批判的思考と教育―還元主義学力論批判

批判的思考と教育

還元主義学力論批判

  • ジョン・E・マクペック(著)、渡部竜也(訳)/2024年12月
  • 4000円(本体)/四六判上製270頁
  • 装丁:長田年伸

 

批判的思考はどのように知識や経験と関係するか?
方法と内容と目的を問う――
ある主題/教科を教えることに伴う批判的思考がもたらす多様性を、その意味、論理学的・認識論的な問題、概念の定義、論証との関係、評価といった視点から解き明かす。教育の必要条件とされる批判的思考の技能や性質を検討し、学力や能力のありようを重層的に探る。カナダの教育哲学者による主著を全訳。
(ISBN 9784861109713)

目次|Contents

謝辞
第1章 批判的思考の意味
第2章 批判的思考、認識論、教育
第3章 批判的思考の概念に関する従来の見解
第4章 非形式論理学と批判的思考
第5章 エドワード・デ・ボノと思考
第6章 読解、テスト、批判的思考
第7章 基本に戻れ
訳者解説
参考文献
索引

著訳者|Author and Translator

【著者】
ジョン・E・マクペック(John E. McPeck
カナダのオンタリオ州ロンドンにあるウェスタン大学で教育哲学の教授を務める。代表作にはほかに本書の続編とも言えるTeachning Critical Thinking: Dialogue and Dialectic(Routledge, 1990)がある。

【訳者】
渡部竜也(わたなべ・たつや)
東京学芸大学教育学部准教授。主な著書に『大学の先生と学ぶ はじめての公共』(KADOKAWA、2024年)、『教室で論争問題を立憲主義的に議論しよう――ハーバード法理学アプローチ』(東信堂、2024年)、『主権者教育論――学校カリキュラム・学力・教師』(春風社、2019年)、『歴史的思考――その不自然な行為』(サム・ワインバーグ著(翻訳)、春風社、2017年)ほか多数。

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教授学への招待―教えることと学ぶことの科学的探究

教授学への招待

教えることと学ぶことの科学的探究

  • エヴァルト・テアハルト(著)松田充、宮本勇一、熊井将太(訳)/2024年12月
  • 3900円(本体)/A5判上製264頁
  • 装丁:後藤葉子

教えるとは? 学ぶとは? そして授業とは何か?
日本の教育学、カリキュラム研究、授業論に長らくインパクトを与えてきたドイツ教育学。なかでも授業における教えと学びの関係をひもとく教授学理論は、学校や授業をどのように捉え、どのような教師を育てようとしてきたのか。ドイツ教育学の大家が描く教授学のこれまでとこれからに、授業とは何か、授業には何ができるのかを学ぶ。訳者らによるドイツ教授学の解説と日本の教育方法学の展望付き
(ISBN 9784861109706)

目次|Inhaltsverzeichnis

日本語版序文
訳者序文
まえがき
第I部 教授と学習の基礎
1.導入――概要と目的
2.諸概念に関する細やかな説明
3.制度化された教授-学習の歴史について
4.教授と学習――心理学と教授学の間
5.新しい学習文化
6.良い教師=より良い授業か?――実証研究の構想と知見
7.教授と学習に対する神経科学の貢献
8.生徒集団の異質性――今求められる教師の専門性

第II部 教授学の理論とモデル
1.導入――全体像と目標
2.授業とは何か?
3.一般教授学のモデル
4.授業方法――概念、展開、研究
5.一般教授学はこれからどうなる?
6.授業理論と一般教授学――考察と分類

訳注
参考文献一覧

訳者解説
1.一般教授学のこれまでとこれからを考える――陶冶理論的教授学の遺産と現代への挑戦状(宮本勇一)
2.「学習」の解明は「良い授業」を生み出すか――教授学と心理学(あるいは神経科学、学習科学)(熊井将太)
3.「教授学」は教師にとってなぜ必要か――教師教育における教授学の役割(松田充)

