1960s 失踪するアメリカ―安部公房とポール・オースターの比較文学的批評

1960s 失踪するアメリカ

安部公房とポール・オースターの比較文学的批評

  • 大場健司(著)/2022年12月
  • 4500円(本体)/四六判上製432頁
  • 装丁:矢萩多聞

「失踪」を鍵語に、作品群から1960年代の時代相を浮かび上がらせる。
「失踪」とは、かけがえのない個人になるためのプロセスだ。

(ISBN 9784861108518)

目次|contents

序 章
第一部 脱アメリカの物語
第一章 砂の歌―安部公房『砂の女』とアメリカ文学の「辺境」
第二章 穴の水脈―安部公房『砂の女』とポール・オースター『闇の中の男』
第二部 アメリカ文学との相互交通
第三章 「既成事実」からの失踪―安部公房『燃えつきた地図』とアメリカ文学の「都市」
第四章 「ピカソの石版画」から「泣く女」へ
第三部 エッセイと同時代言説
第五章 一九五〇年代日本におけるアメリカ論ブームと安部公房
第六章 生々しい素顔―安部公房「ミリタリィ・ルック」と軍服をめぐる同時代言説
第七章 SF的想像力と遊牧民―安部公房「異端のパスポート」と人類の起源
終 章

著者|author

大場健司(おおば・けんじ)
1989年、福岡県生まれ。2017年、九州大学大学院地球社会統合科学府博士後期課程単位取得退学。2020年、九州大学より博士(学術)学位取得。専攻は比較文学・比較文化、日本近現代文学。台湾:国立台湾大学外国語文学研究所交換留学(2016-2017年)。韓国:朝鮮大学校外国語学部日本語科助教授(2017-2018年)、台湾:国立国防大学語文中心専任教師(2018-2021年)を経て、現在は九州共立大学共通教育センター講師(2021年-)。
主な研究業績として、共著に松本常彦・波潟剛編『近現代文学と東アジア―教育と研究の多様性に向けて』(花書院、2016年3月)、福岡市文学館編『運動族 花田清輝』(福岡市文学館、2014年11月)など。論文に“Picasso’s Paintings as Allusions: A Comparative Study of Abe Kōbō’s The Ruined Map and Paul Auster’s Ghosts.” Trans-Humanities 9(3). 2016.など。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

黙想の鏡に映す イエス・キリストの祝福の生涯

黙想の鏡に映す イエス・キリストの祝福の生涯

  • ニコラス・ラヴ(著)、田口まゆみ(訳)/2022年12月
  • 4000円(本体)/A5変型判並製カバー装348頁
  • 装丁:毛利一枝

聖書の英語訳が禁じられていた時代、聖書に代わる読み物として教会から認められた英語圏における初期最大の聖書物語。本邦初の翻訳。
(ISBN 9784861108440)

