羊と隕石

羊と隕石

  • 上田丘/2005年4月
  • 1500円(本体)/四六判並製・172頁
  • 装丁:矢萩多聞

「今夜も又 疲れた犬がうろつき 吠える」。解剖台の上で藍色のスーツの女と中也が出会う。象徴とビートにみちたポップでシュールな恋愛詩集。
(4861100356)

目次|indexes


死の王国/So, Dance!/愛と岩/怠惰/She Is Machine/せつなき風景/詩人達と恋人達/In Which/秋夜狂歌/哲学

Her Body/巨像と女/目の前の現実/Momentum/破滅の申し子/彼女の部屋に有った物/胸/玩具/光と闇の向こう/幻の塔/罪/関係/焦燥/片想い/デートの第一声/やけくそ /詩人的な美学(美意識)/僕が言った事

監視の中/A Sonnet/疲れた犬(A Sonnet に加えて)/穴/Mr. Hare’s Reading/憤懣/翼をもがれてもがく白鳥/視点/混乱と平静/Bless My Colour/世の中―甘えられるほど甘くない物―/Bye-bye/孤独とパレード/街へと

休日/カップルと恋/The Time Passes By/大衆とジャズ・ポップス/甘い意見と彼女/出掛けた後に/気を取り直して(休息)/瑞々しさと平凡/忙しい生活/風邪気味/或る晴れた日/休息の無い人の詩/世の中/料理と孤独
あとがき

著者|author

上田丘(うえだ・たかし)
1975年生まれ。川崎市在住。

担当編集者から

詩人の上田氏はぼくと同年。ふだんは自分より(かなり)年上の著者と仕事をすることが多いので、同世代の書き手は新鮮だった。呑みながら何度も打ち合わせを重ね、ゲラをやりとりした。
「夜は君等のものではない」という詩句がある。夜に溶け込むことのできた年齢を過ぎ、そろそろ「おじさん」と呼ばれるようになった男の、寂しさと煩悩としょうもなさとが滲む詩集で、愛着がある。[-内藤-]

 

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ウォーキング

ウォーキング

  • ヘンリー・D・ソロー著 大西直樹訳/2005年4月
  • 1800円(本体)/四六判変型・112頁

十九世紀中葉の作家ソロー。『ウォールデン 森の生活』で知られる彼の精髄をコンパクトに伝える傑作エッセイを平易な新訳で送る。ソロー入門としても格好の一冊。
日本図書館協会選定図書
(4861100305)

推薦の言葉

アメリカの詩人で自然愛好家のヘンリー・デイビッド・ソローが死んだのは143年前である。しかし、森歩きへと誘う彼の言葉ほど新しいものはない。医学も原野のウォーキングが肉体と精神のどちらにも有益であることを証明しはじめている。いつまでも若さあふれるこの言葉を読んでください。そして詩を感じてください。
-C.W.ニコル(作家)

目次|indexs

ウォーキング
訳者解説
あとがき

著者|author

ヘンリー・D・ソロー(Henry David Thoreau)
1817年マサチューセッツ州コンコードに誕生。ハーヴァード大学卒業後、41年から同人誌『ダイアル』への執筆、編集などにたずさわる。前後してニューイングランドへの小旅行をかさね、その経験から『コンコード川およびメリマック川における一週間』『ケープ・ゴッド』などの作品を執筆。1845年からウォルデン湖畔に2年間単独で生活し、その記録を『ウォルデン・森の生活』として発表。生涯独身を貫き、定職につかず、1862年、44歳で死去。

訳者|translator

大西直樹(おおにし・なおき)
1948年東京生まれ。国際基督教大学教養学部人文学科、同大学院比較文化研究科卒業。学術博士。アーマスト大学卒業、ハーヴァード大学英米文学科および神学部ヴィジティング・スカラー。現在、国際基督教大学教養学部教授。
著書に『ピルグリム・ファーザーという神話』(講談社)、訳書にローレンス『アメリカ古典文学研究』(同)など

