ローカル・フードシステムと都市農地の保全―庭先直売、移動販売、産消提携の立地と生産緑地

ローカル・フードシステムと都市農地の保全

庭先直売、移動販売、産消提携の立地と生産緑地

  • 佐藤忠恭(著)/2023年8月
  • 3700円(本体)/四六判上製280頁
  • 装丁:根本眞一(クリエイティブ・コンセプト)

なぜ都市に農地は必要なのか?
食料品アクセス確保に資するローカル・フードシステムの観点から市街地と農地の混在合理性を提示。従来の都市農業論に不足していた食料供給という農地固有の機能からの立地分析により、都市農地保全の意義に迫る。
(ISBN 9784861108716)

目次|contents

第1章 本書の問題意識と課題
第2章 日本における都市農地制度の変遷
第3章 ローカル・フードシステムと都市における食料安全保障
第4章 ローカル・フードシステムにおける農産物の供給方法
第5章 ローカル・フードシステムを支える都市農地保全
第6章 結論
引用文献
あとがき
初出一覧
索引

著者|author

佐藤忠恭(さとう・ただやす)
1977年神奈川県相模原市生まれ。東京農工大学大学院連合農学研究科修了。神奈川県農業技術センター三浦半島地区事務所研究課 主任研究員。キャベツ、ダイコン等の試験研究を担当。東京農工大学非常勤講師。博士(農学)。2005年に神奈川県に奉職。神奈川県農業技術センター普及指導部野菜課、同経営情報研究部、川崎市都市農業振興センター農地課(出向)等を経て、2022年より現職。主な論文に、「農業における技能の構造:無意識及び情愛の役割」『有機農業研究』10(1): 78–86. 2018年、「CSV形式でデータを蓄積する土壌診断プログラム及び肥料コストを比較できる施肥設計プログラムの開発」『神奈川県農業技術センター研究報告』153: 1–9. (共著)2010年がある。

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ユダヤ人として生きる―幼児期にホロコーストを経験したアンガー教授の回想録

ユダヤ人として生きる

幼児期にホロコーストを経験したアンガー教授の回想録

  • イズラエル・アンガー、キャロライン・ギャモン(著)、仁木久恵(訳)/2023年7月
  • 2700円(本体)/A5判並製354頁
  • 装丁:矢萩多聞

アンネ・フランクの隠れ家は私たちの部屋に比べれば「宮殿」のようだったが、私たちのほうがはるかに恵まれていた。密告する人がいなかったから。(本文より)

5歳~7歳の時期に隠れ家で過酷な生活を送り、さまざまな差別や偏見と向き合いながら歩んできた化学者の人生を綴る。入念な調査資料・目撃証言が体験談を裏付け、貴重な写真が歴史的事実を突きつける。勇気、愛、正義、平和への願いがこもる力強い物語。

(ISBN 9784861108839)

主な内容|contents

ポーランドに生き残った数少ないユダヤ人
「住み替え」作戦と称する粛清/隠れ家生活/ソ連兵の軍靴にキス
無国籍者になって
キエルツエのユダヤ人迫害―頭に負った裂傷/「孤児」になってポーランド出国/チャーリーとシドニーに名前を変えてロンドン生活
家族でカナダに移住
「おまえに、命(いのち)を二度も与えたんだよ」―父の口癖/カナダの市民権取得/苦学生時代と反ユダヤ主義
化学者になって
テキサス大学で光化学の研究/父の死―筋萎縮性側索硬化症/カナダのおかげで得た活躍の場
ホロコーストの語り部―妻マリーンと二人三脚
チャーリー―父親と同じ病魔に冒されて/ホロコースト否定論者との闘い/ホロコーストの語り部として
「僕の名前はスルリク」―幼児期の体験を振り返って
隠れ家に食料を運んでくれたスコルパ/親族のための墓碑/隠れ家で一緒に暮らした姉妹との再会/ホロコーストがその後の人生に与えた影響の有無

著者|authors

イズラエル・アンガー(Israel Unger)
1938年生まれ。幼い頃、ナチスドイツ占領下のポーランドで、2年間にわたり屋根裏部屋の狭い空間で怯(おび)えながら暮らす。ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)から生き延び、戦後は各地を転々として、最終的にカナダに移住し、カナダ市民権を得る。ニューブランズウィック大学で博士号(化学)を取得。長年にわたり、教育と研究に携わり、ニューブランズウィック大学理学部の学部長を務め、名誉学部長の称号を得る。学術論文の執筆多数。ホロコースト体験を伝える語り部として各地で講演を行う。

