刺繍が変える女性たちの世界―ウズベキスタン刺繍制作の民族誌

刺繍が変える女性たちの世界

ウズベキスタン刺繍制作の民族誌

  • 今堀恵美(著)/2026年2月
  • 4500円(本体)/A5判上製366頁

一般にスザニとして知られるウズベキスタンの刺繍。ウズベク女性たちにとってこの刺繍の制作、技法、素材は、どのような意味をもつのか。ソ連崩壊後、旧社会主義圏の市場経済化のなかで刺繍制作者や事業家はどのように生活戦略を立ててきたのか。20年以上にわたる調査にもとづくエスノグラフィ。

本書の主眼は、カシュタという工芸品の制作の仔細を記述することを通じて、社会主義的計画経済から市場経済化を経て、発展し続ける現代ウズベキスタンを生きる人たちの生活戦略を明らかにすることである。(本文より)

(ISBN 9784868160731)

目次|contents

はじめに

序論 中央アジアの市場経済化と工芸に関する人類学的研究

第Ⅰ部 刺繍が彩る日常世界
第1章 ウズベキスタンの調査地概要
第2章 ウズベキスタンの刺繍制作史とショフィルコン地区
第3章 持参財のなかの礼拝用敷物―モノを通してみるイスラーム信仰

第Ⅱ部 生活戦略としての刺繍
第4章 市場経済化とカシュタ事業家の誕生
第5章 技法から見る三種類の刺繍がつくるネットワーク
第6章 カシュタぬい子―したたかなピースワーク労働者
第7章 二〇年を経たカシュタ事業―日本におけるスザニ展

総括と展望 カシュタが変える女性たちの世界

おわりに
参照文献
索引

著者|author

今堀恵美(いまほり・えみ)

東海大学文化社会学部アジア学科 講師
社会人類学、中央アジア民族誌学
主な著作:
・「「インフォーマル・クラフト」としての刺繍業――ソ連期ウズベキスタンにおける集団化から外れた村落部の工芸の事例から」『東海大学紀要文化社会学部』12号、2024年、
・工芸品の価値の差異化をめぐる真正性のリアリティ――日本における「ウズベキスタンの刺繍とスザニ」展示会での協働の事例から――中央アジア学会報』20号、2024年
・ Imagination about the Crafts of Other Culture: Survey Results from an Exhibition of Uzbek Embroidery in Japan.『東海大学紀要文化社会学部』13号、2025年

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移動と社会規範―ウガンダのバイクタクシーの民族誌

移動と社会規範

ウガンダのバイクタクシーの民族誌

  • 大谷琢磨(著)/2026年2月
  • 4100円(本体)/A5判上製266頁
  • 装丁:長田年伸

アフリカの街を疾走する、おびただしい数のバイクタクシー。一見カオスで危険な交通手段は、どのようにして社会の〈インフラ〉として機能し続けてきたのか?

乗客輸送のみならず、物品の配達から高額な売上金の銀行預け入れまで請け負う運転手たち。客待ち場所「ステージ」での自主的な組織「委員会」による統制。運転手の「熟練度」を測る現地の規範。そして、顧客が運転手を値踏みするために行う「テスト」。

ウガンダでのフィールドワークから、運転手と乗客のあいだで〈信頼〉が築かれるメカニズムに迫る。

(ISBN 9784868160687)

目次|contents

第1章 序論
第2章 先進国と発展途上国でのパラトランジットの普及
第3章 バイクタクシーとは
第4章 調査地の概要と調査方法
第5章 ボダ・ボダと行政、政治との関係
第6章 ボダ・ボダの多様な輸送サービスを支える職業意識
第7章 ステージを中心としたボダ・ボダ:商人との関係
第8章 信頼関係に応じたボダ・ボダ運転手の使い分け
第9章 ボダ・ボダ運転手の自主組織と集団規範の形成
終章

おわりに
参照文献
索引

著者|author

大谷琢磨(おおたに たくま)

