日系アメリカ人強制収容とジャーナリズム―リベラル派雑誌と日本語新聞の第二次世界大戦

日系アメリカ人強制収容とジャーナリズム

リベラル派雑誌と日本語新聞の第二次世界大戦

  • 水野剛也/2005年9月
  • 4600円(本体)/A5判変形・420頁

アメリカ史上最大の「失政」とされる事件、しかし当時のマスコミは充分に真実を伝え切れていなかった―史料の綿密な検討から明るみに出される、権力と報道との関係。ジャーナリズムの根幹を問う、実証研究の精華!
(ISBN 4861100380)

目次|indexs

第一部 ● 研究の基本的手続き
第一章 ◎ 本書の目的、意義、および方法
第一節 ● 問題の背景と本書の目的
第二節 ● 本書の意義と研究対象
第三節 ● 研究方法、用語の問題、および注の略語
第二章 ◎ 先行研究レヴュー 日系人強制立ち退き・収容とアメリカのジャーナリズム
第一節 ● アメリカの主流派ジャーナリズムと日系人強制立ち退き・収容
第二節 ● リベラル派雑誌・日本語新聞と日系人強制立ち退き・収容
第二部 ● リベラル派雑誌
はじめに 番犬理論
第三章 ◎『ニュー・リパブリック』 日系人擁護と「国益」とのはざまで
第一節 ● 一九四一年
第二節 ● 日米開戦直後
第三節 ● 日系人強制立ち退き・収容
第四章 ◎『ネーション』 相対主義リベラルの葛藤
第一節 ● 一九四一年
第二節 ● 日米開戦直後
第三節 ● 戦時下における個人の自由と「国益」をめぐる論争
第四節 ● 日系人強制立ち退き・収容
第三部 ● 日本語新聞
はじめに 移民エスニック・ジャーナリズム理論
第五章 ◎『ユタ日報』「二つの祖国」の間で揺れた日本語新聞
第一節 ● 一九四一年
第二節 ● 日米開戦直後から一時発行停止
第三節 ● 発行再開から日系人強制立ち退き・収容
第六章 ◎『日米』 親日ナショナリストの豹変と挫折
第一節 ● 一九四一年
第二節 ● 日米開戦直後から一時発行停止
第三節 ● 発行再開から日系人強制立ち退き・収容
第四節 ● 発行継続をめぐる政府との交渉とその失敗
第四部 ● 結論
終章 戦時の制約と「国益」とジャーナリズム
あとがき 謝辞にかえて
索引

著者|author

水野剛也(みずの・たけや)
1970年、東京生まれ。東洋大学教授。2000年、アメリカ・ミズーリ州立大学、スクール・オブ・ジャーナリズム博士課程修了。

担当編集者から

誠実な史料の読みから着実に論を積み上げてゆく歴史研究の鑑のような原稿。
第二次大戦中に日本人が強制収容所に入れられていた事実すら知らなかったが、それをめぐるメディアの論調が、徐々に否応なしに政府の政策の容認・追従へと傾いていく怖さ。
「アメリカ」っぽさを出そうと造本にこだわった。独特の白い本文用紙、変型判、口絵+トビラ。うーん、かっこいいぜ、と自画自賛! 手にとって眺めてみてください。デザイナーは矢萩多聞。[-内藤-]

 

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外来語の社会学―隠語化するコミュニケーション

外来語の社会学

隠語化するコミュニケーション

  • 山田雄一郎/2005年9月
  • 2800円(本体)/四六判上製・332頁

現代の日本語は、〈隠語化〉と〈大衆化〉という逆向きの力がせめぎ合っている。次々に現れ、日本に氾濫する意味のはっきりしないカタカナ語に、私たちはどう対処すればよいのか。森鴎外から綿矢りさ・金原ひとみまで、小説の会話文から外来語の姿を追う。国立国語研究所「外来語言い換え案」一覧も併録。
日本図書館協会選定図書
(ISBN 486110050X)

