語りとヴィジュアリティ―シャーロット・ブロンテの一人称小説を読む

語りとヴィジュアリティ

シャーロット・ブロンテの一人称小説を読む

  • 杉村藍(著)/2025年12月
  • 4000円(本体)/A5判上製274頁
  • 装丁:江森恵子(クリエイティブ・コンセプト)

シャーロット・ブロンテが生み出す言葉と視覚的イメージの世界へ――その生きた時代と生涯を背景に
「書くこと」と「描くこと」はどのように結びついていたのか。シャーロット・ブロンテの3つの一人称小説『教授』『ジェイン・エア』『ヴィレット』を対象に、物語と絵画が相互に影響しあった独特の創作方法に迫る。
(ISBN9784868160595)

目次|Contents

序章 語りとヴィジュアリティという視座
第1部 その生きた時代と生い立ち
第1章 一九世紀イギリスはどのような時代だったか
第2章 シャーロット・ブロンテ――その生涯
第2部 作家への道程――初期作品の世界
第3章 初期作品の始まりとその意義
第4章 初期作品における語りとヴィジュアリティ
第3部 リアリズムへの挑戦――『教授』
第5章 都合のよい真実――『教授』における科学的観察
第6章 破綻する語り――『教授』におけるクリムズワスの創造性と語りの綻び
第4部 語りとヴィジュアリティの融合――『ジェイン・エア』
第7章 語り手への道のり――ジェイン・エアの描いた軌跡
第8章 『ジェイン・エア』におけるヴィジュアリティとその効果――ビューイックの謎を解く
第5部 実人生を映した歪み――『ヴィレット』
第9章 黙した語り手――ルーシー・スノウが描く曖昧な結末
第10章 物語を紡ぐ光と影――『ヴィレット』におけるヒロインの謎
終章 ことばとイメージが織りなすもの――まとめに代えて

著者|Author

杉村藍(すぎむら・あい)
鳥取大学地域学部地域学科国際地域文化コース教授。英国リーズ大学大学院修了(修士)。名古屋大学大学院国際言語文化研究科国際多元文化専攻単位取得満期退学。博士(文学)。著書に『「ジェイン・エア」を読む』(開文社、1995年)、『ブロンテ姉妹の時空―三大作品の再評価』(北星堂、1997年)、『ブロンテ姉妹を学ぶ人のために』(世界思想社、2005年)、『ザルツブルグの小枝』(大阪教育図書、2007年)(以上共著)他、翻訳に『ブロンテ家の人々』(共訳、彩流社、2006年)、『子どもが描く世界―オースティンからウルフまで』(共監訳、彩流社、2010年)、他。

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近代日本におけるイスラームの転回―漂泊する知の考古学

近代日本におけるイスラームの転回

漂泊する知の考古学

  • 黒田賢治(著)/2025年12月
  • 4300円(本体)/A5判上製336頁
  • 装画:Nina

イスラームという信仰は、この国でいつ発見され、どのように理解されてきたのだろうか。西洋と中国という経路によってもたらされ、仏教やアジア主義といったフィルターを通して変容し、やがてその一部は忘れ去られていった、知の系譜を掘り起こす試み。
新井白石による「マァゴメタン」の発見、文久遣欧使節団の「仏像」なきモスク体験、「怪傑マホメツト」像の創造、山岡光太郎に先立つ中島裁之の「メッカ」視察談の謎、そして大正三年の「巡礼船事業」……
日本はどのようにして、独自のイスラーム観を形成してきたのか。

(ISBN 9784868160700)

目次|contents

序章
第一章 イスラームの発見とサムライたちの教養
第二章 幕末日本におけるイスラームとの邂逅——文久遣欧使節団の記述より
第三章 西洋への眼差しのなかのイスラーム
第四章 明治日本のイスラーム――外来知識の咀嚼と帝国の戦略
第五章 翻訳時代のムハンマドの小伝と知の共鳴
第六章 明治期後期のイスラームをめぐる知の展開と系譜――ムハンマドの伝記とその資料
第六章補論 聖典クルアーン研究の先駆者藤田季荘
第七章 一九〇七年の中島裁之の世界旅行と「メッカ」視察談——日本初のマッカ訪問者をめぐって
第八章 近代日本とイスラーム世界の関係再考――大正三年巡礼船事業を中心に
終章

