変貌するエチオピアの光と影―民族連邦制・開発主義・革命的民主主義の時代

変貌するエチオピアの光と影

民族連邦制・開発主義・革命的民主主義の時代

  • 石原美奈子・眞城百華・宮脇幸生(編)/2025年2月
  • 5000円(本体)/A5判並製418頁
  • 装丁:長田年伸

「アフリカの角」の地域大国エチオピアにおいて、1991年から28年間にわたり政権を握ったエチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)。政権発足当初は期待をもって国民に迎え入れられたにもかかわらず、その期待が疑惑や失望へと変質したのはなぜなのか。その遺産は繁栄党政権にどのように受け継がれたのか。――日本人研究者たちが、この政権期に構築された政治・経済・社会体制の意義を総括する。
(ISBN 9784868160052)

目次|Contents

はじめに(石原 美奈子) [pp.11-27]
第Ⅰ部 EPRDF政権の民族連邦制・革命的民主主義・開発主義
第1章 エチオピアにおける民族連邦制と革命的民主主義(石原 美奈子・眞城 百華)[pp.31-64]
第2章 開発主義国家の誕生(宮脇 幸生)[pp.65-98]
第3章 言語政策―学校における教授言語に注目して(利根川 佳子)[pp.99-118]
第4章 マスメディアとNGOセクター(利根川 佳子)[pp.119-144]
第Ⅱ部 エチオピアの民族連邦制―そのおこりと行方
第5章 ティグライ人民解放戦線によるティグライ支配の構図―内戦期の遺産と課題(眞城 百華)[pp.147-176]
第6章 「アムハラ」民族の再形成―民族ナショナリズム台頭の背景(児玉 由佳)[pp.177-208]
第7章 オロモ民族主義の過去・現在・未来―民族連邦制の功罪(石原 美奈子)[pp.209-239]
第8章 オロモの再想像/創造としての無形文化遺産―ガダ体系をめぐる重層的な文化翻訳のプロセス(田川 玄)[pp.239-255]
第9章 国家への集合的トラウマとエスノナショナリズムの隆盛―エチオピア南東部アルシにおける抵抗者たちの経験とナラティブに焦点をあてて(大場 千景)[pp.257-284]
第10章 民族連邦制の功罪―南部諸民族州からの分離と新たな州の設立(吉田 早悠里)[pp.285-308]

第Ⅲ部 開発政策と人びとの生活の変化
第11章 周辺民族にとっての国家の諸相―西南部の農耕民マロとEPRDF政権を中心に(藤本 武)[pp.311-338]
第12章 力の政治文化と困窮するくらし―EPRDF政権下での牧畜社会の経験(佐川 徹)[pp.339-364]
第13章 新たなコモンズと資源管理システムの生成―エチオピア西南部農牧民ツァマコの事例から(宮脇 幸生)[pp.365-391]

おわりに(眞城 百華)[pp.392-400]
あとがき(宮脇 幸生)[pp.401-405]

索引
執筆者一覧

編者|Editors

石原美奈子(いしはら・みなこ)
南山大学人文学部・教授。文化人類学。主な著作に、『愛と共生のイスラーム:現代エチオピアのスーフィズムと聖者崇拝』(編著、春風社、2021年)、『現代エチオピアの女たち:社会変化とジェンダーをめぐる民族誌』(編著、明石書店、2017年)、『せめぎあう宗教と国家:エチオピア 神々の相克と共生』(編著、風響社、2014年)など。

眞城百華(まき・ももか)
上智大学総合グローバル学部・教授。エチオピア史、アフリカ研究。主な著作に、『エチオピアの歴史を変えた女たちの肖像』(テケステ・ネガシュ著、共訳、ぎょうせい、2024年)、『エチオピア帝国再編と反乱(ワヤネ):農民による帝国支配への挑戦』(春風社、2021年)、「戦う女性たち:ティグライ人民解放戦線と女性」(石原美奈子編著『現代エチオピアの女たち:社会変化とジェンダーをめぐる民族誌』明石書店、2017年)、「民族の分断と地域再編:ティグライから見たエチオピアとエリトリアの100年」(小倉充夫編著『現代アフリカ社会と国際関係:国際社会学の地平』、有信堂、2012年)など。

