エンパワーメント・ギャップ―主権者になる資格のない子などいない

エンパワーメント・ギャップ

主権者になる資格のない子などいない

  • メイラ・レヴィンソン(著)、渡部竜也、桑原敏典(訳)/2022年11月
  • 4500円(本体)/A5判上製422頁
  • 装丁:長田年伸

民主的な関与への権利を活かすために、教育はいかに支援すべきか?
開かれた学校と社会とは――
2000年代以降のアメリカの学校教育政策が引き起こした逆説的な問題をめぐり、市民権行使の機会・能力における子どもの格差を実際の事例から分析。貧困層やマイノリティといった自らを取り巻く構造的な不平等の是正を時に必要とする子どもほど、政治的社会化に関する知識や態度を持たないという皮肉な事態を告発し、民主的な社会参加や意思決定への手立てを培うための、多様な経験や文化による差異をふまえた教育の役割を探る。
(ISBN 9784861108198)

目次|contents

訳者まえがき
プロローグ カート・コバーン対マスターP
第1章 市民のエンパワーメント・ギャップ
第2章 人種について語ることと市民権行使能力の開発
第3章 あなたには闘う権利がある――歴史的なカウンターナラティブの構築
第4章 ヒーローとロールモデルの再考
第5章 出会ったことのない世界でいかに羽ばたくのか――市民性を学校で「見える化」する
第6章 アクション・シヴィックスの事例
第7章 民主主義・説明責任・教育
エピローグ 立ち上がること、言い返すこと
参考文献
謝辞
訳者解説
索引
著訳者紹介

著訳者|author and translators

◆著者
メイラ・レヴィンソン(Meira Levinson)
ハーバード大学大学院教育学研究科教授。アメリカのアトランタとボストンの公立中学校で8年間教師を務めた。主な著書に The Demands of Liberal Education(2002, Oxford University Press, U. S. A)、Democratic Discord in Schools: Cases and Commentaries in Educational Ethics(2019, Harvard Educational Press)ほか。
◆訳者
渡部竜也(わたなべ・たつや)
東京学芸大学教育学部准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学、カリキュラム論、授業設計論、教師教育、社会改造主義教育論研究。主な著訳書に『真正の評価――テストと教育評価の新しい科学に向けて』(共訳、春風社、2021年)、『教室における政治的中立性――論争問題を扱うために』(共監訳、春風社、2021年)、『主権者教育論――学校カリキュラム・学力・教師』(春風社、2019年)、『アメリカ社会科における価値学習の展開と構造――民主主義社会形成のための教育改革の可能性』(風間書房、2015年)ほか。
桑原敏典(くわばら・としのり)
岡山大学大学院教育学研究科教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学、公民教育論、主権者教育論。主な著書に『高校生のための主権者教育実践ハンドブック』(編著、明治図書、2017年)、『社会科教育学研究法ハンドブック』(共編著、明治図書、2015年)、『中学校新教育課程 社会科の指導計画作成と授業づくり』(明治図書、2009年)、『中等公民的教科目内容編成の研究――社会科公民の理念と方法』(風間書房、2004年)ほか。

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インクルーシブ教育のかたち―都道府県ごとの特別支援教育の違いから

インクルーシブ教育のかたち

都道府県ごとの特別支援教育の違いから

  • 柴垣登(著)/2022年9月
  • 3600円(本体)/A5判並製272頁
  • 装丁:長田年伸

特別支援教育での包摂/排除や統合/分離という二分法的な議論にとどまらない、その実現可能な工夫のしどころをはかる
体制整備のジレンマを解く――
日本の特別支援教育の現状を、制度・政策の動向、地域ごとのその対象率などをもとに、通常教育との関連から詳らかに分析。当事者である障害のある子どもとその保護者の意向や選択・決定権を尊重しつつ、どのように教育機会の格差を是正し実際に保障すべきかを検討することで、特別支援学校・学級といった学びの場を個別に設けるのみでない、障害者と非障害者を分断しない多様な学びの方途を示す。◇立岩真也氏による解題「せめて止まらないために、調べる、引き継ぐ」を収録。
(ISBN 9784861108211)

