きの父、祈るような破顔一笑の母、姉のように優しい叔母、結婚披露宴で妖しげな手つきで泥鰌掬いを踊る隣りの床屋、橋を渡るさまざまな物売りたち、海苔を干す夏木マリそっくりの老婆、札束の勘定に余念がない博労たちの欲望うずまく馬市、売られていくことを知っているかのように悲しい表情を浮かべるシャガールの馬、花火、由利徹、天津敏、シジミ漁、出漁する船、ときどき登場しては見るものをドキリとさせる子供たちの目、川を遡上する鮭、産卵を終えた母鮭がカラスやトンビに目玉を食われる…。ちょろちょろ湧きだす源泉がやがて海へ注がれるように、明滅する光のごときどれもこれもが大河・北上川へと収斂し飲み込まれていく。やがて写真家として歩き始めるだろう橋本の郷土を映し出した一コマ一コマの写真を現在の時間のうちに眺めながら、むしろ〈写真の時間〉に引き込まれていく自分に気づかされる。深層の魂が流露する表現者の排水溝を人知れず磨いてきた写真家の切なる思いが写真一枚一枚に込められている。
虚実ない交ぜの生活と幻想のすべて、息遣いを魂の写真家はギョロ目を開けて写し撮る。人間はどこから来てどこへ向かうのか。これは、いわば写真家橋本の人生探索の記録であり、〈四次元銀河リヤカーの旅〉なのだ。[-三浦-]

 

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赤十字の父―アンリー・デュナン

赤十字の父

アンリー・デュナン

  • エーテル・コッハー、ハンス・アマン著、九頭見和夫訳/2005年10月
  • 952円(本体)/四六判上製・96頁

戦場で傷ついた兵士に救いの手をさしのべたデュナンは<赤十字の思想>を生み出すが、自ら作った組織から孤立。事業の失敗、破産、周囲の無理解により孤独な晩年を過ごす。栄光と没落の波乱に富んだ人生を忠実にたどる。
(ISBN 4861100526)

目次|indexs

1 ジュネーヴ、一八二八年五月八日
2 お人好しの植民地入植者
3 皇帝の後を追って
4 『ソルフェリーノの思い出』
5 国際赤十字の創設
6 スターに、そして没落へ
7 極貧、それでも人類の幸福のために身をささげて
8 シュトゥットガルトの友人たち
9 ハイデン、新しい故郷
10 再び脚光を浴びて
11 調停者として最高の国際的な栄誉を
12 死に至るまでよりよい世界のために力をつくして
引用文献
写真の出典
アンリー・デュナン博物館(ハイデン)所蔵品
デュナン評
訳者あとがき
[資料1]ジュネーヴ条約一〇ヵ条
[資料2]【年表】アンリー・デュナンと日本赤十字社
[資料3]スイス、イタリアの地図

訳者|translator

九頭見和夫(くずみ・かずお)
福島大学人間発達文化学類教授(外国語・外国文化学系長)、日本比較文学会編集委員。
1942年、福島県に生まれる。東北大学大学院文学研究科(独語・独文学専攻)修了。福島大学附属小学校長、日本独文学会理事、東北大学・高知大学・放送大学等非常勤講師を歴任。
『太宰治と外国文学、翻案小説の「原典」へのアプローチ』(和泉書院、2004年)等著書・論文多数。

担当編集者から

まっすぐに自分の思想を実現しようとするデュナンは、「大人の根まわし」を重要視する組織から孤立。純であるがゆえに商売にも失敗。パンを買うお金もないほどひどい経済状態に陥る。招待されたサロンには、袖や衿の擦り切れた箇所を黒インキで染めて出かけたという。
いまでは当たり前になっている赤十字の思想が世界に広まったのは、デュナンの強い信念があったればこそ。意外と知られていないデュナンの生涯、大きな活字の本書でぜひどうぞ。[-山岸-]

 

