ヨコハマ ヨコスカ 幕末 パリ

ヨコハマ ヨコスカ 幕末 パリ

  • 飯島耕一/2005年5月
  • 2800円(本体)/四六判上製・328頁

「おれだっていやだが、どうすればいいんだ」生と死、日常と狂気、時空の淵を彷徨う男がいる。単行本未収録の「パリ愛惜」ほか1篇を含む8作品で構成。話題の詩集『アメリカ』で読売文学賞受賞の詩人による自選短篇小説集!
日本図書館協会選定図書
(4861100402)

目次|indexs

ヨコハマ ヨコスカ 幕末 パリ
虹橋
ブナ林へ
パリ愛惜
顔見世は世界の図也夜寝ぬ国
神田滅多町の女
出発
硫酸の日々
あとがき

著者|author

飯島耕一(いいじま・こういち)
1930年岡山市に生まれる。1952年東京大学文学部仏文科卒業。2000年3月まで明治大学教授。一九五三年詩集『他人の空』。1955年シュルレアリスム研究会をつくって数年間続いた。詩集に『ゴヤのファースト・ネームは』(高見順賞)、『夜を夢想する小太陽の独言』(現代詩人賞)、『さえずりきこう』、『浦伝い 詩型を旅する』などがあり、評論集に『日本のシュールレアリスム』、『萩原朔太郎』、『白秋と茂吉』、『シュルレアリスムという伝説』などがある。他に小説『暗殺百美人』(ドゥ・マゴ文学賞)、『小説・平賀源内』、著作集として『飯島耕一・詩と散文』(全5巻)がある。近作詩集『アメリカ』で2004年度読売文学賞と詩歌文学館賞を受賞。2013年10月14日、吸収不良症候群のため死去。

担当編集者から

「詩の武芸者」飯島耕一さんの短篇小説ベスト集。
恐るべき博識に裏打ちされた、大らかな文体の織りなす掛け値なしの傑作ぞろい。たとえばオビ惹句に用いた「出発」のラストシーンはこうだ。

「こんな時代を何とかしたくないんですか」と、その女の声は囁き続けた。
「おれはしかし動きたくないのだ。おれだっていやだが、どうすればいいんだ。おれは何もしたくないんだ」と、わたしは内心で繰り返していた。
エスカレーターに乗ってホームの上まで行ってしまえば赤や青や白のセルロイドのような椅子があり、キオスクと呼ばれる売店があり、すでにそこは感傷に耽るような場所ではなかった。

「出発」は今から28年前の作(故ヤスケンさんの依頼による)だが、この底知れぬ絶望、けっして過去のものではないと思う。
本物の小説をお探しの方、ご損はさせませんぜ![-内藤-]

 

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さなぎの時代の教育学

さなぎの時代の教育学

  • 奥野雅和/2005年5月
  • 1400円(本体)/四六判並製・178頁

どこの家庭にもある「普通の」悩みへの処方箋―15年間の教師生活を通じ、生徒たちとの触れ合いから見えてきたものは…現場をふまえた最新教育エッセイ!
(4861100364)

目次|indexs

はじめに
第一章 子どものとらえ方
1 子どもの心の理解
人の心を理解することは難しい/ライフサイクルから青年期をみると/疾風怒濤のさなぎ時代
2 今の子どもたち
子どもの現在/坐り、刷り合わせ、落としどころ/成人後の集団行動/個人の時代/落とし穴
3 学校では
生きる力/生きる力を育むために/生きる力の成熟
第二章 新しい時代の子どもを育てる
1 新しい時代に必要な力
意思決定のための判断/課題解決/異文化理解/共生/自分の役割を果たす/身の周りにある情報を活用する
2 新しい時代に必要な力を育てる
対応のヒント/自尊感情を育てる子どもと大人の関係/子育ての枠組み
3 子どもと大人のほどよい関係
正解を一つと限らない/異文化とのコミュニケーション/価値意識を豊かにする親の働きかけ
第三章 コミュニケーションを図るための心得
1 眼差し
来る者拒まず、去る者追わず/「情」と「関係」/共通の話題/原則/好きにしていいよ/試行錯誤の自由を保証する/先回りしないこと、壁になること/承認/子どもの気持ちにフィットする/親子の会話があれば大丈夫?/親の背中を見て育つ?/照れくさいほど真面目な態度も大切/親の取り組み/陰の努力/三割バッター/赤ん坊の頃を思い出して/自然の営みから学ぶ/モデルと実際
2 会話
不安は人をおしゃべりにする/会話はキャッチボールで/何を聞くのか/ねぇ/会話のキャッチボールを眺める/キャッチボールの終結
第四章 コミュニケーションを助ける技術
1 話を聞く
相槌/オーム返し/肩の荷を降ろす/取り扱い
2 対応する
受容・共感/感想を述べる/事実を伝える/総括より世間の情報/提案/わかったということを伝える/僕、わたし/まぁ、ええやんか/機が熟する
おわりに

