経験の息吹 異邦の哲学者―西田幾多郎の衝動概念

経験の息吹 異邦の哲学者

西田幾多郎の衝動概念

  • 森野雄介(著)/2025年5月
  • 5000円(本体)/A5判並製472頁
  • 装画:めめんち(作品タイトル「白鷺と瀬戸の海」)
  • 装丁:中本那由子

「日本」「東洋」といった定められた土地に住まう思考ではなく、どこかよくわからない場所から思考するものとしての西田の哲学を根底から問い直す。
(ISBN 9784868160373)

目次|Contents

はじめに
序 論 東でも西でもなく
 はじめに
第I部 西田幾多郎の基本概念――「純粋経験」・「自覚」・「場所」・「絶対無」
第一章 異邦の経験と「純粋経験」――超越論的経験論としての『善の研究』
 第一節 西田とジェイムズの共通点と差異
 第二節 『善の研究』における現在
 本章の結論
第二章 「自覚」
 はじめに
 第一節 「自覚」概念の内実
 第二節 「自覚」と当為、真理の独立性
 第三節 「自覚」における直観と時間
 第四節 自覚における反省と空間
 本章の結論
第三章 感覚する現在――『自覚』におけるヘルマン・コーヘン受容をめぐって
 はじめに
 第一節 『自覚』におけるヘルマン・コーヘンの受容
 第二節 「自覚」における感覚
 本章の結論
第四章 述語とパースペクティヴ――『意識の問題』における場所と衝動
 はじめに
 第一節 『意識の問題』――場としての意識とパースペクティヴ
 第二節 述語としての「於いて」
 第三節 述語的パースペクティヴィズム
 本章の結論
第五章 絶対無の場所、ケルベロス的「もの」――西田幾多郎『働くものから見るものへ』をめぐって
 はじめに
 第一節 田辺元と「絶対無」
 第二節 場所の基本カテゴリー
 第三節 ケルベロス的「もの」
第II部 『無の自覚的限定』
第六章 事実の形而上学、双生の「こと」――西田幾多郎『無の自覚的限定』と大森荘蔵
 はじめに
 第一節 静態的「こと」――大森荘蔵の場合
 第二節 動態的「こと」――西田幾多郎の場合
 結論
第七章 すれちがいと感覚の真理
 第一節 すれちがいと他者の深淵
 第二節 すれちがいと感覚の真理
第III部 後期西田幾多郎と京都学派への批判と考察
第八章 獣道を散歩する―日本哲学における獣の位置づけをめぐって
 はじめに
 第一節 大いなる分割と獣のアナロギア
 第二節 日本哲学における獣の位置づけ
 暫定的な結論
第九章 猫と歴史的世界 あるいはストレンジャーのポイエシス――アンリ・マルディネから西田幾多郎を読み直す
 はじめに
 第一節 アンリ・マルディネのヘーゲル解釈について
 第二節 後期西田幾多郎の「不正スタート」
 結論にかえて――ストレンジャーのポイエシス
結論
あとがき
人名索引

著者|Author

森野雄介(もりの・ゆうすけ)
1988年生まれ。金沢学院大学基礎教育機構講師。主な論文に「猫と歴史的世界 あるいはストレンジャーのポイエシス アンリ・マルディネから西田幾多郎を読み直す」(『金沢学院大学紀要』20)など。

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響きあうポーとディケンズ

響きあうポーとディケンズ

  • 松本靖彦、西山けい子(編)/2025年5月
  • 3600円(本体)/四六判上製244頁
  • 装丁:矢萩多聞

ポーとディケンズはどのように出会い、すれ違ったのか?
ポーとディケンズの接点や共通点を手がかりとして、彼らの文学がどのような関係にあるのか、彼らはお互いのことをどのように見ていたのか、などを考察する8つの刺激的論考。
(ISBN9784868160335)