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刺青墨譜―なぜ刺青と生きるか

刺青墨譜

なぜ刺青と生きるか

  • 斎藤卓志/2005年10月
  • 2800円(本体)/四六判上製・296頁

刺青に魅せられた著者が、聞き書きにより刺青の存在論的意義を明らかにする。刺青を入れている者、彫師へのインタビューは圧巻。刺青の文化史的・社会的背景をも浮き彫りにする。写真多数掲載。谷川健一氏、推薦。
(ISBN 4861100534)

推薦

刺青の現場からの生まの声を集約し、刺青の体験者の苦痛とよろこびは、殉教者の法悦境を思わせるものがあることを訴えるユニークな文化史論集。(谷川健一/民俗学者)

目次|indexs

序 刺青の民俗史
第一章 欲望する人間
初めてのタトゥー/彫ることへの好奇心/派手な人はやらない/アートになった刺青/見る、見せる/なぜ、今「刺青」なのか
第二章 刺青の現場
背中の刺青/皮膚の下の声/ヘビの出ているひと/刺青が大好き/花観音
第三章 刺青のかたち
刺青は点からできている/メカニズムは不明/彫場で音を聞く/イカ墨も墨か/彫師も迷う「刺青」と「タトゥー」/タトゥーサミット/薄墨ぼかしの発見/色と筋/浮世絵との関係/墨刑とは何か/関東と関西の違い/刺青の標本/ほんものの凄み/ヤクザの刺青/彫師への信頼感/構図の難題/刺青道具屋/谷崎潤一郎から金原ひとみまで/リメイク
第四章 刺青文化を探る
顔の刺青/柳田国男の見た針突/奄美・沖縄の入墨「針突」/島唄の中の針突/アイヌの入墨「パシュ」/川並と仕事師の話
第五章 彫師の「場」
文明開化と刺青/二足の草鞋/京都御幸町のタトゥーショップ/彫師から見た刺青/「彫場」から──三代目彫よし
第六章 内なる世界
痛みより魅力/オブセッション/拠りどころ/背負ってゆくもの/おわりに
あとがき
参考文献

著者|author

斎藤卓志(さいとう・たくし)
一九四八年、愛知県生まれ。中京大学法学部法律学科、佛教大学文学部史学科(通信)卒。会社勤務、安城市歴史博物館学芸員、市史編纂室長などを経て総務部。
著書に『刺青 TATTOO』(岩田書院)、『稲作灌漑の伝承』(堺屋図書)。編著に『葬送儀礼と祖先霊』(光出版)、『職人ひとつばなし』(岩田書院)。その他、『愛知県史』『安城市史』『多度町史』など分担執筆。

担当編集者から

刺青に興味を持たない人間にとって、刺青をしている人の気持ちというのはなかなか分かりにくい。斎藤氏は、聞き書きという手法によって、その辺のところを丁寧に掘り下げ記述していく。著者の案内にしたがい読み進むうちに、刺青をする人の気持ちがだんだんと見えてくる。というよりも、いままで蚊帳の外だったはずの刺青が次第に親しいものに感じられ、「刺青」という形はたとえとらなくても、そこへ向かうこころの志向性は誰にとっても了解可能と思えてくる。この本は、「刺青」という一見特殊なテーマを扱いながら、だれもそこから逃れられない「生きている不思議」について解き明かし普遍へ至ろうとする労作だと思う。
撮影のために伊勢佐木町から来社された姉妹が、撮影終了後の打ち上げで、「刺青が偏見なく見てもらえるようになったらありがたい」と言ったのが耳に残っている。[-三浦-]

 

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Windows健康情報処理入門

Windows健康情報処理入門

  • 原田昭子・近藤美樹・鈴木生/2005年10月
  • 1905円(本体)/B5判並製・228頁

キーボード表を使ってタイピング方法から解説しているので、パソコン初心者でも大丈夫! 基礎的な統計処理や、食教育媒体(資料)の作成方法など、栄養管理の効果的な手法を具体的に例示し、実践する。パソコン画面のショットも多数収録し、エクセルによる各種グラフ、ワード機能を使った図表の作成方法などを丁寧に解説。データベースとして活用できる「五訂増補日本食品標準成分表」CD-ROM付き。栄養士・管理栄養士をめざす人必携!
(ISBN 4861100518)

