世界遺産の自然と暮らし

世界遺産の自然と暮らし

  • 今井一郎/2004年4月
  • 1905円(本体)/A5判・210頁

世界遺産の現実― 白神山地とネパール・ヒマラヤ、二つの異なる地域には「世界遺産」登録後、類似の変化が生じた。フィールドワークで得た詳細なデータから、「世界遺産」の現実に迫る!
(ISBN 4921146985)

目次|indexs

「国際山岳年」に寄せて
赤石川と生きた人びと
白神山麓の暮らし
過疎地域と観光
「世界遺産」地域の自然と人
「タムール・シェルパ」との出会い
「タムール・シェルパ」のその後

著者|author

今井一郎(いまい・いちろう)
京都大学理学博士。現在関西学院大学総合政策学部教授。
著書に『パピルスの賦』(近代文芸社、2000年)など。

担当編集者から

毎週日曜深夜、某民放で流れている世界遺産の映像を見て、「お~きれいだなぁ」。世界遺産に対してそれぐらいの認識しかなかったぼくですが、本の編集を進めるうちに知らなかった事実がつぎつぎ出てくる。
簡単に「自然は保護しなければならない」なんていうけれど、そこにも人間の営みはあるわけで…考えさせられます。
とかくきれいなイメージで語られがちな世界遺産の現実に、ぜひ目を向けてみてください。[-長田-]

 

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虫曼荼羅―古典に見る日本人の心象

虫曼荼羅

古典に見る日本人の心象

  • 岩下均/2004年4月
  • 2800円(本体)/四六判・300頁
  • 装丁:長田年伸

民俗学的日本文化論! 鈴虫・蝉・胡蝶……虫に心情を託して歌を読んだいにしえの人の心は、どこにあったのか。『万葉集』『源氏物語』を中心に古典文学に登場する虫の分析から、日本人の心象に迫る!
(ISBN 4861100046)

目次|indexs

日本の民俗文化と「虫」
古典文学の「蟷螂」
王朝文学と「蜂」
古典文学の「蜘蛛」
古典文学と「蚕」
「空蝉」考
「胡蝶」考
「蛍」考
「鈴虫」考
「蜻蛉」考
「虫」曼荼羅―古典に見る日本人の心象

著者|author

岩下均(いわした・ひとし)
國學院大学文学部文学科卒業。その後、同大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程単位取得。文学修士。現在、目白大学人間社会学部教授。
共著に『日本文学史』、共編に『吉野祭りと伝承』(以上、桜楓社)など。

担当編集者から

子供のころは、夏休みといえば昆虫採集が一番の楽しみだったのに、いつの間にか虫は「触るどころか、見るのも嫌!」な存在に変わってしまった―そんな人、多いのではないでしょうか。かく言うぼくも例に漏れず、虫に対するかつての愛情を失ってしまいました。
本書に登場する虫たちは、じつにさまざまな表情を見せてくれる。編集しながらしきりに「へぇ、そうなんだぁ」とつぶやいた。著者の岩下先生の博識に驚くとともに、「虫」に心情を託したかつての日本人の感性に感動。虫に対する見方が、少し変わりました。
民俗学的にも価値ある本書、手に取ればきっと新しい発見があります。ぜひご一読を。[-長田-]

 

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タンポポの丘―戯れに来て戯れに去る

タンポポの丘

戯れに来て戯れに去る

  • 川合隆男/2004年3月
  • 2800円(本体)/四六判・338頁

40数年におよぶ学究生活を通して発表された随筆と研究論文を収める。第1編は1977年から2002年にかけて書かれたエッセイを、第2編は研究論文5編を採録。学問に地道に取り組みながら、他方で、こよなく自然を愛し散歩を楽しむ著者の人柄が、それぞれの文章からにじみ出てくる。
(ISBN 4861100062)

著者|author

川合隆男(かわい・たかお)
慶應義塾大学法学部卒業、同大学大学院社会学研究科修士・博士課程修了。社会学博士。
著書に『社会的成層の研究』(世界書院)、『戸田貞三』(東信堂)など。