目次|indexs

まえがき
第一章 グローバリゼーションと外来語
一 寡占化する外来語市場
地球村という幻想/グローバリゼーションと言語の階層化/英語への傾斜
二 先進国の苛立ち
英語の変身/ドイツ語を侵す英語/フランス語の反撃
三 発展途上国の悩み
インドネシアの看板騒動/ベトナムの文化と英語
四 日本語の寛容
問題の所在/終わりのない祭礼/翻訳借用と直接借用/国語審議会の問題意識
第二章 外来語と小説―大衆化の過程
一 明治―啓蒙の時代
未知への憧憬/小説の役割/原音主義の苦心
二 大正から昭和へ―大衆の登場
解放のはじまり/外来語橋の建設/原音主義の失速/九鬼周造の訴え
三 戦後―大衆化時代の幕あけ
外来語橋の完成/外来語高度成長時代
四 現代―記号化する外来語
失われる余韻/委縮する非日常/拒絶される大衆
五 概括―外来語輸入業者の交替劇
第三章 外来語とコミュニケーション
一 言語記号の恣意性と意味の透明性
透明性の仕組み/一次語と二次語
二 記号化の意味
置き換えられる日本語/花の名前/言葉のマクドナルド化―失われる人間的判断/固有名詞と普通名詞
三 コミュニケーション・ブレイクダウン
マスコミュニケーションの仕組み/マスコミュニケーションの規律違反
四 毀損されるメッセージ―外国映画のカタカナ題名
カタカナ題名の経緯/情報をもたないメッセージ/あるアンケート/映画とテレビ/カタカナ題名は合い言葉?/集団的存在
第四章 隠語化するコミュニケーション
一 外来語の排他性と集団性
マニフェスト騒動/素人と玄人―失われる境界線/漱石の意見
二 混乱の果てに
国立国語研究所の試み/言い換え案の苦心と不用意/追い払うべき相手
三 意味の復権に向けて
自己顕示欲の正体/彼らの不安
第五章 外来語の未来
一 その後の動き
外来語委員会の苦心は続く/言い換え語の現在/外来語と日本語の併記―その後/翻訳の必要性
二 小説の中の外来語再び
小説資料とその計算法/外来語と時代区分/出現率の意味/第一三〇回芥川賞
参考文献
あとがき
付録1 国立国語研究所・外来語委員会の外来語言い換え案一覧(第一回および第二回発表分)
付録2 国立国語研究所・外来語委員会の外来語言い換え案一覧(第三回中間発表分)
付録3 小説文献一覧とカタカナ外来語使用頻度

著者|author

山田雄一郎(やまだ・ゆういちろう)
1945年広島県生まれ。1973年広島大学大学院修士課程(英語教育)修了。シドニー大学、レディング大学で外国語教育学を学ぶ。専攻は言語政策、英語教育。現在、広島修道大学教授。
主著に『言語政策としての英語教育』(渓水社)、『英語教育はなぜ間違うのか』(筑摩書房)、『日本の英語教育』(岩波書店)ほか。

 

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ナショナリズムと宗教―現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動

ナショナリズムと宗教

現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動

  • 中島岳志/2005年8月
  • 3619円(本体)/四六判上製・384頁

ナショナリストとは誰か? インド国内メディアでさえ取材の難しい過激な宗教ナショナリズム運動の内部深く入り、その活動実態と理念を明らかにする。『中村屋のボース』で話題の著者による新しい民族誌!
第一回南アジア学会賞受賞
日本図書館協会選定図書
(ISBN 4861100488)