謝辞
索引

著訳者|Autor und Übersetzer

【著者】
エヴァルト・テアハルト(Ewald Terhart)
ミュンスター大学名誉教授。1952年にドイツ・ボルケンに生まれる。ミュンスター大学で学んだ後、オスナブリュック大学で博士号(1978年)と教授資格(1982年)を取得。オスナブリュック大学、リューネブルク大学、ボーフム大学で教授職を務めた後、2002年にミュンスター大学の学校教育学・一般教授学の教授職に就任。2018年に同職を退職した後は、同大学名誉教授として、現在も積極的な研究活動を行っている。この間、連邦レベルや州レベルで学校教育や教員養成に関わる多くの委員や委員長を務めた。主要な著作としては、„Lehrerberuf und Lehrerbildung“(Beltz, 2000)や „Lehr-Lern-Methoden“(Juventa, 2005)、„Handbuch der Forschung zum Lehrerberuf“(Hedda Benniwitz, Martin Rothlandらとの共編著 Waxmann, 2014)などがある。

【訳者】
松田充(まつだ・みつる)
兵庫教育大学教員養成・研修高度化センター准教授。1989年生まれ。2018年に広島大学大学院教育学研究科を修了後、フレンスブルク大学・客員研究員を経て、2019年に広島大学大学院人間社会科学研究科の助教を務める。2022年より兵庫教育大学教員養成・研修高度化センターに講師として着任し、2024年より現職。専門は教育方法学、ドイツ教授学、教師教育。主な著作に『批判理論による教授学の再構成――ドイツにおける授業研究の理論と実践』(広島大学出版会、2023年)、『学習集団研究の現在Vol.4 授業研究を軸とした学習集団による学校づくり』(共著、溪水社、2023年)、„Unterrichtsforschung und Unterrichtspraxis im Gespräch“(共著 Klinkhardt, 2022)などがある。

宮本勇一(みやもと・ゆういち)
岡山大学学術研究院教育学域講師。1991年生まれ。2020年に広島大学大学院教育学研究科を修了後、広島大学大学院人間社会科学研究科助教を経て、2023年より現職。2024年にはドルトムント工科大学客員教員も務める。専門はカリキュラム研究、教育方法学、一般陶冶論。主な著作に『フンボルトの陶冶理論と教育改革――学問中心カリキュラムの再考』(春風社、2023年)、„Grenzen auflösen – Grenzen ziehen“(共著 Barbara Budrich, 2022)、„Unterrichtsforschung und Unterrichtspraxis im Gespräch“(共著 Klinkhardt, 2022)などがある。

熊井将太(くまい・しょうた)
安田女子大学教育学部准教授。1984年生まれ。2012年に広島大学大学院教育学研究科を修了後、同年に同研究科助教に着任。2012年から2023年まで山口大学教育学部に勤めた後に、2023年より現職。専門は教育方法学、学級論、教育方法史。主な著作に『学級の教授学説史――近代における学級教授の成立と展開』(溪水社、2017年)、『「エビデンスに基づく教育」の閾を探る――教育学における規範と事実をめぐって』(共編、春風社、2019年)、『流行に踊る日本の教育』(共著、東洋館、2021年)などがある。

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師範学校と図画教育―赤津隆助を事例として

師範学校と図画教育

赤津隆助を事例として

  • 増田金吾(著)/2024年12月
  • 8000円(本体)/A5判上製474頁
  • 装丁:毛利一枝

戦前期に図画教育指導法を確立した赤津隆助の足跡をたどる
赤津が行った寄宿舎の舎監、校友会誌の編集、美術同好者のグループ指導などの行為は、直接的には教師の仕事に結びつかないように見える。しかし、赤津はこうしたことにも真剣に取り組んだ。(…)こうした行為が美術教育のみならず、教育に有益であり、特に青巒社(せいらんしゃ)を通じた活動は、広い意味での美術教育深化に重要な役割を果たしたことは確かであろう。(本文より)

(ISBN 9784861109935)