目次|contents

付記
序文
第一部 月曜日の黙想
第一章 人類の奪還と救済のために天の国で開かれた大会議についての敬虔な黙想
第二章 祝福のおとめマリアがどのように暮されたかについて
第三章 イエスの受肉と受胎告知の祝祭、アヴェ・マリアの祈りについて
第四章 聖母がエリサベトを訪ね、柔和に挨拶される
第五章 ヨセフが聖母マリアをひそかに離縁しようとしたこと
第六章 わたしたちの主イエスの誕生について
第七章 わたしたちの主イエスの割礼について
第八章 公現祭、わたしたちの主イエスの顕現について
第九章 聖母マリアの清めの儀式について
第二部 火曜日の黙想
第一〇章 わたしたちの主イエスのエジプト避難
第一一章 わたしたちの主イエスがエジプトから帰国されたことについて
第一二章 御子イエスが、ひとりエルサレムに残されたときのこと
第一三章  わたしたちの主イエスがどのように暮らされたか、また一二歳から三〇歳の初めまでの間に何をされたかについて
第一四章 わたしたちの主イエスの洗礼とその場所までの道のりについて
第三部 水曜日の黙想
第一五章 わたしたちの主イエスの断食と荒れ野の誘惑について
第一六章 わたしたちの主イエスが宣教を始め、弟子を集める
第一七章 婚礼での奇跡 水をぶどう酒に変えられる
第一八章 わたしたちの主イエスによるあのすばらしい山上の説教について
第一九章 わたしたちの主イエスによって癒された百人隊長の僕と役人の息子について
第二〇章  屋根から床とこごとつり降ろされた中風の人を、連れてきた人たちの信仰を見て、わたしたちの主イエスが癒されたことについて
第二一章 主の服の房に触れ、マルタの病が癒される
第二二章 マグダラのマリアの回心について
第二三章 わたしたちの主イエスが井戸のそばでサマリアの女と語られたことについて
第二四章 イエスの弟子たちが、空腹から、安息日に麦の穂を摘んで食べた話
第四部 木曜日の黙想
第二五章 パンを増やして大勢の人に与えられたことについて
第二六章  人々がわたしたちの主イエスを王にしようとしたときに、主が逃避なさったことについて
第二七章  わたしたちの主イエスの山上の祈りについて。また、その後、舟の弟子たちのもとに戻られた話
第二八章 ファリサイ派の人々などがイエスの言動を中傷した話
第二九章  主を愛してこの世を捨てた人すべてにわたしたちの主イエスが約束なさった特別な報酬について
第三〇章 山上でわたしたちの主イエスの姿が変ったことについて
第三一章 エルサレムのプロバティカと呼ばれる池で癒された病人について
第三二章  わたしたちの主イエスが、神の律法に反して売り買いをしていた人々を神殿から追い出された話
第三三章  マルタとマリアの姉妹がわたしたちの主イエスをお迎えしたこと、そして聖教会における活動生活と黙想生活という二つの生活様式について
第三四章 ラザロとその他二人の死者をよみがえらせたことについて
第三五章 ユダヤ人たちが会議を招集し、イエスを殺す計画を立てる
第三六章  棕櫚の主日前日の土曜日に、わたしたちの主イエスがベタニアに戻られた話。そこでイエスのために用意された夕食と、そこでなされたことについて
第三七章 棕櫚の主日にイエスがエルサレムに入られる
第三八章 棕櫚の主日から次の木曜日までにわたしたちの主イエスがなされたこと
第三九章  受難の前日にわたしたちの主イエスが催された晩餐、そしてそのときの崇高な状況について
第五部 金曜日の黙想
第四〇章  朝課の黙想 わたしたちの主イエスの受難について まず、主の祈りと朝課の時刻の逮捕について
第四一章 一時課の黙想 わたしたちの主イエスがピラトに引き渡される
第四二章 三時課の黙想 わたしたちの主イエスが十字架の死を宣告される
第四三章 六時課の黙想 わたしたちの主イエスが十字架につけられる
第四四章 九時課の黙想 わたしたちの主イエスの死
第四五章 九時課の後の黙想 わたしたちの主イエスの死後の出来事
第四六章 挽課の黙想 わたしたちの主イエスの降架
第四七章 終課の黙想 わたしたちの主イエスの埋葬
第四八章 終課の後の黙想 イエスの埋葬後、聖母とお仲間がしたこと
第六部 土曜日の黙想
第四九章 聖母とお仲間が土曜日にしたことについて
第七部 日曜日の黙想
第五〇章  わたしたちの主イエスの輝かしい復活と主が最初に祝福の御母に現れたという合理的な考えについて
第五一章 マグダラのマリアと二人のマリアが墓にやってきた様子など
第五二章 わたしたちの主イエスが復活後マグダラのマリアに現れる
第五三章 わたしたちの主イエスが三人のマリアに現れる
第五四章 わたしたちの主イエスがペトロに現れる
第五五章 わたしたちの主イエスが始祖たちを再び訪れる。彼らの喜びの歌
第五六章 わたしたちの主イエスが二人の弟子にエマオという村に向かう途中で現れる
第五七章  わたしたちの主イエスが、復活のその日に、恐れから身を隠していた使徒たち、弟子たちに現れる
第五八章 わたしたちの主イエスが八日後にトマスを含む弟子たちに現れる
第五九章 わたしたちの主イエスがガリラヤで弟子たちに現れる
第六〇章 わたしたちの主イエスがティベリアス湖畔で弟子たちに現れる
第六一章 わたしたちの主イエスの顕現全般について
第六二章 わたしたちの主イエスの昇天について
第六三章 聖霊の派遣、降臨について
第六四章  キリストの祝福の御体という至高のそして最も尊い秘跡とその不思議についての小論