あとがき
参考文献
索引

著者|author

黒田賢治(くろだ・けんじ)
1982年奈良県生まれ。2011年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了。博士(地域研究)。人間文化研究機構 総合人間文化研究推進センター研究員、国立民族学博物館助教などを経て、25年9月より国立民族学博物館グローバル現象研究部准教授。
専門は中東地域研究、イスラーム研究、文化人類学。

著書に『イランにおける宗教と国家――現代シーア派の実相』(2015年、ナカニシヤ出版)、『戦争の記憶と国家――帰還兵が見た殉教と忘却の現代イラン』(2021年、世界思想社、国際宗教研究所賞奨励賞受賞)、『現代イラン史――イスラーム革命から核問題、対イスラエル戦争まで』(2025年、中央公論新社)などがある。共著に『大学生・社会人のためのイスラーム講座』(2018年、ナカニシヤ出版)、『「サトコとナダ」から考えるイスラム入門』(2020年、星海社)など。

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ジャカルタ・アトラス―地図でみる都市の成熟

ジャカルタ・アトラス

地図でみる都市の成熟

  • 三村豊、新井健一郎、小泉佑介(編)/2025年12月
  • 執筆:田川昇平、林憲吾、塩寺さとみ、加反真帆、吉田航太
  • 3500円(本体)/B5判上製162頁
  • 装丁:株式会社 中野デザイン事務所

「ジャカルタ」というメガシティをいかに見ることができるか。この問いに、インドネシア政府の基幹統計「村落潜在力調査(PODES)」の多様なデータを地図によってビジュアル化し、「成熟」というコンセプトから迫る。
「発展途上国」あるいは「新興国」、高層ビル対スラムといった単純化された東南アジアのイメージではとらえきれない、人々の日々の営みから生み出される「住むこと」のダイナミズム。

(ISBN 9784868161004)

目次|contents

第Ⅰ章 ジャカルタへの招待
第Ⅱ章 都会で田舎なジャカルタの景色
第Ⅲ章 ジャカルタの暮らしの変化
第Ⅳ章 広くて多様なジャカルタ
第Ⅴ章 ディープなジャカルタを覗く

編者|editors

三村豊
総合地球環境学研究所|建築学(建築・都市史)
主要業績:三村豊(2016)「メガシティ・ジャカルタとビッグデータ─分散的共創としての巨大都市空間・史的分析を目指して」『建築雑誌』1690:34-35.三村豊・新井健一郎(2020)「居住環境から見たインドネシア首都圏のミドルクラスの規模と影響─2010年の衛星画像のSURFによる分析から」『都市創造学研究』4:41-59.

新井健一郎
亜細亜大学|都市研究、東南アジア地域研究
主要業績:新井健一郎(2012)『首都をつくる―ジャカルタ創造の50年』東海大学出版会.新井健一郎(2022)「ジャカルタにおける知事公選と住宅・居住環境整備」『都市創造学研究』6:17-58.

小泉佑介
一橋大学|人文地理学、地域研究
主要業績:小泉佑介・永田淳嗣(2018)「インドネシア・リアウ州住民の出生地・民族背景と産業別就業構造―2000年・2010年人口センサス個票データの分析を中心に」『東南アジア研究』56(1):3-32.小泉佑介(2023)『熱帯フロンティアへの移住と開拓―インドネシア外島の農園開発に伴う地域変動』東京大学出版会.