目次|Contents

第1章 鴉、鴉、鴉―ポーとディケンズ、濡れ羽色の縁(松本靖彦)
第2章 謎解きは書評のあとで―ディケンズとポーの「謎を解く」(渡部智也)
第3章 アメリカ社会と大衆へのまなざし―ポーとディケンズの批評・風刺(福島祥一郎)
第4章 短編小説の技法―ポーがディケンズから学んだこと(西山けい子)
第5章 ポーとディケンズの夜歩き―「群集の人」と「夜の散策」(松本靖彦)
第6章 狂人の革命を描く―ポーとディケンズの作品におけるフランス革命(岡本晃幸)
第7章 ディケンズとポーの描く幽霊、怪奇―一九世紀科学への関心(橋野朋子)
第8章 死体とユーモア―ポーとディケンズにおける無気味と笑いの交差(西山けい子)

編者|Editors

松本靖彦(まつもと・やすひこ)
東京理科大学教授
主な業績:「『互いの友』と『女王即位五十年祭の年に』にみる広告と消費(商品)文化」『ディケンズとギッシング―底流をなすものと似て非なるもの』(大阪教育図書、2018年)、“Perverted Virtue?: Jasper’s Evilness in The Mystery of Edwin Drood Readdressed.” Dickens and the Anatomy of Evil: Sesquicentennial Essays(Athena Press、2020年)、『〈線〉で読むディケンズ―速記術と想像力』(春風社、2022年)、「動かない人形のドラマ―ディケンズを通してみる人と人形(ひとがた)の関わり方」『ヴィクトリア朝文化研究』第22号(2024年)。

西山けい子(にしやま・けいこ)
関西学院大学教授
主な業績:『エドガー・アラン・ポー―極限の体験、リアルとの出会い』(新曜社、2020年)、「正直な人間が嘘をつくとき―『八月の光』における嘘と法外な歓待」『フォークナー』第23号(三修社、2021年)、「ポーにおける絵画の効果―肖像とアナモルフォーシス」『ポー研究』第16号(2024年)、「アウラとしての抒情―カーソン・マッカラーズの『結婚式のメンバー』を読む」『アメリカン・ポエジーの水脈』(小鳥遊書房、2025年)。

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道をむすぶ 時をたがやす―台湾原住民族アミ・カトリック信者の近現代誌

道をむすぶ 時をたがやす

台湾原住民族アミ・カトリック信者の近現代誌

  • 岡田紅理子(著)/2025年5月
  • 5400円(本体)/A5判上製388頁
  • 装丁:大田高充

「キリスト教徒になること」と「キリスト教徒として生きること」
キリスト教信仰と「伝統文化」が複雑に絡み合いながらアイデンティティを未来へとつなげてきた、台湾の先住民族であるアミの人々の生の過程を描く。

「(表面的・形式的ではない、本当の)信仰」を身に付け、「篤い信仰」を持ったのか否か、あるいはキリスト教の信仰を「真に受容した」のか否かは、信者自身による申告や他者による観察によって、客観的かつ相対的に判別できるのだろうか。在来のコスモロジーにおけるパンテオンとカトリック教会の教理における神や霊的・聖的な神聖の存在を変換可能とみなすことは、超越的唯一神の崇拝とは相容れない解釈なのだろうか。もしくは、在来のコスモロジーとの親和性を見出しながら解釈されたものは、キリスト教信仰とは呼べないのだろうか。(中略)救済品を獲得したことへの感謝の想いから、集いに参加したり、祈ったり、あるいは洗礼を受けることを決断したりする行為を、「信仰」とはみなせないのだろうか[本書「おわりに」より]

(ISBN 9784868160076)

目次|contents

序論
第一部 アミとカトリシズム
第二部 アミの入信
第三部 アミの都市移住と都市生活
第四部 都市アミとカトリック信者共同体
おわりに

あとがき
参考文献一覧
索引

著者|author

岡田紅理子(おかだ くりこ)