目次|Contents

まえがき
凡例
序 章 研究の課題と方法
第1章 明治時代の小学校並びに師範学校における図画教育の実態
第2章 赤津隆助の図画教育研究への接近と師範学校附属小学校における実践
第3章 赤津隆助と師範学校教育
第4章 実作者・図画教育者としての活動
第5章 赤津隆助の図画教育思想
第6章 赤津隆助の育てた美術教育者
結 章    赤津隆助の図画教育思想とその実践―結論と示唆
補 論    ICT・デジタル的視点から赤津隆助の指導法を見る
<Abstract> The Ideas and Practices of Ryusuke Akatsu in Drawing Education Teaching Methodology
初出誌一覧
参考文献 一覧
資料
あとがき
人名索引
事項索引

著者|Author

増田金吾(ますだ・きんご

1950年 群馬県生まれ
1973年 玉川大学卒業
1975年 東京学芸大学大学院修士課程修了、東京都公立中学校教諭
1977年 東京学芸大学教育学部助手・講師・助教授・教授を経て
2014年 東京学芸大学理事・副学長(2016年定年退職)
2018年 博士(教育学)
現在   東京学芸大学名誉教授

『美術教育史ノート―源流と未来―』共著(開隆堂出版、1983年)
『総合教科「芸術」の教科課程と教授法の研究』分担執筆(多賀出版、1996年)
『教科教育学シリーズ 図工・美術科教育』編著(一藝社、2015年)ほか

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誰ひとり死なせない学校づくり―若者の自傷・自殺予防のための教育的支援を考える

誰ひとり死なせない学校づくり

若者の自傷・自殺予防のための教育的支援を考える

  • 佐野和規(著)/2024年11月
  • 3900円(本体)/四六判上製308頁
  • 装丁:長田年伸

いま、現場教師にできる支援とは?
コロナ禍を経て、若者の自傷・自殺が増えつづけている。本書では、定時制高校の教員として長年さまざまな境遇の生徒とかかわってきた著者が、医師や心理士ではなく、生徒にもっとも近い学校教員の立場から、理論的かつ実践的な自傷・自殺対策を提唱する。

(ISBN 9784861109911)

目次|Contents

第Ⅰ部 アプローチ
序章 若者の自傷・自殺が増えている
第1章 生徒の自傷をどう確認するか―自傷行為に関する尺度の作成
第2章 死生観やスピリチュアリティで自傷行為を改善できるか

第Ⅱ部 分析・考察
第3章 多次元的に自傷を考える
―生物・心理・社会・スピリチュアルモデルからみた自傷行為
第4章 それなら自傷をせざるを得ない―自傷行為と居場所欠如の語りの分析
第5章 自傷者の調査への協力的姿勢とメンタルの安定について

第Ⅲ部 実践・対応
第6章 教師は自傷行為をどのようにみているか―学校現場の実情
第7章 学校における自傷行為への具体的方策
―死生観教育、集団認知行動療法、スピリチュアリティ教育の比較検討
第8章 自傷・自殺を防ぐ心の対話のあり方について

終章 誰ひとり死なせない学校づくり
補論 ―他害問題に寄せて
おわりに
引用文献
資料
索引

 

著者|Author

佐野和規(さの・かずのり

九州女子短期大学子ども健康学科 教授
博士(学校教育学)
公立高校、支援学校教員を経て、2024年度より現職
公認心理師、臨床心理士、学校心理士

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教師教育五十年―「ひよことたまご」の教育実践

教師教育五十年

「ひよことたまご」の教育実践

  • 横須賀 薫(著)/2024年9月
  • 3000円(本体)/四六判並製234頁
  • 装丁:横須賀 拓

戦後教育改革による師範学校から教員養成大学への変遷、東大闘争を経て、教職課程コアカリキュラムの策定、教職大学院の構想へと進んだ激動の半世紀。「教師の教師になる」。本書の著者は、これまで大学における教員養成と現場での現職教育とを一貫して同一課題ととらえて論じ、ときに大勢に抗いながら「教師教育」を実践しつづけてきた。昭和、平成にかけて気鋭の教育者たちと交流し、ともに未来を見据えてきた著者のまなざしに宿る「ひよことたまご」の思想とは?
(ISBN 9784861109836)