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働きがいの産業・組織心理学―従業員、経営者、投資家からみたサステナブル・エンゲージメント・モデル

働きがいの産業・組織心理学

従業員、経営者、投資家からみたサステナブル・エンゲージメント・モデル

  • 樋口知比呂(著)/2025年12月
  • 4000円(本体)/A5判並製226頁
  • 装丁:根本眞一(クリエイティブ・コンセプト)

ポストコロナ時代の従業員エンゲージメント
企業のリモートワーク環境下におけるエンゲージメントと身体的・心理的疲労の関連について、従業員・経営者双方の視点からアプローチ。エンゲージメントの実践が投資家のESG投資に与える影響についても分析し、持続可能な人的資本経営のかたちを照射する。
(ISBN9784868160847)

目次|Contents

第1章 はじめに
   1.1 ビジネスの実務家におけるエンゲージメントの捉え方
   1.2 学術界におけるエンゲージメント研究の展開
   1.3 投資家にとってのエンゲージメント
   1.4 COVID-19パンデミック下のリモートワークにおけるエンゲージメント
   1.5 既存文献への貢献
   1.6 本研究の目的と枠組み
   1.7 本書の構成
   1.8 章まとめ

第2章 先行研究レビュー
   2.1 パーソナル・エンゲージメント
   2.2 従業員エンゲージメント
   2.3 ワーク・エンゲイジメント
   2.4 仕事の要求度-資源モデル
   2.5 エンゲージメントとパフォーマンス
   2.6 リモートワーク
   2.7 内発的動機づけ
   2.8 ジョブ・クラフティング
   2.9 ストレスチェック制度
   2.10 先行研究の限界と本書の位置づけ
   2.11 章まとめ

第3章 仮説
   3.1 リモートワーク環境におけるワーク・エンゲイジメント、疲労、資源に関する仮説
   3.2 リモートワーク環境におけるワーク・エンゲイジメント、ジョブ・クラフティング、内
   発的動機づけに関する仮説
   3.3 組織レベルでのワーク・エンゲイジメントとバーンアウトに関する仮説
   3.4 投資家から見た企業レベルの従業員エンゲージメントに関する仮説
   3.5 章まとめ

第4章 リモートワーク環境におけるワーク・エンゲイジメント、疲労、資源【研究1・研究2】
   4.1 方法【研究1】
   4.2 結果 【研究1】
   4.3 考察【研究1】
   4.4 方法【研究2】
   4.5 結果 【研究2】
   4.6 考察【研究2】
   4.7 限界と今後の方向性
   4.8 章まとめ

第5章 リモートワーク環境におけるワーク・エンゲイジメント、ジョブ・クラフティング、内発的動機づけ【研究3】
   5.1 方法
   5.2 結果
   5.3 考察
   5.4 限界と今後の方向性
   5.5 章まとめ

第6章 組織レベルでのワーク・エンゲイジメントとバーンアウト【研究4】
   6.1 方法
   6.2 結果
   6.3 考察
   6.4 限界と今後の方向性
   6.5 章まとめ

第7章 企業レベルでの従業員エンゲージメントとESG投資【研究5】
   7.1 方法
   7.2 結果
   7.3 考察
   7.4 限界と今後の方向性
   7.5 章まとめ

第8章 結論
   8.1 概要
   8.2 理論的貢献
   8.3 実践的含意
   8.4 限界と今後の方向性

あとがき
参考文献
索引

著者|Author

樋口知比呂(ひぐち・ともひろ)
博士(人間科学)×人事専門家×キャリアコンサルタント。
早稲田大学政治経済学部卒業、カリフォルニア州立大学MBA修了、UCLA HR Certificate取得、立命館大学大学院博士課程後期課程修了。博士(人間科学)。国家資格キャリアコンサルタント。
ビジネスの第一線で30年間、組織と人に関する実務経験、専門知識を積み上げ、経営理論を実践してきた。通信会社での人事担当者としての経験を経て、その後、コンサルティングファームで人事コンサルタントやシニアマネージャー、銀行で人事部長などの役職を歴任。現在はFWD生命保険株式会社にて執行役員兼CHROを務める。
実務と並行して、グロービス経営大学院にて准教授として教育・研究に従事。株式会社ビジネスリサーチラボ コンサルティングフェロー。ビジネスと学術研究の架け橋となることを目指し、実践で役立つアプローチを探究している。

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「きく」教育研究のオルタナティブ―ドン・アイディの現象学的アプローチ