後記

訳者|translator

田口まゆみ(たぐち・まゆみ)
1954年、鳥取県米子市で生まれる。1977年、奈良女子大学文学部卒業、大阪大学大学院文学研究科進学、英国ブリストル大学英文学部留学(サンケイスカラシップ、1年)。1989~2024年大阪産業大学にて教鞭をとる。1994~1995年、英国ケンブリッジ大学・ダーウィンカレッジ客員研究員。2012年、論文博士(慶応義塾大学)。
研究分野:イギリス中世後期宗教文学

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

地域発見と地理認識―観光旅行とポタリングの楽しみ方

地域発見と地理認識

観光旅行とポタリングの楽しみ方

  • 西脇保幸(著)/2022年12月
  • 3100円(本体)/A5判並製502頁(+カラー口絵16頁)
  • 装丁:苑田菊見

国内外への観光旅行や気軽な街歩きが、位置・分布などの「地理的視点」を持つことで、いっそう味わい深いものになる――。“地理屋”である著者が現地調査をもとにまとめた地誌と、旅のスナップ861点を掲載。

(ISBN 9784861108419)

目次|contents

はじめに

序章 地理に魅せられて―ふるさと浦安の変貌と国際理解
1 “陸の孤島”と呼ばれた浦安
2 都県境の重みと「東京」の範囲
3 高校時代における行動範囲の拡大
4 地下鉄東西線の開通に伴う浦安の変貌
5 ソ連・ヨーロッパ地理視察旅行
6 トルコ旅行と親友サブリ君の来訪
7 スクール・インターンシップによるアメリカ研修旅行
8 横浜国立大学での研究と指導

第1章 個人旅行でも楽しみたいトルコと韓国
1 海外旅行を楽しむために
2 トルコへの誘い
3  韓国自由自在

第2章 シルクロードのバス旅日記 ―中国・西安からトルコ・イスタンブルへ
1 ツアーの概要
2 中国
3 カザフスタン
4 キルギスとカザフスタンのタラズ周辺
5 ウズベキスタン
6 トルクメニスタン
7 イラン
8 トルコ

第3章 テーマのある海外旅行
1 典型的な周遊旅行のイタリア縦断ツアー
2 オランダ・ベルギーでの花観賞ツアー
3 “中欧トライアングル”+αのツアー
4 インド世界遺産巡りツアー
5 遺跡の魅力を訪ねる旅―アンコール・ワット,ペトラ,マチュピチュ、エジプトのピラミッドなど
6 山岳美を求めて―アルプス、カナディアンロッキー、カラコルム
7 遊覧飛行の魅力と高所からの展望
8 海外旅行のこぼれ話―地中海での海水浴とパンタナールの野生動物

第4章 国内鉄道旅の楽しみ方
1 国内旅行を楽しむために
2 周遊タイプの鉄道旅
3 フライト&ライドの九州周遊旅行
4 往復割引で行く鉄道旅
5 拠点宿泊地を設定してその周辺で観光を楽しむ鉄道旅

