バルザック王国の裏庭から―『リュジェリーの秘密』と他の作品集

バルザック王国の裏庭から

『リュジェリーの秘密』と他の作品集

  • 宇多直久(編訳)/2017年3月
  • 2500円(本体)/四六判上製292頁
  • 装丁:桂川潤

バルザックの歴史小説『リュジェリーの秘密』の新訳と
この小説に至る私信、小品、断片等を執筆順に収録し、作家にしてリアリスト・バルザックの人物像をあぶりだす。
巻末に当時のパリ街路事典、歴史的登場人物の紹介文を併載。
(ISBN 9784861105449)

目次|indexes

Ⅰ  作品集
一  ヴィクトル・ラティエ宛の手紙(1830年7月)
二  クロッキー「パリの小僧のお礼の仕方」
三  ファンタジー「石のダンス」
四  「パリだより」第11信
五  「物乞うひと」
六  ジュルマ・カロー宛の手紙(1832年1月)
七  「パリからジャワへの旅」抄
八  ハンスカ夫人宛の手紙(1833年3月)
九  「神の木鐸たち」
十  ハンスカ夫人宛の手紙(1836年3月)
十一 ハンスカ夫人宛の手紙(1836年10月)

Ⅱ リュジェリーの秘密─哲学研究
第一章 シャルル九世の一夜
第二章 マリー・トゥシェ
第三章 策略対策略

付録
街路事典
人物紹介(登場順)

編訳者|editor

宇多直久(うだ・なおひさ)
1947年富山市生まれ。京都大学大学院文学研究科仏文学修士。
パリ第三大学第三課程博士(19世紀フランス文学・文明)。滋賀大学元講師。
著作に、『La Madone dans l’oeuvre d’Honoré de Balzac』(PU du Septentrion,《Thèse à la carte》, 1998)がある。

 

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文学都市ダブリン―ゆかりの文学者たち

文学都市ダブリン

ゆかりの文学者たち

  • 木村正俊(編)/2017年2月
  • 3700円(本体)/A5判上製460頁
  • 装丁:矢萩多聞

なぜダブリンはすぐれた文学者たちを輩出してきたのか?
スウィフト、ワイルド、ジョイスから現在の作家まで、作品を生み出す土壌となった
都市ダブリンとの関係に注目しながら、文学者たちの足跡をたどる。
(ISBN 9784861105180)

目次|indexes

序章 ダブリンという都市:言語芸術の創造を駆動する力―文学者たちの軌跡から探る【木村 正俊】
第1章 ジョナサン・スウィフト:「憤怒」と「自由」と―諷刺精神を涵養する磁場としてのダブリン【原田 範行】
第2章 ブラム・ストーカー:吸血鬼の眠る都市―『ドラキュラ』の源泉を求めて【桃尾 美佳】
第3章 レイディ・グレゴリー:舞台で語り継ぐアイルランドの歴史―ナショナリズムと口承文学【岩田 美喜】
第4章 ジョージ・ムア:唯美主義小説の開花―ダブリンでの十年【高倉 章男】
第5章 オスカー・ワイルド:仮面の下のアイリッシュネス―ケルトの言語文化の伝統とワイルド文学【宮崎 かすみ】
第6章 バーナード・ショー:笑いで警告する預言者―皮肉に込められた「生」の向上への情熱【森川 寿】
第7章 W・B・イェイツ:アイルランド文芸復興運動を牽引―『キャスリーン伯爵夫人』にみる劇場理念の追求【佐藤 容子】
第8章 ジョージ・ラッセル:揺るぎない神秘主義者―ダブリンの薄明に郷愁を覚えた多才な文学者【山崎 弘行】
第9章 J・M・シング:孤絶した社会に生きる「英雄」たちへの目―喜劇的リアリズムの極点へ【木村 正俊】
第10章 ショーン・オケイシー:ダブリンのスラム街の想像力と身体的現実─ストーリーとヒストリーの交わるところ【坂内 太】
第11章 ジェイムズ・ジョイス:文学における地域性と国際性―都市ダブリンの構想をめぐって【結城 英雄】
第12章 サミュエル・ベケット:どこにもない故郷への旅―死者たちとの出会い【堀 真理子】
第13章 パトリック・カヴァナ:イニスキーン・ロードからラグラン・ロードへ―田舎者詩人の上京【佐藤 亨】
第14章 エドナ・オブライエン:アイルランド女性の脱神話化―カントリー・ガールの内なる戦い【岩上 はる子】
第15章 シェイマス・ヒーニー:骨に書かれた文様―ヴァイキング都市ダブリンと詩人の転機【中尾 まさみ】
第16章 主要な現代小説家たち:固定値と変化との共謀―コルム・トビーン、ダーモット・ボルジャー、ロディ・ドイルの場合【伊藤 範子】
第17章 主要な現代詩人たち:詩人たちによって生成され続けるダブリン―キンセラ、モンタギュー、ミーハンの場合【西谷 茉莉子】
第18章 主要な現代劇作家たち:演劇のグローバライゼイションとアイルランド演劇―セバスチャン・バリーとコナー・マクファーソンの場合【三神 弘子】