宮脇幸生(みやわき・ゆきお)
大阪公立大学・名誉教授。文化人類学。主な著作に、Female Genital Mutilation/Cutting: Global Zero Tolerance Policy and Diverse Responses from African and Asian Local Communities (共編著、Springer、2023年)、『国家支配と民衆の力:エチオピアにおける国家・NGO・草の根社会』(編著、大阪公立大学共同出版会、2018年)、『辺境の想像力:エチオピア国家に抗する少数民族ホール』(世界思想社、2006年)など。

お詫びと訂正

本文中に編集上の不手際で67ページのグラフに誤りが生じました。こちら(pdfファイル)が正しいものになります。謹んでお詫びして訂正いたします。

 

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女子プロレスの誕生—冷戦期日本の大衆文化とインターセクショナリティ

女子プロレスの誕生

冷戦期日本の大衆文化とインターセクショナリティ

  • 瀬戸智子(著)/2025年2月
  • 3200円(本体)/四六判並製398頁
  • 装丁:中本那由子

エロさ or 強さ? 生業 or 自己実現?
近年、さまざまな団体が活動し、一ジャンルとしてたしかな地位を築いている女子プロレス。その黎明期の10年間にみられた、冷戦下日本の家父長的なありようとレスラー自身のエンパワメント性、双方の混淆を描く。
(ISBN 9784861109997)

目次|Contents

序章
第一章 女子プロレスの誕生
第二章 一九五四年 世界女子プロレスリング大試合
第三章 第一次女子プロレスブーム
第四章 インターセクショナルな女子レスラー表象
終章
あとがき
主要参考文献一覧

著者|Author

瀬戸智子(せと・ともこ)
東京都八王子市生まれ。シカゴ大学東アジア言語文化学科博士課程修了。博士(Ph.D)。韓国・延世大学校アンダーウッド国際大学を経て、現在、神戸女学院大学国際学部准教授。専門は近現代日本文化史、ジェンダー史、民衆文化研究。主な論文に、”From the Stage to the Ring: The Early Years of Japanese Women’s Professional Wrestling, 1948–1956″ (Journal of Women’s History, 33:3, 2021)、”Shoka and Naniwa-bushi in Inoue Hisashi’s Manzanar, My Town (1993): Violence, Vulnerability, and Women’s Solidarity” (U.S.-Japan Women’s Journal, 55/56, 2019)、”‘Anarchist Beauties’ in Late Meiji Japan: Media Narratives of Police Violence in the Red Flag Incident” (Radical History Review, 126, 2016)など。

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幸田露伴の「知」の世界

幸田露伴の「知」の世界

  • 西川貴子(著)/2025年2月
  • 4800円(本体)/四六判上製324頁
  • 装丁:毛利一枝

露伴にとって、「文章を作る」ということは「境界」をなくし、「広い」「茫漠として分らぬ」世界を作ることに他ならないという意識があったことがわかる。「いさなとり」に内包される「知」と「力」の錯綜のありようには、露伴の求めた「広い」「茫漠として分らぬ」世界の一端を観ることができる。(本文より)
(ISBN 9784861109874)

目次|Contents

凡例
はじめに――書を読むは猶文を作るが如し
第一部 「制度」からの逸脱
第一章 「法」と「幽霊」―「あやしやな」
第二章 「美術」の季節―『風流仏』
第三章 錯綜する「知」と「力」―「いさなとり」
第二部 合理的ならざるものへの眼差し
第四章 伝説と現実―「新浦島」
第五章 〈煩悶、格闘〉する詩人―「心のあと 出廬」
第六章 「詩」の行方―「天うつ浪」
第三部 「幻」をめぐる談し
第七章 「移動」と「境界」―「観画談」
第八章 「境界」に挑む者たち―「魔法修行者」
第九章 〈言〉をめぐる物語―「平将門」
第十章 香から広がる世界―「楊貴妃と香」
むすび

