合法性と正当性―ワイマール期におけるカール・シュミット、ハンス・ケルゼンおよびヘルマン・ヘラー

合法性と正当性

ワイマール期におけるカール・シュミット、ハンス・ケルゼンおよびヘルマン・ヘラー

  • デイヴィッド・ダイゼンハウス(著)池端忠司(訳)/2020年3月
  • 4100円(本体)/A5判並製424頁
  • 装丁:長田年伸

合法性は国家をどのように正当化できるのか。
ワイマール憲法下における三者の法理論を詳述し、現代のロールズやハーバーマスらとも比較。その意義と限界を指摘するとともに、英語圏ではほとんど未知であったヘラーの法理論に対する正当な評価を促す。
(ISBN 9784861106866)

目次|contents

1.合法性と正当性:ワイマール期から見たこれらの屈折度
1.1 複数の緊急事態
1.2 ワイマール期:短い紹介
1.3 1932年7月20日のクーデター
1.4 ワイマール憲法第48条と国事裁判所の判決
2.友と敵:シュミットと法の政治
2.1 決断の主権
2.2 国民の意思としての法
2.3 自由主義、議会主義および法実証主義
2.4 ワイマール憲法の護り手とは
2.5 自由主義の地平
2.6 反ユダヤ主義と弁明
3.実践の中の純粋理論:ケルゼンの法科学
3.1 ケルゼンのシュミット批評
3.2 ワイマール憲法第48条に関するケルゼン
3.3 神、国家および民主制
3.4 合法性の原理
3.5 ケルゼンの思想内部の異質性
4.法秩序の正当性:ヘラーの法理論
4.1 国家論の危機
4.2 文化、社会および国家
4.3 国家の正当性と法
4.4 民主制と同質性
4.5 国民の意思の主権的表現としての法
4.6 立憲的制定法の概念
4.7 個人の法的良心
4.8 法秩序の観念
5.ワイマール期からの教訓:合法性の正当性
5.1 正当化理由に関するシュミットとロールズ
5.2 法の民主制的形態に関するハーバーマス
5.3 ヘルマン・ヘラーと、私たちと同時代の政治哲学および法哲学

著者|author

デイヴィッド・ダイゼンハウス(David Dyzenhaus)

カナダの憲法学者・法哲学者。トロント大学教授。オックスフォード大学で博士号を取得しており、主な著作には本書の前作であるHard Cases in Wicked Legal Systems: South African Law in the Perspective of Legal Philosophy (1991)や、Judging the Judges, Judging Ourselves: Truth, Reconciliation and the Apartheid Legal Order(1998)、The Constitution of Law: Legality in a Time of Emergency(2006)がある。そのほか、彼はLaw as Politics: Carl Schmitt’s Critique of Liberalism Hobbes and the Law(1998)の編者であり、Hobbes and the Law(2012)の共同編者である。

訳者|translator

池端忠司(いけはた・ただし)
香川大学法学部を経て、神奈川大学法学部教授。論文に「寛容・コンテクスト・原理―表現の自由と「抑圧的寛容」」(東京大学社会情報研究所編『放送制度論のパラダイム』東京大学出版会、1994年)、「米国における公的文化助成と表現の自由」(『香川大学法学部創設二十周年記念論文集』成文堂、2005年)、「プロイセン対ライヒ事件をめぐるドイツ憲法理論―英語圏のダイゼンハウスの道案内で」(『憲法理論とその展開―浦部法穂先生古稀記念』信山社、2017年)などがある。翻訳に『寛容な社会―アメリカ合衆国における言論の自由と過激派の言論』(春風社、2018年)がある。

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ボルネオ 森と人の関係誌

ボルネオ 森と人の関係誌

  • 佐久間香子(著)/2020年3月
  • 3900円(本体)/四六判上製416頁
  • 装丁:矢萩多聞

ボルネオ島・サラワク州のロングハウスに暮らす「森の民」
交易の時代から植民地支配を経て、出稼ぎ、先住民運動、国立公園設立による観光業の隆盛まで――住民たちは周囲の勢力との関係のなかで、生き抜いてきた。
フィールドワークと史料分析に基づいて描く、森と人の100年間。
(ISBN 9784861106842)