著者|author

奥野雅和(おくの・まさかず)
1955年、京都市生まれ。京都文教中学・高等学校教諭。学校心理士。心理学・社会学の視点を取り入れたエデュケーションプランナーとして、子どもの育成に悩む保護者や教師を支援。
著書に『学校選びで人生が変わる』『情報教育の理論と実践』(共著)など。

担当編集者から

子供をさなぎととらえる見方に触発された著者だが、その根は、小学校時代の理科の実験にあった。過酸化水素水から酸素を発生させる実験において二酸化マンガンを触媒として使用することはつとに知られているが、この驚きがはじめにあった。子供に接する親や教師の「レッスンの場」として本書を手にとってもらえればありがたい。[-三浦-]

 

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カレワラ物語―フィンランドの国民叙事詩

カレワラ物語

フィンランドの国民叙事詩

  • キルスティ・マキネン―著 荒牧和子 訳/2005年5月
  • 1800円(本体)/四六判上製・210頁

「ムーミン物語」で知られる氷の国フィンランドの国生み神話『カレワラ』をやさしい物語にしたベストセラー、本邦初訳。魔法と冒険、滑稽とファンタジーたっぷりの愉しい世界。画家AKIKOの美しい挿画とともにおくる。
(4861100348)
厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財

『Trinity WEB』の「スピリチュアルエンタメ」で紹介されています。
「カレワラ物語」PART.1~サンタ・ムーミン・オーロラだけじゃない!フィンランドの底知れぬ魅力は老賢者の魔法の世界から

目次|indexs

ヴァイナモイネンの誕生/ヴァイナモイネンとヨウカハイネンの呪文合戦/アイノの運命/ヨウカハイネンの復讐/ポホヨラのヴァイナモイネン/ヴァイナモイネンの負傷といやし/サンポの鍛造/レンミンカイネンとキュリッキ/ポホヨラのレンミンカイネン/トゥオネラのレンミンカイネン/ヴァイナモイネンのトゥオネラへの旅/ポホヨラの娘への求婚競争/ポホヨラの婚礼/レンミンカイネンの無謀な幻想旅行/クッレルヴォ/金の乙女の鍛造/サンポ奪還の旅/シラカバの木のカンテレ/ロウヒの復讐/マルヤッタとカレワラの王/原著者あとがき/訳者あとがき

著者|author

キルスティ・マキネン
1939年フィンランド国タンペレー市生まれ。元ヘルシンキ大学哲学修士。ヘルシンキ大学助手、同インストラクター、ヘルシンキ市高等学校国語教員。カレワラ女性協会会長(1985~91)。2002年にLarin Paraske賞受賞。
著書に『Ajattelen Kynalani』(SKS)、『Suomen Lasten Kalevala』(OTAVA、本書)、『Sammon Sanat — Kalevalan Sitaatteja』(OTAVA)、『Kapalan Kosketus』(近刊)。

訳者|translator

荒牧和子(あらまき・かずこ)
1938年東京生まれ。東京教育大学理学部、コロラド大学大学院Ph. D。東京大学物性研究所文部技官、コロラド大学およびノースイースタン大学リサーチアソシエイト、東京女子大学助教授などを経て龍谷大学教授。
訳書に『七回の東方旅行』(中央公論社。原作『Seitseman Retkea Itaan』G. J. Ramstedt著)ほか。論文に「Separation of Amines by Ligand Exchange」(Analytica Chimica Acta)ほかがある。

挿絵画家|illustrator

AKIKO(あきこ)
1968年北海道生まれ。1997年、表参道にて作品を展示。アーティスト活動を始める。1998年放送作家・志岐奈津子とのコラボレーションによる絵本『simple side.』を発表。2000年アトリエ兼ギャラリー「nociw」をオープン。ここを拠点に創作活動、個展を行うかたわら、REVOLVERとのコラボレーションTシャツを発表。絵本に『KANTO』『wor un nociw』などがある。現在、各地で精力的に個展・イヴェントを開催。
AKIKOホームページ

担当編集者から

春の翻訳フェア(!)第3弾。
平易だが詩情あふれる物語で、氷の国の凛とした神話世界を堪能できる。岩波文庫の「カレワラ」に辟易した向きも、これならとっつきいいはず。
フィンランドといえばまず作曲家シベリウス(とムーミン)が浮かぶが、「クッレルヴォ交響曲」「アイノ交響曲」などシベリウス作品には「カレワラ」にちなんだものも多い。実際、物語を知ってから聴くと情景もぐっと鮮やかに。音楽好きにもぜひ![-内藤-]

 

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はじめよう! 生きがいとしての英語

はじめよう!