担当編集者から

『ママには内緒だよ』につづく、春の翻訳フェア(笑)第2弾。いやあ、苦労しました。訳者の大西先生とともに、小難しいソローの原文に難儀し、少しでも読み易い訳文めざし練りに練った。だいぶこなれた日本語になっているはず。ソロー独特のくねる蛇のような文章にふれ、その奥底に流れる深い自然観に打たれていただきたい。美しい挿画は版画家・牛尾篤さん。[-内藤-]

 

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ママには内緒だよ 

ママには内緒だよ

  • トム・ハート著 石川康弘訳/2005年3月
  • 1800円(本体)/四六判上製・300頁

それは十一歳の朝に始まった…狡猾な父、快楽に溺れる娘、二人の関係に気づきながら見て見ぬふりをする母。雪崩を打って崩壊する家庭。三者の視点で重層的につむがれる、限りなくリアルな近親相姦の物語。
日本図書館協会選定図書
(4861100275)

著者|author

トム・ハート
1921年英国マンチェスター生まれ。妻バーバラとともに各種青少年養護施設に勤務し、ソーシャルワーカーとして恵まれない子どもたちの構成と社会復帰に貢献。1973年出版の処女作 A Walk with Allan で脚光を浴び、その後次々に話題作を発表。代表作に本書 Don’t Tell Your Mother(1979)ほか、They Call it Murder(1977)、Their Own Kind of War(1989)、Fairies and Friends(1981)などがある。1996年没。

訳者|translator

石川康弘(いしかわ・やすひろ)
1940年生まれ。青山学院大学文学部卒業後、同大学院修士課程修了。英文学(近・現代イギリス小説)専攻。現在、関東学院大学文学部教授、同大学院指導教授。
著書に『トマス・ハーディー―その知られざる世界』(北星堂)、『文学・ことば・思想』(共著、丸善プラネット)。訳書に『幸せはどこに』(かなしん出版)、『ウエスト・ポーリー探検記』(千城)、『地主の娘』(共訳、千城)など。

担当編集者から

近親相姦について報道される場合、当事者たる父娘の関係ばかりに焦点が当てられ、母親については語られることが少ないようにみえる。内田春菊『ファザーファッカー』も娘と父親の物語だった。
しかし、家庭内で「事件」は起こる以上、母親だって立派な当事者である。なぜ母親は気づかないのか、気づいても止められないのか。どんな心境なのか。本書が面白いのは、そこをあつく書いているからだと思う。
精神を病み崩れゆく母親の長い独白は凄絶。[-内藤-]

 

※品切れ重版未定

愛妻切紙四十八手

愛妻切紙四十八手

  • かまくら源・作/2005年3月
  • 1500円(本体)/四六判上製・144頁

密やかな歓び 滴る闇― ハサミと紙を使った男女交合図。時代は違っても男女の営みは変わらない。面白可笑しく滑稽な切紙世界を堪能する。戦後間もなくの刊行とされる地下本『鴛鴦閨房秘考』の文章が白黒空間に彩りを添える。
(4861100259)

 

目次|indexs

一 網代本手/二 揚羽本手/三 いかだ本手/四 せきれい本手/五 ことぶき本手/六 洞入り本手/七 笹舟本手/八 深山本手/九 入船本手/十 唐草居茶臼/十一 忍び居茶臼/十二 濱千鳥/十三 横笛/十四 こぼれ松葉/十五 菊一文字/十六 浮橋/十七 八重椿/十八 つばめ返し/十九 万字くづし/廿 出船うしろ取り/廿一 つぶし駒掛け/廿二 本駒掛け/廿三 〆込み錦/廿四 〆込み千鳥/廿五 うしろ櫓/廿六 亂れぼたん/廿七 本茶臼/廿八 いかだ茶臼/廿九 時雨茶臼/卅 機織茶臼/卅一 御所車/卅二 月見茶臼/卅三 寶船/卅四 空竹割/卅五 しがらみ/卅六 いかだくづし/卅七 廓つなぎ/卅八 かげろう/卅九 きぬた/四十 狂い獅子/四十一 花菱ぜめ/四十二 尺八/四十三 椋鳥/四十四 白光錦/四十五 さかさ椋鳥/四十六 二ツ巴/四十七 立鼎/四十八 やぐら立ち
続一 俵だき本手/続二 浮島本手/続三 つるべ落し/続四 だるま返し/続五 地蔵抱き(居茶臼)/続六 鳴門うしろ取り/続七 いすか取り/続八 裾野/続九 坐禅ころがし/続十 押し車/続十一 花あやめ/続十二 下り藤/続十三 やぶさめ/続十四 ひよどりごえ/続十五 八ツ橋/続十六 丁字引き/続十七 巣ごもり/続十八 虹のかけはし/続十九 絞り芙蓉/続廿 石清水