目次|indexs

第一部 基礎編
第1章 Windowsの基礎
Windowsの起動/マウスの操作/マウスポインタの形/タスクバーの固定//終了/メモ帳の起動/ウィンドウの名称と役割/入力モードの設定/キーボード/ブラインドタッチ/挿入・削除/複写・移動/元に戻す/ローマ字かな変換表/主な記号/検索・置換/ファイルの保存/印刷・印刷プレビュー/拡張子/名前付け規則/フォルダの作成/ファイルの移動/記憶容量
第2章 ペイントの基礎
ペイントの起動/画用紙の大きさ/ツールボックス/細部の仕上げ/印刷・印刷プレビュー/終了
第3章 Wordの基礎
Wordの起動/Word画面の表示/ページ設定/Enterキーの働き/インデント/文中に空白を作る/書式設定/箇条書きと段落番号/段組/罫線/図形描画/テキストボックス/オートシェイプ/図の挿入/ワードアート/ページ罫線/透かし文字・図/ヘッダーとフッター/ページ番号/脚注(注釈)/要約の作成/見出しと目次/文章校正/組織図または図表/ハイパーリンク
第4章 Excelの基礎
Excelの起動/Excelの画面表示/セルへの入力/計算式の記入/関数の記入/関数一覧/計算式や関数の貼り付け/形式を選択して貼り付け/行と列の管理/シートの管理/セルの書式設定/ページ設定/計算式の表示・印刷/グラフの作成/グラフの修飾/複合グラフ/並べ替え/データの抽出/データの集計/ピボットテーブルの作成
第5章 PowerPointの基礎
PowerPointの起動/PowerPointの表示画面/スライドのレイアウト/新しいスライド/スライドのデザイン/図解例/会場の広さと文字の大きさ/ヘッダーとフッター/画面切り替え/アニメーションの設定/グラフの作成/グラフのアニメーション/リハーサル/スライドの保存
第6章 統計の基礎
統計処理/データ型と記述統計/データのグラフ化/代表値と散布度/正規分布/データの整理/統計的検定/平均値の検定/平均値の差の検定(大標本法)/Welch検定(小標本法)/χ2検定/相関係数の検定/効果の検定/分析ツール設定/分析ツール
第二部 応用編
第1章 子どもの食事調査
英文入力/レポート作成/食事配分/エネルギー摂取量と食事配分
第2章 1日の献立
調理方法/献立表/三食配分とPFCバランス/料理教室
第3章 Wordによる食教育媒体などの作成
レシピ/卓上メニュー/肥満予防の流れ図/病気と食事指導/食券/検診のすすめ/食品ピラミッド/給食便り/給食試食会便り
第4章 「日本食品標準成分表」の活用
食品の特徴を概観/My食品成分表作成/常用食品成分表作成/食品群別食品成分表作成/特定の栄養素の含有量が多い食品/米の栄養分布/栄養価比較/食品の散布図と相関関係/食品群数/食品群別栄養成分検討
第5章 「国民栄養の現状」の検証
食事状況/食生活状況/ストレス/体型に関する自己評価/年齢階級別エネルギー摂取量/栄養素年次推移/PFCバランス/食品群別摂取充足率
参考文献
付録

著者|author

原田昭子(はらだ・あきこ)
名古屋工業大学建築学科卒業、同大学院中退。兵庫教育大学大学院自然系数学修了。現在、兵庫大学健康科学部栄養マネジメント学科教授。
著書に『Accessによる栄養管理-料理データベースから献立作成-付録:食品成分表FD』『マイコンを使って数学を学ぼう』『健康教育に役立つ情報処理入門』『Exercise栄養指導』『保育の実践』『健康』『子ども健康学』他多数。
近藤美樹(こんどう・みき)
名古屋工業大学計測工学科卒業。日本ユニシスSEを経て、現在、兵庫大学情報処理演習TA。
鈴木生(すずき・せい)
福井工業大学電気工学科電子工学専攻情報処理コース卒業。元兵庫大学情報処理演習TA。元加古川市情報教育指導補助員。