第5章 ポタリングのすすめ ―関東地方中心に厳選した13コース
1 ポタリングを楽しむために
2 ポタリングの“お勧め”コース

第6章 ウインドサーフィンと地理認識
1 ウインドサーフィンとの出会い
2 私流ボードセーリング術
3 ウインドサーフィンで学ぶ地理

文献等の一覧

あとがき

著者|author

西脇保幸(にしわき・やすゆき)
横浜国立大学名誉教授。専門は地理教育論・トルコ研究。
1949年、千葉県浦安市生まれ。東京教育大学農学部農村経済学科卒業。東京教育大学大学院理学研究科地理学専攻修士課程修了。千葉県立浦安高等学校、千葉県立船橋高等学校、東京学芸大学附属高等学校で社会科教諭として勤務したのち、1990年より横浜国立大学で地理教育を修める。
主な著書は『シミュレーション教材の開発と実践』(共編著、古今書院)、『地理教育論序説―地球的市民性の育成を目指して』(単著、二宮書店)、『トルコの見方―国際理解としての地誌』(単著、二宮書店)、『社会科教材の論点・争点と授業づくり7 “国際関係と平和”をめぐる論点・争点と授業づくり』(編著、明治図書)など。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

予測と創発―理知と感情の人文学

予測と創発

理知と感情の人文学

  • 中村靖子(編)/2022年11月
  • 4500円(本体)/四六判上製506頁
  • 装丁:長田年伸

理性に対する感情の復権は、いかに人文学の世界を拡張してきたのか?
ドイツ文学、フランス文学、インド哲学、美術史、応用数学、感情史、心理学などの諸分野を横断し「予測と創発」をめぐり思考する11の刺激的論考。

(ISBN 9784861108365)

目次|contents

はじめに

第Ⅰ部 潜伏と共鳴
第1章 記憶が出現するとき——フロイトの「心理学草案」の今日(中村靖子)
第Ⅱ部 規範と感情
第2章 因果応報と運命——予測が意味をなさない世界における行為規範(岩﨑陽一)
第3章 フォンターネの『セシールの秋』における観察・推測・感情−−現実構成を導く基礎的情動状態(H・M・シュラルプ)
第4章 尋問、モラル・エコノミー、罰の不公平な配分―ディディエ・ファッサンによる国家の抑圧装置に関する研究を手がかりに(平田周)
第Ⅲ部 予測と反復――錯綜する時間
第5章 予期と驚き――ヴァレリーの考察と詩作(鳥山定嗣)
第6章 失われた芸術作品の再構築——クルト・シュヴィッタース《メルツバウ》をめぐって(池野絢子)
第7章 遅れと予測――過去からの逆襲(大平徹)
第Ⅳ部 モデルをめぐる感情の動態
第8章 新種発見の感情史—―「鳥学共同体」における栄誉と名誉(伊東剛史)
第9章 前衛美術と感染のアナロジー――発見装置としての「モデル」の機能(松井裕美)
第10章 私を理解し表現する人工知能(山本哲也)
第Ⅴ部 モデルと創発
第11章 予測により創発される心性(大平英樹)

結びの言葉
執筆者紹介

編者|editor

中村靖子(なかむら・やすこ)
名古屋大学大学院文学研究科教授。専門はドイツ文学・思想史。
著書に
〔中村靖子/H・M・シュラルプ共編〕『「悪」の文学史―グリム、ホフマン、トラークル、イェリネクを道標として』(日本独文学会研究叢書071巻、日本独文学会、2010年)
〔単著〕『「妻殺し」の夢を見る夫たち―ドイツロマン派から辿る〈死の欲動〉の生態学』(松籟社、2013年)
〔編著〕『虚構の形而上学―「あること」と「ないこと」のあいだで』(春風社、2015年)、『非在の場を拓く―文学が紡ぐ科学の歴史』(春風社、2019年)
などがある。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

ダグラス

ダグラス

  • ジョン・ヒューム(著)、三原穂(訳)/2022年11月
  • 2400円(本体)/四六判上製162頁
  • 装丁:矢萩多聞

もしこの戦いで倒れても、息子を咎めないでいただきたい。
名誉をえられずに生きるのであれば死んだ方がましなのです。

シェイクスピアからの影響を受けた、ゴシック演劇の先駆『ダグラス』(悲劇、初演1756年)が、時代の香気をたたえた格調高い新訳でよみがえる。

(ISBN 9784861108334)

