戦前日本における精神衛生相談の成立

戦前日本における精神衛生相談の成立

理念形成から活動の展開まで

  • 末田邦子(著)/2023年3月
  • 5000円(本体)/A5判上製210頁
  • 装丁:長田年伸

日本において精神病者への相談に始まった専門相談は、どのような動きのなかで「精神衛生相談」に変容し、それは誰が担い、どんな機能を持っていたのか――。本書では相談理念形成の母胎となった戦前期に着目し、背景にある社会状況、政策・法制、関連団体の活動実態を歴史的視点から提示。その成立過程をたどり、特徴を明らかにする。

(ISBN 9784861108624)

目次|contents

序 章 日本における精神衛生相談の成立過程への視角

第1部 戦前日本における精神衛生相談の理念の成立
第1章 精神病者への相談から「精神衛生相談」へ 政策動向の検討
第2章 精神衛生相談理念に対する議論と動向(1) 関連三団体機関誌の検討
第3章 精神衛生相談理念に対する議論と動向(2) 社会事業団体機関誌の検討

第2部 戦前日本における精神病者への相談活動および精神衛生相談活動の実態
第4章 精神病者への相談および「精神衛生相談」の活動実態
第5章 方面委員による精神病者への相談活動(1) 東京市の検討
第6章 方面委員による精神病者への相談活動(2) 1935年発表の手記の検討
第7章 村松常雄の精神衛生思想と活動の展開 欧米留学時までの検討

終 章 総括と今後の課題

おわりに
初出一覧
引用文献
索引

著者|author

末田邦子(すえだ・くにこ)
愛知淑徳大学福祉貢献学部准教授。専門は社会福祉学。
1970年生まれ。日本福祉大学社会福祉学部卒、精神科診療所および精神科病院勤務を経て、日本福祉大学大学院社会福祉学研究科博士前記課程、同大学院福祉社会開発研究科博士後期課程修了。博士(社会福祉学)。
2006年、金城学院大学人間科学部助教、2013年より現職。
著書に、『戦後社会福祉の歴史研究と方法:第二巻』(近現代資料刊行会、2022年、共著)など。

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人形とイギリス文学―ブロンテからロレンスまで

人形とイギリス文学

ブロンテからロレンスまで

  • 川崎明子(著)/2023年3月
  • 3400円(本体)/四六判上製270頁
  • 装丁:矢萩多聞

いかにして人形は人間となり、人間は人形となるのか?
19世紀から20世紀のイギリス小説に登場する人形を分析することで、人間と非人間、生物と非生物の境界や関係を吟味し、人間を人間として扱うことの意味を問う。
(ISBN 9784861108457)

目次|contents

序章:人形はどこへ行った
第1章:人形を愛する―シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』―人形ではなく人間として愛し愛されるまで
第2章:人形を埋める―チャールズ・ディケンズ『荒涼館』―鏡/鑑としての人形
第3章:人形を罰する―ジョージ・エリオット『フロス河の水車場』―少女がふるう暴力
第4章:人形に話す―フランシス・ホジソン・バーネット『小公女』―人形エミリーの退場と女王セーラの入場
第5章:人形で遊ぶ―H・G・ウェルズ『トーノ・バンゲイ』―ドールハウスを出て大海へ
第6章:人形を燃やす―D・H・ロレンス『息子と恋人』―ポール/パウロと〈犠牲〉の終わり
終章:人形はどこへも行かない
参考文献一覧
あとがき
人名索引
事項索引

著者|author

川崎明子(かわさき・あきこ)
駒澤大学文学部英米文学科教授。2005年、東京大学人文社会系研究科英語英文学博士課程単位取得。2005年、University of Hull英文科博士課程修了(PhD)。同人誌『英国小説研究』(英宝社)編集幹事。単著に『ブロンテ小説における病いと看護』(春風社、2015年)、共著に「『デイヴィッド・コパフィールド』海の抑圧―ロビンソン・クルーソー挽歌」『ディケンズ文学における暴力とその変奏―生誕二百年記念―』(大阪教育図書、2012年)、『イギリス文学入門』(三修社、2014年)など。論文に「『不思議の国のアリス』における言語と生物の変身」『人文研紀要』第96号(中央大学人文科学研究所、2020年)、「『サイラス・マーナー』における植物―漸進的発展の跳躍的語り」『英国小説研究』第28冊(英宝社、2021年)など。

