旅する演劇―シェイクスピアの『ペリクリーズ』と他者をめぐる想像力

旅する演劇

シェイクスピアの『ペリクリーズ』と他者をめぐる想像力

  • 山本真司(著)/2026年3月
  • 2700円(本体)/四六判並製304頁
  • 装丁:江森恵子(クリエイティブ・コンセプト)

喪失と再生の旅が紡ぎ出す、倫理的想像力。
シェイクスピアの後期ロマンス劇『ペリクリーズ』を、演劇と移民、視覚文化の変容、登場人物マリーナに託された象徴性といった視点から再読・再評価。演劇を通して、「他者と共に生きるとはいかなることか」という倫理の問いと対峙する。
(ISBN9784868161059)

目次|Contents

序章 旅する演劇と倫理的想像力──『ペリクリーズ』を読み直すために
第Ⅰ章 演劇と移民の倫理的想像力──ナショナル・シアターPublic Acts版『ペリクリーズ』(2018)を読み解く
第Ⅱ章 ペリクリーズの視線と図像の政治──ポスト宗教改革期におけるiconophobiaと身体表象の危機
第Ⅲ章 マリーナという謎──『ペリクリーズ』における名と身体をめぐる表象の倫理
補遺 『ペリクリーズ』の謎
結章 再び出会うために──『ペリクリーズ』とわたしたちの想像力

著者|Author

山本真司(やまもと・しんじ)
青山学院大学経済学部教授。ロンドン大学バークベック・カレッジにて英文学の博士号(Ph.D.)を取得。シェイクスピア研究を中心に、初期近代イングランドの物質文化・視覚文化(エンブレム研究)、食文化、移民・ディアスポラ研究を横断する。VRやマンガなど現代メディアを取り入れた英語教育および文化研究にも取り組む。著書に『《シェイクスピア》と近代日本の図像文化学―エンブレム、ジェンダー、帝国』(金星堂、2016年)。ユグノー・ソサエティ(英国)フェロー。

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サンベルナルド

サンベルナルド

  • グラシリアノ・ハーモス(著)、岐部雅之、フェリッペ・モッタ(訳)/2026年3月
  • 3200円(本体)/四六判上製234頁

ブラジル北東部、サンベルナルド農園。狡猾な策略と暴力でのし上がり、地主となった男による孤独と悔恨の独白。貧困、支配、嫉妬を映した20世紀ブラジル地方文学の金字塔。

馬齢を重ねた。聖ペドロの日の前後に五十歳を迎えた。救いの余地のない五十年、目的もなく浪費した五十年。自らを傷つけ、他人を傷つけて来た歳月である。その果てに、私は冷淡となり、非情となった。この分厚い皮膚を貫く傷などではなく、心の内奥の鈍い感覚を苦しめるのだ。(本文より)

(ISBN 9784868161325)

目次|contents

サンベルナルド
訳者あとがき

著者|author

グラシリアノ・ハーモス(Graciliano Ramos)
1892–1953。ブラジル北東部アラゴアス州生まれ。20世紀のブラジル文学を代表する地方主義作家の1人であり、北東部を舞台に貧困・暴力・権力関係の中で生きる人間の内面を鋭い筆致で鮮やかに描いた。代表的な長篇小説に『サンベルナルド』(1934年)や『乾いた人びと』(1938年)の他、13の作品が収められている短篇集『不眠』(1947年)、共産主義者の嫌疑で投獄された経験を綴った回顧録『獄中記』(1953年、死後刊行)などがある。簡潔で緊張感のある文体や自己反省的な語りを特徴とし、ブラジル近代文学に与えた影響は計り知れない。