作者|author

(かまくら・げん)
切紙作家。1943年神奈川県生まれ。長年勤めた建設会社をリタイア後、制作活動に入る。
ハサミを駆使し、丸みのある独特の線を表現することにかけて定評がある。

担当編集者から

男女交合図といえば、インドのカジュラホがつとに有名。カンカン照りの太陽のもと、これでもかというぐらい伸びやか(!)にあれこれ(?)交わっている。
切り紙作家かまくら源氏の作風は、それとはまた別の滑稽味あふれる日本独自のもの。シルエットなのに思わずニヤリ。[-三浦-]

 

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精霊の子供―コモロ諸島における憑依の民族誌

精霊の子供

コモロ諸島における憑依の民族誌

  • 花渕馨也/2005年3月
  • 6476円(本体)/A5判上製・434頁

「私は私でない」― インド洋西端に浮かぶコモロ諸島。そこで繰り広げられる憑依儀礼は自他の区別を融解し、もう一つの「現実」を作り上げる。精緻な民族誌が明かす精霊世界。
日本図書館協会選定図書
(4861100313)

目次|indexs

はじめに
序章 問いの射程

憑依の奇妙さ
人類学の憑依研究
視点と方法
フィールドワークの足跡
第一章 ファティマの島
ファティマ
インド洋の交差点
植民地化と独立以後
ニュマシュワ村の生活
精霊憑依の流通と変化
第二章 日常と憑依
精霊憑依の知識
信念と実践
女性の社会的身体
イスラムのとり込み
境界侵犯と革新
第三章 精霊の出自
両義的存在
精霊の種族
分布と拡散
親族と社会
個としての精霊
パラレル・ワールド
第四章 病気と負債
病気から憑依へ
症状と文脈
神、呪術、精霊
憑依治療儀礼の過程
二重のイニシエーション
三つの語り口
第五章 共生関係
ファティマとサリム・アベディ
共生関係
分離と統合
ダダの託宣
シェトァニを祓う
同調と辻褄合わせ
第六章 三つのマウ
共生社会の構図と欲望
マウの制裁
サリム・アベディのマウ―夫婦喧嘩の顛末
シディ・マリのマウ―疎遠にされたジニの嘆き
ルヒ・ブン・スビヤニのマウ―最後の調停
揺れ動く主体/コンテクスト
終章 憑依というふるまい
精霊として生きる
「ふり」と「ふるまい」
憑依のあそび
あとがき
参考文献

著者|author

花渕馨也(はなぶち・けいや)
1967年北海道生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。文化人類学専攻。現在、北海道医療大学看護福祉学部勤務。

担当編集者から

文章の校正校閲はもちろん、著者とじっくり話し合い、本のディレクションを決めることも編集。小社から刊行されている『癒しと呪いの人類学』『「精霊の仕業」と「人の仕業」』はどちらも全頁写真入りの民族誌。そこにつらなるラインナップということで、ビジュアル面も豊かにしたい! そこで提案。各章トビラ裏に口絵のようなかたちで現地の写真を入れてはどうか。これがツボに嵌まった。ブックデザインは天才矢萩多聞。口絵のアイデアを伝えると賛同し、文章を引き立てるかっこいいデザインに仕上げてくれた。一人でも多くの人に手にとって欲しいと願う。
本づくりに携わる人たちの関係が「本」に収斂していくことをまざまざと感じた一冊。[-長田-]

 

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友縁の旅びと―すべては今から始まる 

友縁の旅びと

すべては今から始まる

  • 原田勝弘先生退職記念文集編集委員会/2005年3月
  • 3800円(本体) /四六判・469頁

明治学院大学社会学部でゼミナールを担当して以来(1967年度生から2002年度生まで)のゼミの卒業生と現役生を中心に、関係者たちが寄稿した原稿やゼミ雑誌『フェルケール』の一部などをまとめた退職記念文集。
(ISBN486110033X)