生きがいとしての英語

  • 石田正/2005年5月
  • 1500円(本体)/四六判並製・264頁

何歳からでも英語は話せる! 23年間にわたり中高年に英語を教えてきたスペシャリストが、究極の学習法を提示する。楽しく英語を学んでいる中高年の体験記も満載!
(ISBN 4861100399)
●「朝日新聞」(10月9日)に紹介されました。

目次|indexes

はじめに
プロローグ 上意下達ではなくて
第一部 英語への挑戦
第一章 具体的な勉強の方法(受講者の質問)
英会話はどのように勉強すればよいのですか/無意識に英語を話せるようになりますか/最初にどんな文を覚えたらよいのですか/ホームステイで英語をすぐ話せる方法はありますか/英会話を練習するときの注意点は何ですか/どうしたら英語で応答できるようになりますか/英語で考えることはできますか/英語でどう言ったらよいかわからないのですが/発音も文法も完璧にしてから英語を話したいのですが/間違えるのがこわくて英語が話せないのですが/文法は勉強しなければいけませんか/前置詞の使い方がわからないのですが/単語はどうやって覚えたらよいのですか/英語はなぜ発音が大事なのですか/英語と日本語の発音の違いを教えてください/英語を聞く訓練はどのようにしたらよいですか/英語を聞きとるコツを教えてください/いろいろな分野の生の英語を聞きとりたいのですが/映画で英語を勉強する方法を教えてください/英語でメールを書きたいのですが/究極の英会話独習法を教えてください
第二章 アルファベットとローマ字(英語学習の準備)
アルファベットの書き順を教えてください/ローマ字を教えてください
第二部 英語の生涯学習
第一章 なぜいまさら英語を学ぶのか(熟年世代の体験記)
敵国語の英語を勉強するとは/活字を無理やりとられた時代に生きたので/アラファト議長にお会いして/年とともに賢くなる気がして/本当に英語を勉強したいときにできなかったので/60の手習いとはじめてから早10年/英語は初恋の味/気力を失った私を救ってくれた英語学習/いま勉強しなければもったいない/駐留軍の家族との会話が忘れられず/外国人に親切に道案内がしたい/会話が成り立つ表現力を身につけたい/手話から英語へ/娘に刺激されて/海外旅行で自由な時間を楽しみたい/ホストファミリーになりたくて/定年後の生活のリズムをつくるために/遠く思える英語を身近なものにしたい/辞書を片手に勉強する楽しみと苦しみ/国際結婚した娘の夫と話がしたい/娘の義理の母のイギリス人と会話がしたい/インターネットへの活用をめざして/英語は世界の共通言語/老化防止と健康を維持するために/
第二章 なぜいま大学で学ぶのか(主婦の体験記)
平安女学院大学現代文化学部/岐阜女子大学文学部/武蔵野女子大学文学部/上智大学大学院/
第三部 英語の生涯教育
第一章 高齢者にアルファベットを教えて
第二章 教える側からの英語
エピローグ 下意上達を
Ⅰ 少子高齢化時代の大学の役割
Ⅱ 成人学生に対する教育法
なぜ英語を学ぶのか(あとがきに代えて)
本書で紹介した関係機関

著者|author

石田正(いしだ・ただし)
中央大学商学部卒業後、インドネシア商社、日米高校生交換留学事業等を経て、東京都台東区教育委員会主催の生涯学習英会話講座等で、約2,000人の中高年者に、独自の方法で英語を教える。NPO全国語学教育学会監事。台東区国際交流委員会理事。英語専門研究所所長。