訳者|translators

岐部雅之(きべ・まさゆき)
京都外国語大学外国語学部ブラジルポルトガル語学科専任講師。専門はブラジル近現代文学。主な業績に、『ブラジル文学傑作短篇集』(水声社、2023年、編集・共訳)、論文「ブラジル北東部文学と抵抗する女性像―グラシリアノ・ハーモス著『サンベルナルド』から―」(『京都外国語大学ラテンアメリカ研究センター紀要』25号、2026年)、「パウロ・オノーリオの「声」を解剖する―グラシリアノ・ハーモス著『サンベルナルド』における翻訳の語りを巡って―」(『ブラジル研究』20号、大阪大学ブラジル研究会、2026年)がある。

フェリッペ・モッタ(Felipe MOTTA)
京都外国語大学外国語学部ブラジルポルトガル語学科専任講師。専門は移民史、特に日系ブラジル移民の越境経験と記憶の表象である。主な業績に、単著『移民が移民を考える―半田知雄と日系ブラジル社会の歴史叙述―』(大阪大学出版会、2022年)、共著『移民がむすぶ日本と南米の歴史―帝国・開発・官民協力―』(東京大学出版会、2025年)など。翻訳書に『移民の町 サンパウロの子どもたち』(ドラウジオ ヴァレーラ 著、行路社、2018年、監修)や『ブラジル文学傑作短篇集』(水声社、2023年、共訳)がある。

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マイスター・エックハルトの知性論―トマス主義と新プラトン主義のはざまで

マイスター・エックハルトの知性論

トマス主義と新プラトン主義のはざまで

  • 若松功一郎(著)/2026年3月
  • 4500円(本体)/四六判上製292頁
  • 装丁:中本那由子

人間知性は、神の像なのか?
本質的始原論を中心としたエックハルト思想を、ドイツ・ドミニコ会の系譜に連なる知性神学として再読解。異端断罪後も受け継がれてきた「人間知性理解」の本質を解明する。
自己の最も深い根源への探究がもたらすものとは―
(ISBN9784868161066)

目次|Contents

序
第1章 本質的原因論と本質的始原論
第2章 フライベルクのディートリヒにおける知性論
第3章 マイスター・エックハルトの知性論
第4章 完全還帰―神の像としての知性の働き
第5章 非被造的知性
結   「消えることなき火花」

著者|Author

若松功一郎(わかまつ・こういちろう)
1989年生まれ。
早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。
早稲田大学文学部助手を務めたのち、現在は立教大学兼任講師。博士(文学)。
専門は中世哲学およびドイツ神秘主義。

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感染症の苦しみへの責任(叢書 感染症の人間学4)

感染症の苦しみへの責任(叢書 感染症の人間学4)

パンデミックの苦しみは、決して平等ではなかった
ワクチン格差、ロックダウンの代償、そして死政治(ネクロポリティクス)と様々なケア。急速に記憶が風化する今、私たちは「責任」をどう未来へ手渡せるか? シリーズ第4巻

本叢書の巻頭言・序章(浜田明範 著。叢書第1巻収録)はこちらからお読みいただけます(pdf)

(ISBN 9784868161233)

目次|contents

序  感染症の苦しみへの私たちの責任(西 真如)[pp.11-31]

第Ⅰ部 格差と死政治
第1章 格差社会を揺さぶるパンデミック――COVID-19の捉えがたさから生じる信念の強化(奥田 若菜)[pp.35-67]
第2章 COVID-19流行下におけるワクチン分配の死政治(玉井 隆)[pp.69-105]

第Ⅱ部 健康と国家
第3章 現代インド経済の光と闇――経済成長は人々の健康に資することができたのか(脇村 孝平)[pp.109-141]
第4章 ベトナムのCOVID-19対策――中央政府はどのような対策をとったのか(小田 なら)[pp.143-180]

第Ⅲ部 責任と正義
第5章 COVID-19流行が指し示す歴史的共謀と未来の連帯――病床確保のための交渉(西 真如)[pp.183-216]
第6章 アイリス・マリオン・ヤング『正義への責任』読解――責任と、ある自由な主体の可能性(大北 全俊)[pp.217-240]