担当編集者から

「ダブルクリックとは」という超初級レベルからスタート! 分かりやすいチャートの作成や栄養バランスのビジュアル化など、具体的な例題、演習をこなしながら、栄養士にとって絶対必要なスキル、統計処理まで学ぶ。目次を見れば、原田先生の親切、丁寧さは一目瞭然。どんな初心者も絶対に途中で挫折しないと思う。プロを目指す人、そして現役栄養士にとっても「確実に力がつく」1冊![-井戸川-]

 

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外来語の社会学―隠語化するコミュニケーション

外来語の社会学

隠語化するコミュニケーション

  • 山田雄一郎/2005年9月
  • 2800円(本体)/四六判上製・332頁

現代の日本語は、〈隠語化〉と〈大衆化〉という逆向きの力がせめぎ合っている。次々に現れ、日本に氾濫する意味のはっきりしないカタカナ語に、私たちはどう対処すればよいのか。森鴎外から綿矢りさ・金原ひとみまで、小説の会話文から外来語の姿を追う。国立国語研究所「外来語言い換え案」一覧も併録。
日本図書館協会選定図書
(ISBN 486110050X)

目次|indexs

まえがき
第一章 グローバリゼーションと外来語
一 寡占化する外来語市場
地球村という幻想/グローバリゼーションと言語の階層化/英語への傾斜
二 先進国の苛立ち
英語の変身/ドイツ語を侵す英語/フランス語の反撃
三 発展途上国の悩み
インドネシアの看板騒動/ベトナムの文化と英語
四 日本語の寛容
問題の所在/終わりのない祭礼/翻訳借用と直接借用/国語審議会の問題意識
第二章 外来語と小説―大衆化の過程
一 明治―啓蒙の時代
未知への憧憬/小説の役割/原音主義の苦心
二 大正から昭和へ―大衆の登場
解放のはじまり/外来語橋の建設/原音主義の失速/九鬼周造の訴え
三 戦後―大衆化時代の幕あけ
外来語橋の完成/外来語高度成長時代
四 現代―記号化する外来語
失われる余韻/委縮する非日常/拒絶される大衆
五 概括―外来語輸入業者の交替劇
第三章 外来語とコミュニケーション
一 言語記号の恣意性と意味の透明性
透明性の仕組み/一次語と二次語
二 記号化の意味
置き換えられる日本語/花の名前/言葉のマクドナルド化―失われる人間的判断/固有名詞と普通名詞
三 コミュニケーション・ブレイクダウン
マスコミュニケーションの仕組み/マスコミュニケーションの規律違反
四 毀損されるメッセージ―外国映画のカタカナ題名
カタカナ題名の経緯/情報をもたないメッセージ/あるアンケート/映画とテレビ/カタカナ題名は合い言葉?/集団的存在
第四章 隠語化するコミュニケーション
一 外来語の排他性と集団性
マニフェスト騒動/素人と玄人―失われる境界線/漱石の意見
二 混乱の果てに
国立国語研究所の試み/言い換え案の苦心と不用意/追い払うべき相手
三 意味の復権に向けて
自己顕示欲の正体/彼らの不安
第五章 外来語の未来
一 その後の動き
外来語委員会の苦心は続く/言い換え語の現在/外来語と日本語の併記―その後/翻訳の必要性
二 小説の中の外来語再び
小説資料とその計算法/外来語と時代区分/出現率の意味/第一三〇回芥川賞
参考文献
あとがき
付録1 国立国語研究所・外来語委員会の外来語言い換え案一覧(第一回および第二回発表分)
付録2 国立国語研究所・外来語委員会の外来語言い換え案一覧(第三回中間発表分)
付録3 小説文献一覧とカタカナ外来語使用頻度