日本学術振興会 特別研究員 RPD/立命館大学 衣笠総合研究機構 専門研究員
アフリカ地域研究、人文地理学、文化人類学、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科研究指導認定退学、博士(地域研究)

主な著作に、「ウガンダ都市部におけるバイクタクシーの自主組織による集団規範の形成と秩序の維持」(『アジア・アフリカ地域研究』23(1)、2023年)

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グレート・フィールド年代記

グレート・フィールド年代記

  • マグナス・ミルズ(著)、戸丸優作(訳)/2026年1月
  • 3000円(本体)/四六判上製230頁
  • 装丁:日高早苗

〈大広場〉の勢力の均衡が徐々に崩れてゆく…。
〈大広場〉(グレート・フィールド)と呼ばれる草原を訪れた語り手兼主人公「僕」を通して、そこに到着した様々な人々の出会いと事件を語った中編小説。入れ替わり立ち替わりやってくる諸集団に翻弄された「僕」を含むキャンプ場の住人たちの趨勢を描いた寓話的物語。
(ISBN 9784868160854)

目次|Contents

グレート・フィールド年代記
訳者あとがき

著訳者|Author and Translator

【著者】
マグナス・ミルズ(Magnus Mills)

1945年バーミンガムに生まれ、フェンス職人やバスの運転手などの仕事をして、小説を書いた。1998年にブッカー賞最終候補に残った第一作The Restraint of Beasts(1998)はトマス・ピンチョンが激賞したと言われている。その後もコンスタントに作品を描き続けており、作者自身のキャリアを反映した現代イギリスにおける労働についての物語、イギリスの歴史的状況にコミットしたファンタジー、どこか分からない砂だらけの場所でブリキの家に住む男の話、パブの裏部屋を借りてレコードを聴くクラブの物語まで、様々な小説を書いている。これまでに翻訳された長編として、『フェンス』(たいらかずひと訳、DHC、2000)、『オリエント急行戦線異常なし』(風間賢二訳、DHC、2003)、『鑑識レコード倶楽部』(柴田元幸訳、アルテスパブリッシング、2022)がある。
【訳者】
戸丸優作(とまる・ゆうさく)
1980年福岡県北九州市生まれ。江戸川大学講師。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は英語圏文学・仏語圏文学。

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幕末・明治初期における横須賀製鉄所の設立と洋式海軍整備―人・組織・施設とその連続性

幕末・明治初期における横須賀製鉄所の設立と洋式海軍整備

人・組織・施設とその連続性

  • 塚越俊志(著)/2026年1月
  • 8000円(本体)/A5判上製654頁
  • 装丁:根本眞一(クリエイティブ・コンセプト)

幕末から明治初期にかけての横須賀製鉄所の設立と洋式海軍整備を、「人」「組織」「施設」の側面から総合的に考察。
「柴田剛中文書」や『続通信全覧』などの史料を丹念に読み解くことで新たな視点を提示し、徳川幕府と明治政府間の連続性を明らかにする。
(ISBN9784868160540)

目次|Contents

序論
第I部 幕府による洋式海軍創設の始まり
第一章 長崎製鉄所から江戸へ――長崎奉行岡部長常の役割
第二章 万延・文久期の海軍構想
第II部 横須賀製鉄所と幕府海軍
第一章 軍艦頭取肥田濱五郎と幕府海軍施設――石川島造船所から横須賀製鉄所へ
第二章 横須賀製鉄所と柴田使節団のフランスでの活動
第三章 横浜製鉄所の建設と運用――西丸留守居竹内保徳の役割
第四章 横須賀製鉄所の建設
第五章 横須賀製鉄所の運用
第六章 横須賀製鉄所および周辺地域の防衛とその動向
第III部 明治初期の横須賀製鉄所と海軍
第一章 明治維新と横須賀製鉄所
第二章 横須賀製鉄所からはじまる「富国強兵」「殖産興業」
結論