担当編集者から

継続は力なりといいますが、長年にわたる川合先生の研究の一端をのぞくだけで、そんな実感を持ちました。
人それぞれに行く道はちがい、日々の生活はさまざまですが、何であれ一歩一歩積み重ねることで成果が生まれ、少しは世の中の役にたつのだろうと、みずからをかえりみて思い知らされました。
著者は慶應義塾大学を去るにあたり、「静かに闘う者、静かに闘う研究者になりたい」と、思いのたけを述べています。故郷・山形に帰ったのちも、地に足をつけたフィールドワークを続けられる由。社会学の泰斗・川合先生のたゆまぬ静かな闘志は、小生にも勇気を与えてくれたようです。[-堀田-]

 

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タンポポの花―幻の門より出でて野に咲かん

タンポポの花

幻の門より出でて野に咲かん

  • 川合隆男先生退職記念文集編集委員会/2004年3月
  • 3200円(本体)/四六判・364頁

恩師の退職を記念して学生たちが作成した文集。1970年の第1期生から2003年の第31期生まで、100人を超える社会人、研究者、現役学生が文章を寄せ、それぞれの思いを綴る。『タンポポの丘』の姉妹編。
(ISBN 4861100070)

担当編集者から

川合先生の呼びかけに、133人もの教え子が寄稿したそうです。先生への学恩の深さと強い絆が感じられます。
それを立派な本に仕上げた編集委員の方々のご苦労にも、一人の編集者として敬意を表します。[-堀田-]

 

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「精霊の仕業」と「人の仕業」―ボルネオ島カリス社会における災い解釈と対処法

「精霊の仕業」と「人の仕業」

ボルネオ島カリス社会における災い解釈と対処法

  • 奥野克巳/2004年2月
  • 6476円(本体)/A5判・328頁

インドネシアの「辺境」ではいまも、神託による裁判が開かれる― インドネシアの辺境カリス社会の暮らし、神話、儀礼、癒し、呪い、狂喜を包括的に伝える生々しい人類学調査の記録。著者が現地で撮影した、貴重な資料と写真をふんだんに収録! 現在もおこなわれる「バパック神判」とは?
(ISBN 4861100003)

目次|indexs

第一章 カリス社会について
【I】災因論研究の視点
【II】ボルネオ島諸社会の災因論研究
【III】カリス社会における病気・けが・死
【IV】フィールドワークと本書の構成
第二章 神話・歴史と精霊世界
【I】調査地の概況
【II】民族集団としてのカリス
【III】カリスの社会組織
【IV】カリスの経済生活
【V】インドネシア国家と辺境としてのカリス社会
第三章 病気から死へ
【I】「われわれの祖先の話」
【II】神話・歴史の聞き取りの経緯
【III】調査の夢見、カリスの解釈
【IV】テテオンバン儀礼の手続き
【V】拡張する災因論
第四章 カタベアアン
【I】災因論記述の新たな可能性
【II】幼児の病気と死
【III】呪詛・猫殺し・夢見
【IV】災因の非決定性と不可視界の恐怖
【V】災因論の別の読み方
第五章 病気治しとしてのバリアン儀礼
【I】食べることと飲むこと
【II】調査の経験から
【III】カタベアアンによる災いの説明
【IV】カタベアアンにならないために
【V】問題の在処とカリスのシャーマニズム
第六章 災厄としての狂気
【I】二つの狂気
【II】マウノと呼ばれる人びと
【III】聖霊によってラオラオにされた人びと
【IV】狂気をめぐる災因論の外部と内部
第七章 パルマコンとしての毒薬
【I】悪名高き毒薬使いとしてのカリス
【II】災いを引き起こす毒薬
【III】対抗薬による儀礼
【IV】毒薬所有者へのインタヴュー
【V】毒薬をめぐる災因論状況
第八章 邪術師を暴き出す
【I】邪術・辺境・近代
【II】狂気の原因としての邪術
【III】神から人に委ねられた神判
【IV】邪術告発をめぐる辺境の知
【V】毒薬をめぐる災因論状況