目次|Contents

序 章 教師教育の基本と実践性

Ⅰ部 宮城教育大学の教員養成改革
第一章 教員免許について
第二章 開放性と閉鎖性の二項対立
第三章 運命としての宮教大
第四章 小学校教員養成の「発見」
第五章  統合の軸としての「教授学」
第六章 「表現」の欠落を埋める
第七章 小学校課程専任教員をつくる
第八章 「教職入門」の役割と実際
第九章 教科教育学の自立と充実
第十章 教育実習と附属学校の改革
第十一章 ゼミの大切さと卒業後のケア
第十二章 「教授学」に託したもの

Ⅱ部 広い視野からの活動へ
第一章 挫折・失意から広い視野へ
第二章 教員養成部会に加わる
第三章 教員免許「国家試験制」の提唱
第四章 教員養成専門大学の必要性と可能性
第五章 私学の教員養成を経験する
第六章 「地域連携」が充実の鍵

終 章 日本の教師の資質能力は低下、不変、上昇?

初出一覧
あとがき

ラディカルな精神―跋文に代えて(三浦 衛)

著者|Author

横須賀 薫 (よこすか・かおる)

1937年大阪で生まれ、物心ついて以後、横浜で育つ。東京大学教育学部卒、同大学院博士課程単位取得退学。
1968年宮城教育大学の教育学担当講師、70年同助教授、83年同教授を経て、2000年8月、同大学学長に就任。06年7月任期満了で退職。
2007年4月から十文字学園女子大学特任教授・学事顧問、11年4月学長に就任。17年3月任期満了で退職。
主な著書に『子どもの可能性をひらくもの』(教育出版、1987年)、『授業研究用語辞典』(教育出版、1990年)、『授業の深さをつくるもの』(教育出版、1994年)、『斎藤喜博 人と仕事』(国土社、1997年)、『教員養成 これまでこれから』(ジアース教育新社、2006年)、『図説 教育の歴史』(共著)(河出書房新社、2008年)、『新版 教師養成教育の探究』(春風社、2010年)、『斎藤喜博研究の現在』(編著)(春風社、2012年)、『教育実践の昭和』(春風社、2016年)ほか。

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アンリ・ワロンの精神発生学と人間発達研究―その思想と理論の現代的意義を探って

アンリ・ワロンの精神発生学と人間発達研究

その思想と理論の現代的意義を探って

  • 亀谷和史(著)/2024年3月
  • 4200円(本体)/四六判上製304頁
  • 装丁:長田年伸

20世紀初頭から半ばにかけて心理学研究に携わったアンリ・ワロンの人間発達思想を、〈精神発生学〉の構想という観点からひもとく。現代の発達心理学の領域に収まらないその哲学的・ 発達思想的な理論の到達点や展望、意義を検討し、〈精神〉の発生・発達過程の本質と、これまで見逃されてきた心身の相互関係を探る。
(ISBN 9784861109331)

目次|Contents

凡例
はじめに
序章 アンリ・ワロンが生きた時代と今日のワロン研究の到達点
第1章 アンリ・ワロンの〈精神発生学〉の構想と人間発達研究
第2章 アンリ・ワロンの発達研究の先駆性と〈意識〉の発生的研究
第3章 アンリ・ワロンの発達理論における〈姿勢機能(システム)〉概念と模倣発達論
第4章 アンリ・ワロンの発達理論と乳児保育――〈こころ〉と〈からだ〉の発達の統一的理解をめざして
第5章 アンリ・ワロンの発達理論における〈機能〉把握と機能連関
第6章 アンリ・ワロンの精神病理学研究と『病理心理学』――その認識論的立場をめぐって
第7章 アンリ・ワロンの人格発達研究における〈指向性〉の機能
補章 アンリ・ワロン著『行為から思考へ――比較心理学試論』序論
あとがき
主な参考文献