ノートルダム清心女子大学・講師

専攻・専門:文化人類学、台湾地域研究

主な著作に『都市原住民の生活誌:台北に移住したアミの「都市」、「故郷」、「共同体」』(Monograph Series  vol. 13)(上智大学アジア文化研究所、2013年)、「「救済品」とキリスト教:米援をめぐるカトリック宣教とアミの入信の諸相」(『台湾原住民研究』第24号、2020年)、「呼応する教会と神学:台湾のキリスト教会と先住民族からの考察」(『宣教学ジャーナル』第17号、2023年)など。

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ジェイコブ・H・シフ―日本を支持したユダヤ系銀行家の軌跡

ジェイコブ・H・シフ

日本を支持したユダヤ系銀行家の軌跡

  • 村岡美奈(著)/2025年4月
  • 3700円(本体)/四六判上製354頁
  • 装丁:長田年伸

19世紀末から20世紀初頭の激動の時代、アメリカで最も有名で有力なユダヤ人だったシフ。
シフの生い立ちから銀行家としての成功、アメリカ・ユダヤ社会において果たした役割を取り上げ、慈善家としての取り組みや同胞ユダヤ人のためにアメリカ政府に対し行ったロビー活動にも着目しつつ、その人物像を深く掘り下げる。
日露戦争時、2億ドルの公債を発行し、その後も日本との親交が深かった、シフの生涯を追う。
(ISBN 9784868160465)

『ジェイコブ・H・シフ』正誤表

目次|Contents

第一章 アメリカを代表する銀行家の誕生
第二章 シフの功績
第三章 日露戦争
第四章 日露戦争後の日本との関係
第五章 AJC設立から難民支援まで
第六章 シフの遺産

著者|Author

村岡美奈(むらおか・みな)
関東学院大学国際文化学部准教授。筑波大学大学院地域研究研究科およびニューヨーク市立大学ブルックリン・カレッジ大学院ユダヤ学部の修士課程を経て、ブランダイス大学大学院近東ユダヤ学部博士課程修了(Ph.D)。専門は近代ユダヤ史およびアメリカ・ユダヤ史。在学中にニューヨークのユダヤ遺産博物館の教育インターン、ユダヤ人歴史研究所およびアメリカ・ユダヤ文書館の研究フェローを務める。
主要業績に『ユダヤ文化事典』(分担執筆、丸善出版、2024年)、New Perspectives in American Jewish History: A Documentary Tribute to Jonathan D. Sarna(共著、Brandeis University Press, 2021年) マリオン・イングラム『戦渦の中で―ホロコースト生還者による苦難と希望の物語』(共訳および解説、小鳥遊書房、2020年)がある。

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文化という名の開発―再生産される「豊かな未来」

文化という名の開発

再生産される「豊かな未来」

  • 土屋正臣(著)/2025年4月
  • 3500円(本体)/四六判上製284頁
  • 装丁:長田年伸

道路や港湾、ダム、空港などの社会資本の整備・開発が一般に市民からの反対を受けやすいいっぽうで、文化イベントや文化施設整備など「文化」を冠する開発は人々から表立った批判や反対を受けることなく、着々と進められる。本書ではこうしたメカニズムに着目し、埼玉県の文化開発をケースとして、その正体とそれを受け入れようとする人々の声の所在を明らかにする。

(ISBN 9784868160038)

目次|contents

はじめに

序章
第1章 開発主義の源流
第2章 国土の開発から暮らしの質向上へという「未来」
第3章 国土開発への回帰
終章 文化開発は何をもたらしたのか


引用参考文献
あとがき
索引

著者|author

土屋正臣(つちや・まさおみ)

城西大学現代政策学部准教授
文化政策学、文化資源学
〈主な著作〉
『市民参加型調査が文化を変える:野尻湖発掘の文化資源学的考察』(2017年、美学出版)
『法から学ぶ文化政策』(2021年、有斐閣)
Cultural Heritage in Japan and Italy Perspectives for Tourism and
Community Development(2024年、Springer)

