挨拶の哲学

挨拶の哲学

  • 鳥越覚生(著)/2024年5月
  • 3500円(本体)/四六判上製240頁
  • 装丁:矢萩多聞

挨拶に関し様々な角度から思索を重ね、挨拶という現象の意義を解明する。

「挨拶は大文字の理念ではない。挨拶は頭や理性からの指令ではなくて、我が身からあふれてくる幽かな宇宙ことばである。これはまた、人間に残された最後の小さな「やさしさ」と言ってもよい。と言うのも、真正の挨拶はわが身、それもその底辺である足裏から湧き上がってくるものだからである。」(本文より)

(ISBN 9784861109270)

目次|contents

はじめの挨拶
第一部 思想史篇 ショーペンハウアーからレヴィナスへ
佇む傍観者からの挨拶
第一章 無責任の散歩
第二章 暗がりの色彩論
第三章 色彩の挨拶
第四章 世界を映す一つの眼と巨人
第五章 立ち上がって、祈っていなさい
第二部 教示篇 挨拶の哲学 よく生きるために
はじめの挨拶
第一章 人間の無関心
第二章 共生共苦の宇宙ことば
第三章 挨拶と祈り
おわりの挨拶 人間のやさしさに賭ける
あとがき
初出一覧
索引

著者|author

鳥越覚生 (とりごえ・かくせい)
1984年石川県金沢市生まれ
博士(文学・京都大学)
主要著作
『佇む傍観者の哲学 ショーペンハウアー救済論における無関心の研究』晃洋書房、2022年

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月印釈譜

月印釈譜

  • 河瀬幸夫(訳)/2024年5月
  • 6000円(本体)/A5判1162頁 ※本書は固定レイアウト型の電子書籍です。

15世紀に創製された当時のハングルで書かれた、釈迦の生涯と教えを伝える『釈譜詳節』・『月印千江之曲』・『月印釈譜』三書の日本語訳。『月印千江之曲』は中世韓国語の原文を掲載。
(ISBN 9784861109645)

目次|contents

月印釈譜 上
口絵
凡例
はじめに
月印釈譜第一
月印釈譜第二
釈譜詳節第三
月印釈譜第四
月印千江之曲第五
釈譜詳節第六
月印釈譜第七
月印釈譜第八
釈譜詳節第九
月印釈譜第九
月印釈譜第十
釈譜詳節第十一
月印釈譜 中
釈譜詳節第十三
釈譜詳節第十九
釈譜詳節第二十
釈譜詳節第二十一
月印釈譜
月印釈譜第十一
月印釈譜第十二
月印釈譜第十三
月印釈譜第十四
月印釈譜第十五
月印釈譜第十七
月印釈譜第十八
月印釈譜第十九
月印釈譜 下
月印釈譜第二十
月印釈譜第二十一
月印釈譜第二十二
月印釈譜第二十三
釈譜詳節第二十三
釈譜詳節第二十四
月印釈譜第二十五
付録

訳者|translator

河瀬幸夫(かわせゆきお) 
1945年、東京都大田区に生まれる。1973年、早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻修士課程を修了し、私立横須賀学院高校の国語教員となる。1979年、韓国を旅行したことが契機となり、韓国語の学習を始める。2003年、横須賀学院を退職して、ソウルの東国大学校大学院仏教学科(仏教史学専攻)に入学。在学中、高麗大蔵経について学ぶ中で、15世紀に創制された当時のハングルを使い韓国語に翻訳された多数の仏典があることを知る。2007年に大学院の課程を終えた後、横浜の自宅で韓国語仏典の日本語訳に専念する。訳書に『釈譜詳節』(上・中・下、2010~2013年、春風社)、『法華経諺解』(上・下、金星周との共訳、2017~2018年、春風社)がある。

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アーレントと赦しの可能性―反時代的試論

アーレントと赦しの可能性

反時代的試論

  • 森一郎(著)/2024年3月
  • 4300円(本体)/四六判上製462頁
  • 装丁:長尾優

愛によるのでない、尊敬による赦しの可能性
イエスに学びつつ、宗教的ならざる、この世的な赦しの条件を追求するアーレントの思考
人間愛の美名の下に無世界性がはびこる時代に、赦される者と赦す者をともにあらたに始めさせる奇蹟はどこから来るのか。奴隷制に代わるロボット工学はどこへ向かおうとしているのか。革命思想はテロリズムといつから結びついたのか。生まれ出ずる者たちがともに事を為すとき何が起こるか。アーレントの二大主著『活動的生』と『革命論』の訳者が、時代に抗しつつ、来たるべき時代のための思考をひらく。
(ISBN 9784861109447)