キャロライン・ギャモン(Carolyn Gammon)
カナダ、ニューブランズウィック州生まれ。コンコーディア大学(モントリオール)卒業。専攻は文学と創作(クリエイティブ・ライティング)。1991年ドイツに渡り、ユダヤ人の生活やホロコーストに特化した案内役を務める。著書にJohanna Krause-Twice Persecuted-Surviving Nazi Germany and Communist East Germany (Wilfrid Laurier University Press: Christiane Hemkerと共著)。その他、詩・評論など多数。現在ベルリン在住。

訳者|translator

仁木 久恵(Hisae NIKI)
津田塾大学卒業後、テキサス大学大学院に留学し、修士号取得。津田塾大学博士課程修了。専攻は英米演劇と英語教育。津田塾大学非常勤講師、NHK基礎英語講師、聖路加国際大学教授、明海大学教授などを経て、明海大学名誉教授。著書にShakespeare Translation in Japanese Culture(Kensei-Sha)、『漱石とハムレット』(リーベル出版)。訳書に『平静の心』(医学書院:日野原重明と共訳)などがある。

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現代韓国占街巡礼―巫者密集地域の民俗誌

現代韓国占街巡礼

巫者密集地域の民俗誌

  • 吉村美香(著)/2023年7月
  • 3500円(本体)/四六判上製256頁
  • 装丁:中本那由子

街中にあふれる神降ろしや易学、占いカフェの看板。新しいもの好きで世界屈指のIT社会である韓国で、どうして伝統的な占い・巫俗が根強く人気なのだろうか。
ソウル近辺で巫俗・占術を行う巫者たちへの調査をもとに、現代韓国でひろく行われている巫俗の特徴や社会的背景を描く。

(ISBN 9784861108846)

目次|contents

第1部
第1章 本書の概要
第2章 現在までの韓国巫俗研究

第2部
第3章 巫者密集地域の現地調査:彌阿里地区
第4章 巫者密集地域の現地調査:阿峴洞地区
第5章 巫者密集地域の現地調査:九老洞地区
第6章 巫者密集地域の現地調査:大林洞・奉天洞地区
第7章 巫者密集地域の現地調査:水原・華西門地区 

第3部
第8章 コラム1 巫具
第9章 コラム2 巫俗の文化遺産化活動

第10章 結論 

あとがき
参考文献一覧

著者|author

吉村美香(よしむら・みか)
愛知大学非常勤講師。
文学博士(韓国国立韓国学中央研究院、2016年)。専門は東アジアの民俗学。
単著に『東医宝鑑叢書 江戸に朝鮮医学がもたらされる』(韓国:国立韓医学研究院、2021年)、『村山智順の生涯と巫俗研究』(韓国:民俗苑、2014年)、編著に『新編尾張医科学史攷 附牧野富太郎書簡』(志学社、2023年)、『(国際日本文化研究センター共同研究会成果論集)巫・占の異相――東アジアにおける巫・占術の多角的研究』(志学社、2023年)、訳書に『1920-1930年代朝鮮人の生老病死――村山智順の所蔵写真集』(韓国:新亜出版、2014年)、『朝鮮の場市研究』(韓国:民俗苑、2014年)などがある。

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〈文事〉をめぐる日朝関係史―近世後期の通信使外交と対馬藩

〈文事〉をめぐる日朝関係史

近世後期の通信使外交と対馬藩

  • 松本智也(著)/2023年7月
  • 6500円(本体)/A5判上製558頁
  • 装丁:長田年伸

秀吉の朝鮮出兵ののち、「善隣友好・平和外交」の象徴として200年、12回にわたって続いた通信使はなぜ失敗に終わったのか。近世後期の、日朝関係および東アジア史のターニングポイントともいえる時期を捉え、幕末にかけての通信使との学術・文才交流、すなわち「文事」と、日朝それぞれの識者の言説および対馬の歴史書にみられる対馬の「藩屏」認識という2つの視角から緻密かつダイナミックに考究。交易、政治面のみならず思想、学術・文化的な交流に焦点をあて、東アジアの大きな潮流のなかに日朝関係史を位置づける。
(ISBN 9784861108808)