著者|author

奥野克巳(おくの・かつみ)
桜美林大学助教授。
主要著書
『文化人類学のレッスン―フィールドからの出発―』(花渕馨也と共編著)学陽書房、2005年
帝国医療と人類学』春風社、2006年

担当編集者から

この本には、不思議な精霊と毒薬使いの話がたくさん出てきます。
たとえばこんな具合。
【バジョン】
バジョン(bajong)は、妬ましい相手がいつも通り過ぎる道に埋められる。
かかると、大勢の人の前で知らぬ間に排尿・排便するようになるという。
【ジャン】
とくに人を殺すのに使われる毒薬で、一説によると、その瓶には白蟻が入っている。
相手の近くで呪文を唱えながら、中味を相手に向かって放つと、中味は、身体の内部に入り込んで、相手を蝕み、ついには殺してしまう。
【プルン】
小瓶の底に敷かれた水分を含んだ綿の上に針などが刺さっていて、これを呪文とともに相手に向かって飛ばすと、風に乗って、相手の体内に入る。
それが心臓に突き刺されば、相手は一瞬のうちに死ぬ。
【ブフタイ】
ブフタイの瓶には、人の血を吸って生きる「犬」が入っている。
所有者は毎晩、手指を傷つけ、その血を瓶のなかに少しずつ垂らして、「犬」を餌づけする。
それだけでは足りないので、所有者は、瓶のなかの「犬」を定期的に解放して、誰かを餌食にする。
そのようにして世話をし、育てていくと、「犬」は、いざというときに、所有者の命令に従う。
【ジャヤウ】
小さな瓶に入ったジャヤウをからだに振り掛ければ、自分を美しく見せることができ、続けざまに性交渉をおこなうことができる。
ほら、気になるでしょう。もっと知りたくなるでしょう。
続きは買って読んでください。[-内藤-]

 

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癒しと呪いの人類学

癒しと呪いの人類学

  • 板垣明美/2003年11月
  • 2800円(本体)/四六判・350頁

呪いから癒しへ― 人はなぜ「呪う」のか。マレーシア・ベトナムでのフィールドワークをもとに、コミュニケーションの問題点を改善するシステムとしての<呪いと癒し>の社会的機能を解き明かす。各頁に現地で撮影した写真を掲載、臨場感あふれる活動報告!!
(ISBN 4921146861)

目次|indexs

癒しの煌めき
感情の隠喩―恨み晴らします
戦いと癒し―伝統医療の文化社会的フィードバック機能
ハノイの南薬
ケダの「人災病」―メタ・コミュニケーションとしての呪術
伝承された医療と―「人災病」マレー人農民の療法の医療人類学
序章 研究の目的と方法
第一章 対象地域の概観
第二章 民族病因論
第三章 各種治療法とその限界
第四章 人災病の療法がおよぼす社会的影響
第五章 総括と討論

著者|author

板垣明美(いたがき・あけみ)
1993年、筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科単位取得退学。博士(文学)。
現在、横浜市立大学国際文化学部人間科学科助教授。専門は文化人類学、研究分野は医療人類学、文化生態学。薬剤師の免許をもつ。

担当編集者から

内容はシャーマンのブラックマジックとホワイトマジックに関する調査・分析で、トランス状態で病気治療をおこなう「ボモ」の紹介などじつに興味ぶかいのであるが、編集上の目玉はなんといっても見開きに1枚(全部で150枚以上!)入れた写真。こんな写真入りまくりの人類学本はいままでないはず。
学問を記号の戯れにしないための仕掛け、これだけでも楽しめるはず。
シャーマンに興味のない人もマレーシアとベトナムの写真集とおもって買ってください![-内藤-]

 

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アジアの瘤ネパールの瘤―ヨード欠乏症への医学的・社会学的挑戦

