スポーツの公共圏―運動部モデルからクラブモデルへの転換

スポーツの公共圏

運動部モデルからクラブモデルへの転換

  • 水上博司(著)/2025年10月
  • 5000円(本体)/A5判上製382頁
  • 装丁:中本那由子

公と私をつなぐ、次世代のスポーツ組織とは
学校運動部内で繰り返される不祥事と、それを正当化する同調圧力、かき消される声…。英国フットボールは、パブリック・スクールの少年たちの純粋なゲーム欲求と自治によって誕生した。ムラ社会化する日本のスポーツ界の根深い問題を、スポーツ組織論で初めて「公共圏」の概念から切りひらく。
(ISBN9784868160564)

目次|Contents

まえがき

第I部 背景と問題意識
第1章 なぜ中間支援NPO型スポーツ組織を対象とするのか?
 第1節 スポーツ組織における公益法人とNPO法人
 第2節 スポーツ行政と公益法人―その癒着構造
 第3節 スポーツ組織の中間性―公と私を橋渡しする
 第4節 新たなスポーツ組織論の道筋―本書の目的と構成
第2章 これまでのスポーツ組織研究の検討
 第1節 スポーツ所有論―誰がスポーツのイニシアティブをとるか
 第2節 公共圏の創出条件を視点とする理由
 第3節 スポーツ組織研究の現状
 第4節 総括と三つの仮説
第3章 スポーツの公共圏を考えるために
 第1節 スポーツの公共圏を構想する
 第2節 スポーツの公共圏の課題―ハーバーマスからの問い
 第3節 複数化する公共圏―インターネットを介した言語の連鎖
 第4節 規範と対話が織りなす公共圏―アソシエーションの役割
第4章 スポーツクラブ論―アソシエーション
 第1節 運動部モデルへの過剰な擁護
 第2節 運動部モデルからクラブモデルへ
 第3節 市民的公共性を生み出すクラブモデル
第5章 スポーツの公論―言語
 第1節 英国クラブ文化史にみる言語
 第2節 1クラブ多種目を包摂する公論
 第3節 「スクール・ゲーム」と少年たちの自治
 第4節 公と私をつなげる公論
 第5節 クラブマネジャーが担う公論形成

第II部 スポーツの公共圏の創出―中間支援NPO型組織の運営を通じて
第6章 支援する立場からの「自己語り」―本書の方法と構成
 第1節 公共圏の創出条件の布置関係―分析枠組み
 第2節 支援NPOにおける当事者性―分析対象
 第3節 支援NPO設立前夜の「自己語り」
 第4節 「橋渡し」を意味する支援
 第5節 仮説を論証する研究視点と社会理論
第7章 支援NPOが創出した公共圏
 第1節 地域社会論から市民社会論へ
 第2節 スポーツの市民的地位をめざして―目的と方法
 第3節 新しい社会運動論とラディカル・デモクラシー論
 第4節 支援NPOの活動―5期に区分した実践
 第5節 新たな「代表性」へ
第8章 支援NPOが創出したヘゲモニーに対する抵抗
 第1節 政権交代と総合型クラブ
 第2節 3つの政策イシューと抵抗―目的と方法
 第3節 「抵抗」の文化的実践と研究者の役割
 第4節 政策イシューをめぐる支援NPOの実践
 第5節 支援NPOの抵抗と自省から創造へ―考察
 第6節 ヘゲモニーに対する抵抗を読み解く
第9章 支援NPOとの関係性から形成された社会関係資本
 第1節 震災が浮き彫りにした総合型クラブのネットワーク
 第2節 社会関係資本を読み解く
 第3節 スポーツをめぐる社会関係資本の研究
 第4節 社会関係資本の概念にもとづく3つのフェーズ構成
 第5節 寄付金募集プロジェクトと当事者性
 第6節 社会関係資本の形成プロセス
 第7節 社会関係資本から経済資本への転移
 第8節 クラブがもつ橋渡し機能

第III部 結論 現代スポーツ組織論の展開
第10章 スポーツ組織論の新たな視点
 第1節 オルタナティブなスポーツの公共性を考える
 第2節 代表性の脱構築
 第3節 ヘゲモニーに対する抵抗
 第4節 チームワークからクラブワークへ
終章 「クラブとは何か」から…