目次|contents

はじめに
凡例

序章
一、問題の所在
二、近世後期日朝関係の課題
三、近世日本の対外関係と思想状況
四、本書の研究視座と構成

第一部 近世後期の通信使と〈文事〉
第一章  一八世紀の日朝知識人における通信使改革論
一、緒言
二、 一七世紀の日朝関係と〈文事〉
三、 一八世紀の日本における通信使改革論
四、 一八世紀の朝鮮における通信使改革論
五、小結

第二章 宝暦度通信使と日本人との接触―「寛政異学の禁」を視野に
一、緒言
二、宝暦度通信使の背景
三、宝暦度通信使のみる日本人
四、宝暦度通信使と那波魯堂の交流
五、通信使帰国後の那波魯堂・西山拙斎
六、小結

第三章 文化易地聘礼をめぐる江戸幕府の対応―林述斎の発言を手掛かりに
一、緒言
二、易地聘礼と林述斎
三、易地聘礼の儀礼空間構築
四、筆談・唱和
五、小結

第四章 文化度通信使と日本使節との接触
一、緒言
二、文化度通信使以前の日本の思想界の動向
三、文化度通信使前後の日本知識人の日朝関係認識
四、文化度通信使との接触
五、小結
補、文化度通信使来日時における学術認識

第二部 対馬藩における「藩屏」言説と日朝関係認識
第五章 一八世紀対馬藩知識人の「藩屏」論―〈朝鮮の藩屏〉論との交錯
一、緒言
二、近世日本における「藩屏」論―新井白石に即して
三、朝鮮王朝における対馬認識―〈朝鮮の藩屏〉論
四、「日本の藩屏」論と〈朝鮮の藩屏〉論との交錯
五、対馬「藩屏」論の幕藩体制への適合―雨森芳洲による論理的転回
六、小結

第六章 満山雷夏の「藩屏」論と日朝関係再編構想
一、緒言
二、一八世紀前期対馬藩知識人の「藩屏」論と日朝関係認識―陶山訥庵と雨森芳洲
三、一八世紀後期対馬藩知識人の「藩屏」論と日朝関係認識―松浦桂川
四、満山雷夏の「藩屏」論
五、満山雷夏の日朝関係再編構想
六、講学方設置の背景
七、小結

第七章 対馬藩の歴史書にみられる「藩屏」論
一、緒言
二、一八世紀初期の対馬藩の歴史書にみられる「藩屏」論
三、一九世紀初期の対馬藩の歴史書にみられる「藩屏」論
四、小結

終章 〈文事〉をめぐる日朝関係史
一、本書の成果
二、試論的展望

あとがき
参考文献一覧

人名索引/事項索引
韓国語要旨

著者|author

松本智也(まつもと・ともや)
1988年、大阪府生まれ。立命館大学大学院文学研究科人文学専修博士課程後期課程修了(博士・文学)。現在立命館大学授業担当講師・衣笠総合研究機構客員研究員。
主要論文に「近世後期日本知識人の日朝関係認識――文化度通信使との接触を通して」(『歴史評論』834号、2019年)、「一八~一九세기 對馬 지식인들의 ‘藩屛’론 -역사서 편찬에 보이는 자아인식의 형성-」(『韓日関係史研究』66号、2019年)、「文化易地聘礼をめぐる徳川幕府の対応――諱・上使称号・衣服についての林述斎の発言を手掛りに」(『日本思想史研究会会報』38号、2022年)など。

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つまみ食いエッセイ集 栄養のない野菜

つまみ食いエッセイ集 栄養のない野菜

  • 山田英美(著)/2023年6月
  • 1800円(本体)/四六版並製コデックス装208頁
  • 装丁:苑田菊見

子どものころから好奇心旺盛、いまも興味は植物、絵画、料理、旅…と、とどまることを知らない著者が綴る、道草的ライフのすすめ。

(ISBN 9784861108815)