第Ⅳ部 感染症と人間社会
第7章 人類とマラリア(金子 明)[pp.243-287]
第8章 《鼎談》人口・格差・感染症(斎藤 修・脇村 孝平・増田 研)[pp.289-321]

編者|editor

西真如(にし まこと)
広島大学大学院人間社会科学研究科・教授
医療人類学
主な著作に、『心配と係り合いの人類学―この世界を繕い直すためのケアの理論と実践』(共編著、ナカニシヤ出版、2025)、Curing Lives: Surviving the HIV Epidemic in Ethiopia. (Palgrave Macmillan, 2023)。

 

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感染症をめぐる集団変容と歴史(叢書 感染症の人間学3)

感染症をめぐる集団変容と歴史(叢書 感染症の人間学3)

感染症は、社会に「線」を引く
植民地の衛生管理から現代のクラスター対策まで、それは誰を隔離し、誰を救ってきたのか? 歴史学×文化人類学の視座から見る、病と共に変容する人間集団の力学。シリーズ第3巻

本叢書の巻頭言・序章(浜田明範 著。叢書第1巻収録)はこちらからお読みいただけます(pdf)

(ISBN 9784868161226)

目次|contents

序章 感染症に「集団」と「歴史」の双方から迫る(市川智生)[pp.11-25]

第Ⅰ部 感染症が形作る集団とその変容
第1章 家事を介した集団化と生活の粘り気――インドにおける感染症の経験から(田口 陽子)[pp.29-61]
第2章 パンデミックに伴う集団化とプライマリ・ケア医――集団化の過程における苦悩と試行錯誤(飯田 淳子・宮地 純一郎・木村 周平・金子 惇・小曽根 早知子・春田 淳志)[pp.63-100]

第Ⅱ部 感染症の歴史と集団の形成
第3章 ロシア帝国領トルキスタンにおけるマラリア病因論と集団化(宮崎 千穂)[pp.103-134]
第4章 肺ペストと集団化――奉天および大連の事例(一九一〇~一九一一年)(福士 由紀)[pp.135-162]
第5章 新しい感染症時代へ受け継ぐもの――八重山のマラリア対策の歴史(斉藤美加)[pp.163-202]

***
第6章 《鼎談》 COVID-19を乗り越えた先に何をみるべきなのか――環境問題・社会格差・行動変容(濱田 篤郎・奥田 若菜・斉藤 美加)[pp.203-230]

編者|editor

市川智生(いちかわ ともお)
沖縄国際大学総合文化学部社会文化学科・教授
日本近代史/医療社会史
主な著作に、『衛生と近代――ペスト流行にみる東アジアの統治・医療・社会』(共編、法政大学出版会、2017)、『暮らしのなかの健康と疾病―東アジア医療社会史』(共編、東京大学出版会、2022)、「明治期日本の海港検疫をめぐる政治外交」(『年報政治学』73(2)、2022)。

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感染症と生の統治(叢書 感染症の人間学2)

感染症と生の統治(叢書 感染症の人間学2)

「漂白されたユートピア」で、私たちは何を守り、何を切り捨てたのか?
自発的な監視、選別される命、コンテナ化される身体、ウイルス・非人間存在との絡み合い。 「統治性」と「脱人間中心主義」の狭間で、ウイルスと共に在る社会の倫理を問い直す。シリーズ第2巻

本叢書の巻頭言・序章(浜田明範 著。叢書第1巻収録)はこちらからお読みいただけます(pdf)

(ISBN 9784868161219)

目次|contents

序章  感染症を通して見る統治性と脱人間中心主義(澤野 美智子)[pp.9-31]

第Ⅰ部 感染症と統治性
第1章 遠くて近い死者たちのいる場所へ――COVID-19パンデミック初期のスリランカにおける強制火葬をめぐって(中村 沙絵)[pp.35-67]
第2章 戦時期日本におけるBCGワクチンの研究開発と〈傷〉の行方――「皮膚に穴を穿つ」経験の制度化にむけて(塩野 麻子)[pp.69-98]