執筆者|authors

木村正俊・原田範行・桃尾美佳・岩田美喜・高倉章男・宮崎かすみ・
森川寿・佐藤容子・山崎弘行・坂内太・結城英雄・堀真理子・佐藤亨・
岩上はる子・中尾まさみ・伊藤範子・西谷茉莉子・三神弘子

序章 ダブリンという都市:言語芸術の創造を駆動する力―文学者たちの軌跡から探る【木村 正俊】
第1章 ジョナサン・スウィフト:「憤怒」と「自由」と―諷刺精神を涵養する磁場としてのダブリン【原田 範行】
第2章 ブラム・ストーカー:吸血鬼の眠る都市―『ドラキュラ』の源泉を求めて【桃尾 美佳】
第3章 レイディ・グレゴリー:舞台で語り継ぐアイルランドの歴史―ナショナリズムと口承文学【岩田 美喜】
第4章 ジョージ・ムア:唯美主義小説の開花―ダブリンでの十年【高倉 章男】
第5章 オスカー・ワイルド:仮面の下のアイリッシュネス―ケルトの言語文化の伝統とワイルド文学【宮崎 かすみ】
第6章 バーナード・ショー:笑いで警告する預言者―皮肉に込められた「生」の向上への情熱【森川 寿】
第7章 W・B・イェイツ:アイルランド文芸復興運動を牽引―『キャスリーン伯爵夫人』にみる劇場理念の追求【佐藤 容子】
第8章 ジョージ・ラッセル:揺るぎない神秘主義者―ダブリンの薄明に郷愁を覚えた多才な文学者【山崎 弘行】
第9章 J・M・シング:孤絶した社会に生きる「英雄」たちへの目―喜劇的リアリズムの極点へ【木村 正俊】
第10章 ショーン・オケイシー:ダブリンのスラム街の想像力と身体的現実─ストーリーとヒストリーの交わるところ【坂内 太】
第11章 ジェイムズ・ジョイス:文学における地域性と国際性―都市ダブリンの構想をめぐって【結城 英雄】
第12章 サミュエル・ベケット:どこにもない故郷への旅―死者たちとの出会い【堀 真理子】
第13章 パトリック・カヴァナ:イニスキーン・ロードからラグラン・ロードへ―田舎者詩人の上京【佐藤 亨】
第14章 エドナ・オブライエン:アイルランド女性の脱神話化―カントリー・ガールの内なる戦い【岩上 はる子】
第15章 シェイマス・ヒーニー:骨に書かれた文様―ヴァイキング都市ダブリンと詩人の転機【中尾 まさみ】
第16章 主要な現代小説家たち:固定値と変化との共謀―コルム・トビーン、ダーモット・ボルジャー、ロディ・ドイルの場合【伊藤 範子】
第17章 主要な現代詩人たち:詩人たちによって生成され続けるダブリン―キンセラ、モンタギュー、ミーハンの場合【西谷 茉莉子】
第18章 主要な現代劇作家たち:演劇のグローバライゼイションとアイルランド演劇―セバスチャン・バリーとコナー・マクファーソンの場合【三神 弘子】

 

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バルザックの文学とジェンダー―女性作家との比較から分かること

バルザックの文学とジェンダー

女性作家との比較から分かること

  • 東辰之介(著)/2017年2月
  • 3600円(本体)/四六判上製350頁
  • 装丁:桂川潤

これほどにも色合いは異なる !