目次|indexs

はじめに
第一章 公共圏・ナショナリズム・宗教
はじめに
第一節 公共圏と宗教
世俗化パラダイムの脱構築/公共圏における善と正義/公共圏とサバルタン
第二節 ナショナリズムと宗教
近代主義的ナショナリズム論/「宗教ナショナリズム」論/ナショナリズム運動と主体
第二章 ヒンドゥー・ナショナリズムの歴史
はじめに
第一節 ヒンドゥーの近代
「ヒンドゥー」の近代的客体化と植民地支配/インド独立運動のなかのヒンドゥー・ナショナリズム/ポスト植民地社会としての現代インド
第二節 ヒンドゥー・ナショナリズムの台頭
インディラ・ガンディー政権と国民統合(一九八〇―一九八四)/ラジーヴ・ガンディー政権のポピュリズムと政治腐敗(一九八四―一九八九)/ジャナタ・ダル政権とアイデンティティ・ポリティクス(一九八九―一九九一)/ラオ政権から統一戦線政権へ(一九九一―一九九八)/BJP政権の成立(一九九八―二〇〇四)
第三章 ヒンドゥー・ナショナリズム運動の組織と理念
はじめに
第一節 ヒンドゥー・ナショナリズム運動の組織
RSSの組織形態/サング・パリワール
第二節 ヒンドゥー・ナショナリストの理念
ヒンドゥーとは誰か?/有機体的国家としての「ヒンドゥー・ラーシュトラ」/「真のセキュラリズム」論/サンスクリット語による国民統合/カーストとトライブ
第四章 身体のポリティクス
はじめに
第一節 シャーカー
シャーカーの活動内容/国民規範としてのダルマ
第二節 国民的身体の形成
身体の客体化と自己統御/時間・空間・制服/整列・行進・スポーツ・ヨーガ
第三節 現場リーダーによる表象
神話の流用/母なる大地と国民国家の領土
第四節 参加者の主体
ニューデリーにおける四つの事例/上層・中間層のシャーカー/下層民のシャーカー
第五章 サバルタン的公共性とヒンドゥー・ナショナリズム
はじめに
第一節 社会奉仕活動と国民統合
セワー・バーラティの活動概要/セワー・バーラティの理念
第二節 スラム街におけるヒンドゥー・ナショナリストの活動
ニューデリーK町のスラム街/セワー・バーラティの教育活動/ダルマに生きる
第三節 民衆のエージェンシーとヒンドゥー・ナショナリズム
ヒンドゥー・ナショナリズムを飼い馴らす/共鳴するダルマ/ヒンドゥー復興とヒンドゥー・ナショナリズムの狭間
第六章 ヒンドゥー・ナショナリズムと暴力
はじめに
第一節 バジュラング・ダル
構成員/シャクティとバクティ
第二節 政治集会・デモ・ヤートラー
事例の概要/主催者の意図、参加者の主体
第三節 主体・逸脱・暴力
パフォーマンスのアリーナ/暴力とレジティマシー
おわりに
参考文献

著者|author

中島岳志(なかじま・たけし)
1975年、大阪生まれ。大阪外国語大学(ヒンディー語専攻)卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。学術博士(地域研究)。博士論文で第三回アジア太平洋研究賞受賞。京都大学人文科学研究所研修員、日本学術振興会特別研究員。著書に『中村屋のボース インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社)、『ヒンドゥー・ナショナリズム 印パ緊張の背景』(中公新書ラクレ)。

担当編集者から

骨太なナショナリズム研究書。基になった論文は第三回アジア太平洋研究賞を受賞している。だが、単なる学術書に止まらないのは、中島氏がインドの人びとと真正面から対峙してきたからだろう。校正校閲を通じ、そのことが伝わってくる。
ブックデザインは矢萩多聞氏。各章トビラ裏に写真をふんだんに使い、読みやすい組を考えてくれた。装丁にはヒンドゥー・ナショナリズムに参加する民衆の渇望感、不安を象徴する一枚を。
『中村屋のボース』と並び、間違いなく著者の主著になるであろう一冊。[-長田-]

 

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教育の経済―成り立ちと課題

教育の経済

成り立ちと課題

  • 三上和夫/2005年8月
  • 3200円(本体)/A5判上製・302頁

教育政策の経済的な課題を総括する書。公的補助の不備、家庭の経済格差から生じる学歴格差などの問題を示し、教育政策について再考を促す。女性誌を資料として、家計に占める教育費増加の歴史も概観。
(ISBN 4861100496)