著者|author

山田雄一郎(やまだ・ゆういちろう)
1945年広島県生まれ。1973年広島大学大学院修士課程(英語教育)修了。シドニー大学、レディング大学で外国語教育学を学ぶ。専攻は言語政策、英語教育。現在、広島修道大学教授。
主著に『言語政策としての英語教育』(渓水社)、『英語教育はなぜ間違うのか』(筑摩書房)、『日本の英語教育』(岩波書店)ほか。

 

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日系アメリカ人強制収容とジャーナリズム―リベラル派雑誌と日本語新聞の第二次世界大戦

日系アメリカ人強制収容とジャーナリズム

リベラル派雑誌と日本語新聞の第二次世界大戦

  • 水野剛也/2005年9月
  • 4600円(本体)/A5判変形・420頁

アメリカ史上最大の「失政」とされる事件、しかし当時のマスコミは充分に真実を伝え切れていなかった―史料の綿密な検討から明るみに出される、権力と報道との関係。ジャーナリズムの根幹を問う、実証研究の精華!
(ISBN 4861100380)

目次|indexs

第一部 ● 研究の基本的手続き
第一章 ◎ 本書の目的、意義、および方法
第一節 ● 問題の背景と本書の目的
第二節 ● 本書の意義と研究対象
第三節 ● 研究方法、用語の問題、および注の略語
第二章 ◎ 先行研究レヴュー 日系人強制立ち退き・収容とアメリカのジャーナリズム
第一節 ● アメリカの主流派ジャーナリズムと日系人強制立ち退き・収容
第二節 ● リベラル派雑誌・日本語新聞と日系人強制立ち退き・収容
第二部 ● リベラル派雑誌
はじめに 番犬理論
第三章 ◎『ニュー・リパブリック』 日系人擁護と「国益」とのはざまで
第一節 ● 一九四一年
第二節 ● 日米開戦直後
第三節 ● 日系人強制立ち退き・収容
第四章 ◎『ネーション』 相対主義リベラルの葛藤
第一節 ● 一九四一年
第二節 ● 日米開戦直後
第三節 ● 戦時下における個人の自由と「国益」をめぐる論争
第四節 ● 日系人強制立ち退き・収容
第三部 ● 日本語新聞
はじめに 移民エスニック・ジャーナリズム理論
第五章 ◎『ユタ日報』「二つの祖国」の間で揺れた日本語新聞
第一節 ● 一九四一年
第二節 ● 日米開戦直後から一時発行停止
第三節 ● 発行再開から日系人強制立ち退き・収容
第六章 ◎『日米』 親日ナショナリストの豹変と挫折
第一節 ● 一九四一年
第二節 ● 日米開戦直後から一時発行停止
第三節 ● 発行再開から日系人強制立ち退き・収容
第四節 ● 発行継続をめぐる政府との交渉とその失敗
第四部 ● 結論
終章 戦時の制約と「国益」とジャーナリズム
あとがき 謝辞にかえて
索引

著者|author

水野剛也(みずの・たけや)
1970年、東京生まれ。東洋大学教授。2000年、アメリカ・ミズーリ州立大学、スクール・オブ・ジャーナリズム博士課程修了。

担当編集者から

誠実な史料の読みから着実に論を積み上げてゆく歴史研究の鑑のような原稿。
第二次大戦中に日本人が強制収容所に入れられていた事実すら知らなかったが、それをめぐるメディアの論調が、徐々に否応なしに政府の政策の容認・追従へと傾いていく怖さ。
「アメリカ」っぽさを出そうと造本にこだわった。独特の白い本文用紙、変型判、口絵+トビラ。うーん、かっこいいぜ、と自画自賛! 手にとって眺めてみてください。デザイナーは矢萩多聞。[-内藤-]

 

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教育の経済―成り立ちと課題

教育の経済

成り立ちと課題

  • 三上和夫/2005年8月
  • 3200円(本体)/A5判上製・302頁

教育政策の経済的な課題を総括する書。公的補助の不備、家庭の経済格差から生じる学歴格差などの問題を示し、教育政策について再考を促す。女性誌を資料として、家計に占める教育費増加の歴史も概観。
(ISBN 4861100496)