目次|Contents

序―赦し・労働・テロリズム・出生
第一部 赦し
第一章 アーレントのイエス論―赦しの可能性
第二章 リクールとアーレント―「赦し」を中心に
第二部 労働
第三章 奴隷制問題の消息―テクノロジーの系譜学
第四章 ロボットの倫理―労働と人間のゆくえ
第五章 情報・知識・思考―『活動的生』第二三節より
第三部 テロリズム
第六章 革命精神とその影―テロリズムの系譜学
第七章 ミルトンと救いの可能性―『闘士サムソン』と9・11
第四部 出生
第八章 出生の危険について―デモクリトスとクローンの問題
第九章 始まりの経験―『活動的生』第二四節への一注解
第十章 誕生、行為、創設―『革命論』と「始まり」の問題
あとがき―反時代的ということ
初出一覧
索引

著者|Author

森一郎(もり・いちろう)
一九六二年埼玉県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京女子大学文理学部教授等を経て、現在、東北大学大学院情報科学研究科教授。博士(文学)。専攻は哲学。著書に、『死と誕生』、『死を超えるもの』(以上、東京大学出版会)、『世代問題の再燃』(明石書店)、『現代の危機と哲学』(放送大学教育振興会)、『ハイデガーと哲学の可能性』(法政大学出版局)、『核時代のテクノロジー論』(現代書館)、『ポリスへの愛』(風行社)、『アーレントと革命の哲学』(みすず書房)ほか。訳書に、アーレント『活動的生』、『革命論』(以上、みすず書房)、ニーチェ『愉しい学問』、『ツァラトゥストラはこう言った』、ハイデガー『技術とは何だろうか』(以上、講談社学術文庫)ほか。

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ハンナ・アーレントの政治哲学の射程―開発という活動の再考に向けて

ハンナ・アーレントの政治哲学の射程

開発という活動の再考に向けて

  • 奥井剛(著)/2024年3月
  • 4000円(本体)/四六判上製296頁
  • 装丁:長田年伸

地球の限界を超えて膨張しようとする開発という活動の意味を、その語源に含意される「開示」を足がかりとして、ハイデガーによる技術論や、アーレントによる行為の概念、カント政治哲学の解釈に照らして再検討する。開示をめぐる問題の最深部で火花を散らす哲学と政治の緊張関係を解く鍵を、始まりを本質とする者たちが思考することで解き放たれる、前例のない出来事を判断する能力に見出し、それが顕にする共通感覚に示された伝達可能性・公共性を求め、その実践的意義を探る。
(ISBN 9784861108693)

目次|Contents

序論 総合学術への寄与
第一章 開発の意味の再検討
第一節 開発と開示
第二節 開示と技術―ハイデガーに即して
第三節 アーレントの行為と開示――哲学と政治のあいだで
第四節 哲学と政治の緊張関係
おわりに
第二章 政治と哲学の関係における共通感覚の含意
第一節 観察者の立場
第二節 アーレントの判断論の研究動向
第三節 判断と共通感覚
おわりに
第三章 アーレントの政治哲学の実践的意義―開発の範例
第一節 根源的契約と約束―図式と範例
第二節 根源的契約の範例―UNESCOと世界人文学会議
第三節 開発の範例―バングラデシュの農村開発における評議会制度
おわりに
参考文献

著者|Author

奥井剛(おくい・ごう)
2007年ニューヨーク州立大学オールバニー校卒業(Double Major in Economics & Sociology)。民間企業勤務後、2014年に京都大学大学院総合生存学館入学(総合学術・哲学専攻)。2019年同大学院研究指導認定退学。同大学院非常勤研究員を経て、2020年4月より高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)特定研究員、iPS細胞研究所上廣倫理部門受入研究員。2021年3月に博士(総合学術)取得。主な論文は、Okui Go, Takeda Shutaro. “Revisiting the measure of development: A critique of sustainametrics.” Frontiers in Sustainability. 2022(3)、奥井剛「ハンナ・アーレントにおける政治と哲学の緊張関係と共通感覚の含意」『実践哲学研究』2018(41)21-52、など。