目次|contents

はじめに
凡例
序章 森と人が織りなす時空間へ
第Ⅰ部 森の総合商社―交易拠点としてのロングハウス・コミュニティの形成
第一章 海洋交易を支えた森林資源
第二章 起源・移動・戦闘―動乱の森を生き抜く人びと
コラム1 ボルネオの『竹取物語』は、「民族」の始まりの物語?
第三章 後背地の交易拠点
第四章 「流域社会」という森の社会空間
第五章 第Ⅰ部のまとめ
第Ⅱ部 拡大するロングハウス・コミュニティ、縮小する社会空間
第六章 ロングハウスの空間、国家の空間
第七章 国立公園と生きる―流域の勢力図転換を生き抜く
第八章 森で食べる、森を食べる
コラム2 ヤマアラシの毒の解釈
コラム3 生を受ける場所、死を迎える場所
第九章 先住民運動の光と影―「先住民」プナン人をめぐる葛藤
終章 森と人がつくるロングハウス
おわりに
索引
参照・引用文献
巻末付録

著者|author

佐久間香子(さくま・きょうこ)
1982年京都府生まれ。2015年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科博士課程修了、博士(地域研究)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員、京都大学東南アジア地域研究研究所連携研究員。専門は文化人類学、東南アジア地域研究。
主な著作に、「「生」を満たす活動としての狩猟― ボルネオ内陸部における現在の「森の民」に関する一考察」『地理学論集』89巻1号(2014年)、「ボルネオ内陸部の交易拠点としてのロングハウス―19世紀末のサラワクにおける河川交易からの考察」『東南アジア研究』54巻2号(2017年)、「サラワク人類学の系譜と今日的課題」『マレーシア研究』6号(2017年)など。

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アフリカの森の女たち―文化・進化・発達の人類学

アフリカの森の女たち

文化・進化・発達の人類学

  • ボニー・ヒューレット(著)服部志帆、大石高典、戸田美佳子(訳)/2020年3月
  • 3100円(本体)/四六判並製420頁
  • 装丁:北原和規(UMMM)

「ねえ、聞いて」――ある暑い午後、アメリカから来た人類学者の部屋を訪れた女性たち。少女時代、結婚、出産と子育て、喪失、そして老い――中央アフリカ共和国で隣り合って暮らす農耕民ンガンドゥと狩猟採集民アカの女性たちが人類学者に語る、「女になること」の意味。
女性たちの語りと文化・進化・発達の理論から、人間の多様性と普遍的特性が見えてくる。

「ジャングルで暮らす女の生理と心理を、女の視点から初めて描いたライフヒストリー。自然の中で産む苦難と歓喜が進化の不思議を語る」――山極寿一(京都大学総長)
「日本やアメリカとはまったく異なる注目すべき女性たちについて、魅力的な視点を与えてくれる比類なき本である」――ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』)

(ISBN 9784861106828)

刊行特集ページ

女は文化なのか? 自然なのか?――語りからさぐる人類社会の多様性と普遍性(前半)
女は文化なのか? 自然なのか?――語りからさぐる人類社会の多様性と普遍性(後半)

目次|contents

まえがき
はじめに―岐路に立つ女性の生活
第1章 森と村の世界
コラム リバーサイド・ストーリーズ(大石高典)
第2章 森と村の子どもたち
コラム 観の目の子育て(園田浩司)
第3章 良き人生の諸構成要素
コラム 健康と栄養状態から見る「良き人生」(萩野泉)
第4章 結婚と母親期―厳しくも喜びのある現実
コラム 母になるとき(四方篝)
第5章 女性であることの帰結
コラム 女としての呼び名(戸田美佳子)
第6章 世代間の繋がりと祖母たち
コラム すれ違うふたり(服部志帆)
第7章 結論―グローバリゼーションと変化の力
コラム 衣服への渇望(市川光雄)
日本語で読めるおすすめ本
原注
引用文献
解説 コンゴ盆地に生きる女たちの物語―狩猟採集民をめぐる生活世界の人類学(高田明)
解説 語り、理論、物語―森の女性たちの語りに見られる、人間の普遍的特性としての「共同育児」と「自然の教育」(竹ノ下祐二)
訳者あとがき
索引