目次|contents

I 芽
コケちゃん
奥能登 珍食旅の記
ベルギーワッフル
蟻のオクション
エレファント・マン
城崎にて
ある少女の生と死(一)
いちじく
わたしの断捨離

II 蕾
のっぺらぼう効果
「口ぐせ」をチェック
おたあ・ジュリアというひと ―神津島にて―
もうひとつの戦災 ―波照間島にて―
青蔵鉄道 寝台列車にて
マンガ論議
栄養のない野菜―キュウリ(胡瓜)礼賛
ジャガイモ泥棒
青蛙
わたしの隣人とは

III 彩
ヒヨッコ ひよっこ
「Rの椿」と犬
春鶯囀
わたしがササユリだったころ
路地裏のササユリ
「しろ」
ある少女の生と死(二)
敬老の日

IV 実
とり―君の名は
『土喰うて 虫喰うて 渋ーい』
知るより感じる―非認知能力
植物から学ぶ
年齢をきく
福良のサンセット

「イグアナの娘」にみる母と娘
あとがき―つまみ食い

著者|author

山田英美(やまだ・ひでみ)
山梨大学名誉教授・身延山大学名誉教授。
スクールカウンセラー歴任。専門は臨床発達心理学。
著書に『幼児キャンプ―森の体験』(春風社、2001年)、『幼児キャンプ―雪の体験』(春風社、2004年)、『ネパール家庭料理入門』(農文協、1995年)他。

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東日本大震災と子どものミライ

東日本大震災と子どものミライ

  • 橋本惠司(著)/2023年5月
  • 2500円(本体)/四六判並製394頁
  • 装丁:中本那由子

3.11直後、石巻市内の小学校長に着任した著者の、震災前、以後にわたる教育実践記録。止めることのできない教育の営みを考える。
(ISBN 9784861108754)

目次|contents

はじめに

第一章 東日本大震災を乗りこえて
 石巻市北上町の子どもたちとの四年間

第二章 教育実践の記録 その一
 一 子どもたちとの関わりと本のことなど―小学五年生の実践
 二 米と車を追った一年間―小学五年生・社会科の実践
 三 「春のうた」の授業―小学三年生の実践
 四 「かさこじぞう」の授業―小学二年生の実践
 五 思いっきり楽しむ子どもを育てる―稲井幼稚園の子どもたち

第三章 田中正造を追って
 一 田中正造との出会い―日向康先生との時間
 二 渡良瀬の流れ
 補 『林竹二・天の仕事』から考えたこと

第四章 教育実践の記録 その二
 一 版画「田中正造」
 二 「田中正造」の授業

おわりに
初出について
巻末に添えて 著者橋本惠司さんとの四〇年 (横須賀薫)

著者|author

橋本惠司(はしもと・けいじ)
1957年、宮城県牡鹿郡女川町生まれ。宮城教育大学卒。宮城教育大学在学中、横須賀薫、日向康に師事。斎藤喜博、林竹二、田中正造について学ぶ。
1981年 宮城県牡鹿郡雄勝町立雄勝小学校を初任地として主に沿岸部の学校を中心に勤務する。
2011年3月11日 東日本大震災発生。
2011年4月1日 屋上まで被災した石巻市立相川小学校に校長として赴任し、学校の再開と再建に当たる。
2013年 町内で被災した3校が閉校・統合してできた新設校、石巻市立北上小学校の校長として新しい学校づくりに努める。
2015年 4年間の被災地の学校勤務の後、石巻市立稲井小学校に勤務し、退職。
2018~2022年 石巻市立稲井幼稚園に園長として勤務し、41年間の教員生活を終えた。

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自己形成への道程―精神科看護師による実践記述の解読から

自己形成への道程

精神科看護師による実践記述の解読から

  • 千々岩友子(著)/2023年5月
  • 4500円(本体)/A5判上製296頁
  • 装丁:苑田菊見

個と個が殻をもって小突きあう、ストレス社会において、強く、しなやかで、開かれた「自己」はいかにして形成されるのか。それは個人の意志または他者の教育によって成しうるものなのか。一人の精神科看護師の実践記録から、その過程を読みとく。

(ISBN 9784861108730)