目次|contents

序章 インクルーシブ教育の意義
第1章 就学先決定の仕組みから見た日本的インクルーシブ教育の特質と課題
第2章 財政面から見た日本的インクルーシブ教育の特質と課題
第3章 小中学校の特別支援教育体制整備における都道府県間の差異の状況と要因
第4章 特別支援学校費の都道府県間の差異の状況と要因
第5章 特別支援教育対象率の都道府県間の差異の状況と要因
第6章 インクルーシブ教育実現のための方策
終章 誰のためのインクルーシブ教育か
あとがき
解題 せめて止まらないために、調べる、引き継ぐ(立岩真也)
文献一覧
索引

著者|author

柴垣登(しばがき・のぼる)
岩手大学教育学部教授。公立中学校、公立特別支援学校教員、教育委員会勤務等を経て、2019年4月より現職。京都教育大学大学院教育学研究科修了・教育学修士、立命館大学大学院総合先端学術研究科一貫制博士課程修了・博士(学術)。専門は特別支援教育、インクルーシブ教育。主な著書・論文に『公教育経営の展開』(分担執筆、東京書籍、2011年)、「財政面から見た日本的インクルーシブ教育システムについての考察」(『Core Ethics』Vol. 15、2019年)、「戦後の小学校内肢体不自由特殊学級の意義について I 」(『岩手大学教育学部研究年報』第81巻、2022年)など。

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日本語教師の省察的実践―語りの現象学的分析とその記述を読む経験

日本語教師の省察的実践

語りの現象学的分析とその記述を読む経験

  • 香月裕介(著)/2022年3月
  • 4500円(本体)/A5判上製426頁
  • 装丁:長田年伸

「実践の記述を読む」経験はどのような省察につながるか?
日本語教師の専門知・実践知のありようを、教師自身の語る/読むという経験から考察。主観と客観をつなぐ現象学的分析を採り入れることで、知覚・意味づけといった個々人の経験から教師の専門性を解き明かし、それを読むことをとおして読み手の省察、および自他理解への新たな視点をもたらす。【神戸学院大学グローバル・コミュニケーション学会研究叢書1】
(ISBN 9784861107603)

目次|contents

第1章 研究の出発点
第2章 日本語教育における教師研究
第3章 現象学と現象学的研究
第4章 研究の枠組み
第5章 調査と分析の方法
第6章 星野さんの語り
第7章 足立さんの語り
第8章 星野さんと足立さんの語りから見えること
第9章 星野さんと足立さんによる省察――実践の記述を読んだ直後の語り
第10章 コロナ禍での星野さんと足立さんの実践――実践の記述を読んで一年後の語り
第11章 研究のまとめ
あとがき
参考文献
索引

著者|author

香月裕介(かつき・ゆうすけ)
神戸学院大学グローバル・コミュニケーション学部准教授。2019年、大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程単位修得退学。博士(日本語・日本文化)。大阪外国語大学外国語学部を卒業後、タイ国ランシット大学教養学部、独立行政法人国際交流基金関西国際センターなどで日本語教育に携わる。2015年に神戸学院大学グローバル・コミュニケーション学部に着任し、講師を経て2020年より現職。

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学校と生活を接続する―ドイツの改革教育的な授業の理論と実践

学校と生活を接続する

ドイツの改革教育的な授業の理論と実践

  • 田中怜(著)/2022年2月
  • 4200円(本体)/A5判上製326頁
  • 装丁:長田年伸

私たちの行為や現実は、学習とどのように結びつきうるか?
眼差しの多様性とその転換に向けて――
1970年代以降のドイツの学校教育改革の変遷を、様々な授業実践の具体例をもとに考究。教育の営為における学習/教授や改革/反改革の両義的な発想を捉え、学ぶことと生きることの連関を描きつつ、多視点性を活かす差異に基づく授業の構想と方法を提言する。
(ISBN 9784861107665)