著者|Author

塚越俊志(つかごし・としゆき)
1982年北海道生まれ。東海大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得、博士(文学・東洋大学)。東洋大学非常勤講師。主要著書・論文に、編著『レンズが撮らえた幕末日本の事件史』(日本カメラ博物館監修、山川出版社、2022年)、「掛川藩士橘耕斎の死にざま―幕末・明治の日露両国をつないだ通訳」(岩下哲典・東洋大学人間科学総合研究所編『研究論集「歴史のなかの『しにぎわ』と死後」』戎光祥出版 2025年)、「松平忠固と実弟西尾忠受の家督相続」(岩下哲典編『幕末の老中 松平忠固―政治・生糸貿易・上田藩―』吉川弘文館 2025年)など。

 

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モンテッソーリ教具の成立過程―セガンからブルヌヴィルを経てモンテッソーリへ

モンテッソーリ教具の成立過程

セガンからブルヌヴィルを経てモンテッソーリへ

  • 竹田康子(著)/2026年1月
  • 4000円(本体)/A5判上製272頁
  • 装丁:長田年伸

教具が形成される過程から、新たな実践や理論を生み出す教育知を描く――
知的教育を導く際、教具を媒介とする援助によって子どもの自己教育を可能にする方法を打ち立てた、マリア・モンテッソーリの思想とその意義を多くの史料をもとに検討。子どもにも自由に用いられながら、教師にも教授・学習活動を成立させるための間接性と媒介性を確保できる対象として教具を捉え、子ども、教師、教具の関係と、その科学的実験の精神を再考する。
(ISBN9784868160878)

目次|Contents

はじめに
凡例
序章 教育と教具
 第1節 問題設定
 第2節 考察の視点
 第3節 教具に関する先行研究
 第4節 先行研究の問題点
 第5節 研究方法と本書の構成
第1章 モンテッソーリ教育理論の基盤
 第1節 モンテッソーリ教育理論の基盤
 第2節 モンテッソーリ教育理論の発展過程
 第3節 モンテッソーリ教育理論の基盤と教具
第2章 モンテッソーリ教育と教具の成立
 第1節 問題の所在
 第2節 19世紀フランスの知的障害教育
 第3節 セガン教具からモンテッソーリの知的障害児教具へ
 第4節 「子どもの家」における健常児教具
 第5節 「教具」の変遷とモンテッソーリ教育
第3章 教具の発展史
 第1節 教具の発展系列
 第2節 教具の発展史
 教具写真・図版一覧
第4章 教具の拡充
 第1節 教具に関する著書
 第2節 教具の多様化・抽象化
終章 教育理論を生み出す教具
 第1節 モンテッソーリ教具成立の過程
 第2節 教具と教育理論
 第3節 モンテッソーリ教具の教育学的意義
結語
あとがき
文献一覧
事項索引
人名索引

著者|Author

竹田康子(たけだ・やすこ)
1951年岡山県生まれ。2006年にAssociation Montessori Internationale(Founded by Dr. Maria Montessori)Montessori Diploma(from 3 to 6+ years of age)取得。2016年に大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了(博士)。現在、大阪信愛学院大学しんあい教育研究ケアセンター客員研究員、大阪信愛学院大学非常勤講師、大阪商業大学非常勤講師。モンテッソーリ子ども研究所・附属サクランボ「子どもの家」主宰。主要論文に「モンテッソーリ教具の歴史的変遷」『大阪大学教育学年報』第19号、2014年などがある。

 

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葬制変容と生活改善―戦後地域社会の住民組織と新生活運動

葬制変容と生活改善

戦後地域社会の住民組織と新生活運動

  • 大場あや(著)/2026年1月
  • 4500円(本体)/A5判並製334頁
  • 装丁:中本那由子

戦後日本の庶民にとっての葬儀の「近代化」とは?