アジアの瘤ネパールの瘤

ヨード欠乏症への医学的・社会学的挑戦

  • 山本智英・熱田親熹/2003年4月
  • 2857円(本体)/A5判・312頁

昆布と瘤に秘められた因果と課題に鋭く切り込む! 開発途上国のヨード欠乏症撲滅をめざす医師と社会学者の実践ドキュメント。特にネパール政府や患者へのインタビュー、患部であるコブの写真は日本初公開。日本の昆布が貢献する。
(ISBN 4921146748)

推薦の言葉

甲状腺ホルモンの原料となるヨードは、人の体にとって絶対に必要なものだ……ヨード補給は、非常に安い費用で大きな貢献ができる支援だ。ぜひこの問題に関心をもち、協力してほしい。
―入江實(ヨード欠乏症国際対策機構日本代表・東邦大学名誉教授)

目次|indexs

序章 コブとり爺さんの誕生
Ⅰ部 ネパールのコブ―コブとりへの社会学的挑戦―
第1章 挑戦のはじまり
はじめに/ヨード欠乏症とは/ICCIDDとの出会い/ヨード欠乏症根絶への意欲/「提言」と「昆布」をかかえて/保健省栄養課長との面談/ヨード塩と昆布の将来を占う/マーケティング論争と草の根貿易
第2章 村人の話を聞く
ヨードって何もの?/面接調査の実態/コブ! 重くない?/ネパール人は「酢昆布」がお好き/プロジェクトに協賛者現れる/プロジェクトのフレームづくり
第3章 ネパールにとって何が問題か
ネパールの地理的特徴/ネパールのヨード欠乏症(IDD)事情
第4章 調査・研究テーマの設定とアプローチ方法
研究目的と研究方法
第5章 塩の道をたずねて
食塩の単価/食塩の保管状況/食塩のヨード濃度/今日の「塩の道」/昔の「塩の道」/日本にもあった「塩の道」/ヨードって何のこと?
第6章 マーケティングの道
精塩の販売促進の有無とIDD知識との関係/キャンペーンに対する小売店の評価と食塩公社の存在/IDD対策の阻害要因のまとめ(小売店レベル)/小売店から見た消費者動向/住民面接調査から見た消費動向/IDD対策の阻害要因のまとめ(消費者レベル)
第7章 ネパールの国家計画
S・パンディさんとの最初の面談/R・P・ジョーシ氏との面談/大西英之氏との面談/IDD対策の阻害要因のまとめ(政府・行政レベル)
第8章 国家計画とIDD対策はどのようにしてできたか
第九次国家計画(一九九七~二〇〇二)栄養編の構築/ネパール・IDD根絶の行動計画の構築/文献から学ぶ
第9章 第一次研究活動を終えて
アウトプットの形/ネパール政府への提言(研究の結論)
Ⅱ部 アジアのコブ―医学的挑戦と日本の援助―
第10章 国際的なヨード欠乏排除に対する取り組み
第11章 人類のヨード欠乏との取り組み
第12章 ヨードと甲状腺ホルモン
自然界におけるヨード/甲状腺ホルモン
第13章 ヨード欠乏症の医学
ヨード欠乏症の病態/地域のIDDの重症度/ヨード欠乏による障害者数の推定/母子のヨード欠乏による甲状腺機能障害の発症と予防
第14章 家畜のヨード欠乏
第15章 集団的なヨード欠乏の予防
原料としてのヨード/ヨード添加塩/ヨード化油/その他のヨード補充/IDD欠乏予防計画の策定と実施
第16章 ヨード補充の経済性
Ⅲ部 アジアのコブとり対策の現況
第17章 ヨード欠乏対策が比較的に進んでいる国、中国とインド
中国/インド
第18章 インドネシアとマレーシア
インドネシア/マレーシア
第19章 ヒマラヤとインド周辺の諸国
パキスタン/ブータン/バングラデシュ
第20章 インドシナ半島の国々
ベトナム社会主義共和国/ラオス人民民主共和国/カンボジア王国/タイ王国/ミャンマー
第21章 モンゴル
第22章 ヨード欠乏に対する日本の対外公的医療援助の現状