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ロマン主義的感性論の展開―ノヴァーリスとその時代、そしてその先へ

ロマン主義的感性論の展開

ノヴァーリスとその時代、そしてその先へ

  • 高橋優(著)/2023年3月
  • 3600円(本体)/四六判上製326頁
  • 装丁:間村俊一

ノヴァーリスを中心とするドイツ・ロマン主義の著作家たちの活動を「感性論」の視点から精読し、現代におけるロマン主義的感性論の意義を捉えなおす。
さらに福島第一原子力発電所事故についての考察を通してロマン主義的感性論への再認識を促し、ロマン主義の時代からの問題意識が現代にも通底していることを示す。

(ISBN 9784861108358)

目次|contents

序:「世界のロマン化」とロマン主義的感性論
第1章:「触覚という活動的感覚―ポエジー」―ノヴァーリスにおける感性論の展開
第2章:ノヴァーリスの自然科学研究における「霊的現在」
第3章:「一冊の本を聖書に高めること」―聖書計画としての『一般草稿』
第4章:「仲介者」としての「詩的国家」―『信仰と愛』における「身体」としての国家
第5章:「第三の要素」としての宗教―『ヨーロッパ』における宗教哲学
第6章:「戦争は地上になくてはならない」―ノヴァーリスの戦争表象
第7章:「小説は生を扱い―生を記述する」―ノヴァーリスの小説理論
第8章:「自然学の根底に真の統一があるかどうか」―『ザイスの学徒たち』における自然学
第9章:「新しい神話」としての『ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン』
第10章:フリードリヒ・シュレーゲル『ルツィンデ』における「世界のための感覚」
第11章:クレメンス・ブレンターノ『ゴドヴィ』における「官能」と「狂気」
第12章:「なんと罪深い狂気だろう」―ボナヴェントゥーラ『夜警』における「狂気」のモチーフ
第13章:「世界のロマン化」から「世界史の最終章」へ―ノヴァーリス、ブレンターノ、クライストにおける「狂気」の表象
終章:ロマン主義的感性論と「フクシマ」
参考文献
主要人物索引

著者|author

高橋優(たかはし・ゆう)
2000年、慶應義塾大学文学部独文学専攻卒業。2002年、同大学院修士課程修了。2008年、トリア大学独文学専攻博士課程修了。博士(文学)。宇都宮大学講師を経て現在福島大学人間発達文化学類准教授。専門はノヴァーリスを中心とするドイツ・ロマン主義の文学と思想。

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討議倫理と教育―アーペル、ヨナス、ハーバーマスのあいだ

討議倫理と教育

アーペル、ヨナス、ハーバーマスのあいだ

  • 丸橋静香(著)/2023年2月
  • 3900円(本体)/四六判上製288頁
  • 装丁:長田年伸

討議という倫理は、どのように自らや互いを支えるか?
意のままにならないものへの応答――
アーペルによって提唱され、ハーバーマスによって定式化された道徳理論である討議倫理学を、言語論的転回の意義を踏まえ、教育実践論的に展開。そのうえで、ヨナスの責任論を契機とするアーペルの共同責任論の批判的検討を基に、討議は論理的思考の外部である〈他者〉によってこそ可能となるという逆説性を指摘することで、教育の倫理を論じる。言語論的転回の徹底に加え、他者論的転回の必要性という視座から、合意を目指すコミュニケーション方略としての討議倫理学の妥当性・可能性を教育学の立場から新たに示す。
(ISBN 9784861107726)