第Ⅱ部 感染症をめぐる人間と非人間の関わり
第3章 免疫をめぐるエスノグラフィ――豚熱感染拡大下の養豚場における「内的イメージ」から考える(北川 真紀)[pp.101-126]
第4章 細胞とヒトと環境と溶け合うマラリア(加賀谷 渉)[pp.127-147]

第Ⅲ部 リスクと統治性の再考
第5章 変幻自在な「コロナ」――韓国の地方にあるクリニックにおけるCOVID-19のエスノグラフィ(澤野 美智子)[pp.151-180]
第6章 破局の中の前哨――フレデリック・ケックと備えの思想(小林 徹)[pp.181-209]

編者|editor

澤野美智子(さわの みちこ)
立命館大学総合心理学部・准教授
文化人類学
主な著作に、「防護服化できない身体と身体化できない防護服―韓国の「コロナ19」病棟におけるアフェクトの攪乱と再編」(『文化人類学』86(3)、2021)、『医療人類学を学ぶための60冊―医療を通して「当たり前」を問い直そう』(編著、明石書店、2018)、『乳がんと共に生きる女性と家族の医療人類学―韓国の「オモニ」の民族誌』(明石書店、2017)。

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都市・移動・感染症(叢書 感染症の人間学1)

都市・移動・感染症(叢書 感染症の人間学1)

都市は「感染症のゆりかご」であり、その対策の最前線だった
都市はいかに想像/創造されてきたのか。医学・人文学・社会科学の知を交差させ、人類がいかに移動を管理し、空間を作り変えてきたかを問う。シリーズ第1巻

本叢書の巻頭言・序章(浜田明範 著。叢書第1巻収録)はこちらからお読みいただけます(pdf)

(ISBN 9784868161202)

目次|contents

叢書序論  なぜいま感染症の人間学か(浜田 明範)[pp.11-29]
序章 感染症が照らし出す都市化と移動(浜田 明範)[pp.31-57]

第Ⅰ部 都市の形成と変容
第1章 「身体(概念)」の逆襲――ドイツ植民地都市における人種隔離政策と細菌学研究(磯部 裕幸)[pp.61-94]
第2章 都市化と格差社会と新型コロナウイルス感染症――三九ヶ国データによる予備的観察(斎藤 修)[pp.95-117]
第3章 COVID-19流行における「都市化」と「人の移動」の影響(濱田 篤郎)[pp.119-152]

第Ⅱ部 都市の自由と不自由
第4章 パンデミック下の都市部と郡部における不自由をめぐって――日本各地のプライマリ・ケアによるCOVID-19対応の語りから (堀口 佐知子・春田 淳志・後藤 亮平・飯田 淳子)[pp.155-287]
第5章 COVID-19パンデミックにおけるアクティビストの遅い生成――強権的統治の下で蠢動するフィリピン・マニラの若者たち(芝宮 尚樹)[pp.189-218]
第6章 中央オーストラリアにおける先住民のパンデミックへの文化的応答――COVID-19と問題飲酒のはざまで(平野 智佳子)[pp.219-242]

第Ⅲ部 場の創造、移動の想像
第7章 うつす・うつる――COVID-19パンデミック下の巡礼的移動(土井 清美)[pp.245-274]
第8章 新型コロナウイルスとデザイン――感染症へのデザインアプローチの構築に向けて(中村 寛)[pp.275-317]
第9章 外気学校をめぐるいくつかの考察――公衆衛生と初等教育のあいだのモダニズム(宇城 輝人)[pp.319-357]
第10章 パンデミックの天候-世界――コロナ禍のフィンランドにおける大気=雰囲気の醸成と森への退却(髙橋 絵里香)[pp.359-390]