著者|Author

亀谷和史(かめたに・かずふみ)
日本福祉大学教育・心理学部教授。専門は、発達思想、教育哲学、保育学。主要著書に『ピアジェ×ワロン論争――発達するとはどういうことか』(編訳著、ミネルヴァ書房、一九九六年)、『現代保育と子育て支援――保育学入門』(編著、八千代出版、二〇〇六年)、『「知的な育ち」を形成する保育実践Ⅰ・Ⅱ』(編著、新読書社、二〇一三年、二〇一六年)ほか。

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発達支援、その先へ―自閉スペクトラム症児の早期社会コミュニケーション行動に着目して

発達支援、その先へ

自閉スペクトラム症児の早期社会コミュニケーション行動に着目して

  • 永井祐也(著)/2024年4月
  • 3900円(本体)/A5判上製276頁
  • 装丁:中本那由子

発達障害のある子どもたちをいかに支援するか?
近年、発達障害のある児童生徒にとって、より早い段階における適切な支援が、社会適応や二次障害予防に有効であることが分かってきた。本書ではその一例として、自閉スペクトラム症(ASD)児の「共同注意」をはじめとする早期社会コミュニケーション行動の発達に着目。PECS等の支援法の有用性、母親のストレスとの相関性、インクルーシブ教育システム、さらにその先の共生社会への接続性などの観点から検証し、児の将来の自立と社会参加に向けて、「いま」できる発達支援を考える。
(ISBN 9784861109508)

目次|contents

はじめに
第0章 序論
第1章 日本の特別支援教育・インクルーシブ教育システムの動向
第2章 自閉スペクトラム症(ASD)の理解と発達支援
第3章 アイトラッカーによるASD児の共同注意の測定とその臨床的有用性
第4章 ASD児の早期社会コミュニケーション行動が不適応行動に及ぼす影響
第5章 PECSがASD児の早期社会コミュニケーション行動に及ぼす効果
第6章 母親の育児ストレス軽減に果たすASD児の共同注意の役割
第7章 個別発達支援におけるASD児の母親の育児ストレス軽減効果
第8章 総合考察
あとがき
図表一覧
初出一覧
文献一覧
索引

著者|author

永井祐也(ながい・ゆうや)
岐阜聖徳学園大学教育学部 専任講師
1988年 大阪府生まれ
大阪大学大学院人間科学研究科 修了 (博士(人間科学))
日本学術振興会特別研究員 (DC2)、くらしき作陽大学子ども教育学部専任講師、大阪大学大学院人間科学研究科助教を経て、2022年4月より現職。

主要論文
・標準「病弱児の教育」テキスト【改訂版】(ジアース教育新社, 分担執筆, 2022)
・母親の育児ストレス軽減に果たす自閉スペクトラム症児の共同注意の役割(発達心理学研究, 34(1), 11-18, 2023)
・Effects of the Picture Exchange Communication System on early social-communication behaviors in children with autism spectrum disorders.(Journal of Special Education Research, 10(2), 69-81, 2022)
・小児がん啓発人形劇が小学校教員に復学支援を想像させる効果(小児保健研究, 80(6), 782-787, 2021)
・ムコ多糖症のある幼児児童生徒への教育的支援に関する保護者の認識(特殊教育学研究, 53(3), 175-183, 2015)

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相互行為(インタラクション)としての英語学習 ―教室談話への現象学的アプローチの試み

相互行為インタラクションとしての英語学習

教室談話への現象学的アプローチの試み

  • 泉谷律子(著)/2024年3月
  • 5000円(本体)/A5判上製236頁
  • 装丁:才村昌子

いま公教育の英語教育では、文法指導と内容重視のコミュニケーションの両方の実践が求められ、外国語習得に本来必要なものを教師が追究することが困難な状況にある。そこで本書は、公立中学校の実際の英語授業における教室内での談話分析をもとに、英語主導のインタラクションをとおして学習者がどのように〈行為としてのことば〉を経験しているのかを、身体性、時間性、空間性、関係性という現象学の視点から論究し、あらためて言語教育の本質を問う。