著者|author

ボニー・ヒューレット(Bonnie L. Hewlett)
ワシントン州立大学・臨床助教授。ワシントン州立大学博士(文化人類学)。専門は医療人類学、思春期の発達、狩猟採集民、進化=文化人類学。中央アフリカ共和国、コンゴ共和国、ガボン、エチオピアにおいて現地調査を行い、思春期の発達や感染症の文化的背景、社会的学習、愛着行動、健康などについて研究を行ってきた。主著に、The Secret Lives of Anthropologists: Lessons from the Field (Routledge, 2019)等がある。

訳者|translators

服部志帆(はっとり・しほ)
天理大学国際学部・准教授。京都大学博士(地域研究)。専門は生態人類学、アフリカ地域研究。中部アフリカのカメルーンで狩猟採集民バカの森林利用や民族植物学について、屋久島では狩猟活動の変遷について研究を行っている。主著に、『森と人の共存への挑戦―カメルーンの熱帯雨林保護と狩猟採集民の生活・文化の保全に関する研究』(松香堂書店、2012年)等がある。

大石高典(おおいし・たかのり)
東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター・准教授。京都大学博士(地域研究)。専門は生態人類学、アフリカ地域研究。中部アフリカのカメルーンで、農耕民バクウェレと狩猟採集民バカの生業活動や民族間関係について研究を行っている。著書・編著書に『民族境界の歴史生態学―カメルーンに生きる農耕民と狩猟採集民』(京都大学学術出版会、2016年)、『犬からみた人類史』(勉誠出版、2019年)、『アフリカで学ぶ文化人類学』(昭和堂、2019年)等がある。

戸田美佳子(とだ・みかこ)
上智大学総合グローバル学部・助教。京都大学博士(地域研究)。専門は生態人類学、アフリカ地域研究、障害学。カメルーンの森で暮らす障害者との出会いから、中部アフリカのカメルーンやコンゴで障害者に関する人類学的研究や、アフリカ熱帯林における森林資源利用に関する実践的研究にたずさわっている。主著に『越境する障害者―アフリカ熱帯林に暮らす障害者の民族誌』(明石書店、2015年)等がある。

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江戸の名主 馬込勘解由

江戸の名主 馬込勘解由

  • 髙山慶子(著)/2020年2月
  • 4100円(本体)/A5判上製314頁
  • 装丁:長田年伸

江戸筆頭の名主・馬込家がたどった数奇なる系譜とは?
徳川家康とともに江戸に移住した初代から明治維新に至る十一代を通し、名主役・伝馬役をつとめた馬込勘解由。名主の役割や家としての特徴をそれら相互の関連から検証し、馬込家の歴史および多様な人間関係の広がりの諸相を解き明かす。
(ISBN 9784861106668)

目次|contents

序章 江戸の名主と馬込家
一 近世都市江戸の町人地
二 近世初期の名主
三 名主制度の成立と展開
四 名主の家
五 大伝馬町名主馬込家文書
第一章 馬込家初代
一 遠江国馬込村から江戸へ
二 同僚の家
三 宝田村から大伝馬町へ
四 菩提寺
五 ウィリアム・アダムス
第二章 馬込家歴代
一 家族と縁戚
二 文化と学問
三 同役の名主
四 町の住民
五 豪商
第三章 馬込家の経済事情
一 名主役料
二 伝馬役
三 町屋敷の所持
四 金銭の貸付
五 名主による金融
第四章 宇都宮藩戸田家と馬込家
一 大名戸田家の財務
二 深まる関係
三 江戸の二大金主
四 川村伝左衛門
五 大名の財政事情
第五章 馬込家の明治維新
一 勘解由改め惟長とその息子
二 名主役と伝馬役の廃止
三 債務の行方
四 華族戸田家とのつながり
五 殖産興業の模索
終章 馬込家の歴史
あとがき
図表一覧
索引

著者|author

髙山慶子(たかやま・けいこ)
慶應義塾大学文学部卒業。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(人文科学)。東京都江戸東京博物館専門研究員を経て、現在、宇都宮大学教育学部准教授。著書に『江戸深川猟師町の成立と展開』(名著刊行会、2007年)、『近世の地域と中間権力』(共著、山川出版社、2011年)、『近世下野の生業・文化と領主支配』(共著、岩田書院、2018年)、『シリーズ三都 江戸巻』(共著、東京大学出版会、2019年)がある。