バルザックはフェミニスト、それともアンチ・フェミニスト?
同時代の女性作家の作品と比較検討することにより、男性作家だけを読んでいては捉え難い文学の豊かさの総体に迫る。
(ISBN 9784861105333)

目次|indexs

第一章 バルザック『毬打つ猫の店』とソフィー・ゲー『アナトール』
―男性画家に描かれる女性像
第二章 ソフィー・ゲー『レオニー・ド・モンブルーズ』とバルザック
―女性登場人物の類似点と相違点
第二部 バルザックを読む女性作家
第三章 バルザック『アデュー』とジラルダン夫人『ポンタンジュ侯爵』
―男女反転のアイロニー
第四章 カロリーヌ・マルブティ『危うい地位』とバルザック
―文壇のタブーに挑戦する女性作家
第三部 古典を読むバルザックと女性作家
第五章 バルザック『田舎ミューズ』とソフィー・ゲー『エレノール』
―コンスタン『アドルフ』をどう書き換えるか

著者|author

東辰之介(あずま・たつのすけ)
1972年生まれ。駒澤大学総合教育研究部准教授。専攻、フランス文学。主な著書に、『バルザック「脳」と「知能」の小説家』(水声社)、『バルザック生誕二百周年記念論文集』(駿河台出版社・共著)などがある。

 

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スコットランド、一八〇三年―ワーズワス兄妹とコールリッジの旅

スコットランド、一八〇三年

ワーズワス兄妹とコールリッジの旅

  • 安藤 潔(著)/2017年1月
  • 2700円(本体)/四六判並製214頁
  • 装丁:長田年伸

詩人ワーズワス、その妹ドロシー、コールリッジが旅したスコットランド
ワーズワスの「スコットランド・ポエムズ」などに結実したスコットランド旅行で
彼らの見た風景、泊まった宿、出会った人々……
ドロシーの「旅行記」やコールリッジのノートブックを資料に、現地へも赴き三人の足取りを詳細にたどる。
地図・写真満載!
(ISBN 9784861105296)

目次|indexs

はしがき
第1章  同行三人 ワーズワス兄妹とコールリッジの旅
―ケジックからロッホ・ローモンド、トゥロサックスまで
第2章  コールリッジのスコットランド一人旅
第3章  ワーズワス兄妹の二人旅
―アーガイル・アンド・ビュート以降のハイランズ
第4章  ワーズワスとスコットの出会い
―スコットランド・ローランズ、一八〇三年九月
あとがき
参考文献

著者|author

安藤 潔(あんどう・きよし)
1951年岐阜県生まれ。南山大学文学部、同大学院文学研究科修了。純心女子短期大学専任講師、市邨学園短期大学(名古屋経済大学短大部)教授、ロンドン大学クイーン・メアリ・アンド・ウェストフィールド・コレッジ客員研究員、カリフォルニア大学バークリー校客員研究員等を経て2002年博士号(文学)受領。関東学院大学国際文化学部、同大学院文学研究科教授を経て、現在、関東学院大学名誉教授。
著作に『イギリス・ロマン派とフランス革命―ブレイク、ワーズワス、コールリッジと1790年代の革命論争』(桐原書店、2003年)、『イギリス・ロマン派と英国旅行文化』(関東学院大学出版会、2022年)等。

 

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カポーティ小説の詩的特質―音と文彩

カポーティ小説の詩的特質

音と文彩

  • 大園弘(著)/2016年10月
  • 3200円(本体)/四六判上製264頁
  • 装丁・レイアウト:桂川潤

名文家カポーティの詩的特質とはいかなるものか、どのような効果を上げているか。
いくつかの短編、中編小説を対象に多数の事例を抽出し、韻と律、直喩、隠喩、その他のレトリックとその詩的効果を考察する。
(ISBN 9784861105210)

目次|indexs

はしがき
第1章 韻律効果の考察
第2章 “(-)like”を用いた直喩表現の考察
第3章 強意的直喩の考察
第4章 比喩標識“as if (/ as though)”をめぐって
第5章 隠喩表現の考察
第6章 その他のレトリック
結び
Appendix Other Voices, Other Roomsの梗概

参考文献
あとがき

著者|author

大園弘(おおぞの・ひろし)
九州国際大学国際関係学部教授。翻訳書に『子供時代への懸け橋―トルーマン・カポーティのアメリカ南部時代』(英宝社、2006)。

 