目次|contents

序章 問題関心と研究の課題――討議倫理学と教育学
第一節 問題関心――言語論的転回の徹底と他者論的転回の必要性
第二節 本研究の対象――なぜアーペル討議倫理学か
第三節 研究の課題と方法
第四節 先行研究の検討
第五節 本書の構成
第一章 アーペル討議倫理学の基本枠組――一九七〇年代の議論を中心に
はじめに
第一節 アーペル討議倫理学の背景
第二節 超越論的語用論的討議倫理学
おわりに
第二章 アーペル討議倫理学の責任論――ヨナス責任論との比較
はじめに
第一節 ヨナスの責任論の背景
第二節 ヨナスの責任論
第三節 未来倫理としての討議倫理学の優位――ヨナスに対するアーペルの批判
第四節 アーペルの未来倫理――討議能力を持たないものへの配慮義務の根拠づけ
おわりに
第三章 現代社会における責任性とその形成――アーペルの「共同責任」概念を手がかりに
はじめに――近代的個人主義的責任概念の限界
第一節 教育学における責任性――ドイツ教育学の議論から
第二節 今日的な責任性――アーペルの「共同責任」概念を手がかりに
第三節 責任性の形成可能性
第四節 相互主体的対話実践による責任性の形成
おわりに
第四章 超越論的語用論的な討議倫理学の教育実践への適用――相互主体的対話実践を可能にする手立て(1)
はじめに
第一節 討議実現に関するドイツ批判的教育学議論の問題点
第二節 討議倫理学における「適用問題」
第三節 ニケの「道徳の現実的討議理論」にもとづく教育構想
おわりに――考えられる批判と討議倫理学に関する教育学的研究の課題
第五章 言語能力の発達段階を踏まえた討議主体形成――相互主体的対話実践を可能にする手立て(2)
はじめに
第一節 討議倫理学における討議
第二節 討議能力の発達段階と子どもの区分
第三節 大人-子ども間の討議
おわりに
第六章 ハーバーマス討議倫理学の限界が示唆する道徳教育の構想原理――教育学における討議倫理学研究の他者論的転回(1)
はじめに――ハーバーマス討議倫理学の限界を問うことの教育学的意味
第一節 ハーバーマスにおけるオースティン言語行為論受容の検討
第二節 ハーバーマスの承認論――テイラーの承認論との比較から
第三節 道徳教育の原理――「差異の原理」/「平等の原理」
おわりに
第七章 アーペル討議倫理学の逆説的構造が示唆する教育の倫理――教育学における討議倫理学研究の他者論的転回(2)
はじめに
第一節 対称的関係に立脚する倫理構想としてのアーペル討議倫理学
第二節 「共同責任」概念再論――ロゴスの〈他者〉という観点から
第三節 「共同責任」概念の教育学的意義
おわりに
終章 アーペル討議倫理学の教育学的意義
第一節 本研究のまとめ
第二節 教育学的帰結
第三節 残された課題
参考文献
あとがき
事項/人名索引

著者|author

丸橋静香(まるはし・しずか)
一九七三年長崎県生まれ。広島大学教育学部教科教育学科卒業。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期単位取得退学。島根大学講師、同准教授を経て、現在島根大学大学院教育学研究科教授。博士(教育学)。教育哲学専攻。主な著書・論文に、「K・-O・アーペルの討議倫理学における『共同責任』概念の教育学的意義――H・ヨナスの責任原理への批判的応答の検討をとおして」(『教育哲学研究』第一一三号、二〇一六年)、『教育的関係の解釈学』(共著、東信堂、二〇一九年)ほか。

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越境兵士の政治人類学―英国陸軍グルカ兵の軍務と市民権

 越境兵士の政治人類学

英国陸軍グルカ兵の軍務と市民権

  • 上杉妙子(著)/2023年2月
  • 6000円(本体)/A5判上製538頁
  • 装丁:矢萩多聞

外国人兵士の軍務と市民権はいかにして結びつくのか。
「傭兵」は果たして、便利な「道具」であることに安々と甘んじているのだろうか。
英国に雇用されてきたネパール出身グルカ兵に焦点を当て、彼らの市民権交渉の複層的な様相、そして軍隊と社会の「もつれた」関係を描き出す。

(ISBN 9784861107252)

目次|contents

まえがき

序論

第Ⅰ部 グルカ兵雇用の歴史的背景
第1章 外国人兵士の軍務と市民権
第2章 グルカ兵の誕生―香港返還より前の雇用

第Ⅱ部 ネパール市民権の維持のための境界作業
第3章 ネパール人アイデンティティの構築と維持、血統的再生産
第4章 駐屯地の宗教の二つの顔―歴史的背景と政策、実行の仕組み
第5章 駐屯地の宗教の二つの顔―教義と見解

第Ⅲ部 グルカ兵の市民権の再定義
第6章 雇用政策の変更と英国陸軍への統合の深化―グルカ次元の解体
第7章 英国社会への国家レベルの統合を目指して―グルカ正義運動に見る市民権交渉
第8章 英国社会への地域レベルの統合を目指して―英国グルカ福祉協会の市民権交渉
第9章 ネパール社会への越境的再統合を目指して―「ネパール市民権の継続」運動に見る市民権交渉