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同定の政治、転覆する声―アルゼンチンの「失踪者」と日系人

同定の政治、転覆する声

アルゼンチンの「失踪者」と日系人

  • 石田智恵(著)/2020年2月
  • 3600円(本体)/A5判上製336頁
  • 装丁:関谷謙太

1970年代、アルゼンチン軍事政権による反政府活動家の弾圧が生み出した大量の「失踪者」。その中には日本人移民の子どもたちがいた――
死体なき「強制失踪」という国家テロリズムと、日常的な人種主義。両者を転覆しようとする日系失踪者とその親族たちの闘いを、文化人類学的視点から描く

(ISBN 9784861106781)

目次|contents


Ⅰ 「国民再編過程」と「回復」の運動
第一章 個人の消去によるナシオンの再編
1 強制失踪という暴力
2 国民再編過程としてのジェノサイド
3 「失踪者」というカテゴリー
第二章 「記憶」の作業、「回復」の運動
4 「母たち」の抵抗から「人権運動」へ
5 「人権運動」における「家族」の意味
6 「免責の時代」と「回復」の市民運動
7 失踪者の喪――死の儀礼研究からみる人権運動
第三章 ナショナリティの問答と人種主義の実践
1 稠密な記憶、少数者の記憶
2 接触=問答の場としての国民社会
3 日常のなかのナショナリティと人種主義的実践
4 アルゼンチン的人種主義と「ハポネス」の位置
5 やわらかな人種主義

Ⅱ 国家テロリズムとマイノリティの闘い――日本という出自
第四章 日系失踪者の闘い
1 軍政ナショナリズムと翼賛的マイノリティ
2 「失踪」したハポネスたち
3 可視性の転覆
第五章 日系失踪者家族の闘い
1 ナシオンと複数の記憶
2 日系社会失踪者親族会
3 語ることと聴き取ること
4 個の回復ともうひとつの「家族」

インタビュー一覧
日系失踪者親族一覧

著者|author

石田智恵(いしだ・ちえ)
1985年奈良県生まれ。早稲田大学法学学術院准教授。立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了。博士(学術)。
著作に『異貌の同時代――人類・学・の外へ』(渡辺公三・冨田敬大との共編著、以文社、2017、担当:第一章「個人の登録・消去・回復――アルゼンチンと同一性の問題」)、「やわらかな人種主義――アルゼンチンにおける「ハポネス」の経験から」(『文化人類学研究』18巻、早稲田文化人類学会、2017)、“Interpelación o autonomía. El caso de la identidad nikkei en la comunidad argentino-japonesa”(Pablo Gaviratiとの共著、Alteridades, 27(53): 59-71, 2017)などがある。

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開発と文化における民衆参加―タンザニアの内発的発展の条件

開発と文化における民衆参加

タンザニアの内発的発展の条件

  • 阪本公美子(著)/2020年2月
  • 4500円(本体)/A5判並製520頁
  • 装丁:矢萩多聞

文化は開発の障害か? 内発的発展はいかにして可能か?
開発と文化をめぐる先行研究を理論的に整理したうえで、タンザニアの「貧困」地域であるリンディ州におけるフィールド調査によって両者の関係を多面的に分析。
地元民衆の文化、開発過程参加が重視されない外発的な開発事業は失敗に終わり、民衆の主体性、主動性、内発性を重視した開発こそが社会開発の要件であると論じる。
(ISBN 9784861106767)

目次|contents

まえがき

序章 社会開発、文化、そして参加
1 背景
2 主要専門用語の定義
3 主題の設定
4 研究対象
5 情報源と方法論

第Ⅰ部 タンザニアにおける開発と文化を再考する
第1章 「開発」概念の再検討と「文化」の役割
1 「開発」の歴史
2 「文化」と開発―先行研究の検討
3 タンザニアにおける「開発」と「文化」
4 結論

第2章 タンザニアにおける「文化」の創出とその多様性
1 生態システムと内発的過程
2 「スワヒリ文化」―アラブ世界との交易から
3 「部族」文化と国民文化―植民地化と独立
4 リンディ州における「文化」とアイデンティティの多様性と諸層
5 結論