担当編集者から

「発音記号とは何ですか?」「子音とは何ですか?」「どんどん話せと言われても、英語を話す機会がなかなか見つかりません」など英語学習中の疑問や悩みに対して、的確に親身に答える石田先生。
「“have”の本来の意味は、主語と目的語が一緒になること」という説明を受けた受講生は、「私は頭痛と一緒になりたくありません」「もうすぐ正月ですので、休暇と早く一緒になりたいです。授業と一緒になれません」など、“have”の使い方を会話の中で習得していく。学校で英語を学ばなかった世代が楽しく英語を学び、実際に活用している姿は生き生きとして、実年齢よりずっと若い!だから、書名は『はじめよう!生きがいとしての英語』、略して『生きがい英語』。[-山岸-]

 

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ウォーキング

ウォーキング

  • ヘンリー・D・ソロー著 大西直樹訳/2005年4月
  • 1800円(本体)/四六判変型・112頁

十九世紀中葉の作家ソロー。『ウォールデン 森の生活』で知られる彼の精髄をコンパクトに伝える傑作エッセイを平易な新訳で送る。ソロー入門としても格好の一冊。
日本図書館協会選定図書
(4861100305)

推薦の言葉

アメリカの詩人で自然愛好家のヘンリー・デイビッド・ソローが死んだのは143年前である。しかし、森歩きへと誘う彼の言葉ほど新しいものはない。医学も原野のウォーキングが肉体と精神のどちらにも有益であることを証明しはじめている。いつまでも若さあふれるこの言葉を読んでください。そして詩を感じてください。
-C.W.ニコル(作家)

目次|indexs

ウォーキング
訳者解説
あとがき

著者|author

ヘンリー・D・ソロー(Henry David Thoreau)
1817年マサチューセッツ州コンコードに誕生。ハーヴァード大学卒業後、41年から同人誌『ダイアル』への執筆、編集などにたずさわる。前後してニューイングランドへの小旅行をかさね、その経験から『コンコード川およびメリマック川における一週間』『ケープ・ゴッド』などの作品を執筆。1845年からウォルデン湖畔に2年間単独で生活し、その記録を『ウォルデン・森の生活』として発表。生涯独身を貫き、定職につかず、1862年、44歳で死去。

訳者|translator

大西直樹(おおにし・なおき)
1948年東京生まれ。国際基督教大学教養学部人文学科、同大学院比較文化研究科卒業。学術博士。アーマスト大学卒業、ハーヴァード大学英米文学科および神学部ヴィジティング・スカラー。現在、国際基督教大学教養学部教授。
著書に『ピルグリム・ファーザーという神話』(講談社)、訳書にローレンス『アメリカ古典文学研究』(同)など

担当編集者から

『ママには内緒だよ』につづく、春の翻訳フェア(笑)第2弾。いやあ、苦労しました。訳者の大西先生とともに、小難しいソローの原文に難儀し、少しでも読み易い訳文めざし練りに練った。だいぶこなれた日本語になっているはず。ソロー独特のくねる蛇のような文章にふれ、その奥底に流れる深い自然観に打たれていただきたい。美しい挿画は版画家・牛尾篤さん。[-内藤-]

 

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羊と隕石

羊と隕石

  • 上田丘/2005年4月
  • 1500円(本体)/四六判並製・172頁
  • 装丁:矢萩多聞

「今夜も又 疲れた犬がうろつき 吠える」。解剖台の上で藍色のスーツの女と中也が出会う。象徴とビートにみちたポップでシュールな恋愛詩集。
(4861100356)

目次|indexes


死の王国/So, Dance!/愛と岩/怠惰/She Is Machine/せつなき風景/詩人達と恋人達/In Which/秋夜狂歌/哲学

Her Body/巨像と女/目の前の現実/Momentum/破滅の申し子/彼女の部屋に有った物/胸/玩具/光と闇の向こう/幻の塔/罪/関係/焦燥/片想い/デートの第一声/やけくそ /詩人的な美学(美意識)/僕が言った事

監視の中/A Sonnet/疲れた犬(A Sonnet に加えて)/穴/Mr. Hare’s Reading/憤懣/翼をもがれてもがく白鳥/視点/混乱と平静/Bless My Colour/世の中―甘えられるほど甘くない物―/Bye-bye/孤独とパレード/街へと

休日/カップルと恋/The Time Passes By/大衆とジャズ・ポップス/甘い意見と彼女/出掛けた後に/気を取り直して(休息)/瑞々しさと平凡/忙しい生活/風邪気味/或る晴れた日/休息の無い人の詩/世の中/料理と孤独
あとがき