目次|indexs

序章 生活と教育のもつれあい―教育秩序の変動
生活場面としての学校の主題化
家族をとりまく社会空間
郊外の「物語」
時間意識と自己決定
時間意識と時間決定の自主性
教育資本と教育危機
支配的秩序の有効限界の外へ
第一章 地方分権一括法の社会的前提
はじめに―一九九〇年代社会への着目
第一節 生活圏域・家族と市場・組織
少子社会
通学通勤圏
費用負担の型
塾と学校―複合する教育制度
少子化と教員養成
第二節 社会変化と教育システムへの要請
社会動向と校則
就学観のゆらぎ
「会社本位」からの離脱
「消費創出」という開拓線
第三節 教育行政機構の改変動向
模索と構想の集約
公費投入の多元化と分権化
負担格差とあらたなまなざし
まとめ 「分権」への動きと教育委員会
社会状況の変化と制度改変
行政改革・分権化と教育委員会活性化
コラム1 中央教育審議会
第二章 家計支出教育費の定着
はじめに
高度経済成長の教育的果実
教育費の形
女性雑誌と「主婦」の位置
第一節 「投資」としての教育―「教育の経済」成立前史
教育投資政策の登場
私学への批判と公費投入―一九七五年前後の教育社会
教育投資意識の定着と相対化
家計をめぐる社会と制度原理
第二節 循環(=「計画する家計」)形成と「教育の経済」の「成り立ち」
一九八〇年代~九〇年代前半の時代特性
『主婦の友』の「教育費取材」―話題提供による資金計画への誘導
あたらしい着眼―全国的な取材構成による「教育費計画百科」
「教育の経済」の「成り立ち」
第三節 家計支出教育費の万華鏡的様相
『DIME』―数値表示の雑誌
『微笑』で見る一八年間
『SOPHIA』―ファイナンシャル・プランナーの登場
『主婦と生活』という亜種
『クロワッサン』―教育費負担反発と教育信念確認
『ミセス』―ライフステージごとのやりくりと保障内容別資金設計
『婦人倶楽部』―小回りのきくアドバイス
『NEXT』―父親の「経済学」
まとめ―家計支出教育費と「教育と教育行政」
「教育の経済」成り立ち―その理論構成
公共性の外部としての「家計支出教育費」
教育行政を補助とする教育の原理
「教育の経済」と公費支出原則
あらたな入会地
第三章 評価と社会・国家
はじめに
第一節 国家責任の歴史的分析
財政政策と「国家責任」
組織と市場へのまなざし
国家責任論の展望
第二節 公教育論の構成
公教育論の三段階と今日
教育関係学会における「公共性」論
公共性再編の課題
第三節 教育評価と社会・国家
教育評価の位置―媒介としての「社会」と「通念」
評価・目標サイクルと「教育と教育行政関係」の再政治化
「教育評価」の責任範囲と公共性
第四節 教育振興基本計画と教育改革特区
評価国家の二つの政策手法
教育振興基本計画
評価国家の機構関係と政策課題
「特区」政策―空間の焦点化と政策目標
コラム2 教育政策
コラム3 生活指導・生徒指導
第四章 歴史的権利としての学校建営
はじめに
第一節 学校選択を考える視点
「学校―社会」の歴史段階
教育制度の戦後
第二節 就学の意味変化
「信任」の後退 契約の「通念化」
包括的・関係的概念としての在学契約
教育的価値としての教育区
第三節 学習社会における人と法人
インクルーシブな教育―「学習社会からの教育改革」の中間総括
市民による教育事業
官・民・公共
学習社会の存在基盤―市民のまとまりと公益
第四節 学校建営の歴史的意義
「就学」の二重化
「学校をつくること」への着目
教育政策と政策―評価の視点
現代への示唆―一九四一年の「断絶」
コラム4 義務教育費国庫負担廃止問題
第五章 教育基本法と地域空間―教育制度の拡大・定着・成熟に着目して
はじめに
第一節 学区制と市町村
市町村のまとまりと学校のまとまり
一九七五年以降の教育と社会の経路
高校という教育経験―市町村を越える学校制度
政治と学事
第二節 教育の長期変動と法関係
教育変動と「世代」
「教育の公共性」の法関係
第三節 改変の現段階―「教育と教育行政」関係
「教育と教育行政」の社会関係
教育行政の空間的責任
教育空間論の課題
第四節 地域と公共性―再編の方向
都道府県による通学区域設定―後期中等教育整備の責任主体
規制基調からの転換
地域教育制度―システム構築の課題
まとめ
コラム5 学校選択制と学区制
コラム6 教育改革―学校選択と学区制度
コラム7 自治体の教育計画の策定
あとがき
人名索引
事項索引