第Ⅱ部 タンザニアにおける内発的な視点に基づく社会開発
1 はじめに
2 社会開発に参加する場

第3章 タンザニアの諸政策にみる内発性と社会開発
1 ウジャマー政策時代
2 構造調整時代
3 貧困削減と自由化促進時代
4 社会開発の地理的格差とその原因
5 結論

第4章 開発と文化における民衆参加―リンディ州における人びとの多様な主体性の視点から
1 研究対象地域
2 開発・発展と文化との関係
3 「開発・発展」と「文化」を活用した参加
4 結論

終章 タンザニアにおける内発的発展に向けて
1 まとめ
2 主体の役割―内発的な視点をともなう発展戦略
3 結論―内発的な社会開発のための条件

参考文献
索引

著者|author

阪本公美子(さかもと・くみこ)
宇都宮大学国際学部准教授。
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士課程修了、博士(学術)。ユニセフ及びUNDPタンザニア事務所勤務勤務、早稲田大学助手等を経て、現職。
主な単著に、本書の英文原著であるSocial Development, Culture, and Participation: Toward theorizing endogenous development in Tanzania(春風社、2009)、Factors Influencing Child Survival in Tanzania: Comparative analysis of diverse deprived rural villages (Springer, 2020)。共編著に、『新生アフリカの内発的発展―住民自立と支援』(昭和堂、2014)、『SDGs時代のグローバル開発協力論』(明石書店、2019)。

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依存からひろがる人生機会―インド・スラム地域の人間開発と「子育ての民主化」

依存からひろがる人生機会

インド・スラム地域の人間開発と「子育ての民主化」

  • 茶谷智之(著)/2020年2月
  • 3700円(本体)/A5判上製296頁
  • 装丁:矢萩多聞

人とまじわり機会(チャンス)が生まれる
子どもによい教育を受けさせたい――子どもにはよい仕事に就いてほしい――
大都市デリーの「豊かな」生活のそばで、スラムに暮らす人々が抱く切実な願い。しかし、その望みを叶えることは容易ではない。個人ではどうすることもできない困難に立ち向かうとき、手当たり次第に他者に頼る姿がそこにはあった。日常的な試行錯誤が子どもの未来を少しずつひらく、新しい「民主化」のかたち。
(ISBN 9784861106774)

目次|contents

はじめに

序章 子育てと民主主義の分断
第1節 開発と政治
第2節 開発と貧困

第1章 貧困を抱えて生きる―大都市デリーのスラムと子育ての困難
第1節 都市スラムの輪郭
第2節 スラムに暮らす
第3節 スラムで子どもを育てる
第4節 スラムから移住する

第2章 「子育ての民主化」と政策―就学前教育施策の改革を求める貧困者の声
第1節 保育事業ができるまで
第2節 貧困対策としての政府主導型保育事業
第3節 政府主導から官民連携化へ
第4節 貧困者の声の恣意的な利用

第3章 「子育ての民主化」と市民社会―貧困者の声の反映をめざすNGOの実際の働き
第1節 子どもの権利保護の仕組みとNGO
第2節 NGO職員の政治性
第3節 子どもの権利擁護と住民ワーカーの働き
第4節 声の代弁からつながりの拡充へ

第4章 「子育ての民主化」と地域社会―生活環境改善に向けて「手配」する
第1節 衛生や安全意識の高まり
第2節 スラムに散在する多様な関係性
第3節 地域手配力を通じた生活環境改善への取り組み
第4節 他者に媒介されて広がる要望の実現可能性

第5章 「子育ての民主化」と人生機会―よりよい教育を求める貧困家庭のあいだの格差
第1節 スラムにおける教育熱の高まり
第2節 スラムを取り巻く教育環境の変化
第3節 保護者の期待を変容させる地域手配力
第4節 試行的依存がもたらす教育機会の差異

終章 子育てと民主主義がつながるとき
第1節 「子育ての民主化」の様相とは
第2節 スラム住民にとってのキャパシティはいかに高まるのか
第3節 スラム住民にとっての「正当」とは