(ISBN 9784861109348)

目次|contents

まえがき

序章 本書の概要
0.1 問題の所在とその背景
0.2 研究目的
0.3 本書の意義と構成

第1章 先行研究
1.1 コミュニケーションとは
1.2 インタラクションとは
1.3 教室談話研究
1.4 言語観と言語習得観
1.5 リサーチクエスチョン
1.6 本書の位置づけ

第2章 理論的枠組みと研究方法
2.1 現象学
2.2 本書のアプローチ
2.3 英語授業研究への従来のアプローチ
2.4 理論的枠組みのまとめ
2.5 研究方法

第3章 英語授業における挨拶の比較
3.1 挨拶場面比較検討の観点
3.2 IRF/IREパターンと談話の拡張
3.3 分析対象
3.4 分析 挨拶の場面
3.5 考察
3.6 まとめ

第4章 教科書に基づいた質問=回答における相互行為
4.1 評価のない学習機会構築
4.2 先行研究の検討
4.3 分析
4.4 考察
4.5 まとめ

第5章 英語授業で自作の詩を読むという経験
5.1 詩と文学教材の言語教育的価値
5.2 読み、書く教材としての詩
5.3 分析
5.4 考察
5.5 まとめ

第6章 「他人の心を知る」偶発的相互行為
6.1 教室談話における偶発性
6.2 他人の心についての現象学的説明
6.3 分析
6.4 考察
6.5 まとめ

第7章 総合考察 英語授業を生きる経験
7.1 本書で明らかになったこと
7.2 本書の意義の確認

第8章 本書のまとめと今後の課題

参考文献
初出情報
あとがき
付録
索引

著者|author

泉谷律子(いずたに・りつこ)
大阪大学大学院言語文化研究科(現人文学研究科)言語文化専攻博士後期課程修了。博士(言語文化学)。大阪大学人間科学部を卒業後、民間企業への勤務を経て、京都教育大学大学院教育学研究科教科教育専攻修士課程修了。修士(教育学)。現在、武庫川女子大学など複数の大学の非常勤教員。専門は、英語教育学、授業談話研究、ナラティヴ分析。論文に、「EFL教授学習における談話分析:活動理論の視点から」(ヴィゴツキー学、別巻第3号、pp. 21-28.)、「中学校英語授業における教室談話の偶発的アイデンティティ」(大阪大学大学院言語文化研究科 言語文化共同研究プロジェクト2015:相互行為研究②-社会と文化、アイデンティティ-, pp. 33-41.)などがある。

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正統的周辺参加としての社会科教育の展開―アンラーニングによる社会参加をもとに

正統的周辺参加としての社会科教育の展開

アンラーニングによる社会参加をもとに

  • 田本正一(著)/2024年3月
  • 4000円(本体)/A5判上製272頁
  • 装丁:後藤葉子(森デザイン室)

工場立地、新幹線建設、まちづくり、脱原発、安保法制、地球温暖化……
多様なテーマから、市民社会に参加し得る社会科教育の原理と事例をひもとく
正統的周辺参加の理論やアンラーニングの概念という視座をもとに、公教育における授業・カリキュラム・学習評価において、学校、地域、国家、地球といった社会的な共同体における状況や関係を再考し、学びを活かすための方法を提言する。
(ISBN 9784861109461)

目次|Contents

序章 研究の目的と方法
第1部 アンラーニングによる社会参加としての社会科教育の原理
第1章 アンラーニングによる社会参加としての社会科学力
第2章 アンラーニングによる社会参加を原理とした社会科授業と学習評価
第3章 アンラーニングによる社会参加を原理とした社会科カリキュラムの編成
第2部 アンラーニングによる社会参加としての社会科授業の開発
第4章 学校共同体への参加をアンラーニングする社会科授業の開発
第5章 地域社会共同体への参加としての社会科授業の開発
第6章 地域社会共同体への参加をアンラーニングする社会科授業の開発
第7章 国家社会共同体への参加としての社会科授業の開発
第8章 国家社会共同体への参加をアンラーニングする社会科授業の開発
第9章 地球社会共同体への参加としての社会科授業の開発
第3部 アンラーニングによる社会参加としての社会科学習評価の開発
第10章 アンラーニングによる社会参加としての社会科学習評価の開発
第11章 社会参加としての社会科学習評価の開発
終章 研究の成果と課題・展望
引用・参考文献
あとがき
事項索引
人名索引