目次|indexs

序章 生活と教育のもつれあい―教育秩序の変動
生活場面としての学校の主題化
家族をとりまく社会空間
郊外の「物語」
時間意識と自己決定
時間意識と時間決定の自主性
教育資本と教育危機
支配的秩序の有効限界の外へ
第一章 地方分権一括法の社会的前提
はじめに―一九九〇年代社会への着目
第一節 生活圏域・家族と市場・組織
少子社会
通学通勤圏
費用負担の型
塾と学校―複合する教育制度
少子化と教員養成
第二節 社会変化と教育システムへの要請
社会動向と校則
就学観のゆらぎ
「会社本位」からの離脱
「消費創出」という開拓線
第三節 教育行政機構の改変動向
模索と構想の集約
公費投入の多元化と分権化
負担格差とあらたなまなざし
まとめ 「分権」への動きと教育委員会
社会状況の変化と制度改変
行政改革・分権化と教育委員会活性化
コラム1 中央教育審議会
第二章 家計支出教育費の定着
はじめに
高度経済成長の教育的果実
教育費の形
女性雑誌と「主婦」の位置
第一節 「投資」としての教育―「教育の経済」成立前史
教育投資政策の登場
私学への批判と公費投入―一九七五年前後の教育社会
教育投資意識の定着と相対化
家計をめぐる社会と制度原理
第二節 循環(=「計画する家計」)形成と「教育の経済」の「成り立ち」
一九八〇年代~九〇年代前半の時代特性
『主婦の友』の「教育費取材」―話題提供による資金計画への誘導
あたらしい着眼―全国的な取材構成による「教育費計画百科」
「教育の経済」の「成り立ち」
第三節 家計支出教育費の万華鏡的様相
『DIME』―数値表示の雑誌
『微笑』で見る一八年間
『SOPHIA』―ファイナンシャル・プランナーの登場
『主婦と生活』という亜種
『クロワッサン』―教育費負担反発と教育信念確認
『ミセス』―ライフステージごとのやりくりと保障内容別資金設計
『婦人倶楽部』―小回りのきくアドバイス
『NEXT』―父親の「経済学」
まとめ―家計支出教育費と「教育と教育行政」
「教育の経済」成り立ち―その理論構成
公共性の外部としての「家計支出教育費」
教育行政を補助とする教育の原理
「教育の経済」と公費支出原則
あらたな入会地
第三章 評価と社会・国家
はじめに
第一節 国家責任の歴史的分析
財政政策と「国家責任」
組織と市場へのまなざし
国家責任論の展望
第二節 公教育論の構成
公教育論の三段階と今日
教育関係学会における「公共性」論
公共性再編の課題
第三節 教育評価と社会・国家
教育評価の位置―媒介としての「社会」と「通念」
評価・目標サイクルと「教育と教育行政関係」の再政治化
「教育評価」の責任範囲と公共性
第四節 教育振興基本計画と教育改革特区
評価国家の二つの政策手法
教育振興基本計画
評価国家の機構関係と政策課題
「特区」政策―空間の焦点化と政策目標
コラム2 教育政策
コラム3 生活指導・生徒指導
第四章 歴史的権利としての学校建営
はじめに
第一節 学校選択を考える視点
「学校―社会」の歴史段階
教育制度の戦後
第二節 就学の意味変化
「信任」の後退 契約の「通念化」
包括的・関係的概念としての在学契約
教育的価値としての教育区
第三節 学習社会における人と法人
インクルーシブな教育―「学習社会からの教育改革」の中間総括
市民による教育事業
官・民・公共
学習社会の存在基盤―市民のまとまりと公益
第四節 学校建営の歴史的意義
「就学」の二重化
「学校をつくること」への着目
教育政策と政策―評価の視点
現代への示唆―一九四一年の「断絶」
コラム4 義務教育費国庫負担廃止問題
第五章 教育基本法と地域空間―教育制度の拡大・定着・成熟に着目して
はじめに
第一節 学区制と市町村
市町村のまとまりと学校のまとまり
一九七五年以降の教育と社会の経路
高校という教育経験―市町村を越える学校制度
政治と学事
第二節 教育の長期変動と法関係
教育変動と「世代」
「教育の公共性」の法関係
第三節 改変の現段階―「教育と教育行政」関係
「教育と教育行政」の社会関係
教育行政の空間的責任
教育空間論の課題
第四節 地域と公共性―再編の方向
都道府県による通学区域設定―後期中等教育整備の責任主体
規制基調からの転換
地域教育制度―システム構築の課題
まとめ
コラム5 学校選択制と学区制
コラム6 教育改革―学校選択と学区制度
コラム7 自治体の教育計画の策定
あとがき
人名索引
事項索引