「きく」教育研究のオルタナティブ

ドン・アイディの現象学的アプローチ

  • 神林哲平(著)/2025年12月
  • 5000円(本体)/A5判上製378頁
  • 装丁:後藤葉子

誰かの話、奏でられた音、自然のそよぎ、私を呼ぶ声――
教育をめぐる「きく」ことの本質や構造といった諸様相とその意義を、アメリカの哲学者ドン・アイディの現象学的聴覚論や、音声の経験に関する様々な教育者の思想を手がかりに、教育実践の各事例をもとに探究する。「きく」ことの教育に対する既存の文脈にとらわれない、多様なその意味の交錯を解き、教育に会する知覚や想像による学びのかけがえのなさを捉え直す。
(ISBN9784868160816)

目次|Contents

第I部 オルタナティブとしての「きく」教育研究序説
 第1章 既存のきくことの教育研究をめぐる問題
 第2章 きくことの現象学的探究モデル
 第3章 きくことの現象学の比較検討
第II部 ドン・アイディの現象学的聴覚論
 第4章 アイディの研究歴と現象学的聴覚論の位置づけ
 第5章 現象学的聴覚論の目的とアプローチ
 第6章 現象学的聴覚論の諸概念
第III部 「きく」教育理論研究のオルタナティブ
 第7章 意味生成、身体、原リズム――ジョン・デューイ
 第8章 沈黙、内的対話、創造的営み――倉澤栄吉
 第9章 原リズム、想像可変性、しみわたり――エミール・ジャック=ダルクローズ
第IV部 「きく」教育実践研究のオルタナティブ
 第10章 学級歌づくり実践の作詞過程におけるきくこと
 第11章 小さな哲学者たちと現象学するきくことの授業実践
 第12章 文学教材におけるきく意味を考える国語科授業実践
 第13章 沈黙の意味を考える授業実践
第V部 総合考察
 第14章 オルタナティブとしての「きく」教育研究の理論と実践を探究する意義

あとがき
引用文献一覧
初出一覧
人名索引
事項索引

著者|Author

神林哲平(かんばやし・てっぺい)
1979年生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科教育基礎学専攻博士後期課程単位研究指導終了退学。修士(教育学)。早稲田大学系属早稲田実業学校初等部教諭を経て、現在、立正大学社会福祉学部子ども教育福祉学科専任講師。主な著書に『「きく」ことからの学び――友達も自分も好きになる教育をめざした20のアイディア』(文藝書房、2015年)、『音の教育がめざすものは何か――サウンド・エデュケーションの目標と評価に関する研究』(大学教育出版、2017年)がある。

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こころへの旅―世界文学に映る「葛藤」の諸相

こころへの旅

世界文学に映る「葛藤」の諸相

  • 辻󠄀和彦、磯崎康太郎、一瀬真平(編)/2025年12月
  • 3200円(本体)/四六判並製318頁
  • 装丁:矢萩多聞

「文学」が「こころ」を救済する。「こころ」が「文学」に命を与える。
古今東西の文学テクストを「内なる闘い」「外なる戦い」という2つの視点から読むことで、人のこころが抱える「葛藤」のありように迫る、9つの論考。
(ISBN 9784868160618)

目次|contents

序章 内なる闘い、外なる戦い――ユーディット物語における生と死【磯崎康太郎】
第1部 内なる闘い
第1章 マーク・トウェインとチャールズ・ディケンズ――トラウマの共鳴【一瀬真平】
第2章 娘の心、親知らず――ジャメイカ・キンケイド『アニー・ジョン』にみる母と娘の諍い【岩瀬由佳】
第3章 鏡に写るのは誰(へ)のこころか――川端康成の「化粧」と「水月」【平井裕香】
第4章 兎のアドルフはなぜ「恍惚と懊悩に白眼をむく」のか――D・H・ロレンスのagony論【大山美代】
第2部 外なる戦い
第5章 「考える人」のポーズをとる巨大ロボットと「進軍」するライオンたち――フランス解放における「不都合な真実」を寓意するアニメーション映画【松田和之】
第6章 「力なき武器」としての印象主義小説――ヘアマン・バング『ティーネ』と一八六四年の破局【奥山裕介】
第7章 失語、あるいはポストソヴィエト・トラウマ――アカ・モルチラゼ『ナゴルノ=カラバフへの旅』【五月女颯】
終章 戦争に行かなかった兵士――エドガー・アラン・ポーが抱えたPTSD、あるいはその可能性【辻󠄀和彦】