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幕末期の〈陽明学〉と明末儒学―修己と天人関係を中心に

幕末期の〈陽明学〉と明末儒学

修己と天人関係を中心に

  • 古文英(著)/2024年3月
  • 4100円(本体)/四六判上製336頁
  • 装丁:長田年伸

幕末期の陽明学者らに注目し、「誠中心の儒学」に代表される陽明学の既存の認識を再検討し、幕末期の儒学思想史像の刷新を企図する。

草庵からみれば、真実の学問は静中の功によらないと実現できないという。草庵からみれば、読書の功は心気の紛擾を引き起こし、静坐のほうが「澄心」に到達できる。したがって、念庵・双江の帰寂の説が最も『中庸』の慎独の核心をついていることになる。すなわち、草庵は心気の紛擾を排除し、心が澄んでいる境地に到達したいために、念庵・双江の帰寂の説をよしとする。(本文より)

(ISBN 9784861109225)

目次|Contents

まえがき
序章
第一部 池田草庵の折衷的な学問と批判的経世論
第一章 池田草庵における道徳と見聞知識の分離と再結合―経世致用論の形成
第二章 意と「天人一理」からみる批判精神
第三章 池田草庵の批判的経世論と門人への影響
第二部 山田方谷における「知覚感応の自然」と「万物一体の仁」
第四章 山田方谷の儒学思想の形成
第五章 山田方谷における実践論理の形成―「知覚感応の自然」と「万物一体の仁」を通して
第六章 山田方谷の「文武両道」論
第七章 山田方谷における撫育政策と君主の仁政
第八章 三島中洲の日清戦争前の儒学思想と義利合一論
補論 東洋哲学の構築からみる「自己表象」の形成―井上哲次郎の「三部作」を中心に
終章
あとがき
参考文献
索引

著者|Author

古文英(こぶんえい)
1990年、中国広東省生まれ。立命館大学大学院研究科人文学専修博士課程後期課程修了(博士・文学)。現在立命館大学文学研究科初任研究員・立命館大学授業担当講師。
主要論文:「陽明学者」池田草庵の儒学思想再考―幕末期における折衷的な学問に着目して」(『東アジアの思想と文化』11号、2020年)、「山田方谷における君主の仁徳論と撫育政策」(『立命館文學』673号、2021年)など。

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シュンペーターの経済思想―ヴィジョンと理論の相剋

シュンペーターの経済思想

ヴィジョンと理論の相剋

  • 楠木敦(著)/2024年3月
  • 3900円(本体)/A5判上製228頁
  • 装丁:矢萩多聞

ベルクソンを中心とするフランス思想の視座からシュンペーターを読み解くことで、今まで見えなかったシュンペーター像が立ち顕れる。

この快楽的人間とは対照的に、動態の理論に対応した精力的人間は、行為のもたらす快楽と苦痛の差引計算を行為の基準として行動する経済主体ではなく、外形的・数値的な証拠では基礎付けられない創造を担う存在であった。精力的人間としての企業者が惹き起こす革新は、事前には、まったく予見できないものであった。シュンペーターは、事前には、誰によってもその価値を数値的に考量することができず、かつ外形的・数値的な証拠では基礎付けられない創造的な行為こそが経済の発展にとって最も重要な役割を果たしているというヴィジョンを持っていた。企業者が遂行する革新は、快苦原則を核とする功利の原理、および帰結主義の原理の外部に存在する。(本文より)

(ISBN 9784861109607)

目次|Contents

序章
第1章 日本におけるシュンペーター経済学の導入―福田徳三と高田保馬を中心にして
第2章 創造性―シュンペーターとベルクソン
第3章 社会科学方法論―経済学方法論と社会学方法論
第4章 経済人の概念―功利主義批判をめぐって
第5章 時間の概念―ベルクソンの時間概念との比較を通じて
第6章 不確実性―フランク・ナイトの不確実性との比較を通じて
終章 ヴィジョンと理論の相剋―革新と銀行家をめぐって
補章 シュンペーターの経済思想の現代的意義―シュンペーターからグラミン銀行へ
むすび
あとがき
初出一覧
参考文献
索引(人名・事項)