〔資料編〕
初出一覧
あとがき
人名索引

著者|Author

西川貴子(にしかわ・あつこ
東京都生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。同志社大学文学部教授。専門は日本近現代文学。主な著書は、『建築の近代文学誌――内地と外地の西洋表象』(共編著、勉誠出版、2018年)、『日本文学の見取り図――宮崎駿から古事記まで』(共編著、ミネルヴァ書房、2022年)など。論文に「紙上映画という試み――懸賞映画小説「霊の審判」を読む」(『人文学』2022年)、「戦略としての「実話」――橘外男「博士デ・ドウニヨールの「診断記録」」に見る仕掛け」(『小説のフィクショナリティ――理論で読み直す日本の文学』高橋幸平・久保昭博・日高佳紀編、ひつじ書房、2022年)などほか多数。

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CQという異文化適応力―グローバルなリーダーシップ成功の秘訣

CQという異文化適応力

グローバルなリーダーシップ成功の秘訣

  • デイヴィッド・リヴァーモア(著)、下村冬彦(訳)/2025年1月
  • 4500円(本体)/四六判上製338頁
  • 装丁:斉藤啓

グローバルビジネスにおいて効率よくリーダーシップを執るのに有効なCQ(異文化理解に関する知能指数)とは?
ハーバード大学ビジネススクール、Google、コカ・コーラ、アメリカ国防総省、BMWなどでコンサルティング業を務める著者が、多様なケーススタディをもとにビジネスの実践に即した知見を提供する。
(ISBN 9784861109843)

目次|Contents

序章
パート1 グローバルなビジネス・リーダーにとってのCQ
第1章 文化の影響は侮れない―なぜCQが必要なのか
第2章 CQとは何か
パート2 CQを伸ばすために
第3章 CQへの動機―異文化に適応するための潜在能力を見つけ出すこと
第4章 CQに関する知識(パート1)―どのような文化の違いが問題になるのか知ること
第5章 CQに関する知識(パート2)―文化的価値観の10側面を理解すること
第6章 CQに関連した戦略―根拠なく「ガッツ」を信じすぎないこと
第7章 CQを用いた行動―異文化圏でもある程度偽りのない自分自身でいるべき
パート3 CQの活用
第8章 CQの高いリーダーへの見返り(リターン)
第9章 CQの高いチームの育成
終章  グローバルなリーダーに本当になれるのだろうか?
謝辞
付録 10種類の文化クラスタ
訳者解説

著訳者|Author and Translator

【著者】
デイヴィッド・リヴァーモア(David Livermore
ミシガン州立大学博士課程修了。ミシガン州イーストランシングにCQ(カルチュラルインテリジェンス)センターを創設し、100カ国以上の国を訪問した自身の異文化体験とCQに関する専門知識をもとに、ハーバード大学ビジネススクール、Google、コカ・コーラ社、アメリカ国防総省、BMW、カタール航空、UNなどの多国籍企業や大学、グローバル組織等でCQに関するコンサルティング業務を務める。

【訳者】
下村冬彦(しもむら・ふゆひこ)
2001年、同志社大学文学部英文学科卒業後に単身渡米。911のテロ直後の中東系への差別が激化するニューヨーク市で、NYU(ニューヨーク大学)とコロンビア大学の修士課程を修了し、UW(ワシントン大学)の博士課程においても異文化理解や多文化共生について研究。帰国後は京都産業大学、神戸女学院大学、京都女子大学に於いて、異文化コミュニケーション分野や英語分野の専任教員として教鞭を執る。2022年4月立命館大学経営学部着任。