あとがき
用語解説
初出一覧
文献
図表一覧
索引
謝辞

著者|Author

水上博司(みずかみ・ひろし)
1965年、広島県生まれ。
三重大学教育学部を経て、現在は日本大学文理学部教授。専攻はスポーツ社会学。
編著に『スポーツクラブの社会学』(青弓社)、『ジグソーパズルで考える総合型地域スポーツクラブ』(大修館書店)、『スポーツコモンズ』(創文企画)等がある。共著に『スポーツプロモーション論』(明和出版)、『2020東京オリンピック・パラリンピックを社会学する』(創文企画)、『現代社会におけるスポーツと体育のプロモーション』(大修館書店)、『現代社会とスポーツの社会学』(杏林書院)等がある。

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都市はどう変わるのか―共創によるまちづくりをめざして

都市はどう変わるのか

共創によるまちづくりをめざして

  • 菅沼若菜(著)/2025年8月
  • 3500円(本体)/A5判上製244頁
  • 装丁:中本那由子

住民不在のまちづくりは、ノー!
超リスク社会における行政・民間企業主導の政策に対して、住民が参加し、アイデンティティをもつことができるまちづくりは可能なのか? 住民へのアンケート調査・インタビュー(コロナ前/コロナ後)をもとに、住民の意向が反映され、住民主体のまちづくりへ転換していくプロセスを詳細に描き出す。
(ISBN9784868160786)

目次|Contents

第1章 創造都市・情報都市における「空間」と「場所」の関係
第2章 創造都市―横浜黄金町「アートのまち」
第3章 スマートタウンのまちづくり―横浜綱島
第4章 コロナ禍を経た今後のまちづくり―変わるもの・変わらないもの

著者|Author

菅沼 若菜(すがぬま わかな)
東京都立大学人文科学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。
現在、東京都立大学人文科学研究科博士研究員。
〈著書等〉
「住民ニーズからみるスマートシティにおける課題」北川由紀彦・山本薫子・山口恵子・玉野和志編『社会をひもとく――都市・地域にみる社会問題の問い方』有斐閣,2025年
「コロナは都市の暮らしにどのような影響を与えたか――デジタル化とまちづくりに着目して」『日本都市社会学会年報』41:54-69,2023年
「ICTを活用したまちづくりと近隣地域とのつながりに関する考察――横浜綱島スマートタウンを事例に」『地域社会学会年報』32:136-150,2020年
「交錯するアートの公共性――横浜黄金町「アートのまち」のその後に着目して」『社会学論考』40:69-92,2019年

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脱植民地化の方法論―研究と先住民

脱植民地化の方法論

研究と先住民

  • リンダ・トゥヒワイ・スミス(著)、知花 愛実/上原 こずえ(訳)/2025年8月
  • 5400円(本体)/A5判上製458頁
  • 装丁:中本那由子

「研究」という言葉は、先住民の語彙の中で最も汚い言葉なのか?
「研究される側の先住民」から「研究者としての先住民」へ

研究を「帝国主義の道具」から解き放ち、先住民の知と人間性に主権を取り戻す─そのための希望の書。西洋の伝統的な知識と研究に挑戦するロングセラー(原書第3版)、待望の日本語訳。
[神奈川大学出版助成]
(ISBN 9784868160861)

目次|Contents

第1章  帝国主義、歴史、書くこと、理論
第2章  帝国の視点からの研究
第3章  知識の植民地化
第4章  先住民の土地での研究冒険
第5章  ずっと下からの記録
第6章  先住民プロジェクト―新しいアジェンダの設定
第7章  先住民研究のアジェンダを表明する
第8章  25の先住民プロジェクト
第9章  さらに20の先住民プロジェクト
第10章 先住民の課題の要請に応える―マオリの事例研究
第11章 先住民の方法論の発展に向けて―カウパパ・マオリ研究
第12章 周縁を選ぶこと―先住民の社会正義のたたかいにおける研究の役割
第13章 物語を正しく伝え、物語をうまく語る―先住民のアクティヴィズムと先住民の研究