目次|contents

まえがき
序章 なぜ、学校と生活の接続が問題となるのか
第一部 1970年代の急進的な学校批判とオルタナティブ学校の創設
第一章 西ドイツにおける学校批判とグロックゼー学校――「68年運動」に根差す学校と生活の接続方法
第二章 批判と修正の中のグロックゼー学校――顕在化するヘンティッヒ・パラドックスとの対峙
第二部 1980年代以降の改革教育的な授業改革と改革批判
第三章 学校と生活を接続する「実践的学習」の構想と実践――学習における実践的な行為の要求とそれに対する教授学的批判
第四章 教育政策に浸透する「学校の開放」の要求――ノルトライン・ヴェストファーレン州の枠組み構想「学校生活の形成と学校の開放」をめぐって
第五章 プランゲの学校論における「反省的学習」――生活との差異に基づく授業の構成理論
第三部 1990年代以降の改革教育批判の改革教育
第六章 改革教育の批判的継承としての学校実験「イエナ-プラン・ヴァイマール」――多視点的授業と対話的教育に基づく授業改革
第七章 「ヨーロッパ・プロジェクト」における多視点的授業のモデル化と実践――現実を観察する「多」視点的な授業構成モデルの構築とその特徴
終章 本書の結論と展望
あとがき
引用・参考文献
映像資料
初出一覧
事項索引
人名索引

著者|author

田中怜(たなか・れい)
育英大学教育学部講師。筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程学校教育学専攻修了。博士(教育学)。筑波大学大学院教育研究科特任研究員を経て現職。専門は教育方法学。主な論文に、「プランゲの学校論における反省的学習(reflexives Lernen)――生活との差異に基づく学校教授構想の展開」『教育方法学研究』第42 巻、日本教育方法学会、2017 年(日本教育方法学会研究奨励賞受賞論文)、「学校と生活を媒介する『実践的学習』(praktisches Lernen)の構想とその問題――1980-90 年代ノルトライン・ヴェストファーレン州の授業改革に注目して」『カリキュラム研究』第28 号、日本カリキュラム学会、2019 年、「改革教育学の批判的継承としての学校実験『イエナ-プラン・ヴァイマール』(Schulversuch Jena-Plan Weimar)――生活との差異に基づく学校改革の構想とその実践」『教育方法学研究』第44 巻、日本教育方法学会、2019 年、「多視点的授業(Mehrperspektivischer Unterricht)における『教え』の演劇的解釈――1970年代西ドイツにおけるカリキュラム改革に対する『教師中心性』批判の再検証」『カリキュラム研究』第 31号、日本カリキュラム学会、2022年(印刷中)がある。

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言語教師教育論―境界なき時代の「知る・分析する・認識する・為す・見る」教師

言語教師教育論

境界なき時代の「知る・分析する・認識する・為す・見る」教師

  • B・クマラヴァディヴェル(著)、南浦涼介・瀬尾匡輝・田嶋美砂子(訳)/2022年2月
  • 4000円(本体)/A5判上製320頁
  • 装丁:長田年伸

円を描くように言語の教師の成長を促すには?
レンガの山積みは家ではない――
外国語・第二言語の教師教育に向けた包括的なモデルの根拠と本質を、ポスト国民国家、ポストモダン、ポストコロニアル、ポスト伝達主義、ポストメソッドという視点と、場の特殊性、実践性、可能性という運用原理から再考。多様な言葉の営為のための教育の方向性を見すえる。
(ISBN 9784861107597)

目次|contents

著者による序文
謝辞
第1章 言語の教師教育を描きなおす
〈訳者座談会1〉日本の英語教育と日本語教育に「ポスト」がもたらすもの
第2章 知る
第3章 分析する
第4章 認識する
第5章 為す
第6章 見る
〈訳者座談会2〉「見とおす」目を持つ言語教師とは
第7章 モジュールモデルを (改めて) つくる
〈訳者座談会3〉モジュールモデルから見る日本の言語教師教育
補論1 メソッドとポストメソッド――両者は本当にそこまで相容れないものなのか?(デイヴィット・M・ベル)
補論2 TESOLにおけるメソッド――変化の過程と挑戦の傾向(B・クマラヴァディヴェル)
〈訳者座談会4〉クマラヴァディヴェルとポストメソッド
訳者あとがき
参考文献
参考文献(補論)
索引
著訳者紹介

著訳者|author and translators

◆著者
B・クマラヴァディヴェル(B. Kumaravadivelu)