編者|editors

辻和彦(つじ・かずひこ)
近畿大学文芸学部教授。専門はアメリカ文学。著作に『その後のハックルベリー・フィン―マーク・トウェインと十九世紀アメリカ社会』(渓水社、2001年)など。
磯崎康太郎(いそざき・こうたろう)
福井大学国際地域学部教授。専門はドイツ文学。著作に『アーダルベルト・シュティフターにおける学びと教育形態』(松籟社、2021年)など。
一瀬真平( いちのせ・しんぺい)
尚絅学院大学総合人間科学系講師。専門は英米文学。論文に“Reconsidering Midwestern Author Sherwood Anderson: Columbus’ Representations and the Society of American Indians.” The Midwest Quarterly 64(2) pp. 155–168、2023.など。

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スコットランドの詩と音楽―社会をつなぐ伝承文化

スコットランドの詩と音楽

社会をつなぐ伝承文化

  • 照山顕人・米山優子(編)/2025年11月
  • 3900円(本体)/A5判上製398頁
  • 装丁:矢萩多聞

古来さまざまな民族や言語、宗教、習俗などが交錯し、独自の豊かな文化圏を形成してきたスコットランドの、とくに伝承性の高い詩と音楽の領域に着目し、その本質と価値を探る。詩のほか、バグパイプ、ハープ、スコティッシュ・ダンスなどの音楽も取り上げる。
(ISBN 9784861109829)

目次|Contents

Ⅰ 詩・詩人
第1章 ロバート・バーンズの詩における個別と普遍―その豊饒と共感的想像力について〔木村俊幸〕
第2章 ロバート・バーンズの宗教諷刺詩を読む―「信心深いウィリーの祈り」における諧謔精神〔照山顕人〕
第3章 バイロン懐旧のスコットランド―スコットとジェフリーとの交流について〔東中稜代〕
第4章 詩と歌―ジェイムズ・ホッグ『スコットランドの田園詩』(一八〇一)〔吉野由起〕
第5章 「誰のものでもない土地」へ―二言語詩人イアン・クライトン・スミス〔中尾まさみ〕
第6章 現代スコットランド詩と環境主義―キャスリーン・ジェイミーと地球の歌〔金津和美〕
Ⅱ バラッド・ソング
第7章 ハーンの英文学講義にみるスコットランド的人文主義への共感―ケルト魂の原郷をめざして〔先川暢郎〕
第8章 ヨーロッパの辺境から中心へ―十八世紀末のスコットランド民謡の波及〔小林英美〕
第9章 ボシー・バラッドの風景―デイヴィッド・カー・キャメロンが伝える農村の生活〔宮原牧子〕
第10章 アルスター・スコッツの軌跡―北米大陸の「スコットランド人」〔谷川冬二〕
第11章 エドウィン・ミュアとバラッド―島の記憶に育まれた想像の世界〔米山優子〕
第12章 災厄を伝えるスコットランドの伝承童謡―「小さき人びと」の物語歌〔鵜野祐介〕
Ⅲ 伝統音楽・楽器
第13章 スコットランドのバグパイプの音楽―楽器の特徴や曲種とその演奏シーン〔山根篤〕
第14章 ハイランドの金属弦ハープ―楽器、奏者、音楽〔寺本圭佑〕
第15章 スコットランドのダンス音楽―伝統のハイランド・ダンスと国際化のカントリー・ダンス〔岡田昌子〕
第16章 パイプオルガン排斥と受容にみるスコットランドの五百年―宗教改革から今日まで〔横山正子〕
第17章 伝統音楽は〈雑多なスコットランド人の音楽〉になれるのか―マーティン・ベネット「マッカイのメモワール」の越境性〔加藤昌弘〕

編者|Editors

照山顕人(てるやま・あきと)元関東学園大学経済学部准教授。
米山優子(よねやま・ゆうこ)静岡県立大学国際関係学部准教授。

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ブラジル移民と五七五―ブラジル国際俳句(ハイク)のトランスカルチュラルな展開