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いのちのどこが大切なのか ハイデガーとアーレント

いのちのどこが大切なのか ハイデガーとアーレント

  • 森一郎(著)/2025年4月
  • 4000円(本体)/四六判上製396頁
  • 装丁:長尾優

生命尊重主義の系譜学へ
「ただ生きること」一辺倒は、「よく生きること」へのまなざしを塞いでいないだろうか。「いのちを大切にしよう!」と呼びかけ合う現代人に冷や水を浴びせかけるソクラテス流反問が、ハイデガーとアーレントを拠点とし、コロナ禍をくぐり抜けて、いまここに甦る。『アーレントと赦しの可能性』に続く反時代的試論集。
(ISBN 9784861109751)

目次|contents

凡例

第I部 ヒューマニズムの系譜学
第一章 哲学にとって死はどこまで問題か――死生観と哲学観
第二章 いのちのどこが大切なのか――古代ギリシア人の死生観への一瞥
第三章 自然的平等について――近代道徳の系譜学のための一覚書
第四章 哲学的人間学の自然主義的起源――ホッブズの人間理解
第五章 コロナ禍はどこまで危機なのか――反時代的試論
第六章 コロナ禍において見えてきたこと――革命論序説
第II部 ハイデガーからアーレントへ
第七章 制作と哲学、制作と政治――「ハイデガーとアーレント」のために
第八章 制作と哲学、制作と政治(続)――『人間の条件』第三一節に即して
第九章 死と良心――『存在と時間』の中心部
第十章 良心をめぐって――ハイデガーとアーレント
第十一章 どこまでわれわれは哲学をすすめられるか――観想的生と近代
第十二章 世界と真理をめぐって――ハイデガーからアーレントへ
あとがき
初出一覧
人名索引

著者|author

森一郎(もり・いちろう)
1962年埼玉県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京女子大学文理学部教授等を経て、現在、東北大学大学院情報科学研究科教授。博士(文学)。専攻は哲学。著書に、『死と誕生――ハイデガー・九鬼周造・アーレント』、『死を超えるもの――3・11以後の哲学の可能性』(以上、東京大学出版会)、『世代問題の再燃――ハイデガー、アーレントとともに哲学する』(明石書店)、『現代の危機と哲学』(放送大学教育振興会)、『ハイデガーと哲学の可能性――世界・時間・政治』(法政大学出版局)、『核時代のテクノロジー論――ハイデガー『技術とは何だろうか』を読み直す』(現代書館)、『ポリスへの愛――アーレントと政治哲学の可能性』(風行社)、『アーレントと革命の哲学――『革命論』を読む』(みすず書房)、『快読 ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』』(講談社選書メチエ)、『アーレントと赦しの可能性――反時代的試論』(春風社)、『ニーチェ――哲学的生を生きる』(青土社)ほか。訳書に、アーレント『活動的生』、『革命論』(以上、みすず書房)、ニーチェ『愉しい学問』、『ツァラトゥストラはこう言った』、ハイデガー『技術とは何だろうか』(以上、講談社学術文庫)ほか。

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ことば×データサイエンス【AAA叢書第1巻】

ことば×データサイエンス

    • 中村靖子、鄭弯弯(編)/2025年3月
    • 4000円(本体)/A5判並製370頁
    • 装丁:矢萩多聞

テキストを計量分析することによって何が見えてくるのか?
研究プロジェクト「人間・社会・自然の来歴と未来―「人新世」における人間性の根本を問う」(Anthropocenic Actors and Agency in Humanity, Society, and Nature,略称:AAA)の成果を発信する叢書シリーズ、第1巻!
科学技術と伝統的人文学とをつなげ,新たな人文学を確立する試み。
(ISBN 9784868160274)

AAA叢書 各巻の構成(第2巻以降は予定)
第1巻(2025)ことば×データサイエンス
第2巻(2025)生成AI,ロボティクス
第3巻(2026)Anthropocene calling
第4巻(2026)ジェンダーとセクシュアリティ
第5巻(2027)社会と政治の科学
第6巻(2028)〈他者・自然との柔らかな均衡〉に向けて