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帝国と文化―シェイクスピアからアントニオ・ネグリまで

帝国と文化

シェイクスピアからアントニオ・ネグリまで

  • 江藤秀一(編著)/2016年9月
  • 3500円(本体)/四六判上製512頁
  • 装丁:長田年伸

シェイクスピア、アントニオ・ネグリの戯曲、
サイバーパンク映画、長崎の南蛮文化、朝鮮の女性教師、イギリスの児童文学……
「帝国」概念を鍵に、領域を越えて広がる文化の諸相を探る。
(ISBN 9784861105173)

目次|indexs

はしがき【江藤秀一】
序章:大帝国前夜
ドクター・ジョンソンとフレンチ・インディアン戦争【江藤秀一】
第Ⅰ部:演劇・音楽
第1章:シェイクスピア『テンペスト』と「帝国」―「交換様式」の視点から【山木聖史】
第2章:スウィングする帝国―ブラック・パシフィックと第二次大戦前夜の『ミカド』【竹谷悦子】
第3章:帝国における音のスペクタクル―聴覚と視覚のネクサス、デリーとロンドン、1911-12年【ティム・バリンジャー(訳:長谷部寿女士)】
第4章:総統の劇場―ナチ期のザールブリュッケンとその劇場【江藤光紀】
第5章:核と帝国主義―オーストラリア先住民演劇『ナパジ・ナパジ』【一谷智子】
第6章:〈帝国〉の時代を生きる―アントニオ・ネグリと「マルチチュード」の演劇【堀真理子】
第Ⅱ部:絵画・映画
第1章:ジョン・ロックウッド・キプリングとインドのクラフツマンシップ【山口惠里子】
第2章:動物と帝国―ディズニーと野生のファンタジーの行方【清水知子】
第3章:『第9地区』、あるいはヨハネスブルクのロー・テクたち【巽孝之(訳:三添篤郎)】
第Ⅲ部:アジア・アフリカ
第1章:長崎の「黒坊」―南蛮文化と有色の帝国主義【鈴木章能】
第7章:〈文明化〉の病としての神経衰弱―漱石の『それから』とギルマンの「黄色い壁紙」を中心に【仙葉豊】
第2章:帝国の女教師たち―朝鮮で教えた女教師たち【朴宣美】
第3章:然り、われ速やかに到らん!―『ジェイン・エア』における宣教と帝国主義【向井秀忠】
第4章:ハリエット・マーティノーの『シナモンと真珠』は帝国の物語か―『経済学例解』と植民地貿易【松本三枝子】
第5章:英領インドにおける母(ハウス・マザー)の身体【中田元子】
第6章:アーレントの帝国主義論と『闇の奥』【対馬美千子】
第Ⅳ部:出版・児童文学・伝記
第1章:「買うべきか、借りるべきか、それが問題」―十八世紀イギリス出版文化の諸相【井石哲也】
第2章:児童文学と帝国―児童文学黄金時代の背景【安藤聡】
第3章:大英帝国とラフカディオ・ハーンの伝記記述―英国軍医はイオニアの男に刺されたのか【長岡真吾】
あとがき【竹谷悦子】
執筆者一覧

編者|editor

江藤秀一(えとう ひでいち)
常葉大学特任教授。筑波大学名誉教授。博士(文学)。
専門:サミュエル・ジョンソンを中心とした十八世紀英文学および文化。
主な著書・翻訳:『十八世紀のスコットランド―ドクター・ジョンソンの旅行記を巡って』(開拓社)、『大人のためのスコットランド旅案内』(彩流社、共編著)、『英国文化の巨人サミュエル・ジョンソン』(港の人、共編著)、ジェイムズ・ボズウェル『ヘブリディーズ諸島旅日記』(中央大学出版部、共訳)など。

執筆者&訳者|authors and translators

江藤秀一(常葉大学特任教授・筑波大学名誉教授)
山木聖史(明治学院大学講師)
竹谷悦子(筑波大学人文社会系教授)
Tim Barringer(イエール大学美術史学科教授)
長谷部寿女士(筑波大学人文社会科学研究科 博士後期課程)
江藤光紀(筑波大学人文社会系准教授)
一谷智子(西南学院大学文学部教授)
堀真理子(青山学院大学教授)
山口惠里子(筑波大学教授)
清水知子(筑波大学人文社会系准教授)
巽孝之(慶應義塾大学文学部英米文学専攻教授)
三添篤郎(流通経済大学准教授)
鈴木章能(長崎大学教授)
仙葉豊(関東学院大学教授)
朴宣美(筑波大学人文社会系准教授)
向井秀忠(フェリス女学院大学文学部教授)
松本三枝子(愛知県立大学外国語学部教授)
中田元子(筑波大学人文社会系教授)
対馬美千子(筑波大学人文社会系准教授)
井石哲也(活水女子大学教授)
安藤聡(大妻女子大学比較文化学部教授)
長岡真吾(島根大学教授)