編者|editor

浜田明範(はまだ あきのり)
東京大学大学院総合文化研究科・准教授
社会人類学、医療人類学
主な著作に、『感染症の医療人類学―ウイルスと人間の統治について』(青土社、2024)、『新型コロナウイルス感染症と人類学―パンデミックとともに考える』(共編、水声社、2021)、『薬剤と健康保険の人類学―ガーナ南部の生物医療をめぐって』(風響社、2015)。

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AI時代の新技術―その歴史から教育・医療・戦争まで【東洋英和女学院大学社会科学研究叢書13】

AI時代の新技術

その歴史から教育・医療・戦争まで

  • 柳沢昌義(編)/2026年3月
  • 2500円(本体)/四六判並製168頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞

AIがもたらす未来は明るいのか?
ロボティクス、教育、都市計画、遺伝子工学、国際安全保障、軍事技術……さまざまな領域でAIがどのように利用されているのかを知り、急速に変化する技術と社会の関係を考える。【東洋英和女学院大学社会科学研究叢書13】
(ISBN 9784868161349)

目次|contents

序文:AIと私【柳沢昌義】
第1章:AIの歴史【藤田光治】
第2章:AIと教育【柳沢昌義】
第3章:AI時代のまちづくり―3D都市モデルPLATEAUとXR技術による市民参加の進化【加茂春菜】
第4章:mRNA技術とワクチン―福音か呪いか【秋本倫子】
第5章:オムニユース時代のバイオテクノロジーとAI―デュアルユース概念の再構築とガバナンスの課題【田中極子】
第6章:戦争とAIをめぐる問題点―不確実で予測不可能【河野毅】
第7章:科学技術と人間の未来―希望のありか【田中智彦】

編者| editor

柳沢昌義(やなぎさわ・まさよし)
東洋英和女学院大学人間科学部教授。情報処理センター長。専門分野は教育工学・科学教育。主な著書に、『基礎情報科学』『世界は英語をどう使っているか』などの教科書の分担執筆。近年は、壁一面の巨大な電子黒板をどう授業に活用できるかを研究してきた。ここ数年は、生成AIの大学授業における活用方法を研究している。

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アジア主義・超国家主義・民衆宗教―大本教と道院・世界紅卍字会の連合運動

アジア主義・超国家主義・民衆宗教

大本教と道院・世界紅卍字会の連合運動

  • 玉置文弥(著)/2026年3月
  • 6300円(本体)/A5判上製548頁
  • 装丁:矢萩多聞

島薗進氏推薦‼
宗教思想と政治思想の関係を大正末から昭和初期の「民衆宗教」に即して明らかにする新たな試み。
大本と道院・世界紅卍字会の連合運動が対外侵攻的な政治動向にどう関わりあったのか。民衆宗教とアジア主義・超国家主義の双方を問い、人文社会系の諸学問領域に新たな視点を提示する。
(ISBN9784868160571)

目次|Contents

序章 二〇世紀東アジアにおける宗教と政治――本書の視角
第1章 アジア主義・超国家主義・「民衆宗教」――その交錯点
第2章 大本教と道院・世界紅卍字会の概要とその思想
第3章 「宗教統一」の模索――連合運動初期(1923–1925)
第4章 両教団の〝融合〟と満蒙独立――連合運動中期(1925–1930)
第5章 満洲国から国内改造へ――連合運動後期(1930–1935)
第6章 第二次大本事件と連合運動――日中・大東亜戦争下における道院・世界紅卍字会の「日本化」(1935–1942)
終章 アジア主義・超国家主義・民衆宗教