著者|author

三上和夫(みかみ・かずお)
神戸大学発達科学部教授。主な著書に『学校と学区の地域教育史』(共編著、川島書店、2005年)、『学区制度と学校選択』(大月書店、2002年)など。

担当編集者から

本格的な教育経済論としてかっちりとしたつくり。先日、横浜で開催された教育学会でも好評を博す。各女性雑誌の「こんなにかかる教育費!」特集を追いかけて得られた具体的なオカネの実態は興味深く、塾に通い私立へ進学した私も身につまされた。改めて両親に感謝。天秤をモチーフにした装丁は萩原。[-井戸川-]

 

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ナショナリズムと宗教―現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動

ナショナリズムと宗教

現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動

  • 中島岳志/2005年8月
  • 3619円(本体)/四六判上製・384頁

ナショナリストとは誰か? インド国内メディアでさえ取材の難しい過激な宗教ナショナリズム運動の内部深く入り、その活動実態と理念を明らかにする。『中村屋のボース』で話題の著者による新しい民族誌!
第一回南アジア学会賞受賞
日本図書館協会選定図書
(ISBN 4861100488)

目次|indexs

はじめに
第一章 公共圏・ナショナリズム・宗教
はじめに
第一節 公共圏と宗教
世俗化パラダイムの脱構築/公共圏における善と正義/公共圏とサバルタン
第二節 ナショナリズムと宗教
近代主義的ナショナリズム論/「宗教ナショナリズム」論/ナショナリズム運動と主体
第二章 ヒンドゥー・ナショナリズムの歴史
はじめに
第一節 ヒンドゥーの近代
「ヒンドゥー」の近代的客体化と植民地支配/インド独立運動のなかのヒンドゥー・ナショナリズム/ポスト植民地社会としての現代インド
第二節 ヒンドゥー・ナショナリズムの台頭
インディラ・ガンディー政権と国民統合(一九八〇―一九八四)/ラジーヴ・ガンディー政権のポピュリズムと政治腐敗(一九八四―一九八九)/ジャナタ・ダル政権とアイデンティティ・ポリティクス(一九八九―一九九一)/ラオ政権から統一戦線政権へ(一九九一―一九九八)/BJP政権の成立(一九九八―二〇〇四)
第三章 ヒンドゥー・ナショナリズム運動の組織と理念
はじめに
第一節 ヒンドゥー・ナショナリズム運動の組織
RSSの組織形態/サング・パリワール
第二節 ヒンドゥー・ナショナリストの理念
ヒンドゥーとは誰か?/有機体的国家としての「ヒンドゥー・ラーシュトラ」/「真のセキュラリズム」論/サンスクリット語による国民統合/カーストとトライブ
第四章 身体のポリティクス
はじめに
第一節 シャーカー
シャーカーの活動内容/国民規範としてのダルマ
第二節 国民的身体の形成
身体の客体化と自己統御/時間・空間・制服/整列・行進・スポーツ・ヨーガ
第三節 現場リーダーによる表象
神話の流用/母なる大地と国民国家の領土
第四節 参加者の主体
ニューデリーにおける四つの事例/上層・中間層のシャーカー/下層民のシャーカー
第五章 サバルタン的公共性とヒンドゥー・ナショナリズム
はじめに
第一節 社会奉仕活動と国民統合
セワー・バーラティの活動概要/セワー・バーラティの理念
第二節 スラム街におけるヒンドゥー・ナショナリストの活動
ニューデリーK町のスラム街/セワー・バーラティの教育活動/ダルマに生きる
第三節 民衆のエージェンシーとヒンドゥー・ナショナリズム
ヒンドゥー・ナショナリズムを飼い馴らす/共鳴するダルマ/ヒンドゥー復興とヒンドゥー・ナショナリズムの狭間
第六章 ヒンドゥー・ナショナリズムと暴力
はじめに
第一節 バジュラング・ダル
構成員/シャクティとバクティ
第二節 政治集会・デモ・ヤートラー
事例の概要/主催者の意図、参加者の主体
第三節 主体・逸脱・暴力
パフォーマンスのアリーナ/暴力とレジティマシー
おわりに
参考文献