1960 年代、奥羽山脈に囲まれた山形県のある町に、重油式の火葬場が建設された。土葬や野焼きからの解放を熱望し、社会慣習の変革に乗り出した住民たちの試行錯誤とポリティクスを丹念に描き出す。

(ISBN 9784868160717)

目次|contents

序章

第Ⅰ部 研究の与件
第1章 葬制と社会変動―研究の第一与件
第2章 〈葬儀を支える住民組織〉契約講―研究の第二与件
第3章 生活改善をめぐる政策と葬制―研究の第三与件

第Ⅱ部 農村と町場における〈葬儀を支える住民組織〉
第4章 調査地概要
第5章 最上町における契約講と葬儀

第Ⅲ部 地域社会における葬制の変容の力学
第6章 戦後のまちづくりと新生活運動の展開
第7章 戦後町場エリアにおける契約講の連合と再編
第8章 分析と考察

終章 まとめと結論


参考文献
あとがき
索引

著者|author

大場 あや(おおば あや)

1991年、山口県生まれ。東京外国語大学外国語学部卒業、大正大学大学院文学研究科宗教学専攻博士前期課程・同博士後期課程修了。博士(文学)。
専門は宗教社会学、葬制研究。
大正大学・駒澤大学・日本大学・武蔵野大学大学院非常勤講師、國學院大學研究開発推進機構日本文化研究所ポスドク研究員などを経て、現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、国立歴史民俗博物館外来研究員、東洋大学・淑徳大学非常勤講師など。

主要研究業績
「森岡清美の〈真宗教団と「家」〉研究」(共著『森岡清美の宗教社会学―その継承と検証―』法藏館、2025年)、「人口移動と葬儀互助システムの形成―山形県最上町の契約講を事例に―」(共著『無縁社会の葬儀と墓―死者との過去・現在・未来―』吉川弘文館、2022年)、「新生活運動と「冠婚葬祭の簡素化」―広報にみる地域住民の論理と「共同化」への動き―」(『宗教と社会』27号、2021年)、「地域社会における葬制変容の力学―山形県最上町契約講の連合と再編のモノグラフ―」(『宗教研究』95巻1号、2021年)など

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大地を切り裂く人々―ソロモン諸島「山の民」の開発・自己・自然

大地を切り裂く人々

ソロモン諸島「山の民」の開発・自己・自然

  • 橋爪太作(著)/2025年12月
  • 5000円(本体)/A5判上製368頁
  • 装丁:大田高充

 

社会科学のメラネシア的生成変化!
忽然と消えたクランが残した「禁足地」、遺体から力を得ようとする若者、土地争いの場で「掘ってみれば分かる」と叫ぶチーフ、重機の振動に呼び覚まされる祖霊、「石から生まれた男」をめぐる系譜の内紛。

「大地の不穏な現れ」から、自らの社会観と未来を問い直す。

***

マライタ島における土地は、我々の知るそれとはまったく違っている。土地は人間を支える安定的な地盤ではなく、あらゆる過去が堆積した潜在性の領域である。人々はこうした土地を「掘り」、そこに現れた自己の姿に驚く。(本文より)

***

本書の「はじめに」を公開しています。

(ISBN 9784868160670)

目次|contents

はじめに 土地と向き合う人々
序章 メラネシアから社会と土地を考える

第1部 死が埋まる土地
第1章 海の側に住む「山の民」――調査地の民族誌的概要
第2章 不動の故地と伸び広がる系譜――キリスト教以前の西ファタレカ
第3章 「あってはいけない現実」の形成――マーシナ・ルールと自己知識の客体化

第2部 生きた土地
第4章 起源の闇と不穏な未来のあいだ――現代西ファタレカにおける社会変容の深層
第5章 家を作る者が捨てた石が隅の親石となる――西ファタレカのクラン間政治と「未発の革命」
第6章 木々が倒れるとき――メラネシアの人間と自然
第7章 故地へ帰る道路――インフラストラクチャーと新しい日常の構築

結論 目の前にある時間

あとがき

参照文献
索引

著者|author

橋爪太作(はしづめ・だいさく)
大阪公立大学現代システム科学研究科・准教授
文化人類学

主な著作に、『大地と星々のあいだで――生き延びるための人類学的思考』(イースト・プレス、2024年)、「未知の故郷への帰還――ソロモン諸島マライタ島の道路建設にみるインフラストラクチャーの両義性」(古川不可知編『モビリティと物質性の人類学』春風社、2024年)、「起源の闇と不穏な未来のあいだ――現代ソロモン諸島マライタ島西ファタレカにおける社会変容の深層」(『文化人類学』87(1)、2022年、第19回日本文化人類学会奨励賞受賞)