著訳者|Author and Translators

【著者】
リンダ・トゥヒワイ・スミス(Linda Tuhiwai Smith)
ニュージーランドのワイカト大学で先住民教育の教授を経て、2021年よりテ・ファレ・ワナンガ・オ・アワヌイアランギの特別栄誉教授。
マオリと先住民研究と教育の推進における卓越した役割、研究方法論の脱植民地化における画期的な学術研究、そして世界中の先住民のための研究の変革に向けた先駆的な貢献が称えられ数々の賞を受賞。2015年にニュージーランド研究協会よりマッケンジー教育賞、2017年にニュージーランド首相生涯功労賞、2018年にニュージーランド王立協会テ・アパランギから最高賞であるテ・プアワイタンガ賞、2023年には王立協会よりラザフォードメダルを受賞。
【訳者】
知花 愛実(ちばな めぐみ)
神奈川大学経営学部准教授
専門は先住民政治研究、沖縄研究。
主な著書に「現代沖縄と先住民政治」泉水英計編著『近代国家と植民地性―アジア太平洋地域の歴史的展開』御茶の水書房、2022年、301-328頁。
主な論文に“An artful way of making Indigenous space,” Verge: Studies in Global Asias 4.2 (2018): 135162; “Resurgents create a moral landscape: Indigenous resurgence and everyday practices of farming in Okinawa,” Humanities 9.4 (2020): 114; “Practicing decolonial political geography: Island perspectives on neocolonialism and the China threat discourse,” Political Geography 85 (2021): 112.(共著)

上原 こずえ(うえはら こずえ)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授
専門は沖縄現代史、社会運動史。
主な著書に『共同の力―1970〜80年代の金武湾闘争とその生存思想』(世織書房、2019年)『一人びとりが代表―崎原盛秀の戦後史をたどる』琉球館(Ryukyu企画、2017年)。
主な論文に「「生存の危機」にある沖縄戦後の運動史を捉え直す」『年報日本現代史』2022年3月、139-172頁、“Okinawa people’s philosophy of direct action against capitalism and imperialism from post-World War II to the present,” Jude Lal Fernando (ed), Resistance to Empire and Militarization: Reclaiming the Sacred (Equinox, 2020): 141157.

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社会デザイン学―持続可能な共生社会のために

社会デザイン学

持続可能な共生社会のために

      • 立教大学大学院社会デザイン研究科(編)/2025年7月
      • 2200円(本体)/A5判並製190頁

混迷、混沌の時代に向き合う、希望の学
「多様性に富んだ持続可能な共生社会を創成するために必要な思考と実践に関する学」としての社会デザイン学を、「社会組織理論」「コミュニティデザイン学」「グローバル・リスクガバナンス」という3つの研究領域から総合的に論じる。
(ISBN 9784868160328)

目次|contents

はしがき
第1部 社会組織理論
第1章 「社会デザイン」と「ソーシャル・デザイン」のあわい―デザイン行為の主体と客体を中心とした一考察〔大熊 玄〕
第2章 社会デザインとしての公共政策―政策形成への市民参加のためにいかなる工夫が求められるか〔亀井 善太郎〕
第3章 持続可能な社会へ―資本主義のリデザインは喫緊の課題〔河口 眞理子〕
第4章 親密圏の社会デザイン―「個人化」した人間関係を編み上げる〔中森 弘樹〕
第2部 コミュニティデザイン学
第5章 ジェンダーと社会デザイン―包摂的な社会の構築に向けて〔倉本 由紀子〕
第6章 経済学と人間学の狭間で―「イノベーションの父」が見ていた 人と社会の逆説〔丸山 俊一〕
第7章 福祉の進化をもたらす社会デザインへの期待―私たちの福祉の進化をあきらめない〔三浦 建太郎〕
第8章 嘘を飼い慣らす―社会を読み変える力〔品治 佑吉〕
第3部 グローバル・リスクガバナンス
第9章 環境とひとと社会のデザイン―一筋縄ではいかないガバナンスをよりよくするために〔滝口 直樹〕
第10章 社会デザインとリスクガバナンス―自然災害のリスクとレジリエンスの視点から〔長坂 俊成〕
第11章 紛争と平和から考える社会デザイン―ガルトゥングの平和研究を手掛かりに〔長 有紀枝〕
特別寄稿
第12章 社会デザイン学の挑戦―人権意識に裏づけられた真に共生的な社会の創成のために〔北山 晴一〕

編者|editors

立教大学大学院社会デザイン研究科

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ウルトラ・アーバニゼーションの時代―社会経済地理学の新たな挑戦

ウルトラ・アーバニゼーションの時代

社会経済地理学の新たな挑戦

  • 杉山武志(著)/2025年6月
  • 4500円(本体)/A5判上製348頁
  • 装丁:中本那由子

より善い環境を次世代に引き継ぐために
「都市的なもの」に飲み込まれ、過剰な都市化が「当たり前」になってしまった日本。行き過ぎた都市化を転換するには何をすべきなのか。「都市化→不安」の内実を認識し、都市の空間性と場所性を読み解きなおす。
“倫理の地理学”が現代のアーバニゼーションに立ち向かう!
(ISBN 9784868160649)