著者|author

中島岳志(なかじま・たけし)
1975年、大阪生まれ。大阪外国語大学(ヒンディー語専攻)卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。学術博士(地域研究)。博士論文で第三回アジア太平洋研究賞受賞。京都大学人文科学研究所研修員、日本学術振興会特別研究員。著書に『中村屋のボース インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社)、『ヒンドゥー・ナショナリズム 印パ緊張の背景』(中公新書ラクレ)。

担当編集者から

骨太なナショナリズム研究書。基になった論文は第三回アジア太平洋研究賞を受賞している。だが、単なる学術書に止まらないのは、中島氏がインドの人びとと真正面から対峙してきたからだろう。校正校閲を通じ、そのことが伝わってくる。
ブックデザインは矢萩多聞氏。各章トビラ裏に写真をふんだんに使い、読みやすい組を考えてくれた。装丁にはヒンドゥー・ナショナリズムに参加する民衆の渇望感、不安を象徴する一枚を。
『中村屋のボース』と並び、間違いなく著者の主著になるであろう一冊。[-長田-]

 

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情熱の素

情熱の素

  • 丹羽文生/2005年8月
  • 1500円(本体)/四六判並製・242頁

ペマ・ギャルポ(チベット文化研究所)、二葉百合子(歌手)をはじめ、教育、起業、国際ボランティア、剣詩舞道、食、それぞれに情熱を傾ける7人に訊く。<夜の時代>をたくましく生きるためのヒントがちりばめられたインタビュー集!
日本図書館協会選定図書
(ISBN 486110047X)

目次|indexs

はじめに
教育への情熱/池田晃
舞への情熱/田村天聖月
食への情熱/寒川良作
他者への情熱/IVUSA
歌への情熱/二葉百合子
ビジネスへの情熱/田中克明
歴史への情熱/ペマ・ギャルポ
おわりに

著者|author

丹羽文生(にわ・ふみお)
一九七九年、石川県生まれ。政治アナリスト。

担当編集者から

インタビューはおもしろい。めちゃくちゃ緊張するし、聞くことを聞けばそれでよしというわけでもないから大変だが、そういうことを含めておもしろい。聞いたときすぐに分からなくても、編集の過程で、根のようなもの、話し手の無意識の履歴といったものが次第に見えてくる(気がする)。話し言葉の不思議に感動![-三浦-]

 

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『イーリアス』日記

『イーリアス』日記

  • 森山康介/2005年8月
  • 2800円(本体)/四六判簡易フランス装・448頁

原書24巻1万5千行を1年かけ読破、日々の暮らしで感じた折々の感想を綴る。原詩の音とリズムによって触発され浮ぶ言葉が、過去と夢、生の意味を呼び覚まし、ホメロスの描く世界が日常と交差し響きあうエッセイ。
(ISBN 4861100461)

著者|author

森山康介(もりやま・こうすけ)
1950年札幌市生まれ。現在、神奈川県横浜市在住。句集『寒卵』『九つの傷』ほか。

担当編集者から

森山さんは無類の本好き。読むのはもちろん、本の存在そのものが大好き。校正、写真の選択など、本をつくる過程一つ一つがとても楽しそう。嬉しいなあ。本をつくる歓びを改めて実感。本の中身はこちらをご参照のほど。装丁は長田。[-山岸-]

 

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