目次|contents

前口上
第一幕
第二幕
第三幕
第四幕
第五幕
納め口上


解説
引用参考文献一覧

著者|author

ジョン・ヒューム(John Home)
1722年生まれ。エディンバラ大学卒。スコットランドの牧師・劇作家。1808年没。

訳者|translator

三原穂(みはら・みのる)
愛知県立大学外国語学部准教授。大阪大学大学院言語文化研究科(言語文化学専攻)博士後期課程修了。博士(言語文化学)。著書に、『学術研究と文学創作の分化――18世紀後半イギリスの古詩編集』(音羽書房鶴見書店、2015年)、論文に、“Shakespearean Ballads in Thomas Percy’s Reliques of Ancient English Poetry: Transition from Oral Songs to Printed Historical Documents.” Textual Cultures, vol. 10, no. 2, 2018, pp. 107–25.などがある。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

エンパワーメント・ギャップ―主権者になる資格のない子などいない

エンパワーメント・ギャップ

主権者になる資格のない子などいない

  • メイラ・レヴィンソン(著)、渡部竜也、桑原敏典(訳)/2022年11月
  • 4500円(本体)/A5判上製422頁
  • 装丁:長田年伸

民主的な関与への権利を活かすために、教育はいかに支援すべきか?
開かれた学校と社会とは――
2000年代以降のアメリカの学校教育政策が引き起こした逆説的な問題をめぐり、市民権行使の機会・能力における子どもの格差を実際の事例から分析。貧困層やマイノリティといった自らを取り巻く構造的な不平等の是正を時に必要とする子どもほど、政治的社会化に関する知識や態度を持たないという皮肉な事態を告発し、民主的な社会参加や意思決定への手立てを培うための、多様な経験や文化による差異をふまえた教育の役割を探る。
(ISBN 9784861108198)

目次|contents

訳者まえがき
プロローグ カート・コバーン対マスターP
第1章 市民のエンパワーメント・ギャップ
第2章 人種について語ることと市民権行使能力の開発
第3章 あなたには闘う権利がある――歴史的なカウンターナラティブの構築
第4章 ヒーローとロールモデルの再考
第5章 出会ったことのない世界でいかに羽ばたくのか――市民性を学校で「見える化」する
第6章 アクション・シヴィックスの事例
第7章 民主主義・説明責任・教育
エピローグ 立ち上がること、言い返すこと
参考文献
謝辞
訳者解説
索引
著訳者紹介

著訳者|author and translators

◆著者
メイラ・レヴィンソン(Meira Levinson)
ハーバード大学大学院教育学研究科教授。アメリカのアトランタとボストンの公立中学校で8年間教師を務めた。主な著書に The Demands of Liberal Education(2002, Oxford University Press, U. S. A)、Democratic Discord in Schools: Cases and Commentaries in Educational Ethics(2019, Harvard Educational Press)ほか。
◆訳者
渡部竜也(わたなべ・たつや)
東京学芸大学教育学部准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学、カリキュラム論、授業設計論、教師教育、社会改造主義教育論研究。主な著訳書に『真正の評価――テストと教育評価の新しい科学に向けて』(共訳、春風社、2021年)、『教室における政治的中立性――論争問題を扱うために』(共監訳、春風社、2021年)、『主権者教育論――学校カリキュラム・学力・教師』(春風社、2019年)、『アメリカ社会科における価値学習の展開と構造――民主主義社会形成のための教育改革の可能性』(風間書房、2015年)ほか。
桑原敏典(くわばら・としのり)
岡山大学大学院教育学研究科教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学、公民教育論、主権者教育論。主な著書に『高校生のための主権者教育実践ハンドブック』(編著、明治図書、2017年)、『社会科教育学研究法ハンドブック』(共編著、明治図書、2015年)、『中学校新教育課程 社会科の指導計画作成と授業づくり』(明治図書、2009年)、『中等公民的教科目内容編成の研究――社会科公民の理念と方法』(風間書房、2004年)ほか。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