目次|Contents

序章 ウルトラ・アーバニゼーションの波打ち際にて

第Ⅰ部 過剰な都市化
第1章 惑星スケールに拡がる都市化の「倫理」――コミュニティ経済への期待と憂慮

第Ⅱ部 地方圏の再生
第2章 多自然居住地域のレゾンデートル――拡大的都市化と再帰的な地域再生政策
第3章 デジタル田園都市国家構想の誕生—―「新しい資本主義」からポスト地方創生へ

第Ⅲ部 大都市の支柱
第4章 大都市圏経済の「支柱」を再考する――街のコミュニティ経済を取り戻すために
第5章 創造都市を読み解きなおす――メディア都市からなりわいあふれる街へ

著者|Author

杉山武志(すぎやま・たけし)
兵庫県立大学環境人間学部 教授
1978年京都府生まれ。2001年3月立命館大学産業社会学部卒業。2012年3月大阪市立大学大学院創造都市研究科博士後期課程修了。博士(創造都市)。経済団体職員、大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員、ひょうご震災記念21世紀研究機構研究調査本部主任研究員を経て、2015年4月兵庫県立大学環境人間学部准教授。2024年4月より現職。
主な著書に『次世代につなぐコミュニティ論の精神と地理学』学術研究出版(2020年、単著)、『兵庫から地方の新しい未来を探る』神戸新聞総合出版センター(2022年、共著)など。

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庭園をめぐる交流とジェンダー―二〇世紀初期の英国と日本におけるライフヒストリー/ライフジオグラフィー

庭園をめぐる交流とジェンダー

二〇世紀初期の英国と日本におけるライフヒストリー/ライフジオグラフィー

  • 橘セツ(著)/2025年6月
  • 5000円(本体)/A5判上製330頁
  • 装丁:苑田菊見

異文化の出会いが「庭」を変える――
庭園とは単なる景観ではなく、人と自然と文化を結びつける空間である。
二〇世紀のイングリッシュガーデンと日本庭園の歴史的な交錯に注目し、庭園における文化交流・再創造の過程を、女性庭師、女性地主、造園家、庭園著述家のライフヒストリーを通じて多面的に描写。特に庭園に関わる女性たちの実践と交流に焦点をあて、女性と家庭や社会との多様化・複雑化する関係の諸相がどのように表れるのか検討する。
(ISBN 9784868160458)

目次|Contents

序章 ライフヒストリー/ライフジオグラフィーの視点から庭園史をみる

第I部 二〇世紀初期英国における日本庭園の流行と女性
第1章 二〇世紀初期英国における日本庭園の流行と英国の女性地主の活躍
第2章 イングランドの女性地主エセル・ウェブによる日本庭園造園
第3章 スコットランドの女性地主エラ・クリスティーの日本旅行とコーデン城の日本庭園造園
第4章 英国人女性地主エラ・クリスティーの日本庭園造園を助けた日本人女性半田たき

第II部 英国における女子園芸学校の創立―「ズボンなんかをはいた、いまどきの女庭師」
第5章 二〇世紀初期英国における女性庭師の誕生と活躍
第6章 日本人園芸家半田たきの学んだ女子園芸学校の同胞たち―女子園芸学校レイディ・ウォリック・カレッジ・スタッドリー校の教職員の視点

第III部 日本庭園との出会いを契機とした英国の庭園潮流と自然の再創造―ロックガーデンとワイルドガーデン
第7章 英国人植物学者レジナルド・ファラーの日本旅行とロックガーデンに魅せられた人生
第8章 ウィリアム・ロビンソンの創造する庭園のなかの野生と異文化―『ワイルドガーデン』の思想と実践について

第IV部 英国人女性が描いたガーデンとジェンダー―公式戦争画家エブリン・ダンバーと庭園著述家マージェリー・フィッシュ
第9章 英国人女性画家エブリン・ダンバーの描いた戦時のガーデニングとジェンダーをめぐる文化地理学
第10章 庭園著述家マージェリー・フィッシュの語りからみるホームとジェンダーをめぐる文化地理学