目次|indexs

はじめに
原田ゼミの三五年
卒業論文タイトル一覧
交流の思い出
『フェルケール』のことばから
協力者寄せ書きから
編集後記

 

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〔品切重版未定〕

大河ドラマ「義経」が出来るまで

大河ドラマ「義経」が出来るまで

  • 黛りんたろう/2005年3月
  • 1500円(本体)/四六判上製・184頁

2005年NHK大河ドラマ「義経」のディレクターがみずから記した怒涛の演出日記。配役、台本、音楽、タイトルバック、ロケ、時代考証、衣裳合わせ等々、“NHK大河”がどんなふうに出来あがるのか、はじめて明らかにする。義経役の滝沢秀明氏との対談も収録。
(4861100291)

目次|indexs

前説
対談 黛りんたろう×滝沢秀明
大河ドラマ「義経」が出来るまで

閃光のように/アポロン的存在/テーマはいかに/根無し草/血縁帝国/純粋さが光る俳優/半端じゃない/シナリオ合宿開始/新たな鉱脈/ギリシャ悲劇のような/大河といえども小さな川から/泣けてくるほど熱い/下天の内をくらぶれば/彼しかいない/シナハン再開/愛馬と眠る/蘭陵王/本能的エロティシズム/何を求め、何を思い/ヒトラーと清盛/画面の中の居心地/敬遠される傾向/時代劇の伝統/芸能考証/主役決定/美しいという宿命/大河ドラマのディレクター/美術スタッフの仕事/義経、見参!/脇目もふらずにひた走る/虚構の上に成り立つ真実/衣裳の力/二分四十秒の「夢」/第一話台本完成/両刃の剣、ハイビジョン/見せる殺陣/合戦の地はどこだ/アート化するタイトルバック/巨匠の切り絵/テーマ音楽/一期一会/ああ、腹減った!/フィルムキャメラの錬金術/桜吹雪とデミ・ムーア/戦友との語らい/御霊のせい?/物づくりへの尽きない情熱/様式美の世界/拡声器で「死ね!」/画に生きるカネ、生きないカネ/衣裳合わせ開始/革命的かつら/小劇場の女王/ラジコンヘリの威力/ポスターの域を超えた写真/タイトルバック、ロケ終了/義経の声/平和を寿ぐ舞い/理想郷/覇気、勇気、決断力/演出の第一歩/突然の訃報/思わずため息/タイトルバック、最終工程/埋まらぬ喪失感/イメージと、現実の制約/鬼のような女と兄弟の涙/言霊の奥行き/ケガレナキ、アソビメ/残してくれたもの/ロケ開始/何が起こるかわからない/不思議な魅力を秘めた女優/血清常備/映らないところを飾る/「OK」の演技ではなく/いよいよ一ノ谷/超越的行動本能/熱でヒリヒリ/時代劇の息づく町/平家は細面/手の平に収まるカメラを携えて/撮影の天敵/理ではなく感性/本当の門出/清盛から義経へ/死から生への転換/まず、芝居ありき/イメージを伝える難しさ/五条の大橋/音入れ完了
あとがき

著者|author

黛りんたろう(まゆずみ・りんたろう)
1953年、東京生まれ。1975年、学習院大学文学部哲学科卒。日本放送協会入局、京都局勤務を経て、東京ドラマ部へ。これまでに大河ドラマ「花の乱」「秀吉」、映画「RAMPO」「すずらん」などを手がける。2005年大河ドラマ「義経」のディレクター。

 

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信仰の美學

信仰の美學

  • 阿部仲麻呂/2005年2月
  • 9500円(本体)/A5判上製・710頁

「美」を手がかりにした新しい福音理解。カトリック信仰と西田哲学を軸に古今東西の思想を読み解き、西欧的理性主義を超えた「日本的霊性の神学」構築を試みる。
日本図書館協会選定図書
(ISBN 4861100283)