マドラス大学(インド)、ランカスター大学(イギリス)、ミシガン大学(アメリカ)で教育を受ける。現在、アメリカ・サンノゼ州立大学言語学・言語発達学教授。研究の興味関心は、言語教育の方法、教師教育、教室談話分析、ポストメソッドにもとづく教育方法、文化とグローバリゼーションにもとづく教育など。主な著書に “Beyond Methods: Macrostrategies for Language Teaching”(Yale University Press, 2003)、“Understanding Language Teaching: From Method to Post method ”(LawrenceErlbaum, 2006)、“Cultural Globalization and Language Education”(Yale University Press, 2008. Kenneth W. Mildenberger Prize for Outstanding Research Publication を受賞)など多数。また、本書の原著である “Language Teacher Education for a Global Society” は、2013 年にイギリスの British Association of Applied Linguists の Outstanding Book of the Year 賞にノミネートされた。

◆訳者
南浦涼介(みなみうら・りょうすけ)
専門は日本語教育、教科教育、教師教育。東京学芸大学教育学部准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。主要業績に『外国人児童生徒のための社会科教育――文化と文化の間を能動的に生きる子どもを授業で育てるために』(明石書店、2013年)、「年少者日本語教育における研究課題の変遷――学校と教育の再構築へ向けて」『日本語教育』第179号(共著、2021年)、「民主化のエージェントとしての日本語教育――国家公認化の中で『国家と日本語』の結びつきを解きほぐせるか」『教育学年報』第12巻(共著、2021年)。

瀬尾匡輝(せお・まさき)
専門は日本語教育、教育社会学。茨城大学全学教育機構准教授。上智大学外国語学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(言語学)。 主要業績に「香港の日本語生涯学習者の動機づけの変化――修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いた分析から探る」『日本學刊』14号(2011年)、「日本語教師はどのように教育の商品化を経験しているのか」『言語文化教育研究』13号(共著、2015年)、「「文法を重視する」という日本語教育に対する教師の考えはどのように作り出されているのか――言語教育のローカル化の視点から」『Journal CAJLE』19号(2018年) 。

田嶋美砂子(たじま・みさこ)
専門は英語教育、社会言語学、批判的応用言語学、茨城大学理工学研究科(工学野)准教授、シドニー工科大学大学院人文社会科学部博士課程修了。PhD(教育学)。主要業績に「「実践としての言語」観がWE論・ELF論にもたらす示唆――教科書分析へのささやかな提言とともに」『アジア英語研究』第18巻(2016年)、Gendered constructions of Filipina teachers in Japan’s Skype English conversation industry, Journal of Sociolinguistics, 22 (2018年)、Engagement with English as a neoliberal endeavor: reconsidering the notion of language learning, Critical Inquiry in Language Studies, 17 (2020年)。

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自律を目指す教育とは何か―自然主義的な教育哲学の試み

自律を目指す教育とは何か

自然主義的な教育哲学の試み

  • 宮川幸奈(著)/2022年2月
  • 4000円(本体)/四六判上製288頁
  • 装丁:長田年伸

自律と他律の区別はいかに身に付くのか?
教育目的として掲げられてきた自律概念をめぐる議論の状況を概観。自分自身で行為を決めることと他人に依存すること、また理性的であることと感性的(感情的)であることの区別の意味や、それを実現するはたらきかけを探究。人間諸科学の知見を踏まえて、自律と他律の関係性に対する新たな解釈を提案する。
(ISBN 9784861107672)

目次|contents

序章 自律を目指す教育の新たな理解へ
第1章 自分自身で行為を決めることと他人に依存すること
第2章 理性的であることと感性的であること
第3章 自律を目指す教育を理解するとはいかなることか
第4章 意図と理由の空間への参入
第5章 叱責が可能にするもの
終章 自然主義的な教育哲学研究の成果と展望
あとがき
参考文献
人名索引
事項索引

著者|author

宮川幸奈(みやがわ・ゆきな)
1987年生まれ。熊本学園大学経済学部准教授。九州大学大学院人間環境学府教育システム専攻博士後期課程単位取得退学。博士(教育学)。専攻は教育哲学。主な著書・論文に『道徳教育の理論と実践』(分担執筆、大学教育出版、2018年)、「教育目的としての自律に関する自然主義的考察――二重過程理論を通して」(『教育哲学研究』第118号、2018年)、「自律と他律の現れ方――意図と理由の空間への参入をめぐって」(『九州教育学会研究紀要』第44巻、2017年)など。