お詫びと訂正

本文中に編集上の不手際で以下のような誤りが生じました。謹んでお詫びして訂正いたします。
『シュンペーターの経済思想』正誤表

著者|Author

楠木敦(くすき・あつし)
1979年、和歌山県生まれ。2004年、和歌山大学経済学部卒業、2013年、北海道大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。北海道大学大学院経済学研究科助教、北星学園大学経済学部専任講師を経て、現在北星学園大学経済学部准教授。

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聞書集 聖霊はまことの息吹―絶対無即絶対有のコスモロジー

聞書集 聖霊はまことの息吹

絶対無即絶対有のコスモロジー

  • 小野寺功(著)、三浦衛(編)/2024年1月
  • 1800円(本体)/四六判上製160頁
  • 装丁:南伸坊

故郷岩手での少年期の神秘体験以来、世界の思想とひたすらに格闘してきた哲学者が、いま、90年にわたる思索の根源について語る。

(ISBN 9784861108990)

目次|contents

場所と光――生命の機(三浦 衛)
[対談]大地の思想家として 思索九四年の原点(小野寺 功 × 三浦 衛)
[補遺一]カタクリの花(小野寺 功)
[補遺二]中国古典、ギリシア哲学、キリスト教  新井奥邃のコスモロジー(三浦 衛)
あとがき(小野寺 功)

著者|author

小野寺 功(おのでら・いさお)
哲学者。清泉女子大学名誉教授。1929年岩手県生まれ。上智大学大学院哲学研究科修了。主な著書に『絶対無と神――京都学派の哲学』(2002年)、『聖霊の神学』(2003年)、『大地の文学[増補]賢治・幾多郎・大拙』『随想 西田哲学から聖霊神学へ』(2015年)、『日本の神学を求めて』『新版 大地の哲学――三位一体の於てある場所』(2022年)がある(いずれも春風社)。

編者|editor

三浦 衛(みうら・まもる)
春風社代表取締役社長。1957年秋田県生まれ。1999年に創業。主な著書に『出版は風まかせ おとぼけ社長奮闘記』(2009年)、『おうすいポケット 新井奥邃語録抄』(2015年、共編)、『石巻片影』(2017年、共著)、『文の風景 ときどきマンガ、音楽、映画』(2021年)、『句集 暾』(2022年)がある。

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帰属の美学―板前の国籍は寿司の味を変えるか

帰属の美学

板前の国籍は寿司の味を変えるか

  • Jean Lin(著)/2024年1月
  • 4500円(本体)/四六判上製302頁
  • 装丁:中本那由子

あなたは作品だけを見てその価値を判断できますか?

異国の食べ物はどのようにエキゾチックなのか。そのファッションはどうして革新的なのか。文化的盗用はなぜ問題となるのか。
ある対象をその文脈をふまえながら美的に判断する際のメカニズムについて、芸術作品を含むさまざまな文化現象を例とし考察する。

(ISBN 9784861109072)

目次|contents

まえがき

序論

1 帰属的性質の認識論

 1・1 帰属的性質と集団相対主義

 1・2 集団基準と個人基準

 1・3 帰属的性質の種類と機能

 1・4 帰属的性質は美的価値をもたらすか

2 文化の境界から生じる価値

 2・1 外部者と内部者

 2・2 マジョリティとマイノリティ

 2・3 制作者の文化的アイデンティティの相対的客観性

3 真正性と道徳性

 3・1 真正性の追求に伴う不道徳性

 3・2 カテゴリ新設論法

 3・3 道徳的価値と美的価値

板前の国籍は寿司の味を変えるか

4 芸術の境界から生じる価値

 4・1 芸術の境界の曖昧化と再構築

 4・2 類似するカテゴリの内実

 4・3 類似性の種類

5 芸術への帰属

 5・1 境界事例は複数のアイデンティティを持てるのか

 5・2 芸術の制度と機能の相互関係

 5・3 境界事例はいつ芸術なのか

 5・4 芸術における集団相対主義

結論

あとがき

参考文献

索引

著者|author

Jean Lin(ジーン・リン)

筑波大学芸術系 助教。専門は美学、芸術学
ミシガン大学アート・デザイン学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科修士課程・博士課程修了。博士(文学)。