新版 大地の哲学―三位一体の於てある場所

新版 大地の哲学

三位一体の於てある場所

  • 小野寺功(著)/2022年11月
  • 3200円(本体)/四六判並製コデックス装342頁
  • 装丁:長田年伸
  • 装画:moineau

西田幾多郎と新井奥邃をむすぶ聖霊の息吹。故郷岩手の風土に根ざし、育まれ、ひたすらに求めてきた著者畢生の思索。ここに結晶する。
(ISBN 9784861108396)

目次|contents

序 (森信三)
第一部 詩と哲学
一 イーハトーヴの故郷
二 父を求めて
三 魂の造型
第二部 三位一体の場
四 絶対無と聖霊
五 カトリックとプロテスタント
第三部 現代世界と日本哲学
六 近代日本の哲学とカトリシズム――西田・田辺・鈴木(亨)哲学との出会い
七 逢坂神学と西田哲学
八 西田哲学とカトリック
旧版あとがき
新版あとがき

著者|author

小野寺功(おのでら・いさお)
1929年岩手県生まれ。上智大学大学院哲学研究科修了。清泉女子大学名誉教授。主な著書に『絶対無と神――京都学派の哲学』(2002年)『聖霊の神学』(2003年)『大地の文学 [増補]賢治・幾多郎・大拙』(2004年)『随想 西田哲学から聖霊神学へ』『日本の神学を求めて』(2022年、以上春風社)がある。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

句集 暾

句集 暾

  • 三浦衛(著)/2022年10月
  • 2500円(本体)/A5判変型上製函入220頁
  • 装丁:長田年伸

故郷秋田の光と山河から生活の諸事万端までの春夏秋冬を詠む。佐々木幹郎氏による序詩「一人の男――三浦衛句集に寄せて」を併収。

(ISBN 9784861108143)

目次|contents

一人の男――三浦衛句集に寄せて 佐々木幹郎
二月
三月
四月
五月
六月
七月
八月
九月
十月
十一月
十二月
一月

後記

著者|author

三浦衛(みうら・まもる)
春風社代表取締役社長。1957年秋田県生まれ。東北大学経済学部卒業後、神奈川県内の私立高校で社会科教諭を7年間務める。その後、東京都内の出版社に勤務。1999年、春風社を創業。著書に、『出版は風まかせ おとぼけ社長奮闘記』(春風社、2009年)、『公共する人間5 新井奥邃 公快共楽の栄郷を志向した越境者』(分担執筆、東京大学出版会、2010年)、『父のふるさと 秋田往来』(春風社、2010年)、『マハーヴァギナまたは巫山の夢』(春風社、2012年)、『おうすいポケット 新井奥邃語録抄』(共編、春風社、2015年)、『カメレオン』(春風社、2016年)、『石巻片影』(共著、春風社、2017年)、『鰰 hadahada』(春風社、2019年)、『文の風景 ときどきマンガ、音楽、映画』(春風社、2021年)がある。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

「よりどころ」の形成史―アルゼンチンの沖縄移民社会と在亜沖縄県人連合会の設立

「よりどころ」の形成史

アルゼンチンの沖縄移民社会と在亜沖縄県人連合会の設立

  • 月野楓子(著)/2022年10月
  • 4300円(本体)/A5判上製356頁
  • 装丁:中本那由子

つながらなくてもいいのではないか。あるいはつながっていなくても、何かを、どこかを、誰かを、想ったり、頼ったりする、つまり何らかの「よりどころ」があれば、人はなんとか「生きる」を続けられるのではないか。

故郷沖縄での苦しい生活を脱するため20世紀前半に多くの人々がアルゼンチンへ雄飛したが、そこでの暮らしは必ずしも思い描いていた通りのものではなかった。貧困や差別のある厳しい生活の中で培われたアイデンティティや連帯の強さは、しかし、「沖縄」「同郷」というだけで説明できるような、わかりやすいものなのだろうか。
戦後に在亜沖縄県人連合会が結成された経緯と意義を、そして戦争や帰属問題に揺れる遠くの故郷をどのように移民の人々が見ていたのかを、「エスニシティ」や「ナショナリズム」に還元できないものに目を向けながら描きだす。