目次|contents

はじめに

序 章 本書の概要
1. 目的と対象
2. 方法
3. 先行研究

第1章 精神科看護の状況
1. 看護師の状況
2. 精神科の患者の状況
3. 精神科看護の状況

第2章 自己形成とは
1. 自己について
2. 形成について
3. 自己形成とは
4. 精神科看護と自己形成

第3章 精神科看護実践の状況
1. 状況における自己形成
2. 看護師Aの実践記述とその解読

第4章 精神科看護師の自己形成
1. 看護師Aの実践記述からの考察
2. 自己形成の発現としての反省

終 章 自己形成への道程

謝辞
参考文献
索引

著者|author

千々岩 友子(ちぢいわ・ともこ)
福岡国際医療福祉大学看護学部 教授。
福岡大学病院勤務を経て福岡大学人文科学研究科博士前期課程修了、修士(臨床心理学)、同大学院人文科学研究科博士後期課程修了、博士(教育学)。本書は博士論文「精神科看護師の自己形成に関する研究」(2011年提出)を元にしたもの。
順天堂大学保健看護学部助教などを経て2023年度より現職。
専門:精神看護学。

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オースティンとエリオットー〈深遠なる関係〉の謎を探る

オースティンとエリオット

〈深遠なる関係〉の謎を探る

  • 惣谷美智子・新野緑(編著)/2023年3月
  • 3100円(本体)/四六判上製252頁
  • 装丁:長田年伸

ジョージ・エリオットはジェイン・オースティンをいかに読んだのか?
読みの不/可能性の探究――テクストに潜む〈深遠なる関係〉を多彩な切り口から読み解く。
(ISBN 9784861108631)

目次|contents

はしがき【新野緑】
第1章:女性の教育と生活の資―オースティンとエリオットにおけるウルストンクラフトの遺産【川津雅江】
第2章:少女は小説家の母である―初期作品からみるオースティンとエリオット【土井良子】
第3章:オースティンとエリオット―匿名性と作品を取り巻く「視点」【永井容子】
第4章:〈見誤り〉の悲劇/喜劇―『エマ』と『ミドルマーチ』【新野緑】
第5章:『説得』と『ミドルマーチ』―「はじまり」と「終わり」の狭間で【惣谷美智子】
第6章:エリオットはオースティンから何を受け継いだのか?―『ミドルマーチ』における〈分別〉と〈多感〉【廣野由美子】
あとがき【惣谷美智子】
執筆者紹介
索引

編著者|author and editor

惣谷美智子(そうやみちこ)
神戸海星女子学院大学名誉教授。関西学院大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。著書に、『めぐりあうテクストたち―ブロンテ文学の遺産と影響』(共編著、春風社、2019年)、『虚構を織る―イギリス女性文学 ラドクリフ、オーステイン、C・ブロンテ』(英宝社、2002年)など。
新野緑(にいのみどり)
ノートルダム清心女子大学教授。大阪大学大学院文学研究科英文学専攻博士後期課程中退。博士(文学)。著書に、『〈私〉語りの文学―イギリス19世紀小説と自己』(英宝社、2012年)、『小説の迷宮―ディケンズ後期小説を読む』(研究社、2002年)など。

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レオナルド・ダ・ヴィンチの源泉―様式・文学・人物表現

レオナルド・ダ・ヴィンチの源泉

様式・文学・人物表現

  • 田辺清(著)/2023年3月
  • 4000円(本体)/A5判上製202頁
  • 装丁:長田年伸

「万能の人」レオナルドの絵画作品とその実像に迫る
芸術と学問の個性的な発展――イタリア・ルネサンスを代表し「万能の人」と称えられた画家の作品を、素描技法や下絵による未完成作または完成作として再検討することで、その創造行為の源をひもとく。また様式や制作年代、物語等の主題、身体・風景描写の形態や色彩、後世の文学作品への影響を考察し、レオナルドの多様な思索が表出するありようを解き明かす。
(ISBN 9784861107733)