著者|author

三上和夫(みかみ・かずお)
神戸大学発達科学部教授。主な著書に『学校と学区の地域教育史』(共編著、川島書店、2005年)、『学区制度と学校選択』(大月書店、2002年)など。

担当編集者から

本格的な教育経済論としてかっちりとしたつくり。先日、横浜で開催された教育学会でも好評を博す。各女性雑誌の「こんなにかかる教育費!」特集を追いかけて得られた具体的なオカネの実態は興味深く、塾に通い私立へ進学した私も身につまされた。改めて両親に感謝。天秤をモチーフにした装丁は萩原。[-井戸川-]

 

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情熱の素

情熱の素

  • 丹羽文生/2005年8月
  • 1500円(本体)/四六判並製・242頁

ペマ・ギャルポ(チベット文化研究所)、二葉百合子(歌手)をはじめ、教育、起業、国際ボランティア、剣詩舞道、食、それぞれに情熱を傾ける7人に訊く。<夜の時代>をたくましく生きるためのヒントがちりばめられたインタビュー集!
日本図書館協会選定図書
(ISBN 486110047X)

目次|indexs

はじめに
教育への情熱/池田晃
舞への情熱/田村天聖月
食への情熱/寒川良作
他者への情熱/IVUSA
歌への情熱/二葉百合子
ビジネスへの情熱/田中克明
歴史への情熱/ペマ・ギャルポ
おわりに

著者|author

丹羽文生(にわ・ふみお)
一九七九年、石川県生まれ。政治アナリスト。

担当編集者から

インタビューはおもしろい。めちゃくちゃ緊張するし、聞くことを聞けばそれでよしというわけでもないから大変だが、そういうことを含めておもしろい。聞いたときすぐに分からなくても、編集の過程で、根のようなもの、話し手の無意識の履歴といったものが次第に見えてくる(気がする)。話し言葉の不思議に感動![-三浦-]

 

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『イーリアス』日記

『イーリアス』日記

  • 森山康介/2005年8月
  • 2800円(本体)/四六判簡易フランス装・448頁

原書24巻1万5千行を1年かけ読破、日々の暮らしで感じた折々の感想を綴る。原詩の音とリズムによって触発され浮ぶ言葉が、過去と夢、生の意味を呼び覚まし、ホメロスの描く世界が日常と交差し響きあうエッセイ。
(ISBN 4861100461)

著者|author

森山康介(もりやま・こうすけ)
1950年札幌市生まれ。現在、神奈川県横浜市在住。句集『寒卵』『九つの傷』ほか。

担当編集者から

森山さんは無類の本好き。読むのはもちろん、本の存在そのものが大好き。校正、写真の選択など、本をつくる過程一つ一つがとても楽しそう。嬉しいなあ。本をつくる歓びを改めて実感。本の中身はこちらをご参照のほど。装丁は長田。[-山岸-]

 

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ユウ君とレイちゃん―葉画・物語のはじまり

ユウ君とレイちゃん

葉画・物語のはじまり

  • 鈴木みどり/2005年7月
  • 1575円(税込)/B5判変型・36頁

落ち葉を絵の具の代わりに使う葉画。自然の営みの中で枯れ落ちた葉が物語の中で生き生きと蘇る。幼い二人が迷い込んだ不思議な世界に再生への願いを込める初めての葉画絵本。
(ISBN 4861100437)

推薦の言葉

落葉の絵に出会って4年、みどりさんがついに夢を叶えた。葉画だから表現できる世界、葉画にしか表現できない世界を彼女はものにした。
―葉彩画・赤崎一雄

作者|author

鈴木みどり(すずき・みどり)
雅号:桧葉(あすなろ)。秋田県出身。大東文化大学中国文学科卒業。千葉県木更津総合(旧木更津中央)高等学校に勤務。「ふしぎな花倶楽部」インストラクター。JLFA葉画講師。

担当デザイナーから

鈴木みどりさんの葉画絵本・第1作目!
真夜中に浮かぶ月みたいにきれいで不気味。得体が知れないのにそちら側に行ってしまいたいような感じのする絵本に仕上がった。
写真家の橋本照嵩氏、シナノ印刷の方々、ありがとうございました。[-萩原-]