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老アブー

老アブー

  • ナタリー・ド・クルソン(著)、髙井邦子・大野デコンブ泰子(訳)/2025年1月
  • 2500円(本体)/四六判・仮フランス装220頁
  • 装丁:中本那由子

老いた父をめぐる風景
北フランスの町、ペリクールで一人暮らしをしている老父アブー。旧家の末裔である父、絶対的な家父長として君臨していた父が、今や老いて認知症になっている。この父をどうしたらいいか。子どもたちにとって必ずしも愛しい父ではないが、立派に生きた過去を持つ父を交代で世話をし、その様子をメールで報告し合う。そこに子どもたち一人ひとりのこれまでの人生が自然と浮かび上がる。父と子どもたちの関係、老い、介護を巡る物語。
(ISBN 9784861109980)

目次|Contents

すべてのDの喪失の喪失

虫の知らせ
老いた林檎の木
黒いもの
超人ハルク
ユーロ王
徘徊
一〇〇歳
古い弾丸
地震地帯(東日本大震災)
余命いくばく

訳者あとがき

著訳者|Author and Translator

【著者】
ナタリー・ド・クルソン(Nathalie de Courson)
1951年パリ生まれの作家、詩人、翻訳家。パリ大学(仏文学)博士。元高校教師。著書に Nathalie Sarraute – la peau de maman (L’Harmattan 出版、2011年)、Eclats d’école (Le Lavoir Saint-Martin 出版、2014年)がある。翻訳書(スペイン語からフランス語)に Estela Puyuelo著、Tous les vers à soie (La Ramonda出版、2021年) 等。

【訳者】
髙井 邦子(Kuniko TAKAI)
明治大学、明治学院大学、成蹊大学、國學院大學等、元非常勤講師。共訳書に、アニー・アンジュー『特性のない女』(言叢社)、フェリックス・ナダール+ポール・ナダール『パリの肖像 ナダール写真集』(立風書房)、ニコラ・アブラハム、マリア・トローク『表皮と核』(松籟社)。

大野デコンブ 泰子(Yasuko ONO-DESCOMBES)
元仏国オルレアン大学文学部准教授。仏国立東洋言語文化学院(INALCO)博士。パリ第7大学(仏文学)修士。米国ジョンス・ホプキンス大学(西洋美術史)修士。慶應義塾大学(仏文学)学士。専門は日本文化史および比較文化。著書に、Kenzan, potier ermite – regards sur un artiste japonais de jadis (L’Harmattan 出版、2011年)。

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「1968年」以後のポスト革命的運動―西ドイツ青年によるローカルな挑戦

「1968年」以後のポスト革命的運動

西ドイツ青年によるローカルな挑戦

  • 川﨑聡史(著)/2025年1月
  • 5900円(本体)/A5判上製388頁
  • 装丁:長田年伸

68年運動は西ドイツ社会をリベラル化したのか?
一次史料を丹念に読み解き、共同保育施設キンダーラーデンや青年組織ユーゾーの活動を詳細に分析することで、ローカルな場で試みられた変革の歴史的意義を再評価する。
(ISBN 9784861109799)

目次|Inhaltsverzeichnis

序章 68年運動は西ドイツをリベラルにしたのか?
第1章 「1968年」の展開とその帰結
第1節 1960年代までの西ドイツ
第2節 運動の転換―新しい運動の展望の発見
第3節 新たな運動の誕生
第2章 共同保育施設キンダーラーデンの運動
第1節 1960〜70年代の子育てをめぐる状況
第2節 キンダーラーデンの教育理念
第3節 キンダーラーデンの活動
第4節 キンダーラーデンの「体制内化」
第3章 ドイツ社会民主党青年組織ユーゾーの運動
第1節 ユーゾーの党内活動
第2節 ユーゾーによる地方での実践―ヘッセン州南部を例に
第3節 ユーゾーの弱体化
第4章 キンダーラーデンとユーゾーの意義とその後</strong
第1節 68年運動の挫折とその遺産
第2節 「コミューン化」と「ポスト革命的運動」
第3節 キンダーラーデンとユーゾーの運動の位置付け
第4節 キンダーラーデンとユーゾーのその後
終章 ローカルな急進的運動による社会のリベラル化