ブラジル移民と五七五

ブラジル国際俳句(ハイク)のトランスカルチュラルな展開

  • 白石佳和(著)/2025年11月
  • 4500円(本体)/A5判上製268頁
  • 装丁:毛利一枝

日本にもブラジルにもそして世界にも知られていないブラジルの俳句(ハイク)・ハイカイ文化の多様な展開について、仲介者である増田恆河(1911-2008)と当時の日系ブラジル人、増田の活動に共感した非日系ブラジル人たちによる俳句活動の功績を通して明らかにする。
(ISBN9784868160755)

目次|Contents

序章 ブラジルに根付くハイク、ハイカイと増田恆河
    1 ブラジル国際ハイクの多様性と増田恆河
    2 ブラジル国際ハイクから発せられる問い
    3 本書の構成
    4 本書で使用する用語について

第一部 ブラジル国際ハイクのトランスカルチュラルな展開
第1章 日本語歳時記『自然諷詠』とポルトガル語歳時記『NATUREZA-BERÇO DO HAICAI』の比較分析
    1 ヨーロッパ・北米・南米の国際歳時記概観
    2 俳句の国際化と季語・季題
    3 日系ハイクにおけるブラジル歳時記とブラジル季語
    4 真のブラジル季語を厳選した『NATUREZA』
    5 『NATUREZA』の詩的感覚の記述
    6 オーセンティックな歳時記
第2章 増田恆河の俳論―その背景と展開
    1 増田恆河の論考の分析と考察
    2 俳句雑誌『雪』と増田恆河の関わり
    3 『雪』と村松紅花、増田恆河の関係
    4 「ブラジル季語」の概念
    5 増田恆河の季語論の変容と『雪』の関わり
    6 二つの歳時記と有季ブラジルハイカイの季語観
    7 増田恆河の仲介活動の意義と評価
第3章 トランスカルチュラルな有季ハイカイ―ブラジルのハイカイ結社グレミオ・ハイカイ・イペーの初期句集と俳句観
    1 ブラジルハイカイに出現した有季ハイカイ結社
    2 合同句集『四季』の分析
    3 イペー結社の俳句観
    4 コンタクト・ゾーンとしての「座」

第二部 俳諧からハイカイへ
第4章 増田恆河の連句活動
    1 日本語による連句活動
    2 ポルトガル語による連句活動
    3 ブラジル連句の活動の意義
    4 オーセンティックな国際連句
第5章 増田恆河のグレミオ・ハイカイ・イペーでのハイカイ活動とその背景
    1 グレミオ・ハイカイ・イペーの活動史
    2 増田恆河がブラジルハイカイと関わった理由
    3 文化の変容を促す座と日本からのエンパワーメント
第6章 ブラジルのハイク継承における日系準二世の仲介活動
    1 はじめに
    2 準二世とは
    3 グレミオ・ハイカイ・イペーの仲介活動
    4 マナウスにおける仲介活動
    5 結論

第三部 活動型文学の提案
第7章 越境する座の文学
    1 「座の文学」という概念
    2 座の文学の系譜
    3 座の文学に見られる四つの性格
    4 越境する座の文学
第8章 活動型文学と教育―俳句から連句へ
    1 俳句・連句の教育実践
    2 句会活動と対話性―俳句と連句の差異をめぐって
    3 座の文学と教育活動の対話性の比較
    4 活動型文学としての連句・俳句教育の可能性
    5 活動型文学の提案と可能性
第9章 言語教育としての連句の可能性
    1 連句とは
    2 連句実践の概要
    3 ダイナミック・アセスメントの視点から分析した連句実践
    4 プレイフル・ラーニングの視点から分析した連句実践
    5 今後の連句実践に向けて
終章 境界を耕す座の文学
    1 ブラジル国際ハイクのトランスカルチュラルな展開
    2 増田恆河が果たした仲介的役割
    3 座の文学の越境という視点
    4 本書の学術的貢献
    5 今後の展望