著者|Author

玉置文弥(たまおき・ぶんや)
1995年愛知県生まれ。2018年愛知学院大学文学部歴史学科卒業。2020年中国東北師範大学国際漢学院漢言語専修修了。2021年愛知学院大学大学院文学研究科歴史学専攻博士前期課程修了。2024年東京工業大学(現・東京科学大学)環境・社会理工学院社会・人間科学系社会・人間科学コース博士後期課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(DC2)を経て、現在は日本学術振興会特別研究員(PD/京都府立大学)、公益財団法人国際宗教研究所研究員、愛知東邦大学非常勤講師などを務める。専門分野は、日中を中心とした東アジア近現代史であり、歴史学・宗教学・思想史の観点から研究を行っている。主な業績は、本書の元となった東京工業大学博士学位論文『近現代日中におけるアジア主義・超国家主義と「民衆宗教」』で第20回国際宗教研究所賞奨励賞、「「宗教統一」とアジア主義」(『宗教と社会』28号)で2022年度「宗教と社会」学会奨励賞、「アジア主義・超国家主義と宗教」(研究プロジェクト)で2023年度日本宗教研究諸学会連合研究奨励賞を受賞している。他にも、「西部邁の「大東亜戦争」論が問いかけるもの」(共著『西部邁―保守のロゴスとパトス』河出書房新社、2025年)や「時代精神と宗教」(共著『橋川文三―社会の矛盾を撃つ思想 いま日本を考える』河出書房新社、2022年)、「道院・世界紅卍字会と大本教」(『現代中国研究』46号、2021年)などがある。

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柑橘の文化史

柑橘の文化史

  • 花木宏直(著)/2026年2月
  • 4500円(本体)/A5判上製314頁
  • 装丁:長田年伸

蜜柑を手で剥いて食べる、が当たり前でなかった時代。
柑橘という果実の変遷をたどることで、日本人の味覚や価値観の転換を捉え、生産・流通・消費が織りなす農業の近代化を描きなおす。

かつて日本の柑橘の主力は、種が多く小ぶりな「小蜜柑」であり、単なる甘味の嗜好品ではなく、未熟果を酢の代用に、皮を薬種に、あるいは儀礼や観賞用にと、熟度に応じて使い分ける多面的な存在であった。そこからどのようにして、温州蜜柑が「国民的果実」へと登り詰めたのか?

(ISBN 9784868161011)

目次|contents

Ⅰ.序論

1部 小蜜柑から温州蜜柑へ
Ⅱ.近世前期における温州蜜柑普及以前の柑橘利用―薩摩藩領を事例に―
コラム① 小蜜柑の現在
Ⅲ.近代移行期における温州蜜柑の普及と柑橘利用の変化―紀北・泉州地方を事例に―
コラム② 温州蜜柑の多様性
Ⅳ.近代移行期における柑橘苗木の導入と寺社参詣
コラム③ 現代に残る九年母

2部 温州蜜柑の普及とその影響
Ⅴ.近代前期における温州蜜柑の海外輸出とネーブルオレンジの導入
コラム④ ネーブルオレンジとレモンの関係
Ⅵ.近代前期における柑橘在来種の発見と武家屋敷の庭園の役割
コラム⑤ 夏橙と甘夏の利用史
Ⅶ.近代前期における蜜柑山見物にみる柑橘園に対する認識
コラム⑥ 香酸柑橘とサンズ(ヘイベイス・ヘベス)について

3部 柑橘栽培と柑橘利用の地域的展開
Ⅷ.静岡県田方郡における柑橘栽培と柑橘利用の展開―温州蜜柑に対する認識の変化に注目して―
コラム⑦ みかん缶詰と冷凍みかん
Ⅸ.鹿児島県における柑橘栽培と柑橘利用の展開―中国大陸・台湾産外来種の動向に注目して―
コラム⑧ 文旦の生食化と産地の変化

Ⅹ.結論

あとがき
参考文献・ホームページ
索引

著者|author

花木宏直(はなき・ひろなお)

関西学院大学・教授
歴史地理学
主な著作に,『沖縄出身移民の超域的移動―南洋群島・南米・日本を往来するブラジル移民青年隊員―』(風響社,2025年),『離島研究Ⅴ』(共著,海青社,2024年),『生活文化の地理学』(共著,古今書院,2019年)。

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