目次|contents

Ⅰ はじめに
Ⅱ 画家レオナルド――未完成作を中心に
1.絵画における未完成――レオナルド・ダ・ヴィンチの場合
2.フラ・バルトロメオとレオナルド・ダ・ヴィンチ――「未完成」祭壇画をめぐって
3.レオナルド・ダ・ヴィンチの《自画像》(トリノ王立図書館所蔵)について
4.レオナルド・ダ・ヴィンチの《洗礼者聖ヨハネ》について――「形態」と制作年代
Ⅲ レオナルド絵画の文学的源泉
1.W・B・イエイツとレオナルド・ダ・ヴィンチ
2.ヴァザーリ、ペイター、イエイツ……――レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》をめぐって
3.W・B・イエイツ『レダと白鳥』の視覚的源泉
Ⅳ レオナルドの女性表現――聖母マリアを中心に
1.レオナルド・ダ・ヴィンチ《白貂を抱く貴婦人》(《チェチリア・ガッレラーニの肖像》)について
2.レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》――「宿命の女」の系譜から
3.レオナルド・ダ・ヴィンチの「二点の聖母マリア」について
4.レオナルド・ダ・ヴィンチの《指さす女性》について――主題と制作年代
5.レオナルド・ダ・ヴィンチの色彩をめぐって――聖母表現における考察
Ⅴ おわりに
図版目録
人名索引

著者|author

田辺清(たなべ・きよし)
大東文化大学国際関係学部教授。専門はルネサンス絵画史・比較芸術学。一九五二年、千葉県生まれ。一九七八-八一年、ロンドン大学付属コートールド美術研究所に聴講生として留学。一九八五年、成城大学大学院博士課程単位取得退学。二〇〇二年より現職(二〇二三年三月定年退職予定)。二〇一七-二一年、大東文化大学図書館長。主要著書に『平凡社版・世界の名画2 レオナルド・ダ・ヴィンチ』(平凡社、一九八三)、『レオナルドの教え――美術史方法論研究会論集』(共著、ボーダーインク、二〇一三)、『天心をめぐる人々』(代表編著、大東文化大学・東洋研究所、二〇二〇)。主要論文に「レオナルド・ダ・ヴィンチと東方――《聖ヒエロニムス》をめぐって」(『東洋研究』第一六五号、二〇〇七、大東文化大学・東洋研究所)、「再考・レオナルド・ダ・ヴィンチと東方」(『東洋研究』第二一六号、二〇二〇、大東文化大学・東洋研究所)、「レオナルド・ダ・ヴィンチと古典古代――東方との関連について」(『東洋研究』第二二五号、二〇二二、大東文化大学・東洋研究所)。

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原発災害と生活再建の社会学―なぜ何も作らない農地を手入れするのか

原発災害と生活再建の社会学

なぜ何も作らない農地を手入れするのか

  • 庄司貴俊(著)/2023年4月
  • 3000円(本体)/四六判上製242頁
  • 装丁:根本眞一・松田晴夫(クリエイティブ・コンセプト)

農業をやめざるをえなかった人びとの言葉から、原発被災地とは思えない「日常」の真実を探る。酪農家、漁師の事例も調査・研究。

(ISBN 9784861108617)

目次|contents

序章―原発被災地で暮らす人びとを対象として
第一章 先行研究と本論の方法―なぜ原発被災地で暮らす人びとを対象とするのか
第二章 原発事故と地域社会―なぜ原発被災地の復興は利用されやすいのか
第三章 農地を手入れする人びと―なぜ原発事故以後も農地と関わり続けるのか
第四章 事故前のように振る舞う人びと―なぜ原発事故以前と同じ周期で農地と関わるのか
第五章 農業を“やらない”人びと―なぜ原発事故以後に再び農地に対して主体性を獲得できたのか
終章―原発被災地で暮らす人びとからみえる生活再建の論理
補遺❶ 事故後の人びとの動向―事故前の暮らしを踏まえて
補遺❷ 本論の知見に関する比較検討―相違から考える仮の行く末
補遺❸ 本論の課題と今後の展望―原発立地地域も視野に入れて

著者|author

庄司貴俊((しょうじ・たかとし)
1991年生まれ。東北学院大学大学院人間情報学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、東北学院大学非常勤講師。
専攻は社会学、環境社会学、災害社会学。
・「原発被災地で〈住民になる〉論理―なぜ農地への働きかけは事故以前と同じ周期リズムで続けるのか」『環境社会学研究』24: 106-20、2018
・「原発被災地において農地の外観を保つ理由―福島県南相馬市X集落の事例」『社会学研究』103: 165-87、2019
・「原発事故から7年後に祭礼が復活した理由―福島県浪江町請戸の出初め式の事例」『村落社会研究ジャーナル』57: 1-12、2022

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