著者|Autor

川﨑聡史(かわさき・さとし)
獨協大学外国語学部ドイツ語学科専任講師。1992年栃木県佐野市生まれ。2017年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2021年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)取得。日本学術振興会特別研究員(PD)、東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センター(DESK)特任助教などを経て、現在、獨協大学外国語学部専任講師。主要業績に、「西ドイツにおける自主管理型保育施設「キンダーラーデン」―68年運動後の新しい幼児教育の思想と実践に関する考察」『ヨーロッパ研究』(21号 2021年12月)、「1960〜70年代のフランクフルト・アム・マイン再開発問題―抗議運動への行政の対応に注目して」『現代史研究』(68号 2022年12月)、「「過激派条令」に見る西ドイツの民主主義理解―1970年代のヘッセン州を中心に」『歴史学研究』(1048号 2024年5月)などがある。

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批判的思考と教育―還元主義学力論批判

批判的思考と教育

還元主義学力論批判

  • ジョン・E・マクペック(著)、渡部竜也(訳)/2024年12月
  • 4000円(本体)/四六判上製270頁
  • 装丁:長田年伸

批判的思考はどのように知識や経験と関係するか?
方法と内容と目的を問う――
ある主題/教科を教えることに伴う批判的思考がもたらす多様性を、その意味、論理学的・認識論的な問題、概念の定義、論証との関係、評価といった視点から解き明かす。教育の必要条件とされる批判的思考の技能や性質を検討し、学力や能力のありようを重層的に探る。カナダの教育哲学者による主著を全訳。
(ISBN 9784861109713)

目次|Contents

謝辞
第1章 批判的思考の意味
第2章 批判的思考、認識論、教育
第3章 批判的思考の概念に関する従来の見解
第4章 非形式論理学と批判的思考
第5章 エドワード・デ・ボノと思考
第6章 読解、テスト、批判的思考
第7章 基本に戻れ
訳者解説
参考文献
索引

著訳者|Author and Translator

【著者】
ジョン・E・マクペック(John E. McPeck
カナダのオンタリオ州ロンドンにあるウェスタン大学で教育哲学の教授を務める。代表作にはほかに本書の続編とも言えるTeachning Critical Thinking: Dialogue and Dialectic(Routledge, 1990)がある。

【訳者】
渡部竜也(わたなべ・たつや)
東京学芸大学教育学部准教授。主な著書に『大学の先生と学ぶ はじめての公共』(KADOKAWA、2024年)、『教室で論争問題を立憲主義的に議論しよう――ハーバード法理学アプローチ』(東信堂、2024年)、『主権者教育論――学校カリキュラム・学力・教師』(春風社、2019年)、『歴史的思考――その不自然な行為』(サム・ワインバーグ著(翻訳)、春風社、2017年)ほか多数。

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教授学への招待―教えることと学ぶことの科学的探究

教授学への招待

教えることと学ぶことの科学的探究

  • エヴァルト・テアハルト(著)松田充、宮本勇一、熊井将太(訳)/2024年12月
  • 3900円(本体)/A5判上製264頁
  • 装丁:後藤葉子

教えるとは? 学ぶとは? そして授業とは何か?
日本の教育学、カリキュラム研究、授業論に長らくインパクトを与えてきたドイツ教育学。なかでも授業における教えと学びの関係をひもとく教授学理論は、学校や授業をどのように捉え、どのような教師を育てようとしてきたのか。ドイツ教育学の大家が描く教授学のこれまでとこれからに、授業とは何か、授業には何ができるのかを学ぶ。訳者らによるドイツ教授学の解説と日本の教育方法学の展望付き
(ISBN 9784861109706)