あとがき
参考文献

著者|author

茶谷智之(ちゃや・ともゆき)
1986年、札幌生まれ。北海道大学法学部卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。博士(地域研究)。日本学術振興会特別研究員等を経て、現在、松本短期大学幼児保育学科助教。専門は文化人類学、南アジア地域研究。

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21世紀のメキシコ革命―オアハカのストリートアーティストがつむぐ物語歌

21世紀のメキシコ革命

オアハカのストリートアーティストがつむぐ物語歌

  • 山越英嗣(著)/2020年2月
  • 3600円(本体)/A5判上製252頁
  • 装丁:中本那由子

メキシコ革命は終わっていない!
ガスマスクの聖母、モヒカンの英雄サパタ……州政府への抗議運動に際して現れたストリートアートは、日本人画家・竹田鎮三郎の影響を受けた先住民アーティストたちによるものだった。
グローバルな力関係のなかで絡み合う、アートと政治、歴史意識、そしてアイデンティティ。
(ISBN 9784861106750)

目次|contents

プロローグ 「夢の国」オアハカに開いた裂け目
第1章 メキシコ革命と先住民
第2章 われわれの革命の英雄
第3章 竹田鎮三郎とオアハカの多文化主義
第4章 資本主義とコミュニズムを接合するプエブロの思想
第5章 再象徴化されるストリートアート
第6章 変容する若者の価値観
第7章 グローバル時代の先住民像
エピローグ 革命は続く
参照文献
付録 オアハカのコレクティボとストリートアーティスト
索引

著者|author

山越英嗣(やまこし・ひでつぐ)
早稲田大学人間科学学術院助教。
一九八一年千葉県生まれ。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。 博士(人間科学)。
主な著書に「想像の共同体としてのプエブロ―南部メキシコ社会をめぐる表象のポリティクス」蔵持不三也・嶋内博愛(監修)、伊藤純・藤井紘司・山越英嗣(編集)『文化の遠近法―エコ・イマジネールⅡ』言叢社、2017年、“Chapter26 Street art/Graffiti in Tokyo and surrounding districts”(Yasumasa Sekineとの共著), In Jeffrey Ian Ross (Editor), Routledge Handbook of Graffiti and Street Art, Routledge, 2016がある。

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カンボジア 共生の空間―慰霊・負の遺産・コミュニティ

カンボジア 共生の空間

慰霊・負の遺産・コミュニティ

  • 牧野冬生、島﨑裕子(著)/2020年1月
  • 3600円(本体)/A5判並製384頁
  • 装丁:長田年伸

クメール・ルージュ政権による虐殺から40年――
加害者と被害者が隣接して暮らすカンボジアで、人々はいかに社会ネットワークを再構築し、平和を希求してきたのか。「歴史」「日常生活」「仏教実践」「空間」の4つのカテゴリーから現在のカンボジアを描く。カンボジアの子どもたちが「自分にとって大事なところ」を撮った写真集「子どもの眼」収録。
(ISBN 9784861106613)

目次|contents

はじめに(牧野冬生)
1章 政府の社会復興政策とコミュニティ(中川香須美)
2章 開発パートナーとNGOの復興アプローチ(中川香須美)
3章 都市生活の背後にある空間構築史(牧野冬生)
4章 農村部における生活と人間関係(島﨑裕子)
5章 社会的な脆弱者の生活環境(島﨑裕子)
6章 仏教と人々の関わり(島﨑裕子)
7章 ローカルな祈りの場(牧野冬生)
8章 負の遺産と公共空間で想起される感情(平井伸治)
9章 負の出来事の分析に向けて(牧野冬生)
コラム カンボジアの大学生を対象とした意識調査―仏教、クメール・ルージュ、家族をキーワードとして(牧野冬生)
シンポジウム座談会 負の歴史を人々はどのように見つめているのか(牧野冬生+島﨑裕子+中川香須美+本多美樹)
おわりに(牧野冬生)
索引

写真集「子どもの眼」(牧野冬生・島﨑裕子)
都市不法占拠者の移住地区
プノンペン郊外の強制移住地区
ムスリムの居住地区

著者|authors

牧野冬生/編著 (早稲田大学アジア太平洋研究センター・特別センター員)
早稲田大学理工学部卒業。チューリヒ大学民族学教室博士課程留学。早稲田大学大学大学院アジア太平洋研究科博士課程修了。早稲田大学芸術学校卒業。博士(学術)。1級建築士。駒沢女子大学専任講師、早稲田大学助手、助教、駒沢女子大学特任准教授を経て、現職。専門は、開発人類学、移民研究、建築計画。主な著書として、『建築人類学』(単著、2017年、春風社)がある。