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分かちあう経験・守りあう尊厳―ラスキン・カレッジの一九七〇年代における労働者教育

分かちあう経験・守りあう尊厳

ラスキン・カレッジの一九七〇年代における労働者教育

  • 冨永貴公(著)/2022年3月
  • 4500円(本体)/A5判上製300頁
  • 装丁:中島衣美

労働者は物語る――
英国の労働者教育機関「ラスキン・カレッジ」における歴史学習「ヒストリー・ワークショップ」、そこから発展して開催された全国女性解放会議「ラスキン会議」。1970年代にそこで行われた活動と対話による、労働者学生たちの尊厳獲得の過程を明らかにする。
労働者自身の手によって綴られた歴史と生活を読み解くことは、わたしたち自身の尊厳獲得にもつながっていく。
(ISBN 9784861107948)

目次|contents

序論  本書の課題と方法
第1節 本書の目的と意義
第2節 先行研究の整理
1.英国成人教育に関わる歴史研究とラスキン・カレッジの位置/2.歴史記述の方法としてのオーラル・メソッドとその教育への応用/3.生活をめぐる社会教育研究と生活の意味
第3節 研究方法と本書の構成
1.研究方法/2.本書の構成

第1章 ラスキン・カレッジにおける労働と生活の関係
第1節 「豊かな労働者」論における労働者階級の変化
1.「豊かな社会」における労働者の私生活中心主義/2.労働の手段化におけるシニシズム第2節 ラスキン・カレッジにおける教育の再編
1.カリキュラムの再編による教育と労働の結合/2.試験制度の改正による教育と生活の結合
第3節 ラスキン・カレッジにおける教育と労働と生活
1.労働者教育の手段化における労働と生活の分割不可能性/2.労働と生活をめぐる非対称な関係の気づき/3.労働と生活をめぐる非対称な場としてのラスキン・カレッジ

第2章 歴史と教育の生活化としてのヒストリー・ワークショップの発足
第1節  「はざま」を捉える思想としての社会史
1.労働運動史から労働史へ/2.労働史から「はざま」を捉える思想としての社会史へ
第2節 教育活動としてのヒストリー・ワークショップ
1.教育のオルタナティブとしての歴史研究/2.歴史における経験の位置
第3節 教育の生活化実践としてのヒストリー・ワークショップ
1.経験にもとづく教育内容/2.教育方法の生活化としてのオーラル・メソッド/3.教育の生活化による知の再構成

第3章 ラスキン会議における非対称性の問い直し
第1節 「下からの歴史」における女性の周辺化
第2節 ラスキン会議における平等賃金要求
1.平等賃金に対する見解の対立/2.社会主義フェミニズムによる平等賃金要求
第3節 経験をめぐる非対称性の問い直し
1.分割不可能な労働と生活の経験にもとづく「尊厳」の要求/2.階級を横断し、非対称な関係をつなぐ「尊厳」

第4章 ヒストリー・ワークショップというラファエル・サミュエルの物語り 00
第1節 労働者の教育と歴史における生きられた経験
1.労働者教育における生きられた経験/2.歴史を記述することの意味
第2節 ラファエル・サミュエルによる労働者の理解
1.組織化以前の労働者の経験 /2.労働と生活の自律的創造/3.異質な他者の労働と生活に対する視点
第3節 ラファエル・サミュエルの物語的交渉としてのヒストリー・ワー        クショップ
1.男女間の非対称な関係を捉えるフェミニズムの萌芽/2.受動性という教育者の物語り/3.終わらない物語りと物語りを通じた他者との共同

第5章 ヒストリー・ワークショップにおける労働者たちの物語り
第1節 労働経験の記述
1.労働過程に則した記述/2.労働者階級についての記述/3.労働の記述における生活の意義
第2節 生活の場における生きられた経験の記述
1.文化に関わる記述/2.家族に関わる記述/3.労働者による経験の記述における生活の広がり