(ISBN 9784861108303)

目次|contents

はじめに
序章
第一章 アルゼンチンにおける沖縄移民社会の形成
第二章 沖縄移民の団体・仕事・生活
第三章 第二次世界大戦時の在亜邦人社会と沖縄移民
第四章 在亜邦人社会の戦後―アルゼンチン政府要人への接近と移民の再開
第五章 救済活動による戦後組織の展開
第六章 沖縄文化の抑圧とアルゼンチンにおける沖縄文化
第七章 「在亜沖縄県人連合会」の設立
終章

著者|author

月野楓子(つきの・ふうこ)
沖縄国際大学総合文化学部専任講師
沖縄移民研究、ラテンアメリカ研究、国際文化学
主な著作に、「中南米地域の邦字新聞を活用した日本人移住に関する諸研究―『らぷらた報知』の創刊と『在亜沖縄県人連合会』の設立」(『研究紀要』15号、JICA横浜海外移住資料館、2021年)、「Ryukyu Sapukaiにみる沖縄文化の「継承」―アルゼンチンの沖縄系下位世代に関する一考察」(『インターカルチュラル』14号、日本国際文化学会、2015年)など。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する

終わりの風景―英語圏文学における終末表象

終わりの風景

英語圏文学における終末表象

  • 辻󠄀和彦・平塚博子・岸野英美(編)/2022年11月
  • 3100円(本体)/A5判並製240頁
  • 装丁:矢萩多聞

仮に何かが始まる、あるいは何かを新しく私たちが始めるとしても、その起点は「終わりの風景」からになるのではないか――

文学作品において描かれる環境問題、自然災害、社会変動などのさまざまな終末表象に着目し、ものごとの「終わり」を新たな可能性として捉え、読み解く10の論考。

(ISBN 9784861108235)

目次|contents

はじめに【辻󠄀和彦】
序章 リタ・ウォン作品にみる水の詩学―「借用された水」、「水の旅からの急報」、「グレゴワール湖のために」【岸野英美】
第1章 終末世界を救済するための小説のデザイン―カズオ・イシグロの内的持続の文学と『クララとお日さま』【田中ちはる】
第2章 コロナ禍の時代を生きる命と想像力―アリ・スミス『夏』における「終わりの風景」と希望の可能性【霜鳥慶邦】
第3章 家族の終わりとナクサライト―ジュンパ・ラヒリ『低地』とアルンダティ・ロイ『小さきものたちの神』をとおしてみる二つの「応答責任」【加瀬佳代子】
第4章 アジア系アメリカ文学における〈天災〉と〈人災〉―ヒサエ・ヤマモトとルース・オゼキの作品を中心に【松本ユキ】
第5章 「終わり」の見えない不安―イアン・マキューアンの『土曜日』試論【高橋路子】
第6章 ゾラ・ニール・ハーストンの『彼らの目は神を見ていた』における災害とレジリアンス→レジリエンス【平塚博子】
第7章 荒野の王が見た風景―シェイクスピア悲劇『リア王』における飢饉、大嵐、疫病【高橋実紗子】
第8章 〈終わりの風景〉の向こう側―インドラ・シンハの『アニマルズ・ピープル』とボパール、水俣、太平洋核実験【小杉世】
終章 災害と感染症時代の恐怖―エドガー・アラン・ポー作品を辿る【辻󠄀和彦】
終わりの風景の終わりに【辻󠄀和彦】

編者|editors

辻󠄀和彦(つじ・かずひこ) 近畿大学文芸学部教授
平塚博子(ひらつか・ひろこ) 日本大学生産工学部准教授
岸野英美(きしの・ひでみ) 近畿大学経営学部准教授

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する