島﨑裕子/共著(写真集)(早稲田大学社会科学総合学術院・准教授)
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士課程修了。博士(学術)。早稲田大学アジア太平洋研究センター助手、日本学術振興会特別研究員(PD)、早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター助教を経て現職。専門は、国際関係学、社会開発、人権、ジェンダー。主な著書として、『人身売買と貧困の女性化』(単著、2018年、明石書店)がある。

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On the Road to the East Asian Community: Modern History of East Asia Edited by Its Students & Citizens

On the Road to the East Asian Community

Modern History of East Asia Edited by Its Students & Citizens

  • OKUDA Takaharu & Editorial Board of the English Version “Higashi Asia Kyodotai Eno Michi”(編)/2019年12月
  • 6000円(本体)/A5判並製522頁
  • 装丁:長田年伸

日中韓共通の近現代歴史教科書。国民国家の視点を脱し、東アジア市民としての歴史記述を試みた共同研究活動の成果。本文英語。
(ISBN 9784861106552)

目次|contents

Preface to the English Edition
Foreword: From Editorial Board of Chapter I & II
Introduction
Chapter I Modernizations in East Asia & Rising Imperialism In Japan: The “Western Impact” and Fates of East Asian Nations

§1. Domination of East Asia by the Western Powers & Establishment of the Meiji Government: Formation of Nation-State and its Problems in Japan
§2. Before and After of the Sino-Japanese War: Established Japanese Views on Asia and Development of “Modernization” in Korea and China
§3. Before and After of the Russo-Japanese War: Colonization of Korea, Subordinating China and Rising Imperialism in Japan
§4. The Xinhai Revolution: Development and Confusion of National Revolutionary Movements in China
Chapter II In the Era of Emerging Nationalism: People’s Struggles Fighting against Colonial Rules in Asia
§1. The March 1st Movement of Korea and the May 4th Movement of China: Evolution of Anti-colonialism & Nationalism in East Asia
§2. Around the Great Kanto Earthquake: Transformation of Japan’s Society and Escalation of Aggression
§3. Reflection on the 36 Year’s Colonial Rule over the Korean Peninsula: Various Aspects of Structural Violence Brought by Japan’s Imperialism
Chapter III The Asia-Pacific War, 1931-1945: War and Peace, Domination versus Peoples’ Struggles for Liberation
§1. The Manchurian Incident and East Asia: Illusion of Puppet Empire of Manchukuo
§2. The Second Shino-Japanese War: Peoples’ War, War Crimes and Responsibility
§3. The Asia-Pacific War: Peoples’ Struggles against the Greater East Asia Co-prosperity Sphere & Collapse of Imperial Japan
Chapter IV Nation State and Civil Society in East Asia, Straying Roads for Creating “Soul of Citizenship”
§1. The Cold War and East Asia: The “Hot War,” Construction of New Nations, and the Reform and Transformation of the Japanese Society
§2. Ambivalent Development of Nation State and Civil Society in East Asia
Chapter V Wisdoms for Tomorrow, From Reprisals to Reconciliation: Spirit and Hopes as Citizens of the Emerging East Asian Community
§1. The Era of Emerging East Asian Community: Our Way of Co-existence and Wisdoms for Tomorrow
§2. Long March to the East Asian Community
Chapter VI Thinking about Ourselves in the Contemporary East Asia: Questioned from Experiences of the March 11, Fukushima and Okinawa

著者|authors

OKUDA Takaharu & Editorial Board of the English Version “Higashi Asia Kyodotai Eno Michi”(奥田孝晴および『東アジア共同体への道』英語版編集委員会)
監修者の奥田孝晴(おくだ・たかはる)は文教大学国際学部教授。専門は国際学、アジア開発経済論。著書に『国際学と現代世界』(創成社、2006年)、『私たちの国際学の「学び」』(共著、新評論、2015年)『国際学の道標』(創成社、2019年)がある。

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