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語りとヴィジュアリティ―シャーロット・ブロンテの一人称小説を読む

語りとヴィジュアリティ

シャーロット・ブロンテの一人称小説を読む

  • 杉村藍(著)/2025年12月
  • 4000円(本体)/A5判上製274頁
  • 装丁:江森恵子(クリエイティブ・コンセプト)

シャーロット・ブロンテが生み出す言葉と視覚的イメージの世界へ――その生きた時代と生涯を背景に
「書くこと」と「描くこと」はどのように結びついていたのか。シャーロット・ブロンテの3つの一人称小説『教授』『ジェイン・エア』『ヴィレット』を対象に、物語と絵画が相互に影響しあった独特の創作方法に迫る。
(ISBN9784868160595)

目次|Contents

序章 語りとヴィジュアリティという視座
第1部 その生きた時代と生い立ち
第1章 一九世紀イギリスはどのような時代だったか
第2章 シャーロット・ブロンテ――その生涯
第2部 作家への道程――初期作品の世界
第3章 初期作品の始まりとその意義
第4章 初期作品における語りとヴィジュアリティ
第3部 リアリズムへの挑戦――『教授』
第5章 都合のよい真実――『教授』における科学的観察
第6章 破綻する語り――『教授』におけるクリムズワスの創造性と語りの綻び
第4部 語りとヴィジュアリティの融合――『ジェイン・エア』
第7章 語り手への道のり――ジェイン・エアの描いた軌跡
第8章 『ジェイン・エア』におけるヴィジュアリティとその効果――ビューイックの謎を解く
第5部 実人生を映した歪み――『ヴィレット』
第9章 黙した語り手――ルーシー・スノウが描く曖昧な結末
第10章 物語を紡ぐ光と影――『ヴィレット』におけるヒロインの謎
終章 ことばとイメージが織りなすもの――まとめに代えて

著者|Author

杉村藍(すぎむら・あい)
鳥取大学地域学部地域学科国際地域文化コース教授。英国リーズ大学大学院修了(修士)。名古屋大学大学院国際言語文化研究科国際多元文化専攻単位取得満期退学。博士(文学)。著書に『「ジェイン・エア」を読む』(開文社、1995年)、『ブロンテ姉妹の時空―三大作品の再評価』(北星堂、1997年)、『ブロンテ姉妹を学ぶ人のために』(世界思想社、2005年)、『ザルツブルグの小枝』(大阪教育図書、2007年)(以上共著)他、翻訳に『ブロンテ家の人々』(共訳、彩流社、2006年)、『子どもが描く世界―オースティンからウルフまで』(共監訳、彩流社、2010年)、他。

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近代日本におけるイスラームの転回―漂泊する知の考古学

近代日本におけるイスラームの転回

漂泊する知の考古学

  • 黒田賢治(著)/2025年12月
  • 4300円(本体)/A5判上製336頁
  • 装画:Nina

イスラームという信仰は、この国でいつ発見され、どのように理解されてきたのだろうか。西洋と中国という経路によってもたらされ、仏教やアジア主義といったフィルターを通して変容し、やがてその一部は忘れ去られていった、知の系譜を掘り起こす試み。
新井白石による「マァゴメタン」の発見、文久遣欧使節団の「仏像」なきモスク体験、「怪傑マホメツト」像の創造、山岡光太郎に先立つ中島裁之の「メッカ」視察談の謎、そして大正三年の「巡礼船事業」……
日本はどのようにして、独自のイスラーム観を形成してきたのか。

(ISBN 9784868160700)