 

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八月の瓜―母へ

八月の瓜

母へ

  • 彭学明(著)、立松昇一・舟山優士(訳)/2016年8月
  • 2500円(本体)/四六判並製332頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞

中国少数民族・土家(トウージア)族の著名な作家による自伝的小説。
文化大革命、大飢饉……過酷な生活の中で四度結婚し、
子どもたちを育てた母の愛と執念。
湘西(シアンシー)地方を舞台に、
母と子の確執、子の母への思いを濃密に描く。
本邦初訳!
(ISBN 9784861105203)

日暮れ時に、母は一軒の家を訪ね、水を一口、ご飯を一碗もらおうとした。もらえなければ、母は別の家を訪ねた。近くに家がなければ、母は飢えを耐え忍ぶしかなかった。本当に耐えられなくなったら、火を焚いて、繕ってきたトウモロコシかさつまいもを一つ焼いて、泉の水を飲み、飢えを満たした。それから風雨橋、岩陰、あるいは雨や風を避けられる場所を探し、稲わらを敷いて、寝泊まりした。(本文より)

著者|author

彭学明(ポン・シュエミン)
1964年、湖南省生まれの作家。中国少数民族のひとつ、土家(トウージア)族。散文集に『我的湘西』(「わたしのふるさと湘西地方」1995年)、『祖先歌舞』(「祖先の伝えた歌・踊り」1998年)、『一個人的湘西辞典』(「私だけの湘西辞典」2012年)などがある。

訳者|translators

立松昇一(たてまつ・しょういち)
1948年生まれ、拓殖大学外国語学部教授、専門分野は中国近現代文学、中国文化史。訳書に莫言『疫病神』(勉誠出版)、劉慶邦『神木』(共訳、勉誠出版)、その他の翻訳作品に李修文「ストリーキング指南」(『現代中国文学短編選』鼎書房)、畢飛宇「コオロギ コオロギ」(『中国現代文学』ひつじ書房)、朱山坡「叫び」(『灯火』北京外文出版社)などがある。

舟山優士(ふなやま・ゆうじ)
1985年生まれ。翻訳家。訳書に『尹先生の中国ことわざ教室4 歇后語100』(泉書房)、その他の翻訳作品に張悦然「黒猫は眠らない」、沈石渓「ゴーラルの飛翔」「狐狩り」、笛安「円寂」(以上、『中国現代文学』ひつじ書房)などがある。『中国現代文学』同人として現代中国の小説の翻訳や紹介を行っている。

 

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異文化理解とパフォーマンス―Border Crossers

異文化理解とパフォーマンス

Border Crossers

  • 松田幸子、笹山敬輔、姚紅(編著)/2016年7月
  • 4500円(本体)・A5判並製・504頁
  • 装丁:矢萩多聞

在日朝鮮人文学、新劇とアイドルヲタク、明治のドストエフスキー翻訳、初期安部公房の詩、アジアにおけるシェイクスピア受容…
「上演」「実践」としての「パフォーマンス」概念を鍵に、ジャンル、時代、民族、地域、言語、性を超えた地平をめざす挑戦的論集。
パフォーマンス学者ブライアン・レノルズのシェイクスピア論収録!
(ISBN 9784861104992)