終章 二〇世紀英国における「イングリッシュガーデン」の創造
あとがき
参考文献

索引

著者|Author

橘セツ(たちばな・せつ)
関西国際大学国際コミュニケーション学部観光学科教授
専門は、人文地理学(文化地理学・歴史地理学)、英国研究。大阪大学文学部卒業。大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。英国ノッティンガム大学地理学部大学院博士課程修了。Ph.D.取得。
論文に、「英国東部サフォーク州オーフォード・ネスにみる20世紀軍事景観の遺産化と自然化をめぐる文化地理学―ナショナル・トラストによる景観管理に注目して」『空間・社会・地理思想』23 (2020); ‘The gendering of agriculture in late nineteenth century colonial Hokkaido: The case of Kane Watanabe’Endeavour 49-1 (2025) Elsevierなどがある。

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危機の時代 料理家の群像―台所からみる戦争と社会

危機の時代 料理家の群像

台所からみる戦争と社会

  • 西川和樹(著)/2025年5月
  • 3500円(本体)/四六判並製438頁
  • 装丁:大國貴子

「お勝手」の先にある国家・政治・信仰
個人的な営みゆえに、政治・社会的視点で語られにくい「料理」という行為。
戦中・戦後の食糧難の時代にあっても縦横無尽に活動した四名の料理家を軸に、台所から展開される世界の広がりを描く。
(ISBN 9784868160496)

目次|Contents

序章 料理家を記すということ
 1. はじめに
 2. 料理家の語り方
 3. 「きょうの料理」史観
 4. 料理家論を書き直
 5. レシピを読む
 おわりに——本書の構成

第一章 田中米の自叙的レシピ
 1. はじめに
 2. 生い立ちをたどる
 3. 雑誌と料理家
 4. 一九三八年のレシピ
 5. 「食」の言葉
 6. 自叙的レシピ
 おわりに

第二章 香川綾と帝国の軌跡
 1. はじめに
 2. 栄養と料理
 3. お料理で翼賛
 4. 栄養学園の材料配給所
 5. 拡張する台所
 おわりに

第三章 近藤とし子と危機の時代の栄養学
はじめに
 1. 「くど前みやこ」の幼少期
 2. 工場栄養士
 3. 危機の時代の栄養学
 4. 戦後の活動の展開
 おわりに

第四章 東佐与子、「パラノイア」と呼ばれた料理家
はじめに
 1. 生涯と洋行
 2. 料理の共同体
 3. 破格の料理書
 4. 「パラノイア」と呼ばれた料理家
 5. 反生活運動への視座
 おわりに

第五章 料理家の群像
 はじめに
 1. 料理と「手」の領域
 2. 料理家と植民地主義
 3. 男性料理家
 4. 食品産業との関わり
 おわりに

終章 危機の時代の料理家と台所保守の思想
 はじめに
 1. 本書のおさらい
 2. 花森安治の暮しを守る思想
 3. 「生活」の焦点化
 4. 料理家たちの台所保守
 おわりに——台所を守るということ

著者|Author

西川和樹(にしかわ・かずき)
1986年東京都生まれ、滋賀県育ち。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士後期課程修了、博士(現代アジア研究)。web雑誌『MFE=多焦点拡張』編集委員。
共著書に、冨山一郎・鄭柚鎮編『軍事的暴力を問う―旅する痛み』(青弓社、2018年)。主な論文に「「生活」の焦点化―『暮しの手帖増刊 山のあなたの空とおく』の生活記述」(『同志社グローバル・スタディーズ』第8号、2018年)。主な論考に、「馬と世相」(『MFE=多焦点拡張』第4号、2023年)など。

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道をむすぶ 時をたがやす―台湾原住民族アミ・カトリック信者の近現代誌

道をむすぶ 時をたがやす

台湾原住民族アミ・カトリック信者の近現代誌

  • 岡田紅理子(著)/2025年5月
  • 5400円(本体)/A5判上製388頁
  • 装丁:大田高充

「キリスト教徒になること」と「キリスト教徒として生きること」
キリスト教信仰と「伝統文化」が複雑に絡み合いながらアイデンティティを未来へとつなげてきた、台湾の先住民族であるアミの人々の生の過程を描く。

「(表面的・形式的ではない、本当の)信仰」を身に付け、「篤い信仰」を持ったのか否か、あるいはキリスト教の信仰を「真に受容した」のか否かは、信者自身による申告や他者による観察によって、客観的かつ相対的に判別できるのだろうか。在来のコスモロジーにおけるパンテオンとカトリック教会の教理における神や霊的・聖的な神聖の存在を変換可能とみなすことは、超越的唯一神の崇拝とは相容れない解釈なのだろうか。もしくは、在来のコスモロジーとの親和性を見出しながら解釈されたものは、キリスト教信仰とは呼べないのだろうか。(中略)救済品を獲得したことへの感謝の想いから、集いに参加したり、祈ったり、あるいは洗礼を受けることを決断したりする行為を、「信仰」とはみなせないのだろうか[本書「おわりに」より]