 

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アメリカ-コミュニケーション研究の源流

アメリカ-コミュニケーション研究の源流

  • E・デニス、E・ウォーテラ編著 伊達康博・藤山新他訳/2005年7月
  • 4286円(本体)/A5判・284頁

マスコミ研究の源流をヨーロッパに求め、それがアメリカに定着、発展した過程を具体的な研究を通して考証。各流派とそこにかかわった人々を丹念にたどりながら、コミュニケーション研究の歴史を概観する。
日本図書館協会選定図書
(4861100240)

目次|indexs

まえがき
第1部 学派とその思想
第1章 ヨーロッパにおける研究のルーツ
第2章 シカゴ学派とマス・コミュニケーション研究
第3章 1950年代のイェール大学におけるコミュニケーションと態度変容研究プログラム
第4章 コロンビア大学における普及研究
第5章 子どもたちとテレビ
第6章 社会制度としてのプレス
第2部 当時の研究を知る人々の証言
第7章 レイティング(聴取率・視聴率)調査の確立と発展―ラジオからケーブルテレビまで
第8章 スタントン、ラザースフェルド、そしてマートン―コミュニケーション研究のパイオニアたち
第9章 フランク・スタントンとの対話
第10章 優れた先達
第11章 力の道具としてのコミュニケーション研究
第12章 公共政策への取り組み
第3部 再評価
第13章 北米コミュニケーション研究における学史的研究の構築
第14章 再考されていく歴史
コミュニケーション研究に貢献した65人についてのバイオグラフィー的スケッチ
協力者・編者の略歴
参考文献
訳者あとがき
索引

訳者|translator

伊達康博(だて・やすひろ)
東洋大学大学院社会学研究科博士後期課程。
藤山新(ふじやま・しん)
日本写真芸術専門学校講師。

 

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マリー・ダグー―19世紀フランス伯爵夫人の孤独と熱情

マリー・ダグー

19世紀フランス伯爵夫人の孤独と熱情

  • 坂本千代/2005年6月
  • 2200円(本体)/四六判上製・208頁

夫と子がありながら音楽家リストと恋に落ち、やがて破局。ダニエル・ステルンとして『一八四八年革命史』を記し歴史に名を残す。激動のヨーロッパを駆け抜けたマリー・ダグーの波瀾に満ちた生涯を、スピード感溢れる筆致で描く!
日本図書館協会選定図書
(4861100429)

目次|indexs

まえがき
|序章| ふたつの文化のはざまで
第一部 ロマン主義者の恋
|第一章| リスト登場
|第二章| 巡礼時代の始まり
|第三章| イタリアの旅
第二部 ダニエル・ステルンと二月革命
|第一章| ダニエル・ステルン誕生
|第二章| 二月革命中のマリー
|第三章| 『一八四八年革命史』
|終章| 第二帝政下のパリで
あとがき
参考文献
索引

著者|author

坂本千代(さかもと・ちよ)
東京大学大学院博士課程仏語仏文学専門課程中退。文学博士(リヨン第2大学)。現在、神戸大学国際文化学部教授。
主著にInterprétations romantiques de Jeanne d’Arc(Presses Universitaires du Septentrion、1997年)、『ジョルジュ・サンド』(清水書院、1997年)、『愛と革命―ジョルジュ・サンド伝』(筑摩書房、1992年)、『ジョルジュ・サンドの世界』(共著、第三書房、2003年)など。

担当編集者から

私事で恐縮だが、この本の製作上まさに佳境の4月末、わたしは愚かにも鎖骨を折ってしまった。校正・校閲は終っていたとはいうものの、著者の坂本先生、スタッフの長田君には多大な迷惑をかけた。連休も返上し頑張ってくれているあいだ、わたしはといえば家で痛みに堪えながらしょぼくれていた。ともかく、立派な本に仕上がってうれしい。[-三浦-]

 

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はじめよう! 生きがいとしての英語

はじめよう!