推薦の言葉

カトリック司祭であり、若手神学者である阿部仲麻呂師のエッセンスを凝縮した膨大な論集である。玉手箱のような多岐にわたる論説の数々は、著者の関心の広さを顕している。しかし方向性ははっきりしている。大和回帰である。阿部師による日本の神学の展開に注目している。
岩島忠彦(上智大学神学部教授)
著者は日本の文化に深い愛を抱く研究者にして、西欧精神の中心的伝統であるカトリックの司祭。この若き神学者の瞑想から生まれた珠玉の文章が、はじめて一冊にまとめられたことを心から歓迎したい。
渡部昇一(評論家)
序文―小野寺功
日常的な霊性の探究と司牧と研究の一致をめざし、あらゆる現実の矛盾に向きあい、誠実に歩みを進める阿部神父の「いのち」が反映している。

目次|indexs

第一部 花―日本文化の創造性
エッセイ1・おもい
ⅰ 和歌・能・茶道―ひとすじの日本性
ⅱ あはれ
ⅲ 心の底のやまとたましひ―阿倍仲麻呂論
ⅳ 夢幻的交流―空あるいは縁の世界
ⅴ 花の神学あるいは日本の生活美とキリスト教霊性―美・花・光・夢
エッセイ2・えにし
ⅰ 永遠のいのち
ⅱ 一期一会の味わい
ⅲ 松尾芭蕉の旅
ⅳ 十四世紀という時代―エックハルトと世阿弥
ⅴ キリスト者と陰陽道
ⅵ 日本人の修行観―道
ⅶ 道元の修行観とキリスト教
エッセイ3・ひびき
ⅰ 創造的に生きる
ⅱ 藝術創作について
ⅲ 藝術と真理―解釈学的に
ⅳ 藝術における逆説について
論文1・認識の共通基盤―神道・仏教・キリスト教の響存背景(life-context)
ⅰ アニミズムの論理―東北的アニミズム神学の構築に向けて
ⅱ 「美」の可能性―藝術理解・修行観洞察・諸宗教対話
ⅲ 神学と哲学の根源から思索する
ⅳ 本覚思想のキリスト教的適応―『大乗起信論』を手がかりにして
ⅴ 東西霊性交流の架橋―ホアン・マシア『大乗起信論』スペイン語訳
ⅵ 夢幻能の「救い」―世阿弥の「花」を手がかりにした解釈学的美学の試み
ⅶ 『十牛図』のキリスト教的可能性
第二部 風―神学的ネットワークと神秘霊性
エッセイ4・つながり
ⅰ 多様なものがひとつに活かされるために
ⅱ いのちのつながり―宇多田ヒカルさんの思いから
ⅲ ネオ・コスモポリタニズム
ⅳ 「インターネット神学」へ向けて
ⅴ ドビュッシー・ジョビン・サカモト
ⅵ 組織と運動
ⅶ 神が呼び集めてくださる
エッセイ5・まなざし
ⅰ アッシジ
ⅱ ドイツ神秘霊性―マイスター・エックハルトの思想を中心にして
ⅲ シエナの聖カタリナ
ⅳ 聖イグナチオ・デ・ロヨラについて
ⅴ エディット・シュタインとの出会い
ⅵ 回勅『信仰と理性』の成立背景
ⅶ 関係性と相互の歩み寄り―マルティン・ブーバーの思想
論文2・エックハルトの思想―のびやかないのちの躍動
ⅰ かたちのあらわれ
ⅱ 擬ディオニュシオス『神秘神学』における神理解
ⅲ エックハルトの「離脱」
ⅳ エックハルトにおける神と人間の出会い
第三部 祈―現代の神学をめぐって
エッセイ6・こころざし
ⅰ 無神論について
ⅱ 『カトリック教会のカテキズム』について/信仰宣言
ⅲ 三位一体の神
エッセイ7・たまゆら…
ⅰ 「諸宗教者の集い」に参加して
ⅱ 「聖霊」における諸宗教者の共歩―万物の根源に向かって
ⅲ 主イエスへの祈り―距離と共生
ⅳ ユダヤ教とキリスト教の対話―イエスとパウロの選民意識
ⅴ 秘跡論序説
ⅵ 「いのち」の尊さ―回勅『いのちの福音』にもとづいて
ⅶ マリア/おはよう!
論文3・美しき現代哲学―京都学派哲学とキリスト教の深まり
ⅰ 科学と信仰の「根本場」―柳瀬睦男『現代物理学と新しい世界像』に即して
ⅱ 知られざるキリスト者―九鬼周造
ⅲ 逢坂元吉郎の思想
ⅳ 小野寺功の思想をめぐって(Ⅰ)―『絶対無と神 京都学派の哲学』
ⅴ 小野寺功の思想をめぐって(Ⅱ)―『聖霊の神学』
ⅵ 「良心」と「誠」をめぐって―竹内修一『良心と人格』
ⅶ 基礎神学の実用的な俯瞰図―ジェラルド・オコリンズ『基礎神学の復権』
ⅷ 美の神学のかなたに
ⅸ 日本近代哲学の神学的意義―西田幾多郎「逆対応の論理」の構造と可能性
第四部 光―まことのひらけ
エッセイ8・ゆるしの風光―つつまれるやすらぎ
ⅰ ゆるされた喜び
ⅱ 聖霊降臨の日に
ⅲ 「ゆるしの秘跡」の現場で
ⅳ 「ゆるしの秘跡」について
ⅴ 聖霊論的「ゆるし」理解
ⅵ 聖母マリアについて
ⅶ 嫉妬と信頼
ⅷ あわれみの心
ⅸ 主の思い
ⅹ 神の視点と人間の視点
ⅹⅰ 復活について
ⅹⅱ 福音のひびき
あとがき