結論

あとがき
参照文献
索引

お詫びと訂正

本文中に編集上の不手際で以下のような誤りが生じました。謹んでお詫びして訂正いたします。

目次 序論「第2節 問題の所存」→「第2節 問題の所在」

p.22 「第2節 問題の所存」→「第2節 問題の所在」

p.85 うしろから6行目 「ネパールは公式的英帝国の一部」→「ネパールは非公式的英帝国の一部」

p.429 うしろから6行目から5行目にかけて 「かつて父もしくは母、」→「かつて自分自身もしくは自分の父、母、」

著者|author

上杉妙子(うえすぎ・たえこ)
明治学院大学社会学部付属研究所 研究員。
博士(学術)。文化人類学。
主な著作に、『位牌分け―長野県佐久地方における祖先祭祀の変動』(第一書房、2001年)、 “Introduction to the Special Issue, Migration and Transnational Dynamics of Non-Western Civil Societies.” (Japanese Review of Cultural Anthropology, 20 (1), 2019年)、“Domesticating Civil-Military Entanglements: Multiplicity and Transnationality of Retired British Gurkhas’ Citizenship Negotiation.” (Birgitte Refslund Sørensen and Eyal Ben-Ari (eds.) Civil-Military Entanglements: Anthropological Perspectives, Berghahn, 2019年)など。

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タキ・オンコイ 踊る病―植民地ペルーにおけるシャーマニズム、鉱山労働、水銀汚染

タキ・オンコイ 踊る病

植民地ペルーにおけるシャーマニズム、鉱山労働、水銀汚染

  • 谷口智子(編)/2023年2月
  • 4700円(本体)/A5判上製328頁
  • 装丁:毛利一枝

スペイン植民地支配に抵抗する16世紀ペルーのインディオの宗教運動とされている、「踊る病」タキ・オンコイ。これが鉱山労働における水銀中毒に由来するものであったとする「タキ・オンコイ水銀中毒説」を、歴史学、医療人類学、環境化学、宗教学の立場から検証する。

(ISBN 9784861108266)

目次|contents

序 [谷口智子]

第一章 人類の宗教史における水銀とシャーマニズム―タキ・オンコイを理解するための序論 [谷口智子]
第二章 スペイン帝国下のアルマデン水銀鉱山―その歴史と水銀中毒[立岩礼子]
第三章 「囲いに入れられた神」と「赤く顔を塗られた神」 [谷口智子]
第四章 一六世紀ペルーにおけるタキ・オンコイと水銀 [ルイス・アルベルト・サンタマリア・ファレス(谷口智子 訳)]
第五章 タキ・オンコイにおける人体への水銀汚染をどうとらえるのか [中地重晴]
第六章 タキ・オンコイ、憑依、ハサミ踊り [谷口智子]
第七章 タキ・オンコイから鉱山の悪魔まで―その社会的アプローチ [ルイス・アルベルト・サンタマリア・ファレス(谷口智子 訳)]
第八章 アンデスの創造力における「収奪」のイメージ―タキ・オンコイとピシュタコ及びコンパクタード [谷口智子]

結 [谷口智子]

参考文献一覧
執筆者一覧

編者|editor

谷口智子(たにぐち・ともこ)
愛知県立大学外国語学部教授。専門は宗教学、ラテンアメリカ地域研究。
主な著作に、『新世界の悪魔―カトリック・ミッションとアンデス先住民宗教』(大学教育出版、2007年)、翻訳書に、朴哲『グレゴリオ・デ・セスペデス―スペイン人宣教師が見た朝鮮と文禄・慶長の役』(春風社、2013年)がある。

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留学のための異文化トレーニング―知る、共に学ぶ、実践する

留学のための異文化トレーニング

知る、共に学ぶ、実践する

  • 勝又恵理子(著)/2023年2月
  • 3000円(本体)/A5判並製172頁
  • 装丁:長田年伸

近年の海外留学における「トレーニング」と「サポート」の重要性について、異文化コミュニケーションの視点から解説。留学前、留学中、帰国後の時間の流れに沿い、ケーススタディとすぐにできる実践法を紹介する。「留学あるある」への処方箋となる一冊。(ISBN 9784861108402)