生きがいとしての英語

  • 石田正/2005年5月
  • 1500円(本体)/四六判並製・264頁

何歳からでも英語は話せる! 23年間にわたり中高年に英語を教えてきたスペシャリストが、究極の学習法を提示する。楽しく英語を学んでいる中高年の体験記も満載!
(ISBN 4861100399)
●「朝日新聞」(10月9日)に紹介されました。

目次|indexes

はじめに
プロローグ 上意下達ではなくて
第一部 英語への挑戦
第一章 具体的な勉強の方法(受講者の質問)
英会話はどのように勉強すればよいのですか/無意識に英語を話せるようになりますか/最初にどんな文を覚えたらよいのですか/ホームステイで英語をすぐ話せる方法はありますか/英会話を練習するときの注意点は何ですか/どうしたら英語で応答できるようになりますか/英語で考えることはできますか/英語でどう言ったらよいかわからないのですが/発音も文法も完璧にしてから英語を話したいのですが/間違えるのがこわくて英語が話せないのですが/文法は勉強しなければいけませんか/前置詞の使い方がわからないのですが/単語はどうやって覚えたらよいのですか/英語はなぜ発音が大事なのですか/英語と日本語の発音の違いを教えてください/英語を聞く訓練はどのようにしたらよいですか/英語を聞きとるコツを教えてください/いろいろな分野の生の英語を聞きとりたいのですが/映画で英語を勉強する方法を教えてください/英語でメールを書きたいのですが/究極の英会話独習法を教えてください
第二章 アルファベットとローマ字(英語学習の準備)
アルファベットの書き順を教えてください/ローマ字を教えてください
第二部 英語の生涯学習
第一章 なぜいまさら英語を学ぶのか(熟年世代の体験記)
敵国語の英語を勉強するとは/活字を無理やりとられた時代に生きたので/アラファト議長にお会いして/年とともに賢くなる気がして/本当に英語を勉強したいときにできなかったので/60の手習いとはじめてから早10年/英語は初恋の味/気力を失った私を救ってくれた英語学習/いま勉強しなければもったいない/駐留軍の家族との会話が忘れられず/外国人に親切に道案内がしたい/会話が成り立つ表現力を身につけたい/手話から英語へ/娘に刺激されて/海外旅行で自由な時間を楽しみたい/ホストファミリーになりたくて/定年後の生活のリズムをつくるために/遠く思える英語を身近なものにしたい/辞書を片手に勉強する楽しみと苦しみ/国際結婚した娘の夫と話がしたい/娘の義理の母のイギリス人と会話がしたい/インターネットへの活用をめざして/英語は世界の共通言語/老化防止と健康を維持するために/
第二章 なぜいま大学で学ぶのか(主婦の体験記)
平安女学院大学現代文化学部/岐阜女子大学文学部/武蔵野女子大学文学部/上智大学大学院/
第三部 英語の生涯教育
第一章 高齢者にアルファベットを教えて
第二章 教える側からの英語
エピローグ 下意上達を
Ⅰ 少子高齢化時代の大学の役割
Ⅱ 成人学生に対する教育法
なぜ英語を学ぶのか(あとがきに代えて)
本書で紹介した関係機関

著者|author

石田正(いしだ・ただし)
中央大学商学部卒業後、インドネシア商社、日米高校生交換留学事業等を経て、東京都台東区教育委員会主催の生涯学習英会話講座等で、約2,000人の中高年者に、独自の方法で英語を教える。NPO全国語学教育学会監事。台東区国際交流委員会理事。英語専門研究所所長。

担当編集者から

「発音記号とは何ですか?」「子音とは何ですか?」「どんどん話せと言われても、英語を話す機会がなかなか見つかりません」など英語学習中の疑問や悩みに対して、的確に親身に答える石田先生。
「“have”の本来の意味は、主語と目的語が一緒になること」という説明を受けた受講生は、「私は頭痛と一緒になりたくありません」「もうすぐ正月ですので、休暇と早く一緒になりたいです。授業と一緒になれません」など、“have”の使い方を会話の中で習得していく。学校で英語を学ばなかった世代が楽しく英語を学び、実際に活用している姿は生き生きとして、実年齢よりずっと若い!だから、書名は『はじめよう!生きがいとしての英語』、略して『生きがい英語』。[-山岸-]

 

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