目次|contents

叢書刊行によせて〔中村靖子〕
はじめに〔中村靖子〕
総論
第1章 テキスト計量分析の過去と現在からみる行方〔金明哲〕
第1部 人文学とテキスト分析
第2章 遠読できることと,できないこと―インド古典演劇論からのアプローチ〔岩崎陽一〕
第3章 ダーウィン『ビーグル号航海記』のセンチメント分析―感情史における量的分析と質的分析の融合に向けて〔伊東剛史・鄭弯弯〕
第4章 データサイエンスが紐解く文学空間の軌跡―日本近現代小説の文体変化を手がかりとして〔李広微〕
〈文学と映画―翻訳×テキスト分析〉
研究事例1 文体は翻訳できるか―『雪国』の中国語翻訳を中心に〔孫昊〕
研究事例2 翻訳作品のテキストマイニング―中国現代SFを題材に〔劉雪琴・程星博・盧冬麗〕
研究事例3 『紅いコーリャン』の日中レビュー比較分析―頻出語の差異にみる解釈の多層性〔張玉鳳〕
研究事例4 センチメント分析で分析される「センチメント」とは?―『マルテの手記』翻訳の比較より〔中村靖子・鄭弯弯〕
コラム1 文学研究とテキスト計量分析―『遠読』再読〔平井尚生〕
第2部 データ分析から見る〈こころ〉
第5章 フロイトのテキスト分析―言葉をめぐる想念の追跡〔中村靖子・鄭弯弯〕
第6章 私たちの心が癒されるプロセスの可視化―VR セルフカウンセリング研究におけるテキストマイニングの応用可能性〔山下裕子・山本哲也〕
第7章 ひとりひとりの宇宙―オンライン調査からみえてくる頭の中の世界の多様性と意志の所在〔高橋英之・竹内英梨香〕
コラム2 機械はテキストを「読む」のか?〔宮澤和貴〕
コラム3 言葉の進化生態モデル〔鈴木麗璽・有田隆也〕
第3部 社会感情,もしくはことばのデータ分析
第8章 感情分析―人間と言語モデルによる感情判断の比較〔鄭弯弯〕
第9章 国境侵犯の危機と政治家の演説―スイス大統領エッターとヒトラーの比較〔葉柳和則・鄭弯弯〕
第10章 人工テキストのマイニング―雑談する大規模言語モデル集団が創る社会構造と文化進化〔鈴木麗璽・浅野誉子・有田隆也〕
コラム4 能登半島地震報道の感情分析〔熊川穣〕
コラム5 ホープスピーチ〔和泉悠〕
あとがき―学恩が未来へと繋ぐ〔鄭弯弯〕

編者|editors

中村靖子(なかむら・やすこ)
名古屋大学大学院人文学研究科附属人文知共創センター・教授
研究分野:ドイツ文学・思想史
主要研究業績
(編著)『予測と創発―理知と感情の人文学』春風社,2022年
(編著)『非在の場を拓く―文学が紡ぐ科学の歴史』春風社,2019年
『フロイトという症例』松籟社,2011年

鄭弯弯(てい・わんわん)
名古屋大学大学院人文学研究科附属人文知共創センター・助教
研究分野:機械学習・自然言語処理
主要研究業績
Can official data be trusted? Clarifying biases in sentiment analysis, The 5th Asia Conference on Information Engineering, 2025.
Estimating word difficulty using stratified word familiarity, Cogent Arts & Humanities, 2024.