目次|indexs

はじめに (浜名恵美)
Ⅰ. 近代演劇・パフォーマンスと越境

1. 1926年13代守田勘彌の中国公演について(姚紅)
2. 「日本の中の小さな朝鮮」への郷愁―姜魏堂「つぼや盛衰記」における「高麗人」の歴史(松田幸子)
3. はるみと蘭奢(笹山敬輔)
4. 戦後日本における『春香伝』受容の一断面―『歌劇 春香』を中心に(黄益九)
5. 朝鮮の演劇人咸世徳と国民演劇という舞台(金牡蘭)
Ⅱ. 近代日本と越境する表象
6. 国木田独歩の養子反対論と「不自然」な家族(ラージ・ラキ・セン)
7. 桜田文吾『貧天地飢寒窟探検記』の貧困表象(加賀谷真澄)
8. 『罪と罰』とその未完の翻訳にみる、ジャンル生成時の混淆(加藤百合)
9. 「魚」から「女性」へ―20世紀初頭の日本における人魚表象をめぐって(平石典子)
Ⅲ. 異文化・他者・テキスト
10. 安部公房「詩人の生涯」と『詩集下丸子』―「糸車」・「老婆」・「詩人」の解釈をめぐって(江口真規)
11. ウィンスロップ父子とニューヨーク―ピューリタンにおける〈他者〉としての「オランダ」研究序説(佐藤憲一)
12. 慈雲尊者最晩年期の密教思想―『理趣経講義』から『法華陀羅尼略解』へ(秋山学)
13. 「虚無」なんてくそくらえだ」―平石貴樹「虹のカマクーラ」試論(齋藤一)
14. ムルド・フェラウン、歪められた作家像の再検討のために―E・ロブレスとの関係を中心に(青柳悦子)
Ⅳ. シェイクスピアと越境
15. どうして旅回りなんかしている? 都にいたほうが人気も儲けも上がるだろうに―西洋人巡業劇団によるシェイクスピア上演(小林かおり)
16. シェイクスピア翻案劇『オセロ』と植民地台湾―1910年代『臺灣日日新報』を中心に(呉佩珍)
17. これ、シェイクスピア、マジで?(吉原ゆかり)
18. 攪乱的女性身体―柿食う客「女体シェイクスピア」試論(エグリントンみか)
19. 現代のシェイクスピア上演における「異性配役」の可能性―登場人物の造形と観客反応(末松美知子)
20. アロ・リアリズムと内延的・外延的シェイクスピア―トランスヴァーサル・シアター・カンパニーによる『マクベス』・『ロミオとジュリエット』・『タイタス・アンドロニカス』(ブライアン・レノルズ、サミュエル・コロデッシュ/訳:松田幸子)

編者|editor

松田幸子(まつだ・よしこ)
高崎健康福祉大学講師。「フレッチャー作『ボンデューカ』における空虚な〈武勇〉」(Shakespeare Journal, 2016)等
笹山敬輔(ささやま・けいすけ)
演劇研究者。『幻の近代アイドル史』(彩流社、2014)、『昭和芸人 七人の最期』(文藝春秋、2016)等
姚紅(よう・こう)
白百合女子大学言語・文学研究センター研究員。日本比較文学会編『越境する言の葉』(彩流社、2011)等

お詫びと訂正

本書について以下の訂正がございます。ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

第20章「アロ・リアリズムと内延的・外延的シェイクスピア―トランスヴァーサル・シアター・カンパニーによる『マクベス』・『ロミオとジュリエット』・『タイタス・アンドロニカス』」ブライアン・レノルズ(目次3頁、本文458頁)は、正しくはブライアン・レノルズ、サミュエル・コロデッシュ共著となります。著者のお二人ならびに読者の皆様に謹んでお詫びして訂正いたします。

共著者のサミュエル・コロデッシュ氏の経歴は以下の通りです。

サミュエル・コロデッシュ(Samuel Kolodezh)
カリフォルニア大学アーヴァイン校 博士課程 演劇学専攻

松田幸子(まつだ・よしこ)高崎健康福祉大学講師。「フレッチャー作『ボンデューカ』における空虚な〈武勇〉」(Shakespeare Journal, 2016)等

 

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鎌倉三猫 いまふたたび

鎌倉三猫いまふたたび

  • ソーントン不破直子(著)/2016年7月
  • 1500円(本体)/四六判上製156頁
  • 装丁・レイアウト:南 伸坊

小町、タマ吉、みなみの目くるめく冒険。
「いつか長靴をはいた旅猫になってアビシニアに行くんだ」
半径五〇〇メートルの神秘の宇宙。
(ISBN 9784861105159)

著者|author

ソーントン不破直子 (ソーントン・ふわ・なおこ)
1943年生まれ。米国インディアナ大学にて博士号を取得(比較文学)。現在、日本女子大学名誉教授。
著書に『鎌倉三猫物語』(春風社、2015)『戸籍の謎と丸谷才一』(春風社、2011)、訳書に『茶の本』(岡倉天心著、春風社、2009)など。

 

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幻想と怪奇の英文学Ⅱ―増殖進化編

幻想と怪奇の英文学Ⅱ

増殖進化編

  • 東雅夫・下楠昌哉(責任編集)/2016年7月
  • 3200円(本体)・四六判上製・480頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞
  • 装画:谷中安規

気鋭の文学者らが論じた幻想文学の本格的な研究・批評の集成
『幻想と怪奇の英文学』第2弾!