目次|contents

序章
第一章 イスラームの発見とサムライたちの教養
第二章 幕末日本におけるイスラームとの邂逅——文久遣欧使節団の記述より
第三章 西洋への眼差しのなかのイスラーム
第四章 明治日本のイスラーム――外来知識の咀嚼と帝国の戦略
第五章 翻訳時代のムハンマドの小伝と知の共鳴
第六章 明治期後期のイスラームをめぐる知の展開と系譜――ムハンマドの伝記とその資料
第六章補論 聖典クルアーン研究の先駆者藤田季荘
第七章 一九〇七年の中島裁之の世界旅行と「メッカ」視察談——日本初のマッカ訪問者をめぐって
第八章 近代日本とイスラーム世界の関係再考――大正三年巡礼船事業を中心に
終章

あとがき
参考文献
索引

著者|author

黒田賢治(くろだ・けんじ)
1982年奈良県生まれ。2011年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了。博士(地域研究)。人間文化研究機構 総合人間文化研究推進センター研究員、国立民族学博物館助教などを経て、25年9月より国立民族学博物館グローバル現象研究部准教授。
専門は中東地域研究、イスラーム研究、文化人類学。

著書に『イランにおける宗教と国家――現代シーア派の実相』(2015年、ナカニシヤ出版)、『戦争の記憶と国家――帰還兵が見た殉教と忘却の現代イラン』(2021年、世界思想社、国際宗教研究所賞奨励賞受賞)、『現代イラン史――イスラーム革命から核問題、対イスラエル戦争まで』(2025年、中央公論新社)などがある。共著に『大学生・社会人のためのイスラーム講座』(2018年、ナカニシヤ出版)、『「サトコとナダ」から考えるイスラム入門』(2020年、星海社)など。

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ジャカルタ・アトラス―地図でみる都市の成熟

ジャカルタ・アトラス

地図でみる都市の成熟

  • 三村豊、新井健一郎、小泉佑介(編)/2025年12月
  • 執筆:田川昇平、林憲吾、塩寺さとみ、加反真帆、吉田航太
  • 3500円(本体)/B5判上製162頁
  • 装丁:株式会社 中野デザイン事務所

「ジャカルタ」というメガシティをいかに見ることができるか。この問いに、インドネシア政府の基幹統計「村落潜在力調査(PODES)」の多様なデータを地図によってビジュアル化し、「成熟」というコンセプトから迫る。
「発展途上国」あるいは「新興国」、高層ビル対スラムといった単純化された東南アジアのイメージではとらえきれない、人々の日々の営みから生み出される「住むこと」のダイナミズム。

(ISBN 9784868161004)

目次|contents

第Ⅰ章 ジャカルタへの招待
第Ⅱ章 都会で田舎なジャカルタの景色
第Ⅲ章 ジャカルタの暮らしの変化
第Ⅳ章 広くて多様なジャカルタ
第Ⅴ章 ディープなジャカルタを覗く

編者|editors

三村豊
総合地球環境学研究所|建築学(建築・都市史)
主要業績:三村豊(2016)「メガシティ・ジャカルタとビッグデータ─分散的共創としての巨大都市空間・史的分析を目指して」『建築雑誌』1690:34-35.三村豊・新井健一郎(2020)「居住環境から見たインドネシア首都圏のミドルクラスの規模と影響─2010年の衛星画像のSURFによる分析から」『都市創造学研究』4:41-59.

新井健一郎
亜細亜大学|都市研究、東南アジア地域研究
主要業績:新井健一郎(2012)『首都をつくる―ジャカルタ創造の50年』東海大学出版会.新井健一郎(2022)「ジャカルタにおける知事公選と住宅・居住環境整備」『都市創造学研究』6:17-58.

小泉佑介
一橋大学|人文地理学、地域研究
主要業績:小泉佑介・永田淳嗣(2018)「インドネシア・リアウ州住民の出生地・民族背景と産業別就業構造―2000年・2010年人口センサス個票データの分析を中心に」『東南アジア研究』56(1):3-32.小泉佑介(2023)『熱帯フロンティアへの移住と開拓―インドネシア外島の農園開発に伴う地域変動』東京大学出版会.

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