おわりに

註/初出一覧/参考文献/索引

著者|Author

白石佳和(しらいし・よしかず)
1969年、愛媛県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。金沢大学大学院人間社会環境研究科博士後期課程修了。
専門は、国際ハイク、日本語文学、日系文学、言語文化教育。
サンパウロ大学客員研究員、高岡法科大学准教授などを経て、現在、松蔭大学コミュニケーション文化学部教授。
主な著書に、『「日系」をめぐることばと文化―移動する人の創造性と多様性』(共著, くろしお出版, 2022)、『ことばと公共性―言語教育からことばの活動へ』(共著, 明石書店, 2024)
『検証 戦争に加担した日本文学3―ソフト・パワーとしての〈萬葉集〉』(共著, 花鳥社, 2025)他。

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芥川龍之介が描いた近代中国の都市空間―揺らぐアイデンティティ

芥川龍之介が描いた近代中国の都市空間

揺らぐアイデンティティ

  • 姚紅(著)/2025年11月
  • 5000円(本体)/A5判上製352頁
  • 装丁:長田年伸

中国を題材とした紀行文や小説における近代中国の都市表象に焦点を当て、「東洋」と「西洋」、「伝統」と「近代」、「自己」と「他者」の間で揺れ動いた近代知識人の葛藤を読み解く。
(ISBN9784868160533)

目次|Contents

序章
第一章 芥川の中国旅行の背景
第二章 芥川と上海における日本語マスメディア
第三章 南京の虚構と現実
第四章 蕪湖の旅
第五章 湖南の革命表象
第六章 武漢の諸相
第七章 上海・北京における伝統演劇の鑑賞
第八章 「蛮市」天津で感じた「郷愁」
結章

著者|Author

姚紅(よう・こう)
筑波大学人文社会研究科文芸・言語専攻博士課程一貫制修了。博士(文学)。現在、白百合女子大学言語・文学研究センター助手、早稲田大学非常勤講師。
主な論文に「中国における芥川龍之介文学の翻訳――『支那游記』を中心に」(日本比較文学会編『越境する言の葉――世界と出会う日本文学』彩流社、2011年)、「台湾と中国における渡辺淳一文学の翻訳について――『失楽園』を中心に」(筑波大学比較・理論文学会『文学研究論集』第34号、2016年2月)、「二〇二二年中国で人気の日本文学作品――当当網のデータを通して」(白百合女子大学言語・文学研究センター編『アウリオン叢書第二二号 世界文学としての日本文学』弘学社、2024年)などがある。

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医療と生活のあいだで、医師たちは何を思い、どう行動したのか

医療と生活のあいだで、医師たちは何を思い、どう行動したのか

  • 景山晶子(著)/2025年11月
  • 3900円(本体)/A5判上製320頁
  • 装丁:大國貴子

治す医療から、「治し、支える」医療へ――。
在宅診療をはじめ、いま医師の見る対象は患者の生活・社会領域にまで広がりつつある。医療が生活を支えるとはどういうことか? 境界があいまいになる医療と生活のあいだで葛藤しながら活動する、10人の医師たちが見たもの、語ったこと。
(ISBN9784868160793)

目次|Contents

 序章 なぜ医師に着目するのか

第1部 在宅医療に取り組む〈医師〉たち
 第1章 治せない患者の「生活」に近づく
 第2章 患者や家族が医師に求めたもの
 第3章 在宅医という仕事
 [コラム1]社会的処方の担い手

第2部 まちで活動する〈医師〉たち
 第4章 医療・介護の専門職との活動―「顔の見える関係」を超える
 第5章 まちの人々との活動―医療を語る場から一つの居場所へ
 [コラム2]医師がまちで行ってきたこと

第3部 「生活者」として医療を見る
 第6章 なぜ「生活」に関わっていくことができたのか
 終章 医師が「生活者」としてそこに居ること

 補遺 一般社団法人 Medical Studioに集った人々の記録

著者|Author

景山晶子(かげやま・あきこ)
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士前期課程修了、明治学院大学大学院博士後期課程修了、博士(社会学)。
会社員として勤務するほか、東京慈恵会医科大学、湘南医療大学大学院等で非常勤講師。
専門は医療社会学。医療現場やまちにおける医療従事者と人々の関係性について研究している。
主要著書に『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(共著、三恵社、2022年)。

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