第6章 生きられた経験の分かちあいにおける非対称な関係と尊厳
第1節 生きられた経験に関わる歴史記述と自己
1.生きられた経験の記述における直接的な自己と間接的な自己/2.自己としての生存・生活
第2節 関係のなかにある生存・生活
1.労働者に関わる社会的諸関係の記述/2.他者としての女性の生存・生活の記述
第3節 生存・生活の分かちあいによる尊厳の獲得
1.記述に値する生存・生活の発見/2.歴史記述における生存・生活の価値/3.非匿名性の追及と匿名性の保持
第4節 あいだにある尊厳のための教育

結論 尊厳を守りあう労働者教育の展開に向けて
第1節 分割不可能に経験される労働と生活
第2節 教育のアポリアに対する受動的な分有という物語り
第3節 尊厳のための他者との分かちあい

あとがき
引用および参照文献・資料
巻末資料
索引

著者|author

冨永貴公(とみなが・たかひろ)
所属・職位:都留文科大学教養学部地域社会学科・准教授
専攻・専門:社会教育学・生涯学習論、ジェンダー/セクシュアリティ研究
主要業績:『ワークライフバランス時代における社会教育』(共著、日本社会教育学会編、東洋館出版社、2021年)、「生=痛みを分有するためのわたしたちの生涯学習社会に向けて」『現代思想』(vol.47-7、2019年)

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レヴィナスと教育学―他者をめぐる教育学の語りを問い直す

レヴィナスと教育学

他者をめぐる教育学の語りを問い直す

  • 安喰勇平(著)/2022年2月
  • 4000円(本体)/四六判上製290頁
  • 装丁:長田年伸

語りえない・知りえないことをいかに伝達しうるのか――
レヴィナスの言語論や責任概念への思索を検討することで、教育という営為における倫理的含意を顧み、自他関係の理解への新たな言語の空間・表現を開拓する。
(ISBN 97848611047658)

目次|contents

はじめに
序章 教育学における他者論の展開とそこでのレヴィナス〈他者〉論の位置
第一章 レヴィナス〈他者〉論の基本モチーフ
第二章 レヴィナス言語論の自己言及的特性――教育学におけるレヴィナス〈他者〉論の援用方法をめぐる解釈論争から
第三章 レヴィナス主体性概念の教育学的射程――変容の契機として他者を位置づけることへの批判的考察
第四章 レヴィナス隠喩論における意味の伝達――叙事詩的な語りを超えて
第五章 「~し直す」成長モデルに関する批判的検討――レヴィナス〈他者〉論の方法としての誇張法
第六章 レヴィナス〈他者〉論における中断と修復――中断の教育学再考
終章 レヴィナス〈他者〉論の教育学的意義
参考引用文献
謝辞
索引

著者|author

安喰勇平(あんじき・ゆうへい)
茨城キリスト教大学文学部講師。一九九〇年島根県生。二〇一七年に広島大学大学院教育学研究科博士課程後期中途退学後、現職。二〇一九年に博士号(教育学)取得。専攻は教育哲学。論文に「レヴィナス言語論の自己言及的特性について――教育哲学におけるレヴィナス他者論の解釈論争から」(『教育哲学研究』第一一二号、二〇一五年)、「『~し直す』成長モデルに関する批判的検討――教育学における他者論の自己矛盾の問題に焦点を当てて」(『教育学研究』第八七巻第一号、二〇二〇年)など。

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学校づくりの概念・思想・戦略―教育における直接責任性原理の探究

学校づくりの概念・思想・戦略

教育における直接責任性原理の探究

  • 石井拓児(著)/2021年12月
  • 4000円(本体)/A5判上製304頁
  • 装丁:長田年伸

学校自治や教育環境は、誰がいかにして決定するのか?
一九五〇年代以降の日本の管理統制的な教育政策への対抗から生じ、自主的・創造的な教育活動としてはじめられた「学校づくり」概念の成立過程を、法制度・課程計画・実践運動の面から多角的に考察。現代の新自由主義的な教育政策による「特色ある学校づくり」といった改革が来した課題を指摘し、民主的な教育活動を保障する社会制度、および地域的・共同的な関係性の再構築に向けて、その意義と方法枠組みを提言する。
(ISBN 9784861107580)