目次|contents

はじめに

第1章 海外留学に必要なスキルとは
1.1 アクティブ・ラーニングとしての留学
1.2 異文化トレーニング
1.3 留学で身に付くスキル
1.4 留学相談を受ける側のスキル
1.5 留学の種類

Column1 異なる教育方法

第2章 留学前トレーニングの目的と方法
2.1 留学前の準備
2.2 コミュニケーション学
2.3 異文化適応のプロセス
2.4 留学前研修を受けた学生の感想・エピソード

Column 2 留学する大学の決め方

第3章 留学中のサポート・相談
3.1 サポートシステムの在り方
3.2 異文化理解とは
3.3 三つの習慣
3.4 留学中の相談実例
3.5 留学を成功させるために

Column 3 サポートする側のトレーニングの重要性

第4章 帰国後トレーニングの目的と方法
4.1 帰国後の問題点
4.2 帰国後研修を受けた学生の感想・エピソード
4.3 アンラーニングの重要性
4.4 帰国後の言語の維持と向上
4.5 就職活動について

Column 4 大学院・博士課程留学時のサポートグループ

第5章 新しい留学とオンライン国際交流
5.1 近年の留学の傾向
5.2 短期留学事例の分析から
5.3 オンライン留学と国際交流

Column 5 学生が推薦状を依頼する際に気を付けること

謝辞

参考文献一覧

索引

著者|author

勝又恵理子(かつまた・えりこ)
青山学院大学国際政治経済学部国際コミュニケーション学科准教授。専門は、異文化コミュニケーション、異文化トレーニング、COIL型教育、アクティブラーニング、プレゼンテーション。

高校3年時に交換留学でアメリカへ渡り、そのまま現地の高校を卒業。ヒューストン大学クリアレイク校多文化学科修士課程修了。クレアモント大学院大学&サンディエゴ州立大学大学院教育学科博士課程修了 (Ph.D. in Education)。卒業後はサンディエゴ州立大学で教える。日本に帰国後は明治大学、桜美林大学で非常勤講師を務めた後、現職。大学、企業などで海外留学、海外赴任、異文化コミュニケーション、教員養成のためのトレーニングに携わる。

主な著書に『Intercultural Communication: A Reader』(2008年、共著 、Wadsworth Cengage Learning)、『プレゼンテーションの基本 協働学習で学ぶスピーチ──型にはまるな、異なれ!』(2018年、共著、凡人社)、『アクティブラーニングで学ぶコミュニケーション』(2019年、共編著、研究社)など。

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「伝統」が制度化されるとき――日本占領期ジャワにおける隣組

「伝統」が制度化されるとき

日本占領期ジャワにおける隣組

  • 小林和夫(著)/2023年2月
  • 5000円(本体)/A5判上製436頁
  • 装丁:長田年伸

現在のインドネシアでは、地域社会での奉仕活動がゴトン・ロヨンの名で行われており、それが国民的「伝統」として語られているが、その端緒は日本占領下のジャワにおいて日本の隣組制度が導入・推進されたことにある。本書はこの歴史を、「伝統」慣習の制度化や、相互扶助を重んじる「伝統」の実践者へと住民たちが自らなっていった過程としてあとづける。

(ISBN 9784861108242)

目次|contents


第一章 「伝統」との邂逅―旧慣制度調査委員会      
第二章 「伝統」の端緒―ロンダ(夜警)制度の警防団への編入 
第三章 「伝統」の萌芽―隣組制度の段階的導入
第四章 「伝統」の展開―隣組制度のジャワ全土への導入
第五章 「伝統」の弁証法―隣組の機能「権力の機制」と「住民の互酬」
第六章 「伝統」の鼓吹―隣組制度の推進政策
第七章 「伝統」の視聴―隣組制度の宣伝政策
第八章 「伝統」の貫徹―隣組とジャワ奉公会
第九章 「伝統」の再発見―スカルノによる「伝統」の概念化・鼓吹とジャワ軍政
終章 「伝統の制度化」の今日的文脈

謝辞     
参考文献  
資料     
年表     
索引   

著者|author

小林和夫(こばやし・かずお)
創価大学文学部人間学科教授。
歴史社会学、戦争社会学、インドネシア地域研究。
主な著作に、「日本占領期ジャワにおける「喜捨」の制度化」―バンドゥン県のバイトゥル・マル(baytoel-mal)を中心として」(中野毅、平良直、粟津賢太、井上大介編『占領改革と宗教―連合国の対アジア政策と複数の戦後世界』専修大学出版部、2022年)、  「大東亜共栄圏構想と国民のアジア語学習―馬来語の事例」(『社会学評論』69(3)、2018年)、「日本占領期ジャワにおける占領統治と衛生の確立」(『戦争社会学研究』2、2018年)など。