著者|author

上田丘(うえだ・たかし)
1975年生まれ。川崎市在住。

担当編集者から

詩人の上田氏はぼくと同年。ふだんは自分より(かなり)年上の著者と仕事をすることが多いので、同世代の書き手は新鮮だった。呑みながら何度も打ち合わせを重ね、ゲラをやりとりした。
「夜は君等のものではない」という詩句がある。夜に溶け込むことのできた年齢を過ぎ、そろそろ「おじさん」と呼ばれるようになった男の、寂しさと煩悩としょうもなさとが滲む詩集で、愛着がある。[-内藤-]

 

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ママには内緒だよ 

ママには内緒だよ

  • トム・ハート著 石川康弘訳/2005年3月
  • 1800円(本体)/四六判上製・300頁

それは十一歳の朝に始まった…狡猾な父、快楽に溺れる娘、二人の関係に気づきながら見て見ぬふりをする母。雪崩を打って崩壊する家庭。三者の視点で重層的につむがれる、限りなくリアルな近親相姦の物語。
日本図書館協会選定図書
(4861100275)

著者|author

トム・ハート
1921年英国マンチェスター生まれ。妻バーバラとともに各種青少年養護施設に勤務し、ソーシャルワーカーとして恵まれない子どもたちの構成と社会復帰に貢献。1973年出版の処女作 A Walk with Allan で脚光を浴び、その後次々に話題作を発表。代表作に本書 Don’t Tell Your Mother(1979)ほか、They Call it Murder(1977)、Their Own Kind of War(1989)、Fairies and Friends(1981)などがある。1996年没。

訳者|translator

石川康弘(いしかわ・やすひろ)
1940年生まれ。青山学院大学文学部卒業後、同大学院修士課程修了。英文学(近・現代イギリス小説)専攻。現在、関東学院大学文学部教授、同大学院指導教授。
著書に『トマス・ハーディー―その知られざる世界』(北星堂)、『文学・ことば・思想』(共著、丸善プラネット)。訳書に『幸せはどこに』(かなしん出版)、『ウエスト・ポーリー探検記』(千城)、『地主の娘』(共訳、千城)など。

担当編集者から

近親相姦について報道される場合、当事者たる父娘の関係ばかりに焦点が当てられ、母親については語られることが少ないようにみえる。内田春菊『ファザーファッカー』も娘と父親の物語だった。
しかし、家庭内で「事件」は起こる以上、母親だって立派な当事者である。なぜ母親は気づかないのか、気づいても止められないのか。どんな心境なのか。本書が面白いのは、そこをあつく書いているからだと思う。
精神を病み崩れゆく母親の長い独白は凄絶。[-内藤-]

 

※品切れ重版未定

愛妻切紙四十八手

愛妻切紙四十八手

  • かまくら源・作/2005年3月
  • 1500円(本体)/四六判上製・144頁

密やかな歓び 滴る闇― ハサミと紙を使った男女交合図。時代は違っても男女の営みは変わらない。面白可笑しく滑稽な切紙世界を堪能する。戦後間もなくの刊行とされる地下本『鴛鴦閨房秘考』の文章が白黒空間に彩りを添える。
(4861100259)

 

目次|indexs

一 網代本手/二 揚羽本手/三 いかだ本手/四 せきれい本手/五 ことぶき本手/六 洞入り本手/七 笹舟本手/八 深山本手/九 入船本手/十 唐草居茶臼/十一 忍び居茶臼/十二 濱千鳥/十三 横笛/十四 こぼれ松葉/十五 菊一文字/十六 浮橋/十七 八重椿/十八 つばめ返し/十九 万字くづし/廿 出船うしろ取り/廿一 つぶし駒掛け/廿二 本駒掛け/廿三 〆込み錦/廿四 〆込み千鳥/廿五 うしろ櫓/廿六 亂れぼたん/廿七 本茶臼/廿八 いかだ茶臼/廿九 時雨茶臼/卅 機織茶臼/卅一 御所車/卅二 月見茶臼/卅三 寶船/卅四 空竹割/卅五 しがらみ/卅六 いかだくづし/卅七 廓つなぎ/卅八 かげろう/卅九 きぬた/四十 狂い獅子/四十一 花菱ぜめ/四十二 尺八/四十三 椋鳥/四十四 白光錦/四十五 さかさ椋鳥/四十六 二ツ巴/四十七 立鼎/四十八 やぐら立ち
続一 俵だき本手/続二 浮島本手/続三 つるべ落し/続四 だるま返し/続五 地蔵抱き(居茶臼)/続六 鳴門うしろ取り/続七 いすか取り/続八 裾野/続九 坐禅ころがし/続十 押し車/続十一 花あやめ/続十二 下り藤/続十三 やぶさめ/続十四 ひよどりごえ/続十五 八ツ橋/続十六 丁字引き/続十七 巣ごもり/続十八 虹のかけはし/続十九 絞り芙蓉/続廿 石清水