目次|Inhaltsverzeichnis

日本語版序文
訳者序文
まえがき
第I部 教授と学習の基礎
1.導入――概要と目的
2.諸概念に関する細やかな説明
3.制度化された教授-学習の歴史について
4.教授と学習――心理学と教授学の間
5.新しい学習文化
6.良い教師=より良い授業か?――実証研究の構想と知見
7.教授と学習に対する神経科学の貢献
8.生徒集団の異質性――今求められる教師の専門性

第II部 教授学の理論とモデル
1.導入――全体像と目標
2.授業とは何か?
3.一般教授学のモデル
4.授業方法――概念、展開、研究
5.一般教授学はこれからどうなる?
6.授業理論と一般教授学――考察と分類

訳注
参考文献一覧

訳者解説
1.一般教授学のこれまでとこれからを考える――陶冶理論的教授学の遺産と現代への挑戦状(宮本勇一)
2.「学習」の解明は「良い授業」を生み出すか――教授学と心理学(あるいは神経科学、学習科学)(熊井将太)
3.「教授学」は教師にとってなぜ必要か――教師教育における教授学の役割(松田充)

謝辞
索引

著訳者|Autor und Übersetzer

【著者】
エヴァルト・テアハルト(Ewald Terhart)
ミュンスター大学名誉教授。1952年にドイツ・ボルケンに生まれる。ミュンスター大学で学んだ後、オスナブリュック大学で博士号(1978年)と教授資格(1982年)を取得。オスナブリュック大学、リューネブルク大学、ボーフム大学で教授職を務めた後、2002年にミュンスター大学の学校教育学・一般教授学の教授職に就任。2018年に同職を退職した後は、同大学名誉教授として、現在も積極的な研究活動を行っている。この間、連邦レベルや州レベルで学校教育や教員養成に関わる多くの委員や委員長を務めた。主要な著作としては、„Lehrerberuf und Lehrerbildung“(Beltz, 2000)や „Lehr-Lern-Methoden“(Juventa, 2005)、„Handbuch der Forschung zum Lehrerberuf“(Hedda Benniwitz, Martin Rothlandらとの共編著 Waxmann, 2014)などがある。

【訳者】
松田充(まつだ・みつる)
兵庫教育大学教員養成・研修高度化センター准教授。1989年生まれ。2018年に広島大学大学院教育学研究科を修了後、フレンスブルク大学・客員研究員を経て、2019年に広島大学大学院人間社会科学研究科の助教を務める。2022年より兵庫教育大学教員養成・研修高度化センターに講師として着任し、2024年より現職。専門は教育方法学、ドイツ教授学、教師教育。主な著作に『批判理論による教授学の再構成――ドイツにおける授業研究の理論と実践』(広島大学出版会、2023年)、『学習集団研究の現在Vol.4 授業研究を軸とした学習集団による学校づくり』(共著、溪水社、2023年)、„Unterrichtsforschung und Unterrichtspraxis im Gespräch“(共著 Klinkhardt, 2022)などがある。

宮本勇一(みやもと・ゆういち)
岡山大学学術研究院教育学域講師。1991年生まれ。2020年に広島大学大学院教育学研究科を修了後、広島大学大学院人間社会科学研究科助教を経て、2023年より現職。2024年にはドルトムント工科大学客員教員も務める。専門はカリキュラム研究、教育方法学、一般陶冶論。主な著作に『フンボルトの陶冶理論と教育改革――学問中心カリキュラムの再考』(春風社、2023年)、„Grenzen auflösen – Grenzen ziehen“(共著 Barbara Budrich, 2022)、„Unterrichtsforschung und Unterrichtspraxis im Gespräch“(共著 Klinkhardt, 2022)などがある。