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社会教育における生活記録の系譜

社会教育における生活記録の系譜

  • 新井浩子(著)/2023年1月
  • 4500円(本体)/A5判上製442頁
  • 装丁:長田年伸

なぜ自分たちは書くのか? 何を、どのように書くのか?
明治期からの学校教育における作文・綴方や生活綴方教育運動、大正期以降に見られた労働者や農民の自己表現活動としての生活記録、戦時期の生活記録報道運動を経て、戦後の女性の文章表現や生活記録運動に至る、書き合い読み合うことによる学びの系譜を、日本各地の取り組みから検証。自己教育・相互教育の手立てとしての生活記録の実践と理論の展開をひもとき、生活を書く・読むことによる表現や経験を顧みる。
(ISBN 9784861108228)

【お詫び】下記の氏名記載に誤りがございました。記してお詫びいたします。
〔誤〕辻*智子 *一点しんにょう
〔正〕辻智子
〔該当頁〕11、12、18、19、20、114、144、146、263、327、411、412

目次|contents

序章
第一章 作文教育と綴方教育
第二章 生活綴方教育と生活教育
第三章 労働者・農民と生活記録
第四章 大日本青少年団の生活記録報道運動
第五章 戦後の生活綴方教育と生活記録
第六章 生活記録の地域的展開――戦後山形県の生活記録を事例として
第七章 日本青年団協議会の生活記録運動
第八章 女性の自己表現と生活記録
第九章 戦後社会教育における生活記録の意味とその課題
終章
謝辞
資料(生活記録関連年表/生活記録文集・グループ名一覧/山形県生活記録文集一覧)

著者|author

新井浩子(あらい・ひろこ)
早稲田大学文学学術院講師(任期付)。1970年東京都生まれ。2002年早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得満期退学。2006年公益財団法人日本女性学習財団専門調査員、2012年より聖心女子大学等で非常勤講師を務め、2019年より現職。また公民館で女性学習の講師を務めている。博士(教育学)。主な論文に「戦後社会教育における生活記録の導入に関する研究――日本青年団協議会を中心に」『関東教育学会紀要』第40号(2013年)、「自己開発学習の検討――日本女性学習財団と国際女性教育振興会を例に」日本女性学習財団『女性の学びを拓く――日本女性学習財団70年のあゆみ』ドメス出版(2011年)など。

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チベット高原に花咲く糞文化

チベット高原に花咲く糞文化

  • チョウ・ピンピン(著)/2023年1月
  • 3300円(本体)/四六判上製264頁
  • 装丁:中本那由子

気候も厳しく、各種資源も限られているチベット高原において、ヤク(牛)の糞は貴重な燃料としてもひろく用いられている。そしてその他にも、家屋の建材や子供のおもちゃとしても使われ、そして儀礼でも神聖なものとして扱われており、いわば最も重要な生態的・文化的資源である。
牛糞の採取・加工・利用によって成り立ち彩られるチベットの人々の生活を、20ヶ月の現地調査をもとに描き出す。

 

酸素と温度、その両方が乏しいチベット高原で生き抜く人々から学べることの中には、過去さまざまな環境の変化に適応し、これからも環境の変化に適応していかなくてはならない我々人類にとって、重要なヒントが隠されているのではないか [本文より]

 

(ISBN 9784861108471)

目次|contents

はじめに
第1章 チベット高原における人類の適応およびヒトと動物の関係
第2章 調査概要
第3章 燃料としての利用
第4章 牛糞の素材としての利用
第5章 牛糞の象徴的な利用
第6章 分析
第7章 考察
第8章 結論
資料
チベット語用語集
参照文献
謝辞
索引

著者|author

チョウ・ピンピン(Zhang Pingping)
北九州市立大学社会システム研究科、北九州市立大学文学部・法学部
博士研究員、非常勤講師
専攻・専門は生態人類学・チベット牧畜文化
主要な著作に「生態と象徴の視点から考えるチベット遊牧民にとってのヤクの糞:高地適応のための燃料から儀礼的呪物化まで」(博士論文、北九州市立大学)など。

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