主な著作に、Multiple Identities of Borderline Cases in Art(The Nordic Journal of Aesthetics, 65, 2023)、On Appreciating Artworks Involving Cultural Properties(Aesthetics, 23-24, 2021)、「創造的なカテゴリにおける真正性の問題――芸術と料理をめぐって」『美学芸術学研究』38、2020)がある。

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チャールズ・テイラー 思想の淵源

チャールズ・テイラー 思想の淵源

  • 濱井潤也(著)/2023年12月
  • 3500円(本体)/四六判上製304頁
  • 装丁:矢萩多聞 /装画:ミロコマチコ

「どのような問題を解決したかったのか」という動機と「どんな解決法を提案したのか」という実践の観点から新たなテイラー像を示す。
(ISBN 9784861109195)

目次|contents

凡例
はじめに

第一章 テイラーがヘーゲルに見出した指針
第二章 コミュニタリアニズムの基盤としての人格
第三章 『ブシャール・テイラーリポート』から読み解くテイラーの哲学への動機
第四章 二人のコミュニタリアンと二つのコミュニティ
第五章 西洋思想は東洋に何を言えるのか―タイへの旅路
第六章 多様な人々と共存するための中立とは何か
第七章 世俗化の「長征」から読み解く「生きる意味」の奥行
第八章 テイラーの思想の実践的応用例

参考文献
あとがき
索引

著者|author

濱井潤也(はまい・じゅんや)
1983年生まれ。2010年、広島大学大学院文学研究科博士課程後期終了。博士(文学)。現在は新居浜工業高等専門学校准教授。
〈主要業績〉
〔共訳〕ハインリッヒ・マイアー著『レオ・シュトラウスと神学―政治問題』晃洋書房、2010年
〔共訳〕ミヒャエル・クヴァンテ著『人間の人格性と社会的コミットメント』リベルタス出版、2023年
〔共著〕Der Begriff der Person in systematischer wie historischer Perspetive, Ein deutsch-japanischer Dialog, Paderborn: mentis Verlag, 2020.
〔論文〕「チャールズ・テイラーの政治哲学の旅路―アウェイ環境におけるコミュニタリアニズム」広島大学応用倫理学研究センター編『ぷらくしす』第20号、2019年
〔論文〕「宗教「理解」と宗教「経験」―世俗化された国家において共有されるべき「中立」の基準」(広島大学応用倫理学研究センター編『ぷらくしす』第21号、2020年)他。

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現代の皮膚感覚をさぐる―言葉、表象、身体

現代の皮膚感覚をさぐる

言葉、表象、身体

  • 平芳幸浩(編)/2023年3月
  • 3700円(本体)/四六判上製264頁
  • 装丁:コバヤシタケシ
  • 装画:げこる 「ここかも」(2021年)

デジタル・デバイスが浸透し、ヴァーチャルな空間での活動が増加する現代社会においてもなお/であるからこそ、皮膚はファジーで錯綜的、非局所的な身体感覚のトポス(在処)としてある。
現代の表現行為や日々の営為における皮膚感覚、その意義と可能性に触れなおす。

(ISBN 9784861108495)

目次|contents

序論  皮膚感覚について [平芳 幸浩]
第1章  かゆみの哲学断章―哲学的触覚論のゆくえ  [藤田 尚志]
第2章  皮膚と時間―作品の「身体」性格を再考する  [若林 雅哉]
第3章  陶器のようにつるりとした背中―村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』における皮膚  [高木 彬]
第4章  シームレスの美学―ファッションと皮膚感覚  [平芳 裕子]
第5章  プラスチックが蠢く、プラスチックと蠢く―『寄生獣』における皮膚(感覚)  [太田 純貴]
第6章  ピピロッティ・リストのヴィデオ・インスタレーションにおける皮膚感覚  [牧口 千夏]
第7章  皮膚感覚としての「建築する身体」―荒川修作+マドリン・ギンズあるいはヘレン・ケラー  [平芳 幸浩]
第8章  サーフェスとイメージ―新しい映像創作がもたらす皮膚感覚  [池側 隆之]

あとがき
参考文献一覧
執筆者一覧

編者|editor

平芳幸浩(ひらよし・ゆきひろ)
京都工芸繊維大学デザイン・建築学系 教授。近現代美術。
主な著作に、『マルセル・デュシャンとは何か』(河出書房新社、2018年)、『日本現代美術とマルセル・デュシャン』(思文閣出版、2021年)など。

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