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相克のタカラヅカ―《ベルサイユのばら》前夜 宝塚歌劇・奮闘の軌跡

相克のタカラヅカ

《ベルサイユのばら》前夜 宝塚歌劇・奮闘の軌跡

  • 中本千晶(著)/2025年3月
  • 3000円(本体)/A5判並製494頁
  • 装丁・レイアウト:中本那由子

《ベルばら》は「神風」ではなかった!?
戦後から1960年代における宝塚歌劇団の挑戦的試みを追うとともに、その尽力がいかに《ベルばら》へと結実し、現在の「タカラヅカ」を形作ったかを熱誠溢れる筆致で描く。
(ISBN 9784868160359)

目次|contents

はじめに タカラヅカの「夢」と「リアル」

序 論 なぜ「相克」なのか
第一章 一九五〇〜六〇年代とはどういう時代だったのか
  第一節 政治、経済、社会、文化の動向
  第二節 歌舞伎界の動向と民俗芸能の隆盛
  第三節 新劇と小劇場運動
  第四節 日本のミュージカル
第二章 「ベルばら以前」のタカラヅカのありよう
  第一節 タカラヅカ創成期から「レビュー黄金時代」まで
  第二節 「松竹歌劇団」と「日劇レビュー」
  第三節 終戦後から一九五〇年代のタカラヅカ
  第四節 一九六〇年代から《ベルサイユのばら》までのタカラヅカ
第三章 「虚」と「実」の相克
  第一節 タカラヅカと「ミュージカル」
  第二節 菊田一夫と「ミュージカル・ロマンス」
  第三節 高木史朗と「宝塚ミュージカル」
  第四節 海外ミュージカルへの挑戦
第四章 「和」と「洋」の相克
  第一節 一九五〇〜六〇年代のタカラヅカと日本の古典芸能
  第二節 歌舞伎俳優らによる演出と反リアリズム
  第三節 「日本郷土芸能研究会」の取り組み
第五章 「ベルばらブーム」の時代に何があったのか
  第一節 若手演出家の台頭と「新人会」の試み
  第二節 植田紳爾と「宝塚グランド・ロマン」
  第三節 柴田侑宏と「ミュージカル・ロマン」
  第四節 植田紳爾と柴田侑宏、相違と類似
  第五節 「ベルばらブーム」を振り返る
  第六節 《ベルサイユのばら》に結実したもの
第六章 「タカラヅカ様式」の確立
  第一節 「男役」の存在とレビュー的要素
  第二節 歴史を舞台にドラマを描く
  第三節 「恋愛」要素の必須化
  第四節 日本物ミュージカル
結 論 「相克」がもたらしたもの

著者|author

中本千晶(なかもと・ちあき)
山口県周南市出身。東京大学法学部卒業後、株式会社リクルート勤務を経て独立。二〇二三年、早稲田大学大学院文学研究科にて博士(文学)学位を取得。舞台芸術、とりわけ宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で分析し続けている。主著に『なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか―観客を魅了する「男役」はこうして創られる』(東京堂出版)、『タカラヅカの解剖図鑑』『タカラヅカの解剖図鑑 詳説世界史』『タカラヅカの解剖図鑑 詳説日本史』(エクスナレッジ)など。早稲田大学非常勤講師。

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見ることを学ぶ―ジル・ドゥルーズの〈紋切り型との闘い〉

見ることを学ぶ

ジル・ドゥルーズの〈紋切り型との闘い〉

  • 松枝拓生(著)/2025年3月
  • 4000円(本体)/四六判上製328頁
  • 装丁:コバヤシタケシ

ありのままの世界を見るとき、自らの愚かさに向き合うことが強いられる――
紋切り型にとらわれてしまう蒙に、いかに抗うことができるのか。哲学や教育、学習、芸術などについての多岐にわたるドゥルーズの思索をひもとくことで、学習において振り返りや気づきが持つ意味を解き明かし、視点の変化による批判や語り直しの可能性を模索する。
(ISBN 9784868160441)

目次|contents

凡例・略号表
序章 ドゥルーズの「紋切り型との闘い」
第一章 紋切り型と「問題」――ドゥルーズの思想に通底する主題
第二章 学習の基本構造――『プルーストとシーニュ』のパースペクティヴ主義
第三章 カント哲学との対決とその批判的継承――発生・全体的批判・超越論的経験論
第四章 愚かさを見るという能力の誕生――『差異と反復』における学習の理論
第五章 紋切り型に抗うフランシス・ベーコンの技法
第六章 「見ることの学習」とありのままのこの世界への信――『シネマ』における学習とその倫理
終章 ドゥルーズの学習と教育の理論へ
あとがき
文献一覧
事項索引
人名索引