著者|author

阿部仲麻呂(あべ・なかまろ)
1968年生まれ。上智大学文学部哲学科および神学部神学科を卒業。同大学大学院神学研究科博士前期課程を経てイタリアへ留学。教皇庁立グレゴリアン大学大学院神学部基礎神学科修士課程修了。上智大学大学院神学研究科博士後期課程在籍後、現在も博士論文を執筆中。カトリック司祭。
主要著訳書に、上智大学新カトリック大事典編纂委員会編『新カトリック大事典』(研究社)、レオナルド・ボフ「解放の神学とエコロジー」(『神学ダイジェスト』第81号)ほか多数。

担当編集者から

ヨーロッパにおける思考様式は、三段論法的に、また弁証法的に一段一段、階段を積み上げ論理を展開していくやり方が長く支配的だった。ソクラテスにはじまりデカルトを経てカント、ヘーゲルに至る主流の歴史である。
これに異を唱えたニーチェは、断章形式(アフォリズム)という、論理を「展開しない」方法を構想し、思考の地殻変動を促した。
現代に生きる思想の本として、『信仰の美学』は後者を極限まで追求する。
700頁超の本文(束50ミリ!)で扱われるのは、西田・京都学派哲学と南方熊楠とエックハルトと坂本龍一と宇多田ヒカルとアッシジのフランチェスコとマルチン・ブーバーとイヴァン・イリイチと世阿弥と大乗仏教と阿部清明と…(まだまだある)。
ウタダとエックハルトは相当アバンギャルドな取り合わせだが、ともかく、これらを縦横に横断し、導き出そうとするのは一点、「日本文化とキリスト教」の接触点。
若きカトリック界の俊英の挑戦をぜひ受け止めていただきたい![-内藤-]

 

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写真集 東大全共闘・68-70

写真集 東大全共闘・68-70

  • 平沢豊 撮影/2004年12月
  • 2800円(本体)/変形判(250×250mm)上製・96頁

静かに生を問い、いつくしむようにして撮った時代の証言集! 1960年代末、当時東大生だった著者がつぶさに目撃した東大全共闘。主体性の問題、学問の自由、大学の自治、研究者の倫理等々、根底から問われつづけた問題は現代をも打つ。
日本図書館協会選定図書
(ISBN 4861100267)

著者|author

平沢豊(ひらさわ・ゆたか)
1947年生まれ。1971年東京大学文学部フランス文学科卒業。同年、平凡出版株式会社(現マガジンハウス)入社。1984年、『ELLE-JAPON』編集長に就任。その後、『BRUTUS』、『TARZAN』、書籍出版部の編集長を歴任。現在、書籍出版部所属。

 