作者|author

(かまくら・げん)
切紙作家。1943年神奈川県生まれ。長年勤めた建設会社をリタイア後、制作活動に入る。
ハサミを駆使し、丸みのある独特の線を表現することにかけて定評がある。

担当編集者から

男女交合図といえば、インドのカジュラホがつとに有名。カンカン照りの太陽のもと、これでもかというぐらい伸びやか(!)にあれこれ(?)交わっている。
切り紙作家かまくら源氏の作風は、それとはまた別の滑稽味あふれる日本独自のもの。シルエットなのに思わずニヤリ。[-三浦-]

 

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精霊の子供―コモロ諸島における憑依の民族誌

精霊の子供

コモロ諸島における憑依の民族誌

  • 花渕馨也/2005年3月
  • 6476円(本体)/A5判上製・434頁

「私は私でない」― インド洋西端に浮かぶコモロ諸島。そこで繰り広げられる憑依儀礼は自他の区別を融解し、もう一つの「現実」を作り上げる。精緻な民族誌が明かす精霊世界。
日本図書館協会選定図書
(4861100313)

目次|indexs

はじめに
序章 問いの射程

憑依の奇妙さ
人類学の憑依研究
視点と方法
フィールドワークの足跡
第一章 ファティマの島
ファティマ
インド洋の交差点
植民地化と独立以後
ニュマシュワ村の生活
精霊憑依の流通と変化
第二章 日常と憑依
精霊憑依の知識
信念と実践
女性の社会的身体
イスラムのとり込み
境界侵犯と革新
第三章 精霊の出自
両義的存在
精霊の種族
分布と拡散
親族と社会
個としての精霊
パラレル・ワールド
第四章 病気と負債
病気から憑依へ
症状と文脈
神、呪術、精霊
憑依治療儀礼の過程
二重のイニシエーション
三つの語り口
第五章 共生関係
ファティマとサリム・アベディ
共生関係
分離と統合
ダダの託宣
シェトァニを祓う
同調と辻褄合わせ
第六章 三つのマウ
共生社会の構図と欲望
マウの制裁
サリム・アベディのマウ―夫婦喧嘩の顛末
シディ・マリのマウ―疎遠にされたジニの嘆き
ルヒ・ブン・スビヤニのマウ―最後の調停
揺れ動く主体/コンテクスト
終章 憑依というふるまい
精霊として生きる
「ふり」と「ふるまい」
憑依のあそび
あとがき
参考文献

著者|author

花渕馨也(はなぶち・けいや)
1967年北海道生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。文化人類学専攻。現在、北海道医療大学看護福祉学部勤務。

担当編集者から

文章の校正校閲はもちろん、著者とじっくり話し合い、本のディレクションを決めることも編集。小社から刊行されている『癒しと呪いの人類学』『「精霊の仕業」と「人の仕業」』はどちらも全頁写真入りの民族誌。そこにつらなるラインナップということで、ビジュアル面も豊かにしたい! そこで提案。各章トビラ裏に口絵のようなかたちで現地の写真を入れてはどうか。これがツボに嵌まった。ブックデザインは天才矢萩多聞。口絵のアイデアを伝えると賛同し、文章を引き立てるかっこいいデザインに仕上げてくれた。一人でも多くの人に手にとって欲しいと願う。
本づくりに携わる人たちの関係が「本」に収斂していくことをまざまざと感じた一冊。[-長田-]

 

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友縁の旅びと―すべては今から始まる 

友縁の旅びと

すべては今から始まる

  • 原田勝弘先生退職記念文集編集委員会/2005年3月
  • 3800円(本体) /四六判・469頁

明治学院大学社会学部でゼミナールを担当して以来(1967年度生から2002年度生まで)のゼミの卒業生と現役生を中心に、関係者たちが寄稿した原稿やゼミ雑誌『フェルケール』の一部などをまとめた退職記念文集。
(ISBN486110033X)

目次|indexs

はじめに
原田ゼミの三五年
卒業論文タイトル一覧
交流の思い出
『フェルケール』のことばから
協力者寄せ書きから
編集後記

 

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〔品切重版未定〕