目次|contents

序章 学校づくりと教育の自由と自主性
第一章 一九五〇年代における学校づくり概念の発生とその源流――民間教育運動における学校づくり実践
第二章 教育の国家統制と学習指導要領の変質――学習指導要領の基準性と排除性をめぐる問題
第三章 地教行法体制の成立と学校運営秩序の整備――学校の経営管理からの教職員の排除過程
第四章 学校づくりの基礎的原理としての内外事項区分論と教育課程の経営戦略
第五章 学校づくり実践の具体的展開と住民自治
第六章 教育における公共圏形成の課題と学校づくりのダイナミズム
第七章 新自由主義教育改革下の学校づくりの困難と危機
結章 学校づくりの総合的考察
文献一覧
あとがき
索引

著者|author

石井拓児(いしい・たくじ)
一九七一年、北海道生まれ。奈良で育つ。名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程後期課程単位所得満期退学。博士(教育学)。現在、名古屋大学大学院教育発達科学研究科生涯発達教育学講座教授。専門分野は教育行政学、教育法学。主な共編著に『コンメンタール教育基本法』(学陽書房、二〇二一年)、『教職員の多忙化と教育行政――問題の構造と働き方改革に向けた展望』(多賀出版、二〇二〇年)、『新自由主義大学改革――国際機関と各国の動向』(東信堂、二〇一四年)。主要論文に「新自由主義大学改革と大学財政システムの変容―日本型大学財政システムの歴史的特質と問題点」(『法の科学』五〇、二〇一九年)、「公教育財政制度の日本的特質と教育行政学研究の今日的課題――教育における福祉国家論と内外事項区分論争を手がかりに」(『日本教育行政学会創立50周年記念誌』二〇一六年)など。

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野村芳兵衛の教育思想―往相・還相としての「生命信順」と「仲間作り」

野村芳兵衛の教育思想

往相・還相としての「生命信順」と「仲間作り」

  • 冨澤美千子(著)/2021年11月
  • 3630円(本体)/四六判上製272頁
  • 装丁:長田年伸

明治後期から昭和期の教育者である野村芳兵衛による教育実践の可能性を、大正自由教育運動といった社会的な動向の影響をふまえ、独自に生み出された教育思想から考察。池袋児童の村小学校や岐阜公立学校での実践と構想を解明し、自他の相即的・同時的な救済の倫理に基づく、共に生きるための教育の意義を探究する。
(ISBN 9784861107504)

目次|contents

序章 野村芳兵衛の「生命信順」と「仲間作り」の教育思想を問う意味
第一章 野村芳兵衛の生涯
第二章 「生命信順」の教育思想――他力の教育への覚醒過程
第三章 「協力意志に立つ教育」の具現化としての「野天学校」と子ども概念
第四章 「親交学校」を基盤にした「仲間作り」の教育と「協働自治」
第五章 「学習学校」と綴方教育における「教科書を作る教育」――「仲間作り」を基盤にした「生活科」の構想
第六章 「仲間作り」の教育思想――他力の教育実践の可能性
終章 野村芳兵衛の教育思想における往相と還相の論理
参考文献一覧
論文初出
あとがき
索引

著者|author

冨澤美千子(とみざわ・みちこ)
横浜美術大学美術学部教授、同大学教職課程主任。博士(文学)。専門は教育学、教育思想史、カリキュラム研究。大阪大学大学院人間科学研究科臨床人間学講座教育人間学専攻博士前期課程修了、奈良女子大学大学院人間文化総合科学研究科社会生活環境学専攻博士後期課程修了。著書に『子どもの創造力を育む総合的な学習の時間』(単著、大学教育出版、2021年)、『学びあう食育――子どもたちのニュースクール』(共著、中央公論新社、2009年)、『子どもの側に立つ学校――生活教育に根ざした主体的・対話的で深い学びの実現』(共著、北大路書房、2017年)、『教育の知恵60――教師・教育者を励まし勇気づける名言集』(共著、一藝社、2018年)、『教職概論――理想の教師像を求めて』(共著、大学教育出版、2020年)、論文に「野村芳兵衛の綴方教育における『仲間作り』の意義と重要性」『カリキュラム研究』第25号、日本カリキュラム学会、2016年。

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