熊井将太(くまい・しょうた)
安田女子大学教育学部准教授。1984年生まれ。2012年に広島大学大学院教育学研究科を修了後、同年に同研究科助教に着任。2012年から2023年まで山口大学教育学部に勤めた後に、2023年より現職。専門は教育方法学、学級論、教育方法史。主な著作に『学級の教授学説史――近代における学級教授の成立と展開』(溪水社、2017年)、『「エビデンスに基づく教育」の閾を探る――教育学における規範と事実をめぐって』(共編、春風社、2019年)、『流行に踊る日本の教育』(共著、東洋館、2021年)などがある。

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師範学校と図画教育―赤津隆助を事例として

師範学校と図画教育

赤津隆助を事例として

  • 増田金吾(著)/2024年12月
  • 8000円(本体)/A5判上製474頁
  • 装丁:毛利一枝

戦前期に図画教育指導法を確立した赤津隆助の足跡をたどる
赤津が行った寄宿舎の舎監、校友会誌の編集、美術同好者のグループ指導などの行為は、直接的には教師の仕事に結びつかないように見える。しかし、赤津はこうしたことにも真剣に取り組んだ。(…)こうした行為が美術教育のみならず、教育に有益であり、特に青巒社(せいらんしゃ)を通じた活動は、広い意味での美術教育深化に重要な役割を果たしたことは確かであろう。(本文より)
(ISBN 9784861109935)

目次|Contents

まえがき
凡例
序 章 研究の課題と方法
第1章 明治時代の小学校並びに師範学校における図画教育の実態
第2章 赤津隆助の図画教育研究への接近と師範学校附属小学校における実践
第3章 赤津隆助と師範学校教育
第4章 実作者・図画教育者としての活動
第5章 赤津隆助の図画教育思想
第6章 赤津隆助の育てた美術教育者
結 章    赤津隆助の図画教育思想とその実践―結論と示唆
補 論    ICT・デジタル的視点から赤津隆助の指導法を見る
<Abstract> The Ideas and Practices of Ryusuke Akatsu in Drawing Education Teaching Methodology
初出誌一覧
参考文献 一覧
資料
あとがき
人名索引
事項索引

著者|Author

増田金吾(ますだ・きんご

1950年 群馬県生まれ
1973年 玉川大学卒業
1975年 東京学芸大学大学院修士課程修了、東京都公立中学校教諭
1977年 東京学芸大学教育学部助手・講師・助教授・教授を経て
2014年 東京学芸大学理事・副学長(2016年定年退職)
2018年 博士(教育学)
現在   東京学芸大学名誉教授

『美術教育史ノート―源流と未来―』共著(開隆堂出版、1983年)
『総合教科「芸術」の教科課程と教授法の研究』分担執筆(多賀出版、1996年)
『教科教育学シリーズ 図工・美術科教育』編著(一藝社、2015年)ほか

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英国女性ガーデナー物語

英国女性ガーデナー物語

  • 臼井雅美(著)/2024年12月
  • 2700円(本体)/四六判並製262頁
  • 装丁:矢萩多聞

歴史的には上流階級の男性権力の空間であったガーデンと、労働者階級の男性の肉体労働であったガーデニングの世界は、いかにしてジェンダーと人種の多様性を獲得したのか。英国園芸史における女性ガーデナーの誕生と活躍から、現代のガーデンセラピー再評価までを、豊富な視覚資料とともにたどる。
(ISBN 9784861109812)

目次|Contents

プロローグ

Ⅰ 神話の世界から一八世紀における女性、植物、ガーデン
第1章 花の女神フローラ―ギリシャ・ローマ神話にみる花、女性、そして春
第2章 中世ヨーロッパにおける修道院の庭園―修道女とハーブガーデン
第3章 ルネッサンス以降の荘園領主の庭園―女主人とウィーディング・ウィメン
第4章 イギリス一八世紀における知の目覚め―女性と自然科学と庭園