著者|author

山本智英(やまもと・としひで)
大阪大学医学部卒業。ヨード欠乏症国際対策機構会員。
熱田親熹(あつた・ちかよし)
三洋電機退職後、関西国際大学短期大学部教授。関西国際大学客員教授。
熱田先生サイト→熱田画廊

担当編集者から

山本先生はお医者さん、熱田先生は大学に勤務。二人とも早口で、こちらもつい早口に。表紙は昆布を使用。武田尋善クンが迫力あるデザインに仕上げてくれました。選んだ紙も手ざわりが昆布のよう。ぜひ触ってみてください。[-山岸-]

 

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牡牛と信号―<物語>としてのネパール

牡牛と信号

<物語>としてのネパール

  • 山本真弓/2002年11月
  • 2200円(本体)/四六判・290頁

小説のようなネパール現代史― 米国「開発専門家」が、ネパールの牝牛と米国の牡牛を掛け合わせ、乳の生産量を上げようとしたけれど、牡牛はネパールの牝牛と交わろうとしない。セックスしたがらない! 何ゆえに!? このブラックジョークの意味するところは?
日本図書館協会選定図書
(ISBN 4921146608)

推薦の言葉

ネパールのこんぐらかった現実を、山本さんは分析するより先にまるごと生きる。
ひとりの社会学者として、また母親として、女として、ときには野次馬として。
―谷川俊太郎(詩人)

目次|indexs

大嵐の日、カトマンズで 佐々木幹郎
<美しい>カトマンズ
ある陰謀
ニュータウンのなかのカーペット工場
「ガイジン・ナンバー」の後部座席
アニータ
リトル・アメリカ
牡牛と信号
辞めた理由
女の年齢
ウッタムの死
イスラム教徒がやってきた
国境の街へ(一)
国境の街へ(二)
国境の街へ(三)
改宗
再生

著者|author

山本真弓(やまもと・まゆみ)
1958年大阪生まれ。87~89年までインド留学およびネパールでの現地調査。95~97年まで、カトマンズの日本大使館勤務。現在、山口大学人文学部助教授。
著書に『ネパール人の暮らしと政治』(中公新書)、『ジャワハルラル・ネルー大学の学生たち 南アジアからの視点』(拓植書房)など。訳書に『ブータンの政治』(レオ・ローズ著、明石書店)。

担当編集者から

谷川俊太郎さんが春風社を気に入ってくれ、多聞君の装丁のもと、こんな素敵な本が出来ました。小説よりも面白い奇奇怪怪なネパール現代史。[-三浦-]

 

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大地にしがみつけ―ハワイ先住民女性の訴え

大地にしがみつけ

ハワイ先住民女性の訴え

  • H.K.トラスク著・松原好次訳/2002年7月
  • 2800円(本体)/四六判・370頁

観光客よ、ハワイにはもう来るな! 土地や言葉を奪われたハワイ先住民が、アメリカ帝国主義を批判し、文化の売春を強いる観光産業を糾弾。先住民復権運動の最前線にいる著者が、先進国の傲慢さを鋭く斬る!
(ISBN 4921146500)

推薦の言葉

観光客よ、ハワイにはもう来るな!
ハワイ先住民の怒りは、深く激しい。先住民の破滅に手を貸し、「文化の売春」を強要しているのは、観光客だからだ。ハワイを侵略して幻想の楽園に仕立て上げたアメリカと、それに悪ノリしている日本人の罪は重い。
―本多勝一(ジャーナリスト)