著者|author

松枝拓生(まつえ・たくお)
1988年生まれ。京都大学大学院教育学研究科にて博士号(教育学)を取得。現在、大阪大学大学院人間科学研究科助教。専門分野は教育哲学。主な論文として、「ドゥルーズの思想における「愚かさ」の含意——「学習」における反省の働きに着目して」『教育哲学研究』第129号、2024年など。

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戦争をめぐる戦後沖縄文学の諸相

戦争をめぐる戦後沖縄文学の諸相

  • 柳井貴士(著)/2025年3月
  • 4000円(本体)/四六判上製356頁
  • 装丁:中本那由子

戦後80年、戦争体験は遠い他者の出来事として霧散するのか。
沖縄戦、アメリカによる土地の強制収用、朝鮮戦争、ベトナム戦争への出撃基地…。〈本土・ヤマト〉とは違う戦中・戦後史をもつ〈沖縄〉が経験した〈戦争〉とは?
文学作品を通して、戦争という出来事、戦争の〈記憶〉と対峙することのさまざまな在り方を分析し、考察する。
(ISBN 9784868160434)

目次|contents

序章 〈戦争〉をめぐる沖縄の戦後文学の研究にあたって
第一部 沖縄戦をめぐる文学的表象
第1章 古川成美『沖縄の最後』におけるテクストの変遷と戦場へのまなざし
    ――初出版の問題点と改訂版の差異をめぐって
第2章 古川成美『死生の門』におけるテクスト生成と作品企図
    ――「形容の脚色」を帯びた物語の行方
第3章 石野径一郎『ひめゆりの塔』論
    ――作品の周辺と内容をめぐって
第二部 米軍占領下の文学作品――大城立裕を中心に
第4章 峻立する五〇年代〈沖縄〉の文学
    ――大城立裕の文学形成と『琉大文学』の作用
第5章 大城立裕「棒兵隊」論
    ――沖縄戦をめぐる内部葛藤の物語
第6章 大城立裕「カクテル・パーティー」論
    ――沈黙をめぐる〈語り〉の位相変化
第三部 沖縄の米軍基地とベトナム戦争――又吉栄喜を中心に
第7章 又吉栄喜初期作品における〈少年〉をめぐって
    ――施政権返還後の沖縄文学の動向
第8章 又吉栄喜「ジョージが射殺した猪」論
    ――〈模倣〉と〈承認〉による「米兵」化をめぐって
第9章 又吉栄喜「ターナーの耳」論
    ――〈耳〉をめぐる生者と死者の対話の可能性/不可能性
第四部 沖縄戦の記憶をめぐる文学作品――目取真俊を中心に
第10章 目取真俊「水滴」論
    ――〈共同体〉・〈記憶・〈水〉をめぐって
第11章 目取真俊「魂込め」論
    ――誤読される〈記憶〉の行方
第12章 目取真俊「伝令兵」論
    ――意味の空白・空白の記憶
終章

著者|Author

柳井 貴士(やない たかし)
1975年、栃木県生まれ。法政大学文学部、早稲田大学第一文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。国際交流基金客員研究員、蘭州大学外国語学院日本語学科講師を経て、現在、愛知淑徳大学創造表現学部准教授。専門は日本近現代文学。
主な論文に「明治期沖縄の散文小説をめぐる一断面——三面子「迷ひ心」論」(『国文学研究』2020・3)、「又吉栄喜「豚の報い」論——物語基点としての〈豚〉と変容する〈御嶽〉」(『昭和文学』2021・9)、「ゴジラが沖縄をめざすとき——円谷英二を遠く離れて」(『ユリイカ』2021・10)など。

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