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自治体の言語サービス―多言語社会への扉をひらく

自治体の言語サービス

多言語社会への扉をひらく

  • 河原俊昭(編著)/2004年12月
  • 2286円(本体)/A5判・300頁

在日外国人は困っている! 秋田県、沖縄県、旭川市など、14の自治体の言語サービス(情報提供、相談活動、通訳・翻訳、母語支援等)の現状と問題点を具体的な事例にもとづき紹介し、改善策を提示する。
(ISBN 4861100224)

目次|indexs

はじめに―言語サービスとは(河原俊昭)
第Ⅰ部 (関東地方)
第1章 「外国人」児童生徒のための母語保障―神奈川県内の事例研究(松原好次)15
第2章 「内なる国際化」―東京都の言語サービス(Peter Backhaus)
第3章 相模原市における言語サービス―「さがみはら国際交流ラウンジ」を中心に (手塚順孝)
第4章 外国人への日本語教育サービス―東久留米市の事例から (秋山容子)
第5章 多文化共生地域社会をめざして―川崎市の言語サービス (三好重仁)
コラム1 多文化共生の場 (八田洋子)
コラム2 ゴミの分別 (原隆幸)
第Ⅱ部 (東海、関西、沖縄地方)
第6章 人権の視点からみた安全への多言語対応―豊田市の事例から (岡戸浩子)
第7章 浜松市における在住外国人施策をめぐって―官民一体となった教育・学習支援の可能性 (淺間正通・安冨勇希)
第8章 沖縄県の言語サービス政策についての一考察 (樋口謙一郎)
コラム3 神戸と外国人 (中尾正史)
第Ⅲ部 (北海道、東北、北陸地方)
第9章 旭川市とユジノサハリンスク市の言語サービス (井筒勝信)
第10章 秋田県における国際化と外国語言語サービスの課題と展望 (榎木薗鉄也)
第11章 地方都市における「言語サービス」―山形市国際交流協会の場合 (高木裕子・古内綾子)
第12章 日本語指導を必要とするブラジル人児童生徒への対応―在住外国人少数地域・石川県小松市の事例 (後藤田遊子)
第13章 金沢市を変えるニューカマーたち (河原俊昭)
コラム4 NHKの語学講座に登場する外国人 (山川智子)
第Ⅳ部 (日本語教育)
第14章 「言語サービス」としての日本語教育 (鈴木寛子)

著者|author

河原俊昭(かわはら・としあき)
1950年石川県生まれ。東京大学文学部卒業。金沢大学教育学部教育学科研究科修了(教育学修士)。金沢大学社会環境科学研究科修了(社会環境科学博士)。現在、金沢星陵大学教授。
著書に『アジア英語辞典』(共著、三省堂)、『異文化理解の座標軸』(共著、日本図書センター)、『Languages and Language Policies in Insular Southeast Asia―Foucusing on the Philippines and Malaysia』(春風社)など。

担当編集者から

編著者の河原先生は、金沢市の言語サービスについて執筆されている。年に2度しか帰省しない私だが、古い地方都市である金沢にも在住外国人が増えていることはなんとなく肌で感じていた。友人から、勤務している会社で中国人やインド人が働いている、モンゴルの留学生と知り合いになったという類の話も聞いている。
在住外国人とどう接するか、という日本人側の悩みはあるだろう。しかし当然のことながら、より大きな問題や困難を抱えているのは在住外国人の人たちだ。彼らは、言葉も習慣も違う場所で、ごく普通の日常生活を営む術をどこの誰に尋ねたらいいのかわからないのである。
日本人でさえ煩雑なゴミの出し方をわかりやすく伝えるにはどうしたらいいのか。病気・事故、火事など、命にかかわる非常事態に遭遇したとき、迅速な行動がとれるような体制はできているのだろうか。
本書は、各自治体での取り組みを、インタビュー、アンケート調査、統計データの分析等にもとづいて紹介している。地域によって在住外国人の数も母語の種類もまちまちであり、いわゆる「お上のお達し」で解決できることは少ない。どの自治体も、地元の人と在住外国人の力を借り、手探りでよりよい言語サービスを見出そうと努力している。本書の事例を多言語社会への第一歩として検証し、実際の場面で役立てていただけたら、と願っている。[-山岸-]

 

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