目次|indexs

第1部 楽園ではないハワイ
第1章 先住民の娘から
第2章 白人よ、「われわれ」とは誰のこと?
第3章 愛らしいフラ・ガールの手―観光産業と先住ハワイ文化の身売り
第2部 「白人大学」のハワイ先住民
第1章 ハワイ大学における人種差別―個人的かつ政治的な見解
第2章 人種差別主義と学問の自由
第3章 先住民学生の連帯―ハワイ大学の場合
第3部 先住民から見たハワイの歴史
ハワイ王朝転覆の真相
第4部 主権を求めて
第1章 先住ハワイ民族と人権
第2章 太平洋諸島の政治―帝国主義と先住民族の自決
第3章 新しい世界秩序
第5部 大地にしがみつけ
第1章 ハワイ先住民のナショナリズム
第2章 女性の力と主権回復運動
第3章 新植民地主義と先住民族

著者|author

ハウナニ=ケイ・トラスク
ハワイ大学教授。アメリカ合衆国本土のウィスコンシン大学で政治学の博士号を取得後、ハワイ大学のアメリカ研究学科を経て、現職に就く。ハワイ王国転覆の経緯を描いたドキュメンタリー・フィルムの制作にあたっては、プロデューサー兼脚本家として参画。ハワイ先住民運動指導者の一人として、国内国家を目指した主権回復運動に取り組んでいる。

訳者|translator

松原好次(まつばら・こうじ)
湘南国際女子大学短期大学教授。専門は言語社会学、特に先住民族言語の復権運動。
著書に『Indigenous Languages Revitalized?』(春風社)、『グローバル・コミュニケーション論』(ナカニシヤ出版、共著)。

担当編集者から

トラスク教授に原書の構成変更を願い出たが、最初は断られる。再度、日本語版編集意図をメールして、快諾。トラスク教授も絶賛の装丁は、矢萩多聞さん。[-山岸-]

 

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倭寇 商業・軍事史的研究

倭寇

商業・軍事史的研究

  • 太田弘毅/2002年7月
  • 13000円(本体)/A5判函入・602頁

14~16世紀にかけて活躍した海賊集団・倭寇。その密貿易商としての実態、八幡大菩薩信仰とのかかわりを漢文史料の忠実な読解から明らかにする大著。
(ISBN 4921146519)

目次|indexs

第一部 倭寇による詐術の行動形態
一 朝鮮半島における詐術の形態―倭寇が装った現地人の姿―
二 倭寇の中国大陸への接近・侵入―ニセ中国人としての行動形態―
三 倭寇が装ったニセ中国人―中国船舶入手問題を中心に―
第二部 倭寇と中国人との結託関係
一 倭寇の求めた麦と米―前・後期それぞれの差異―
二 北シナ・南シナと倭寇―それぞれの勾引・接済関係の比較検討―
第三部 倭寇による密貿易と日本刀
一 倭寇船舶による商業活動の一形態―「清雅」の品と、「刀鎗之類」の売りさばき―
二 日本刀の行方―倭寇史の一齣―
三 倭寇が密輸出した刀と扇
第四部 倭寇による密貿易と火器用軍需物資
一 南北朝内乱と征西府の密輸―明国諜叛事件に関連して―
二 倭寇による焔硝の密輸入―中国から日本へ―
三 倭寇をめぐる焔硝と硫黄と火薬
四 倭寇王王直をめぐる火器と軍需物資・再論
五 王直と暹羅貿易―軍需物資を中心に―
六 王直による外国産鉄の日本運び込み―「暹羅鉄」を中心に―
第五部 倭寇と八幡大菩薩信仰
一 八幡大菩薩信仰と「バハセン」―後期倭寇船舶=「八幡船」説の提唱―
二 応永の外寇と神国思想―神功皇后・八幡大菩薩の再現―
三 応永の外寇と「第三の神風」―神国思想の発展―

著者|author

太田弘毅(おおた・こうき)
1939年宮城県仙台市生まれ。早稲田大学第一文学部東洋史専修卒業。同大学院文学研究科東洋史(修士課程)修了。現在、東北女子大学教授。
著書に『蒙古襲来―その軍事史的研究―』(錦正社史学叢書)。

担当編集者から

著者も本も超堅物(笑)でも歴史マニアは必読! 面白いですよ。高いけど。[-内藤-]

 

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