ジョイス『ダブリン市民』の「姉妹」新訳や、
翻訳家・平井呈一をめぐる対談(東雅夫×下楠昌哉)も収める。
(ISBN 9784861105166)

第1弾『幻想と怪奇の英文学』はコチラ

目次|indexes

前口上(東雅夫)
第1部 ゴースト・イン・リテラチュア

ジェイムズ・ジョイス「姉妹」の翻訳(訳・解説)(下楠昌哉)
薔薇十字会員の亡霊を降ろす/祓うこと―ジョイス「姉妹」の改稿とイェイツへの応答(田多良俊樹)
乱世のなかに夢幻を描く―英国に渡った郡虎彦と『義朝記』(鈴木暁世)
『フランケンシュタイン』の幽霊―伝承バラッドの再話として(小川公代)
「ぼくらはまた逢うだろう」―ディオン・ブーシコー『コルシカの兄弟』における幽霊の〈声〉と〈すがた〉(岩田美喜)
フィラデルフィアの幽霊屋敷―マット・ジョンソン『ラヴィング・デイ』における混血アイデンティティの呪縛と解放(白川恵子)
第2部 幻獣/変身/テクノロジー
甦る鳥たち―古代中世ヨーロッパにおける鷲とフェニックスの描写(大沼由布)
クエスティング・ビーストの探求―トマス・マロリーの不思議な動物(小宮真樹子)
スフィンクスの笑み―H・G・ウェルズ『タイムマシン』と人間の未来(遠藤徹)
或るモノとの「遭遇」―解剖学劇場の『ジキル博士とハイド氏』(石井有希子)
ファリントンはキーボードの夢を見るか―ジェイムズ・ジョイス『ダブリン市民』の「複写」と複製機械(桃尾美佳)
重なり合わない分身と分心―ウィリアム・シャープと尾崎翠「こほろぎ嬢」をめぐって(有元志保)
ラジオの描くモンスター―ルイス・マクニース『ダークタワー』と大衆の問題(川島健)
赤ずきんはなぜ狼になったのか―アンジェラ・カーター「狼三部作」(高橋路子)
鴉の娘の「新しいおとぎ話」―オードリー・ニッフェネガー『レイヴン・ガール』(金谷益道)
第3部 災疫のなかの奇跡
中世ヨーロッパの教訓的例話集にみるイノセントな子供たち―『アルファベット順逸話集』の奇蹟譚(小川真理)
悪、破局、そして笑い―災害の物語としてのジェイムズ・ホッグ『男の三つの危険』(金津和美)
崇高の向こう側―コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』(山口和彦)
時空をかける女たち―ルース・オゼキ『有る時の物語』(臼井雅美)
対談 幻想と怪奇の匠・平井呈一の足跡を追って (東雅夫×下楠昌哉)
執筆者紹介(東雅夫によるメール・インタビュー)
あとがき(下楠昌哉)

 

編者|editors

東雅夫(ひがし・まさお)
神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。元『幻想文学』編集長、現『幽』編集長。著作に『遠野物語と怪談の時代』(角川選書、第 64回日本推理作家協会賞受賞)、『なぜ怪談は百年ごとに流行るのか』(学研新書)、『文学の極意は怪談である―文豪怪談の世界』(筑摩書房)、『日本幻想文学大全』『世界幻想文学大全』(編著、ともに全三冊、ちくま文庫)など。
下楠昌哉(しもくす・まさや)
東京都生まれ。同志社大学文学部教授、博士(文学)。著作に『妖精のアイルランド―「取り替え子」の文学史』(平凡社新書)、『イギリス文化入門』(責任編集、三修社)、訳書にイアン・マクドナルド『旋舞の千年都市』(東京創元社)、『クリス・ボルディック選 ゴシック短編小説集』(共訳、春風社)など。

 

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