Ⅱ 一九世紀における園芸学の流行と女性
第5章 大英帝国における女性、植物学、園芸学
第6章 園芸学の発展と女性による植物研究
第7章 女性植物学画家の誕生と確立―美術学校の創設と流行
第8章 女性によるガーデン・ライティング―ジェーン・ラウドンと園芸雑誌
第9章 コテージガーデンの流行とアーツ・アンド・クラフツ運動―ガートルード・ジーキルの庭園哲学

Ⅲ 一九世紀における園芸学校設立と女性ガーデナーの誕生
第10章 女性高等教育の扉への道のり
第11章 園芸学校の誕生と発展―スワンリー園芸学校と園芸教育
第12章 中流階級女性のフィニッシングスクールとしての園芸学校―スタッドリー女子園芸農業学校
第13章 女子園芸学校の確立と女性ガーデナーの誕生―ウォーターペリー女子園芸学校
第14章 園芸資格と新たな継続教育における園芸教育―ケイぺル・マナー・コレッジを中心に

Ⅳ 一九世紀後半から二〇世紀中葉における女性とガーデン
第15章 住居改革と環境改革―オクタヴィア・ヒルとヘンリエッタ・バーネット
第16章 ガーデンシテイ・ムーブメントからブリティン・イン・ブルームへ
第17章 世界の植物収集と女性の園芸家―エレン・アン・ウィルモットの世界観
第18章 女性によるガーデンデザイン
第19章 ヴィタ・サックヴィル=ウェストのシシングハースト・カースル・ガーデン
第20章 シシングハースト・カースル・ガーデンの二人の女性ヘッドガーデナー

Ⅴ ウィメンズ・ランド・アーミーと女性園芸家の活躍
第21章 第一次世界大戦とウィメンズ・ランド・アーミーの誕生
第22章 第二次世界大戦における新たなウィメンズ・ランド・アーミー活動
第23章 ウィメンズ・ランド・アーミーと女性地位向上への道のり
第24章 ランド・ガールズと女性専門家たちの遭遇
第25章 戦争中のキューガーデンズにおける女性ガーデナーとウィメンズ・ランド・アーミーの遭遇

Ⅵ 二〇世紀後半から二一世紀における多様な女性ガーデナーたちの挑戦
第26章 一般住居のガーデンづくり―マージェリー・フィッシュの世界観
第27章 新たな世代の女性ガーデナーの可能性
第28章 女性ヘッドガーデナーの軌跡
第29章 人種および性の多様性とガーデナー
第30章 分断から共生へ―セラピーとしてのガーデニング

エピローグ

著者|Author

臼井雅美(うすい・まさみ
1959年神戸市生まれ。同志社大学文学部・文学研究科教授。神戸女学院大学卒業後、同大学院修士課程修了(文学修士)、1987年ミシガン州立大学修士課程修了(M.A.)、1989年博士課程修了(Ph.D.)。ミシガン州立大学客員研究員を経て、1990年広島大学総合科学部に専任講師として赴任。同大学助教授、同志社大学文学部助教授を経て、2002年より現職。著書に、『記憶と共生するボーダレス文学―9・11プレリュードから3・11プロローグへ』(2018年)、『カズオ・イシグロに恋して』(2019年)、『赤バラの街ランカスター便り』(2019年)、『ビアトリクス・ポターの謎を解く』(2019年)、『不思議の国のロンドン』(2020年)、『ボーダーを超えることばたち―21世紀イギリス詩人の群像』(2020年)、『記憶と対峙する世界文学』(2021年)、『ふだん着のオックスフォード』(2021年)、『イギリス湖水地方アンブルサイドの女神たち』(2021年)、『イギリス湖水地方モアカム湾の光と影』(2022年)、『ブラック・ブリティッシュ・カルチャー―英国に挑んだ黒人表現者たちの声』(2022年)、『イギリス湖水地方におけるアーツ・アンド・クラフツ運動』(2023年)、『イギリス湖水地方―ピーターラビットの野の花めぐり』(2023年)、『イギリス湖水地方―ピーターラビットのガーデンフラワー日記』(2024年)などがある。

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