著者|Author

田本正一(たもと・しょういち)
山口大学教育学部准教授。佐賀大学教育学研究科修了。博士(学校教育学)。専門は社会科教育学、ディベート教育。主な著書・論文に、『学びの脱中心化―知的冒険としての学校教育研究』(編著、大学図書出版、2021年)、「市民的変容の実存論的考察―公的領域への現れとしての活動」(日本社会科教育学会『社会科教育研究』第143号、2021年)、「ノットワーキングを意図した社会科授業の実践―外部連携による相互的な学習を目指して」(教育目標・評価学会『教育目標・評価学会紀要』第30号、2020年)、「市民社会への参加に注目した社会科学習評価の検討―小学校第3学年における学習者のナラティヴを事例として」(全国社会科教育学会『社会科研究』第86号、2017年)、「ナラティヴ・アプローチによる『学習』の検討―アンラーニングする学習を目指して」(山口大学教育学部附属教育実践センター『研究紀要』第44号、2017年)、「人口減少社会に対応した小学校社会科授業の開発―アンラーニングによる正統的周辺参加からの考察」(日本社会科教育学会『社会科教育研究』第125号、2015年)など。

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教育による包摂/排除に抗する児童福祉の理念―児童自立支援施設の就学義務化から

教育による包摂/排除に抗する児童福祉の理念

児童自立支援施設の就学義務化から

  • 高田俊輔(著)/2024年2月
  • 4000円(本体)/四六判上製320頁
  • 装丁:長田年伸

教育と福祉による子どもへの統一的な保障はいかにしてなしうるか
自給自足の学びを目指して――
非行少年を対象とする入所型の児童福祉施設であり、少年院と児童養護施設の折衷的な役割を担ってきた、児童自立支援施設。その変遷や、就学が義務化された現状を考察する。入所児童に向きあう施設職員や学校教員たち実践者の言説や試みを解き明かし、児童福祉と学校教育のそれぞれの論理や実践が浮き彫りにする問題に、どのように理解し関わろうとしてきたかを探る。
(ISBN 9784861109034)

◆公益財団法人SOMPO福祉財団・2024年度第26回SOMPO福祉財団奨励賞 受賞

目次|Contents

序章 教育と福祉の「せめぎあい」の記述に向けて
第Ⅰ部 歴史研究編
第1章 歴史研究概要――施設機関誌の言説分析
第2章 感化院・少年教護院における教育・司法との差異化戦略
第3章 教護院の近代化と学校教育
第4章 「準ずる教育」の終焉、学校教育との調和
第Ⅱ部 フィールド調査編
第5章 フィールド調査概要――X支援施設に着目して
第6章 「準ずる教育」の消失と学校教員の「無力化」
第7章 「社会の風」としての学校教育
終章 「せめぎあい」の調整から生まれる連携・協働の可能性
あとがき
参考文献
初出一覧
索引

著者|Author

高田俊輔(たかだ・しゅんすけ)
上越教育大学学校教育研究科・講師。1987年奈良県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。2022年、博士(人間科学)学位取得。東洋大学ライフデザイン学部・助教を経て現職。主要業績に “The relationship between education and child welfare in Japanese children’s self-reliance support facilities” (Contemporary Japan, 30, 2018)、「感化・少年教護実践と『教育的であること』」(『人間教育と福祉』9, 2020)、「教育と福祉のせめぎあい――就学義務化に抵抗する福祉の論理に着目して」(『ソシオロジ』66, 2021)、「教育への抵抗――児童自立支援施設における就学義務化に着目して」(『人間教育と福祉』11, 2022)。

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