(ISBN 9784868160076)

目次|contents

序論
第一部 アミとカトリシズム
第二部 アミの入信
第三部 アミの都市移住と都市生活
第四部 都市アミとカトリック信者共同体
おわりに

あとがき
参考文献一覧
索引

著者|author

岡田紅理子(おかだ くりこ)

ノートルダム清心女子大学・講師

専攻・専門:文化人類学、台湾地域研究

主な著作に『都市原住民の生活誌:台北に移住したアミの「都市」、「故郷」、「共同体」』(Monograph Series  vol. 13)(上智大学アジア文化研究所、2013年)、「「救済品」とキリスト教:米援をめぐるカトリック宣教とアミの入信の諸相」(『台湾原住民研究』第24号、2020年)、「呼応する教会と神学:台湾のキリスト教会と先住民族からの考察」(『宣教学ジャーナル』第17号、2023年)など。

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ジェイコブ・H・シフ―日本を支持したユダヤ系銀行家の軌跡

ジェイコブ・H・シフ

日本を支持したユダヤ系銀行家の軌跡

  • 村岡美奈(著)/2025年4月
  • 3700円(本体)/四六判上製354頁
  • 装丁:長田年伸

19世紀末から20世紀初頭の激動の時代、アメリカで最も有名で有力なユダヤ人だったシフ。
シフの生い立ちから銀行家としての成功、アメリカ・ユダヤ社会において果たした役割を取り上げ、慈善家としての取り組みや同胞ユダヤ人のためにアメリカ政府に対し行ったロビー活動にも着目しつつ、その人物像を深く掘り下げる。
日露戦争時、2億ドルの公債を発行し、その後も日本との親交が深かった、シフの生涯を追う。
(ISBN 9784868160465)

『ジェイコブ・H・シフ』正誤表

目次|Contents

第一章 アメリカを代表する銀行家の誕生
第二章 シフの功績
第三章 日露戦争
第四章 日露戦争後の日本との関係
第五章 AJC設立から難民支援まで
第六章 シフの遺産

著者|Author

村岡美奈(むらおか・みな)
関東学院大学国際文化学部准教授。筑波大学大学院地域研究研究科およびニューヨーク市立大学ブルックリン・カレッジ大学院ユダヤ学部の修士課程を経て、ブランダイス大学大学院近東ユダヤ学部博士課程修了(Ph.D)。専門は近代ユダヤ史およびアメリカ・ユダヤ史。在学中にニューヨークのユダヤ遺産博物館の教育インターン、ユダヤ人歴史研究所およびアメリカ・ユダヤ文書館の研究フェローを務める。
主要業績に『ユダヤ文化事典』(分担執筆、丸善出版、2024年)、New Perspectives in American Jewish History: A Documentary Tribute to Jonathan D. Sarna(共著、Brandeis University Press, 2021年) マリオン・イングラム『戦渦の中で―ホロコースト生還者による苦難と希望の物語』(共訳および解説、小鳥遊書房、2020年)がある。

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文化という名の開発―再生産される「豊かな未来」

文化という名の開発

再生産される「豊かな未来」

  • 土屋正臣(著)/2025年4月
  • 3500円(本体)/四六判上製284頁
  • 装丁:長田年伸

道路や港湾、ダム、空港などの社会資本の整備・開発が一般に市民からの反対を受けやすいいっぽうで、文化イベントや文化施設整備など「文化」を冠する開発は人々から表立った批判や反対を受けることなく、着々と進められる。本書ではこうしたメカニズムに着目し、埼玉県の文化開発をケースとして、その正体とそれを受け入れようとする人々の声の所在を明らかにする。

(ISBN 9784868160038)

目次|contents

はじめに

序章
第1章 開発主義の源流
第2章 国土の開発から暮らしの質向上へという「未来」
第3章 国土開発への回帰
終章 文化開発は何をもたらしたのか


引用参考文献
あとがき
索引

著者|author

土屋正臣(つちや・まさおみ)

城西大学現代政策学部准教授
文化政策学、文化資源学
〈主な著作〉
『市民参加型調査が文化を変える:野尻湖発掘の文化資源学的考察』(2017年、美学出版)
『法から学ぶ文化政策』(2021年、有斐閣)
Cultural Heritage in Japan and Italy Perspectives for Tourism and
Community Development(2024年、Springer)

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